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緑川真人 篇
第43話
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○「おじゃまいたします」
▲「いらっしゃい」
この日は雪と遥がきてくれた。
「あ、お茶を...」
▲「いや、俺が淹れてくるよ。ついでに何か、作ってくる」
真人はキッチンへと消えていった。
☆「...あいつ、変わったな」
その後ろ姿を見ながら遥は呟く。
「変わったって、真人が?」
☆「...ああ。昔はもっと笑顔が固かった。それに、あんなに優しい声をしていなかった。周りのせいだが...」
(やっぱり、色々あったんだろうな...)
☆「あいつは、おまえと出会って変わったようだ。しかも、格段にいい方向に...」
「遥...」
☆「感謝している、黒羽」
遥は本当に嬉しそうに笑っていた。
「私、何もできてないよ...?」
☆「そんなことはない」
▲「何の話?」
調味料をとりにやってきた真人に不思議そうに尋ねられた。
☆「いや、その...」
○「以前は部屋が殺風景だったのに、随分明るくなったという話をしていただけです」
すかさず雪がフォローしてくれる。
▲「酷いな...。あ、焦げる」
調味料をもって真人は再びキッチンへと戻っていった。
☆「助かったぞ、雪」
○「いえ、事実を申し上げただけですから」
「え?前はお部屋が暗かったってこと?」
○「はい。簡素なものしかありませんでしたので...。本当に変わられたと思います」
(すごい長い付き合いなんだろうな...)
二人の話を聞きつつ、黒羽は一人寂しい思いを抱えていた。
▲「いらっしゃい」
この日は雪と遥がきてくれた。
「あ、お茶を...」
▲「いや、俺が淹れてくるよ。ついでに何か、作ってくる」
真人はキッチンへと消えていった。
☆「...あいつ、変わったな」
その後ろ姿を見ながら遥は呟く。
「変わったって、真人が?」
☆「...ああ。昔はもっと笑顔が固かった。それに、あんなに優しい声をしていなかった。周りのせいだが...」
(やっぱり、色々あったんだろうな...)
☆「あいつは、おまえと出会って変わったようだ。しかも、格段にいい方向に...」
「遥...」
☆「感謝している、黒羽」
遥は本当に嬉しそうに笑っていた。
「私、何もできてないよ...?」
☆「そんなことはない」
▲「何の話?」
調味料をとりにやってきた真人に不思議そうに尋ねられた。
☆「いや、その...」
○「以前は部屋が殺風景だったのに、随分明るくなったという話をしていただけです」
すかさず雪がフォローしてくれる。
▲「酷いな...。あ、焦げる」
調味料をもって真人は再びキッチンへと戻っていった。
☆「助かったぞ、雪」
○「いえ、事実を申し上げただけですから」
「え?前はお部屋が暗かったってこと?」
○「はい。簡素なものしかありませんでしたので...。本当に変わられたと思います」
(すごい長い付き合いなんだろうな...)
二人の話を聞きつつ、黒羽は一人寂しい思いを抱えていた。
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