王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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緑川真人 篇

第4話

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「...はぁ」
▲「黒羽ちゃん!?...!すごい熱だ...」
真人は黒羽を抱えて走る。
▲「家までもうすぐだからね...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
?「...で、なんでおまえまで俺を呼ぶ」
その男はとても不機嫌そうだった。
▲「なんでって...他に腕のいい人知らないから。それに、おまえまでって、どういう」
?「こりゃ、ストレスだな。あと、身体がびしょ濡れだったからそれも関係してる。薬準備してくるから少し待ってろ」
真人の話を無視して話を続ける。
▲「...あんなことがあれば当然か」
?「あんなこと...?あ、もしかして」
そこまで話したところで黒羽が目を開ける。
「...真人?」
▲「黒羽ちゃん!ごめんね気づかなくて...。相当苦しかったでしょ?」
「ううん、大丈夫...」
?「まだ起きるな、寝てろ」
(...?知らない声がする...)
「あなた、は?」
▼「俺は茶園渚。本職は漢方売りだが...一応医者もしてる、とだけ言っておく。おまえは雪を知っているか?」
「...はい」
▼「俺はあいつの友人だ。お前の治療は俺がやる。俺相手に敬語は使うな。それと、呼び捨てでかまわない」
(雪の、お友だち...)
雪とは正反対の印象をうけたが熱の苦しさと足の痛みでそれどころではなかった。
「...っ!」
▼「おまえ、他に痛むところが」
▲「足だ。遥が言ってた。彼女は足が痛むんだって...」
▼「なら、その薬も作るべきか」
ため息をつきながら、必死に薬を作る。
「ごめん、なさい」
▼「おまえの携帯に、俺の番号もいれておく。足が痛んだり薬が切れたら連絡してこい。...相談でもうけてやるよ」
「ありが、とう」
ふわり。
そう笑って、再び黒羽は眠りにおちていった...。
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