王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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彼目線のストーリー

看病(錬・第20話)

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(黒羽...)
無理をしていたのか黒羽は倒れた。
(すごい熱だ!)
とても苦しそうだ。
彼女から離れようとすると...
「嫌...」
♪「...!」
「一人は、嫌...!はぁ、はぁ...」
♪「大丈夫、きみを一人にしたりしないから」
僕は手を繋いであげた。
(きみがいるから...)
黒羽がいるから自分は一人じゃないと思えるようになった。
時折感じていた孤独も、今ではほとんど感じなくなった。
だから僕は...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雪に薬を作ってもらった。
☆「俺らは帰る。...王間については、もう少し調べてみるから安心しろ」
♪「ありがとう、二人とも」
◯「これで明日には熱が下がるはずです。...お大事に」
二人は気を遣って去っていった...。
「ん...」
♪「...!黒羽!」
「錬、錬...」
すがりついてくる黒羽。
(こんなになるまで無理して...)
「泣かな、いで...」
僕の頬に黒羽の手が添えられる。
♪「黒羽...」
(なんで、こんなに強いんだ)
優しくて強くて温かい。
僕の大切な恋人だからそう言えるのかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご飯やお風呂以外は離れないからと約束し、今は卵粥を作っている。
(黒羽、気に入ってくれるといいんだけど...)
「はむ、モグモグ...美味しい」
食べさせてあげるとそんな声が聞こえる。
(本当は今すぐ唇を奪いたいほど可愛いんだけど...)
ここまできたら末期だ、と思いつつも、どうしても黒羽が可愛くていじるのをやめられなかった...。
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