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シロツメクサの約束
第15話
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「お呼びだてしてすみませんね。間宮さん」
「いえ……」
間宮は怯えた様子で御坂を見つめる。
「心配しないでください。話を聞きたかっただけなんです。……あなたが小林さんと会ったのは何時頃ですか?」
「……10時頃です」
御坂は満足気に頷き、鋭い視線を向けながら静かに語りかけた。
「間宮さん、あなたが小林さんを見たときどんな様子でしたか?」
「どういう意味ですか?」
「元気そうだったが、ということです」
「分かりません」
体を震わせている間宮に優しい言葉をかけることなく追及していく。
「あなたの証言が必要なんです。でなければ罪状を確定できませんから」
「わ、私は何も、」
「お願いします。正直に話していただけませんか?」
彼女が口を噤めばもうどうしようもない。
だが、そんなことはできないはずだ。
「…………した」
「すみません、もう一度お願いできますか?」
「あの男を、放置しました」
間宮は両手を強く握り、少しずつ話しはじめた。
「あの男は、私を呼び出しました。行きたくなかったけど、行かないと何をされるか……。
もうつきまとわないでほしいと伝えたとき、体を触られました。だけど、あの男が苦しそうな声をあげて……それを、無視しました」
「そうでしたか。ありがとうございます。あなたのおかげで罪状が確定しました」
間宮は自分が罰せられると思ったのだろう。
……そんなことにならないとも知らず。
そこにひとりの男が現れる。
「おい、あんた誰だ?」
「お待ちしていました。あんたからも話を聞かなきゃいけないんでな」
──渡会さん。
「いえ……」
間宮は怯えた様子で御坂を見つめる。
「心配しないでください。話を聞きたかっただけなんです。……あなたが小林さんと会ったのは何時頃ですか?」
「……10時頃です」
御坂は満足気に頷き、鋭い視線を向けながら静かに語りかけた。
「間宮さん、あなたが小林さんを見たときどんな様子でしたか?」
「どういう意味ですか?」
「元気そうだったが、ということです」
「分かりません」
体を震わせている間宮に優しい言葉をかけることなく追及していく。
「あなたの証言が必要なんです。でなければ罪状を確定できませんから」
「わ、私は何も、」
「お願いします。正直に話していただけませんか?」
彼女が口を噤めばもうどうしようもない。
だが、そんなことはできないはずだ。
「…………した」
「すみません、もう一度お願いできますか?」
「あの男を、放置しました」
間宮は両手を強く握り、少しずつ話しはじめた。
「あの男は、私を呼び出しました。行きたくなかったけど、行かないと何をされるか……。
もうつきまとわないでほしいと伝えたとき、体を触られました。だけど、あの男が苦しそうな声をあげて……それを、無視しました」
「そうでしたか。ありがとうございます。あなたのおかげで罪状が確定しました」
間宮は自分が罰せられると思ったのだろう。
……そんなことにならないとも知らず。
そこにひとりの男が現れる。
「おい、あんた誰だ?」
「お待ちしていました。あんたからも話を聞かなきゃいけないんでな」
──渡会さん。
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