満天の星空に願いを。

黒蝶

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本篇・2年目後期

久しぶりの学校、やっぱり独りだった。

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記録
『行きたい。
だけど、どうしてもお腹が痛い。
足が止まってしまう。
頭もがんがんしてきて、最後には動けなくなってしまった。
ごめんなさい。
また行けなくて、意気地無しでごめんなさい...。
弥生に会いたい。
来週こそ、頑張って行こう』

ぎりぎりまで待ってみたけれど、葉月はこなかった。
...急かしても仕方ない問題だ。
そろそろ行かないと遅刻扱いになってしまう。
「おはよう」
「...おはようございます」
先生にはちゃんと挨拶をして、けれどやっぱり元気に振る舞うのは無理で...色々つっごまれてしまう前に階段を駆けあがった。
(今はできるだけ話したくない。誰とも関わりたくない...)
「はい、それでは始業式をはじめます」
...ここで貴重な特別出席点2点が入る。
あと何点とればいいのだろうか。
そんな計算をしながら、ただ話を聞いていた。
今回は体育をほとんど見学で終わらせたことが原因で、残念ながら何も賞をもらえなかった。
(まあ、そうだよね...)
「今日は休むって連絡があったよ」
「やっぱりそうなんですね。ありがとうございます」
生徒指導の先生が教えてくれて、今日も独りなのだと実感する。
(...よし、気を引き締めていこう)
あと一時間授業を受ければ、今日はもう終わりだ。
それから丘へ行って、いつものように作業しよう。
...それまでの辛抱だ。
自分にそう言い聞かせて、なんとか乗りきった。
周りがわいわい話すなか、私は無言でパソコンの前に座る。
(...前期と似たようなことをするのかな)
ワードはあまり好きじゃない。
...打つのが絶望的に遅いからだ。
やるならエクセルがいい。
そう思っていたけれど、残念ながらこの日はタイピングからだった。
「はい、それでは終わります」
息苦しさを感じて、気づいたら一気に校舎の外まで出ていた。
ただただ吐きそうで、気分が悪い。
どうしてかは分からないけれど、とにかく逃げ出したい。
「はあ、はあ...」
全力疾走で近くのコンビニに入る。
何か買わないとと思いつつ、ふらふらになったのを必死に堪える。
もう駄目かもしれないと思うほど、息ができない。
(...これでなんとかしよう)
適当に紅茶を選んで、ビニール袋をつけてもらう。
震える手でお金を払って店を出て...人には見えない位置で呼吸法を試した。
「...はあ」
何とか落ち着いたところで、紅茶を一口飲む。
なんだかいつもより苦く感じた。
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