116 / 150
本篇・2年目後期
久しぶりの学校、やっぱり独りだった。
しおりを挟む
記録
『行きたい。
だけど、どうしてもお腹が痛い。
足が止まってしまう。
頭もがんがんしてきて、最後には動けなくなってしまった。
ごめんなさい。
また行けなくて、意気地無しでごめんなさい...。
弥生に会いたい。
来週こそ、頑張って行こう』
ぎりぎりまで待ってみたけれど、葉月はこなかった。
...急かしても仕方ない問題だ。
そろそろ行かないと遅刻扱いになってしまう。
「おはよう」
「...おはようございます」
先生にはちゃんと挨拶をして、けれどやっぱり元気に振る舞うのは無理で...色々つっごまれてしまう前に階段を駆けあがった。
(今はできるだけ話したくない。誰とも関わりたくない...)
「はい、それでは始業式をはじめます」
...ここで貴重な特別出席点2点が入る。
あと何点とればいいのだろうか。
そんな計算をしながら、ただ話を聞いていた。
今回は体育をほとんど見学で終わらせたことが原因で、残念ながら何も賞をもらえなかった。
(まあ、そうだよね...)
「今日は休むって連絡があったよ」
「やっぱりそうなんですね。ありがとうございます」
生徒指導の先生が教えてくれて、今日も独りなのだと実感する。
(...よし、気を引き締めていこう)
あと一時間授業を受ければ、今日はもう終わりだ。
それから丘へ行って、いつものように作業しよう。
...それまでの辛抱だ。
自分にそう言い聞かせて、なんとか乗りきった。
周りがわいわい話すなか、私は無言でパソコンの前に座る。
(...前期と似たようなことをするのかな)
ワードはあまり好きじゃない。
...打つのが絶望的に遅いからだ。
やるならエクセルがいい。
そう思っていたけれど、残念ながらこの日はタイピングからだった。
「はい、それでは終わります」
息苦しさを感じて、気づいたら一気に校舎の外まで出ていた。
ただただ吐きそうで、気分が悪い。
どうしてかは分からないけれど、とにかく逃げ出したい。
「はあ、はあ...」
全力疾走で近くのコンビニに入る。
何か買わないとと思いつつ、ふらふらになったのを必死に堪える。
もう駄目かもしれないと思うほど、息ができない。
(...これでなんとかしよう)
適当に紅茶を選んで、ビニール袋をつけてもらう。
震える手でお金を払って店を出て...人には見えない位置で呼吸法を試した。
「...はあ」
何とか落ち着いたところで、紅茶を一口飲む。
なんだかいつもより苦く感じた。
『行きたい。
だけど、どうしてもお腹が痛い。
足が止まってしまう。
頭もがんがんしてきて、最後には動けなくなってしまった。
ごめんなさい。
また行けなくて、意気地無しでごめんなさい...。
弥生に会いたい。
来週こそ、頑張って行こう』
ぎりぎりまで待ってみたけれど、葉月はこなかった。
...急かしても仕方ない問題だ。
そろそろ行かないと遅刻扱いになってしまう。
「おはよう」
「...おはようございます」
先生にはちゃんと挨拶をして、けれどやっぱり元気に振る舞うのは無理で...色々つっごまれてしまう前に階段を駆けあがった。
(今はできるだけ話したくない。誰とも関わりたくない...)
「はい、それでは始業式をはじめます」
...ここで貴重な特別出席点2点が入る。
あと何点とればいいのだろうか。
そんな計算をしながら、ただ話を聞いていた。
今回は体育をほとんど見学で終わらせたことが原因で、残念ながら何も賞をもらえなかった。
(まあ、そうだよね...)
「今日は休むって連絡があったよ」
「やっぱりそうなんですね。ありがとうございます」
生徒指導の先生が教えてくれて、今日も独りなのだと実感する。
(...よし、気を引き締めていこう)
あと一時間授業を受ければ、今日はもう終わりだ。
それから丘へ行って、いつものように作業しよう。
...それまでの辛抱だ。
自分にそう言い聞かせて、なんとか乗りきった。
周りがわいわい話すなか、私は無言でパソコンの前に座る。
(...前期と似たようなことをするのかな)
ワードはあまり好きじゃない。
...打つのが絶望的に遅いからだ。
やるならエクセルがいい。
そう思っていたけれど、残念ながらこの日はタイピングからだった。
「はい、それでは終わります」
息苦しさを感じて、気づいたら一気に校舎の外まで出ていた。
ただただ吐きそうで、気分が悪い。
どうしてかは分からないけれど、とにかく逃げ出したい。
「はあ、はあ...」
全力疾走で近くのコンビニに入る。
何か買わないとと思いつつ、ふらふらになったのを必死に堪える。
もう駄目かもしれないと思うほど、息ができない。
(...これでなんとかしよう)
適当に紅茶を選んで、ビニール袋をつけてもらう。
震える手でお金を払って店を出て...人には見えない位置で呼吸法を試した。
「...はあ」
何とか落ち着いたところで、紅茶を一口飲む。
なんだかいつもより苦く感じた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる