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本篇・1年目前期
久しぶりの終業式、ここまで長かった...。
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記録
『今日はまた調子が悪かった。
頭痛で外を出歩けない。
それだけじゃなくて、なんだか気分が悪い。
ただ人とすれ違っただけなのに、目を合わせるのが怖い。
人の顔を見ることができない。
...いつまでこんなふうになってしまうんだろう。
けれど、弥生には会いたい。
会いたいよ...』
葉月を見ないまま、前期が終わろうとしている。
休学しているのだから当然のことなんだろうけれど、それでもやっぱり寂しくないわけではない。
(葉月...)
いつも葉月が座っていた私の隣は空いたままだ。
いつまでたっても埋まらずに、結局そのまま空いたままだった。
「おはよう」
「おはようございます」
先生たちは、相変わらず会う度に声をかけてくれる。
...多分、気遣われている。
そうならないように振る舞っているつもりだけれど、上手く誤魔化しきれていないらしい。
寂しい気持ちを隠すのはなれているはずなのに、どうして分かってしまったのだろう。
(それとも、単純に声をかけているだけなのか...)
初老の教師とはできるだけ話さないようにしている。
...顔を合わせるだけで、震えが止まらなくなるからだ。
相手に失礼だと自覚はあるけれど、どうしても無理なのだ。
「それではこれより終業式をはじめます」
一緒に入ったという扱いになっていた女性がこの前期で卒業するらしいということを、ついさっき知った。
少しだけとはいえ、話したこともあったのに...何か言葉をかければよかった。
それだけでも、何かが違ったかもしれないのに...。
「では、以上で終了です。前期お疲れ様でした。休みに羽目を外しすぎないように」
ようやく、耐え続ける日々が終わった。
...いや、一旦停止することになる。
それが嬉しくて堪らない。
のびのびとしていたいけれど、何をしようか迷う。
追試に引っ掛からなかったので宿題が出るわけでもないし、勉強しなければならないこともない。
...どうしよう。することがない。
カフェに行こうか、またゲームセンターに行こうか...夜の海もいいかもしれない。
色々考えてはみるけれど、葉月がいないのだと思うと虚しくなる。
(あんまり楽しくなさそうだな...)
鞄を持って、独り歩く。
...結局いつもどおりになってしまいそうだと、ため息をつきながら。
『今日はまた調子が悪かった。
頭痛で外を出歩けない。
それだけじゃなくて、なんだか気分が悪い。
ただ人とすれ違っただけなのに、目を合わせるのが怖い。
人の顔を見ることができない。
...いつまでこんなふうになってしまうんだろう。
けれど、弥生には会いたい。
会いたいよ...』
葉月を見ないまま、前期が終わろうとしている。
休学しているのだから当然のことなんだろうけれど、それでもやっぱり寂しくないわけではない。
(葉月...)
いつも葉月が座っていた私の隣は空いたままだ。
いつまでたっても埋まらずに、結局そのまま空いたままだった。
「おはよう」
「おはようございます」
先生たちは、相変わらず会う度に声をかけてくれる。
...多分、気遣われている。
そうならないように振る舞っているつもりだけれど、上手く誤魔化しきれていないらしい。
寂しい気持ちを隠すのはなれているはずなのに、どうして分かってしまったのだろう。
(それとも、単純に声をかけているだけなのか...)
初老の教師とはできるだけ話さないようにしている。
...顔を合わせるだけで、震えが止まらなくなるからだ。
相手に失礼だと自覚はあるけれど、どうしても無理なのだ。
「それではこれより終業式をはじめます」
一緒に入ったという扱いになっていた女性がこの前期で卒業するらしいということを、ついさっき知った。
少しだけとはいえ、話したこともあったのに...何か言葉をかければよかった。
それだけでも、何かが違ったかもしれないのに...。
「では、以上で終了です。前期お疲れ様でした。休みに羽目を外しすぎないように」
ようやく、耐え続ける日々が終わった。
...いや、一旦停止することになる。
それが嬉しくて堪らない。
のびのびとしていたいけれど、何をしようか迷う。
追試に引っ掛からなかったので宿題が出るわけでもないし、勉強しなければならないこともない。
...どうしよう。することがない。
カフェに行こうか、またゲームセンターに行こうか...夜の海もいいかもしれない。
色々考えてはみるけれど、葉月がいないのだと思うと虚しくなる。
(あんまり楽しくなさそうだな...)
鞄を持って、独り歩く。
...結局いつもどおりになってしまいそうだと、ため息をつきながら。
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