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本篇・1年目前期
孤独に願いを。弥生side
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《体調がいいときでいいから、ここで何か話そう》
メッセージを送って、一週間。
連絡がきたのはついさっき。
《今日は行けそうにありません。
ごめんね》
...一体、何があったのだろうか。
私には分からないけれど、一つだけ分かるのは私はまた間違えたということだ。
「...やっぱり、話を聞いてみるべきだった」
後悔してももう遅い。
...そう、もう遅すぎるのだ。
『もう駄目みたい』
『嘘、昨日まであんなに元気だったのに』
あのときも、
『ごめんね』
『待って、お願い...!』
あのときも、
いつだって私の行動は遅い。
(私はやっぱり、周りを不幸にしてしまう...)
何が辛いかと言われれば、それが一番だった。
「おはよう」
「...おはようございます」
初老の教師...葉月に何をした?
どうやって葉月を追いつめた?
本当はそんな答えのない問いをぶつけて、おもいっきり殴り飛ばしたかった。
学校でもようやく固いながら笑顔を見せるようになっていたあの子に、どんなことをしたのだろう。
(私、また独りだ)
その日の体育の授業は苦痛だった。
「早く打ってきてくれない?」
ペアを組まないといけなかったのは、そんな先輩だか後輩だかだった。
(人数が奇数だったから余ってたんだと思ってたけど、他にも理由がありそうだな...)
気難しいタイプ。
恐らく、いつだって自分が正しいと思っている。
いつも苛々しているように見えるのは、子育てまたは仕事での疲れでストレスが溜まっているから。
(恐らく仕事だ)
スマッシュを決め損ねると、舌打ちされてしまった。
駄目だ、気分が悪い。
...次から体育は見学にしよう、そう決めた瞬間だった。
情報処理は独りでさくさく終わらせた。
これはどちらかといえば個人戦の授業だ、だからそれほど問題はない。
けれどやっぱり、問題は体育だ。
(見学三回で欠席一回、三分の一は出ないといけないから...)
時間数を計算して、ほっとした。
よかった、残り全てを見学したとしても単位を落とすようなことにはならない。
威圧感がある相手は昔から苦手だ。
どうして、と言われると答えづらいけれど、本当に苦手なのだ。
「大丈夫か?」
授業終わり、そう声をかけてくれたのは教頭先生だった。
葉月のことを聞きたかったけれど、勇気が出なくて無理だった。
...おまえのせいだとかえってきたらどうしよう、そんな不安もあった。
独りは平気、なれてるから。
けれど、葉月は今どうしているのか。
学校にはこられそうにないのか。
...それだけは、ちゃんと話がしたい。
メッセージを送って、一週間。
連絡がきたのはついさっき。
《今日は行けそうにありません。
ごめんね》
...一体、何があったのだろうか。
私には分からないけれど、一つだけ分かるのは私はまた間違えたということだ。
「...やっぱり、話を聞いてみるべきだった」
後悔してももう遅い。
...そう、もう遅すぎるのだ。
『もう駄目みたい』
『嘘、昨日まであんなに元気だったのに』
あのときも、
『ごめんね』
『待って、お願い...!』
あのときも、
いつだって私の行動は遅い。
(私はやっぱり、周りを不幸にしてしまう...)
何が辛いかと言われれば、それが一番だった。
「おはよう」
「...おはようございます」
初老の教師...葉月に何をした?
どうやって葉月を追いつめた?
本当はそんな答えのない問いをぶつけて、おもいっきり殴り飛ばしたかった。
学校でもようやく固いながら笑顔を見せるようになっていたあの子に、どんなことをしたのだろう。
(私、また独りだ)
その日の体育の授業は苦痛だった。
「早く打ってきてくれない?」
ペアを組まないといけなかったのは、そんな先輩だか後輩だかだった。
(人数が奇数だったから余ってたんだと思ってたけど、他にも理由がありそうだな...)
気難しいタイプ。
恐らく、いつだって自分が正しいと思っている。
いつも苛々しているように見えるのは、子育てまたは仕事での疲れでストレスが溜まっているから。
(恐らく仕事だ)
スマッシュを決め損ねると、舌打ちされてしまった。
駄目だ、気分が悪い。
...次から体育は見学にしよう、そう決めた瞬間だった。
情報処理は独りでさくさく終わらせた。
これはどちらかといえば個人戦の授業だ、だからそれほど問題はない。
けれどやっぱり、問題は体育だ。
(見学三回で欠席一回、三分の一は出ないといけないから...)
時間数を計算して、ほっとした。
よかった、残り全てを見学したとしても単位を落とすようなことにはならない。
威圧感がある相手は昔から苦手だ。
どうして、と言われると答えづらいけれど、本当に苦手なのだ。
「大丈夫か?」
授業終わり、そう声をかけてくれたのは教頭先生だった。
葉月のことを聞きたかったけれど、勇気が出なくて無理だった。
...おまえのせいだとかえってきたらどうしよう、そんな不安もあった。
独りは平気、なれてるから。
けれど、葉月は今どうしているのか。
学校にはこられそうにないのか。
...それだけは、ちゃんと話がしたい。
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