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125話◆神の恩恵、神のくれた武器。
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ヒールナー伯爵邸にある寝室の大きなベッドの縁に座り、ミランダは憂いた表情で窓の外に目を向けた。
ミランダはヤリチン令嬢オースティンに連れて行かれたカチュアの安否が気になって仕方が無い。
いくらカチュアが騎士として強くともオースティンも同じく騎士であり、体格だけで言えばオースティンはカチュアが敵う相手ではない気がする。
そんなオースティンに強引に組み敷かれてしまえばカチュアには抗う術が無いのではないかと。
「カチュア…でも今の貴方ならきっと……。
神様……貴方なら、カチュアを助けてくれますよね…」
ミランダは両手を胸の前で組み、祈るように目を閉じた。
▼
▼
▼
それは3日程前の事━━
サイモンが留守な為にグッスリ就寝出来たミランダが久しぶりに夢の中で創造神界に喚ばれた。
白い原稿用紙が積まれたデスクの前に座った状態で。
「神聖国との戦争も回避出来、サイモンも週の半分以上は邸に帰る様になりました。
もう何も心配するような事は無いでしょう?
夜の帳に2、サイモン☓メグミンのエロいのを描いて頂きましょうか。」
デスクの横に立つジャンセンさんが編集者のようにわたしに言った。
「…………い、いえ!まだ心配ごとあります!
ジャンセンさんに相談したかったの!」
いきなり原稿用紙の前に座らされていて、一瞬頭の中が真っ白になっていたけれど!
「ジャンセンさんて、わたしが居た場所も時代も知ってるじゃないですか!
性同一性障害って知ってます!?
カチュアって、あれだと思うんですよ、身体は女だけど心は男みたいな!」
「そりゃ…アセレーナとスチュワートの血を引くカチュアには元々男として生まれてもらう予定だったからな。
だがウォレント家の血筋にもう男を生ませる気は無かったんでな。
急遽、外側だけ女に変えた。」
「えっひどっ!
カチュアが女の身体を持つ自分に違和感を覚えながら生きてきたのってジャンセンさんのせい?」
そんな、神様のさじ加減ひとつで性別を変えるって!
ミランダは、「そんな理不尽なの納得いかない!」との表情をジャンセンに見せた。
「俺が悪いんじゃねぇな。
神の恩恵を棄てたウォレントが悪い。
だがまあ…カチュアは悪くないな。
ウォレントのせいでカチュアが辛い目に遭うのは俺の本意ではない。」
……チンピラみたいな口調になって…
あくまで自分の非は認めない。
嫌な神様だな。いや、神だからこそなの?
「で、俺にどうしろと?
ウォレントの血を持つカチュアを男に変える気はねぇぞ。
それに今さら男に変えられてもカチュアも周りも困惑するだろ?」
「実は…カチュアは心は男…しかもゲイなんですよ。
でも身体は女性のままで、しかも美人だし…
女として男に狙われる事があるんです。」
ジャンセンさんの眉がピクッと動いた。
わたしの「ゲイ」って言葉に反応した様だ。
「それは……タチですか?……ネコですか?」
ジャンセンさん……かつて地球でミァちゃんとゆー女子高生として、わたしのファンをしてくれていただけある!
説明しやすっ!
「カチュアはどちらもイケる、リバです。
ですがカチュアはギャップ萌えするタイプらしいので、ヤリチンのオースティン相手にはタチでいくべきだと、わたしメグミンは思うワケですよ。」
「………オースティン、攻略対象者の一人でしたね。
プレイボーイ系でしたっけ。
そいつに今、カチュアが女として狙われていると…。」
わたしは無言でコクコクと何度も頷いた。
そう!カチュアを女として散らせたくないの!
分かって!ジャンセンさん!!
「分かりました。」
一言返事をして頷いたジャンセンさんが顔を上げた時。
その表情は、なんとも言えない程に悪どいものだった。
「カチュアを完全な男にする事は出来ませんが、カチュアには本人が望む時に限り、短時間カチュアの肉体を男性に変える魔法を与えましょう。
本人が望まなければ使わなければ良いのですしね。」
「フッフッフ、ジャンセンさん面白がってますねー。」
ニヤニヤと悪どい笑みを浮かべるジャンセンさんにつられて、わたしもニヤけてしまう。
まるで悪代官と越後屋みたいな絵面になっとる。
「カチュアには、これからもメグミンの騎士として働いてもらわなくてはなりません。
それに、銀狼鬼を襲名したご褒美も与えてませんでしたから。
これは、カチュアだけが使える神の恩恵魔法です。」
「使って欲しいわ……特に、カチュアをたかが女だとか甘く見下してるような輩には。
ついでだから、それなりに立派にしといて下さい。
サイモンサイズはあんまりですが。」
━━そう。
夢の中でジャンセンさんと、そんな会話を交わしたけれど……
結局、どうしたのか迄は聞いていない。
ジャンセンさんはカチュアに、そんな魔法を与えたの?
カチュアは受け取ったの?
それとも、夢の中での出来事…あれ、すべて本当にわたしの見た夢だったりして!
でも、あれが全て本当でカチュアがそんな力を手に入れたのであれば…
カチュアが女として貞操の危機に陥ったのであれば!
遠慮なく使って!そのマグナム!!
▼
▼
▼
「使いたくは無かったんだ。
これは俺の力ではない。借り物の魔法だと思っている。
このような力には頼らずに、何とか自力で解決したかったが……
さすがに限度がある。」
「か、カチュア!!お前は女ではなかったのか!?
な、な、な……なんてモノを持ってるんだ!!」
オースティンは自分の腰の上に跨がるカチュアの立派な男性器とカチュアの顔を何度も交互に見た。
思いもよらぬ事態に陥り、パニック状態となっている。
「俺は男なんだが、身体だけは女なんだよ。
だが男の俺に、女である事を強いる上に肉体を奪おうとする様なアホがいると知った神様がな、そんな愚か者には鉄槌を…と
俺に鉄槌…いや鉄の杭を貸して下さったんだよ。」
「う、嘘だ!!こんな事あるか!!
そんな魔法、聞いた事が無い!!」
「そうだな、俺も初めて聞いた。で、初めてコレを使う。
俺は性行為をするのも初めてなんだが………
オースティン、君も女役は初めてなんだろう?
いろんな初めてが重なった記念すべき日だな!」
カチュアは仰向けになったオースティンのドレスを、オースティンの手が押さえる前にガバッと捲り上げた。
女性を相手にすぐに行為に及ぶ為か、オースティンはドレスの下に下着を着けて無かった。
剥き出しの性器が萎えた状態で現れた。
男性器をじっくり見た事が無いカチュアは、自身に生えた男性器とオースティンの男性器を興味深げにまじまじと見比べた。
「まっ!待て!俺はソッチの趣味は無い!」
「俺にも、生涯使うつもりの無い場所を男に無理矢理犯される趣味なんか無いけど?
さっきまでのお前の感じだと、ヤったモン勝ちみたいな雰囲気だったよな。
だから俺も遠慮はしない。」
カチュアはジタバタ暴れ始めたオースティンの片足を持ち上げて強く押さえつけ、男性器を秘所に当てると一気にググッと身体を前に進ませた。
「ぎゃあああ!!いっ…!いっ!痛い!痛ぁ!」
「んーお互いに初めてだからな。
慣れるまでは我慢して欲しいが……
ロージン伯爵の尻に突っ込んだ酒瓶よりはマシだと思うぞ?」
カチュアがニコリと微笑み、腰をグッと突き上げ動き始めた。
「いっ痛っ!…ろ、ロージン?……酒瓶……」
「そう。カテリーナが嫁入りしたジジイだ。
噂位は聞いただろう?
女を物扱いする醜悪な男だった。
奴は俺が初夜に、酒瓶で処女を奪ってやったんだ。」
オースティンは、クズみたいなジジイの所に嫁入りしたカテリーナ嬢がいまだに処女である理由を身を以て知った。
カチュアは強い。
同じくアリエスの元で学んだはずの自分でさえ、今こんな事になっている。
ジジイが敵うワケが無い。
それにしてもイテェ。
「気持ち良くしてやると言ったのに……気持ち良い顔はしてないな。これは申し訳無い。
だが実際には、お前がそう言って無理矢理抱いた女性にも不快な思いしかしていない女性が居たかも知れない。」
「イッ!いてぇ!う、動くな!
は、早くそのデカいのを俺から抜け!!」
カチュアはオースティンの両足をググッと前に押し出して更に繋がりを深くし、オースティンの大きな身体に自分の身体を乗せる様に重ねた。
「気持ち良くしてやると言ったのだから、お前が気持ち良くなるまでは終れないな。
………そうだな、気持ち良くしてやる、ではなく……
愛してやろう……オースティン。」
カチュアはオースティンの顎先を持ち上げ、小さく啄む口付けをしてから、深く唇を重ねた。
「………!!!」
自分本位に行為を進めるのが常だったオースティンは、受け身での行為は口付けも愛撫もほぼ未経験で、初めて味わう受け身の立場に、心より先に身体が反応し始めた。
「ああ、可愛い顔になった……オースティン。
その濡れた紅い瞳も、唇も…なんと綺麗なのだろう……
愛してるよ…オースティン。」
「ちょ……か、身体が……ヘン……こんな……」
「ああ、君にも素質があったのかもね……男を愛せる。
いや、男を受け入れる?
だってこんなに……愛おしく思えるのだから。
さぁ…もっと俺を感じて……。」
━━奥様………私、カチュアは男としても女としても性行為の経験はありませんでしたが……
奥様に見せて頂いた聖書の数々!!
それが今、かなり役に立っております!!━━
深夜になり、青毛の馬に乗ったカチュアが邸に帰って来た。
スチュワートさんとアセレーナさんと共にカチュアを出迎える。
「カチュア!!おかえりなさい!無事!?」
寝ないでカチュアの帰りを待っていたわたしは、馬から降りたカチュアに駆け寄った。
「奥様……。
カチュアはこの度……大人になりました。
大人の男に。」
「!!!!マジで!?」
カチュアに駆け寄ったわたしが、深夜に変なテンションで大きな声を上げてしまった。
カチュアはフッと、イケメンスマイルを見せ頷く。
「メグミン大先生の作品のネタとなりますでしょうか…?
メグミン大先生が望むのであれば、事細かに内容をお教え致します。」
「なる!!明日!!教えて!!絶対!!」
スチュワートさんとアセレーナさんは、わたし達の会話の意味は理解出来なかったようだけれど、カチュアが傷付いた様子もなく帰って来た姿を見て安堵したようだった。
「これでもう、オースティンはカチュアを諦めるのかしら…?」
「それはどうなんでしょう……
帰りしな、また会いたいと背中に縋るように抱きつかれましたから。」
カチュアは………
無自覚のド天然プレイボーイかも知れない……
ミランダはヤリチン令嬢オースティンに連れて行かれたカチュアの安否が気になって仕方が無い。
いくらカチュアが騎士として強くともオースティンも同じく騎士であり、体格だけで言えばオースティンはカチュアが敵う相手ではない気がする。
そんなオースティンに強引に組み敷かれてしまえばカチュアには抗う術が無いのではないかと。
「カチュア…でも今の貴方ならきっと……。
神様……貴方なら、カチュアを助けてくれますよね…」
ミランダは両手を胸の前で組み、祈るように目を閉じた。
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それは3日程前の事━━
サイモンが留守な為にグッスリ就寝出来たミランダが久しぶりに夢の中で創造神界に喚ばれた。
白い原稿用紙が積まれたデスクの前に座った状態で。
「神聖国との戦争も回避出来、サイモンも週の半分以上は邸に帰る様になりました。
もう何も心配するような事は無いでしょう?
夜の帳に2、サイモン☓メグミンのエロいのを描いて頂きましょうか。」
デスクの横に立つジャンセンさんが編集者のようにわたしに言った。
「…………い、いえ!まだ心配ごとあります!
ジャンセンさんに相談したかったの!」
いきなり原稿用紙の前に座らされていて、一瞬頭の中が真っ白になっていたけれど!
「ジャンセンさんて、わたしが居た場所も時代も知ってるじゃないですか!
性同一性障害って知ってます!?
カチュアって、あれだと思うんですよ、身体は女だけど心は男みたいな!」
「そりゃ…アセレーナとスチュワートの血を引くカチュアには元々男として生まれてもらう予定だったからな。
だがウォレント家の血筋にもう男を生ませる気は無かったんでな。
急遽、外側だけ女に変えた。」
「えっひどっ!
カチュアが女の身体を持つ自分に違和感を覚えながら生きてきたのってジャンセンさんのせい?」
そんな、神様のさじ加減ひとつで性別を変えるって!
ミランダは、「そんな理不尽なの納得いかない!」との表情をジャンセンに見せた。
「俺が悪いんじゃねぇな。
神の恩恵を棄てたウォレントが悪い。
だがまあ…カチュアは悪くないな。
ウォレントのせいでカチュアが辛い目に遭うのは俺の本意ではない。」
……チンピラみたいな口調になって…
あくまで自分の非は認めない。
嫌な神様だな。いや、神だからこそなの?
「で、俺にどうしろと?
ウォレントの血を持つカチュアを男に変える気はねぇぞ。
それに今さら男に変えられてもカチュアも周りも困惑するだろ?」
「実は…カチュアは心は男…しかもゲイなんですよ。
でも身体は女性のままで、しかも美人だし…
女として男に狙われる事があるんです。」
ジャンセンさんの眉がピクッと動いた。
わたしの「ゲイ」って言葉に反応した様だ。
「それは……タチですか?……ネコですか?」
ジャンセンさん……かつて地球でミァちゃんとゆー女子高生として、わたしのファンをしてくれていただけある!
説明しやすっ!
「カチュアはどちらもイケる、リバです。
ですがカチュアはギャップ萌えするタイプらしいので、ヤリチンのオースティン相手にはタチでいくべきだと、わたしメグミンは思うワケですよ。」
「………オースティン、攻略対象者の一人でしたね。
プレイボーイ系でしたっけ。
そいつに今、カチュアが女として狙われていると…。」
わたしは無言でコクコクと何度も頷いた。
そう!カチュアを女として散らせたくないの!
分かって!ジャンセンさん!!
「分かりました。」
一言返事をして頷いたジャンセンさんが顔を上げた時。
その表情は、なんとも言えない程に悪どいものだった。
「カチュアを完全な男にする事は出来ませんが、カチュアには本人が望む時に限り、短時間カチュアの肉体を男性に変える魔法を与えましょう。
本人が望まなければ使わなければ良いのですしね。」
「フッフッフ、ジャンセンさん面白がってますねー。」
ニヤニヤと悪どい笑みを浮かべるジャンセンさんにつられて、わたしもニヤけてしまう。
まるで悪代官と越後屋みたいな絵面になっとる。
「カチュアには、これからもメグミンの騎士として働いてもらわなくてはなりません。
それに、銀狼鬼を襲名したご褒美も与えてませんでしたから。
これは、カチュアだけが使える神の恩恵魔法です。」
「使って欲しいわ……特に、カチュアをたかが女だとか甘く見下してるような輩には。
ついでだから、それなりに立派にしといて下さい。
サイモンサイズはあんまりですが。」
━━そう。
夢の中でジャンセンさんと、そんな会話を交わしたけれど……
結局、どうしたのか迄は聞いていない。
ジャンセンさんはカチュアに、そんな魔法を与えたの?
カチュアは受け取ったの?
それとも、夢の中での出来事…あれ、すべて本当にわたしの見た夢だったりして!
でも、あれが全て本当でカチュアがそんな力を手に入れたのであれば…
カチュアが女として貞操の危機に陥ったのであれば!
遠慮なく使って!そのマグナム!!
▼
▼
▼
「使いたくは無かったんだ。
これは俺の力ではない。借り物の魔法だと思っている。
このような力には頼らずに、何とか自力で解決したかったが……
さすがに限度がある。」
「か、カチュア!!お前は女ではなかったのか!?
な、な、な……なんてモノを持ってるんだ!!」
オースティンは自分の腰の上に跨がるカチュアの立派な男性器とカチュアの顔を何度も交互に見た。
思いもよらぬ事態に陥り、パニック状態となっている。
「俺は男なんだが、身体だけは女なんだよ。
だが男の俺に、女である事を強いる上に肉体を奪おうとする様なアホがいると知った神様がな、そんな愚か者には鉄槌を…と
俺に鉄槌…いや鉄の杭を貸して下さったんだよ。」
「う、嘘だ!!こんな事あるか!!
そんな魔法、聞いた事が無い!!」
「そうだな、俺も初めて聞いた。で、初めてコレを使う。
俺は性行為をするのも初めてなんだが………
オースティン、君も女役は初めてなんだろう?
いろんな初めてが重なった記念すべき日だな!」
カチュアは仰向けになったオースティンのドレスを、オースティンの手が押さえる前にガバッと捲り上げた。
女性を相手にすぐに行為に及ぶ為か、オースティンはドレスの下に下着を着けて無かった。
剥き出しの性器が萎えた状態で現れた。
男性器をじっくり見た事が無いカチュアは、自身に生えた男性器とオースティンの男性器を興味深げにまじまじと見比べた。
「まっ!待て!俺はソッチの趣味は無い!」
「俺にも、生涯使うつもりの無い場所を男に無理矢理犯される趣味なんか無いけど?
さっきまでのお前の感じだと、ヤったモン勝ちみたいな雰囲気だったよな。
だから俺も遠慮はしない。」
カチュアはジタバタ暴れ始めたオースティンの片足を持ち上げて強く押さえつけ、男性器を秘所に当てると一気にググッと身体を前に進ませた。
「ぎゃあああ!!いっ…!いっ!痛い!痛ぁ!」
「んーお互いに初めてだからな。
慣れるまでは我慢して欲しいが……
ロージン伯爵の尻に突っ込んだ酒瓶よりはマシだと思うぞ?」
カチュアがニコリと微笑み、腰をグッと突き上げ動き始めた。
「いっ痛っ!…ろ、ロージン?……酒瓶……」
「そう。カテリーナが嫁入りしたジジイだ。
噂位は聞いただろう?
女を物扱いする醜悪な男だった。
奴は俺が初夜に、酒瓶で処女を奪ってやったんだ。」
オースティンは、クズみたいなジジイの所に嫁入りしたカテリーナ嬢がいまだに処女である理由を身を以て知った。
カチュアは強い。
同じくアリエスの元で学んだはずの自分でさえ、今こんな事になっている。
ジジイが敵うワケが無い。
それにしてもイテェ。
「気持ち良くしてやると言ったのに……気持ち良い顔はしてないな。これは申し訳無い。
だが実際には、お前がそう言って無理矢理抱いた女性にも不快な思いしかしていない女性が居たかも知れない。」
「イッ!いてぇ!う、動くな!
は、早くそのデカいのを俺から抜け!!」
カチュアはオースティンの両足をググッと前に押し出して更に繋がりを深くし、オースティンの大きな身体に自分の身体を乗せる様に重ねた。
「気持ち良くしてやると言ったのだから、お前が気持ち良くなるまでは終れないな。
………そうだな、気持ち良くしてやる、ではなく……
愛してやろう……オースティン。」
カチュアはオースティンの顎先を持ち上げ、小さく啄む口付けをしてから、深く唇を重ねた。
「………!!!」
自分本位に行為を進めるのが常だったオースティンは、受け身での行為は口付けも愛撫もほぼ未経験で、初めて味わう受け身の立場に、心より先に身体が反応し始めた。
「ああ、可愛い顔になった……オースティン。
その濡れた紅い瞳も、唇も…なんと綺麗なのだろう……
愛してるよ…オースティン。」
「ちょ……か、身体が……ヘン……こんな……」
「ああ、君にも素質があったのかもね……男を愛せる。
いや、男を受け入れる?
だってこんなに……愛おしく思えるのだから。
さぁ…もっと俺を感じて……。」
━━奥様………私、カチュアは男としても女としても性行為の経験はありませんでしたが……
奥様に見せて頂いた聖書の数々!!
それが今、かなり役に立っております!!━━
深夜になり、青毛の馬に乗ったカチュアが邸に帰って来た。
スチュワートさんとアセレーナさんと共にカチュアを出迎える。
「カチュア!!おかえりなさい!無事!?」
寝ないでカチュアの帰りを待っていたわたしは、馬から降りたカチュアに駆け寄った。
「奥様……。
カチュアはこの度……大人になりました。
大人の男に。」
「!!!!マジで!?」
カチュアに駆け寄ったわたしが、深夜に変なテンションで大きな声を上げてしまった。
カチュアはフッと、イケメンスマイルを見せ頷く。
「メグミン大先生の作品のネタとなりますでしょうか…?
メグミン大先生が望むのであれば、事細かに内容をお教え致します。」
「なる!!明日!!教えて!!絶対!!」
スチュワートさんとアセレーナさんは、わたし達の会話の意味は理解出来なかったようだけれど、カチュアが傷付いた様子もなく帰って来た姿を見て安堵したようだった。
「これでもう、オースティンはカチュアを諦めるのかしら…?」
「それはどうなんでしょう……
帰りしな、また会いたいと背中に縋るように抱きつかれましたから。」
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