113 / 147
112話◆夜が明け、それぞれが歩み出す今日。
しおりを挟む
「ディアーナ!!」
頭を掴まれ強引に後ろを向かされた青年の目に映るディアーナは、ゲームの画面で見た悪役令嬢以上に悪どい顔をしていた。
ニイッと口角を上げ微笑む顔に思わず震える。
「ジャンセン…私達の父親である創造神サマがね、アンタを転生させてはやれないけど、生き返らせてあげるって。
良かったわね、特別なのよ?」
「そう、特別なんですの。
わたくし達のお父様は面倒くさい事がお嫌いで…
こんな、手間ヒマ掛かる上にアチラの神に手続きの申請もしなきゃなんて面倒くさい事なんて、普段はしませんの。
よほど、貴方の存在が腹立たしかったのでしょう。」
圧倒的強者の雰囲気を醸し出しながら話す悪役令嬢ディアーナと、おしとやかに優しい口調で語り掛けるヒロインのオフィーリア。
ゲームの画面ではなく、現物を目の前で見ている。
だが嬉しいや感動を通り越して、恐怖による震えが止まらない。
「……お、オフィーリア…
腹立たしいから……生き返らせるって…ナニ?…」
名指しで訊ねられたオフィーリアは両手の指を胸の前で組み、可愛らしく首をかしげた。
「それはですね……
お前みてぇなヤツは、死んだら死んだでイイや!みてぇなヤツが多いから、死なせるだけじゃ親父の気が済まねェんだと。
死ににくい身体にして延々と苦痛を与える事も出来るが、その作業がめんどくせぇ。
だからお前は放置する。長生き出来るようにして。」
━━え?長生きで放置………━━
青年は集中治療室に居た。
何も見えないし、聞こえないし、身体が動かない。
声も出せない。
真っ黒な意識の中に、ディアーナとオフィーリアが居る。
「暴走した車で少女達を轢き、一人の少女山崎めぐみを死亡させ、数人の少女に怪我を負わせたお前は、かろうじて生きていた事にした。
だが四肢は失い、視力、聴力、嗅覚もない。話す事も出来ない。
自殺すら出来なくなったお前は、この真っ暗な世界で延々と妄想していろだと。
ちなみに、死んだ後はこの世界で転生だからな。
まぁ、人間に生まれ変われるかは知らんが。」
「悪い話じゃないでしょ?
大好きなオフィーリアの姿を最後に見れたんだから、好きな様にしゃぶり尽くして弄んでよ。
妄想の中で。
あ、最後に……今後発売予定のあんたが好きそうなゲームと漫画とアニメのラインナップだけ、教えてあげる。
たっぷり妄想してね。」
「…………!!……!!!…………」
青年はもう、思考の中ですら自分の意思を言葉にする事を禁じられた。
「必死ねぇ、おトンが喜ぶわぁ。
生き返りたがっていた憐れな魂を救ってやったってね。」
「じゃあ、さようなら。いつまでも長く、お元気でね。」
ディアーナとオフィーリアは寄り添い、青年の意識の中から立ち去った。
▼
▼
▼
一夜明け
転移石を使い神聖国へと戻ったマグスと神聖国の兵士達は、神聖国王宮のホールに集められた。
同行して神聖国に赴いたラジェアベリア国王太子のスティーヴンは、ジャンセンに言われた通り全員の転移石を回収する。
「神聖国は、先代国王が崩御。
実弟であるマグスが新国王だ。
そして、この国はラジェアベリアの属国となる。
それでいいね。」
スティーヴンの言葉にマグスは頷いた。
「いいも何も…この国を守るには、それしかないだろ…
でないと、兄貴に申し訳が立たない。」
スティーヴンは回収された転移石の一つをマグスに渡した。
「この国と、ラジェアベリアだけを行き来出来る様に細工した石らしい。
君はこれを所持していて、私の呼び掛けには常に応じる事。
それ以上の無理を要求しないから。」
敗戦国として、多くの物を差し出さねばならなかった事を思えばスティーヴンの温情は有り難いが、マグスは頼りにしていた兄を失い、ある意味戦闘バカな自分が国王として国を動かすなど考えも及ばない。
「その為の転移石だろう?いつでも相談に来ればいい。
それに、君は一人で国を動かそうと考え過ぎだ。
優秀な部下を育てる事も覚えた方がいい。
冷静な判断で今回の戦争を反対していた者がいたのなら、まずそちらから当たってみると良いよ。」
「そうね、そして神聖国はこれから意味不明なオブジェと想像神様像のカオスな観光地として盛り上げていく事をオススメするわ。」
「………………………………ディアーナ嬢。」
呟くスティーヴン、マグス、多くの兵士の見ている前で前触れも無く突然現れたディアーナは、暗い顔付きのマグスに近付いた。
暗く俯き加減なマグスの前に立ち、背の高いマグスの顔を下から心配そうに覗き込み
「セイッ!!!」「ブフゴォ!!!」
いきなりマグスの腹部にカッタイ拳を打ち込んだ。
「ディアーナ嬢ーーー!!ナニしてんの!!」
あまりにも無体なディアーナの行動に、焦ったスティーヴンが思わず大声になる。
「いや、何かもうムカついた。
あのクソ女にそそのかされたとは言え、今更グジグジしていたって何もならんだろ。
お前にゃ、悩んでる暇も後悔してる暇もネェよ。
マングース。」
少女にワンパンされて地面にうずくまるマグスを見て兵士達が狼狽える。
うずくまるマグスが口からヨダレを垂らしながらディアーナに訊ねた。
「あの女…どうなった?まだ逃げてんなら…俺が……引導を…」
「あ、ゴメン。
ミランダ殺そうとしたから、サイモンが殺したわ!
で、師匠が生き返らせたから、今、地球の病院の集中治療室で飴玉の妄想中なの!」
マグスには、全く意味が分からなかった。
スティーヴンにも良く分からない。
ただ、ディアーナの晴れ晴れとした態度と、ジャンセンの存在が出た時点でエリーゼが無事に済んで無い事は分かる。
「殺し…生き返らせ…?チキュ?ビョイン?……は?」
「マグス、彼女はもう居なくなったのだ。
神の手に委ねられたから、もう忘れろ。」
▼
▼
▼
ほぼ同時刻、夜を外で過ごしたカチュアは朝になりヒールナー邸に帰った。
ヒールナー邸には、既に執事の衣装に身を包みモノクルをしたスチュワートが居た。
「おかえりなさい、カチュア。疲れているでしょう。
今日はゆっくりとお休み下さい。」
「………はい、スチュワート……様……。」
血の繋がった父だと知ったからと言って、父と呼ぶ訳にもいかず、
カチュアは邸に入って自室に向かおうとした。
「まずは中庭に行き、無事に帰還したと主に伝えて来なさい。」
カチュアは頷いて中庭に向かった。
薔薇の花が咲く温室に向かい、ドーム状の室内の中心に着いた。
「お母様……?」
温室のテーブルでは、にこやかに微笑むヒールナー伯爵夫妻と、疲れ果てた表情のアセレーナがティータイムを楽しんでいる様子。
いや、アセレーナは顔色が悪い。
「おかえりなさい、カチュア。今回の旅はご苦労だったわね。
騎士としても成長著しいし、わたくしとしては大満足だわ。」
揚々と話すグレイスとは対照的に、どんより曇天の様なアセレーナに、カチュアが不安げな視線を送る。
「母……元ライオット子爵夫人アセレーナ……
を、どうするおつもりなのでしょうか。何か罰を…」
「ええ、アセレーナはこの邸で監禁する事に決まったの。
彼女は罰としてヒールナー伯爵家の奴隷となり、わたくしの親友で、カチュアの母親で、スチュワートの妻で、カチュアの師匠となるわ。」
何かもう、おかしな言葉がたくさん出た気がするが…。
まさか奥様と母が親友だったとは。
「私は……どうしたら良いのでしょう……
今更、スチュワート様を父と、アセレーナを母親だと、思うのは難しい…。」
「うん、だったらカチュアの好きなようにしたらエーがな。
今までのカチュアでエーんじゃないかな。」
ヒールナー伯爵が微笑みながらポツリと言えば、グレイスも答える。
「そうよ。カチュアはカチュアのままでいいわ。
カテリーナではないのですもの。
縛られないで、自由に生きて。」
▼
▼
▼
ヒールナー伯爵邸、若夫婦の寝室━━
長らく主を失っていた寝室のベッドが久しぶりに激しく軋む。
「た、た、た、タイム!!待って!!サイモン!!」
「待てない。そうやって俺を焦らして…
もっと激しく君を求めさせる気か?」
タイムだとサイモンを制止する為に出した手の平を、レルんと舐められる。
「焦らしてって…!!もう繋がりっ放しじゃないの!
今だってまだ……はんっ!!」
繋がったまま、膝立ちをしたサイモンの太腿部分に乗った身体が下からユサユサと突き上げられる。
「あっあっあっあっ!やぁあん!終わらないィィ!」
「終わるなんて、そんな勿体ない事…出来ない。」
「だ、だって!今それどころじゃ…!!あぁん!!」
そうよ!昨夜あんな大変な事がいっぱいあったのに!!
わたし殺されかけましたけど、サイモン助けてくれて…
ありがとう!
エリーゼさん死んだみたいだし、戦争も終わったっぽい!
気になる事、いっぱいあるじゃない?報告したり、されたり、処理的なモンとか!!
なんで、何よりも優先させてのナニ!!オカシイでしよ!
「そんな事を言って、君の中も俺のを離したくないと絡みついているじゃないか…。
素晴らしいよ、最高に美味だ。」
「くぁあん!!ちょ、ま、待って!タイム!
メイは、メイはどうなったの!?」
そう、神聖国の宿でわたしとメイ、スファイの3人はお留守番組だった。
わたしはエリーゼさんに拉致されて、ラジェアベリアに転移されたけど、メイとスファイは遥か遠い神聖国に置き去りにした。
「ああ、二人には十分な程の路銀を届けさせた。
馬を使えば、ひと月もすれば帰って来るだろう。
途中で所帯を持って帰らなくなっても構わないし。」
はぁあ!?二人きりでラジェアベリアに帰るまでの旅を強制させたと!?
厄介払いが出来たと嬉々とした表情のサイモン。
「今はあの二人の事は忘れて、俺の事だけ考えてくれ。
めぐみ……」
これは………
帰って来る頃にはメイは豆柴ではなくドーベルマンになっているかも………。
それとも、もっと可愛くオンナらしくなってるのかしら。
頭を掴まれ強引に後ろを向かされた青年の目に映るディアーナは、ゲームの画面で見た悪役令嬢以上に悪どい顔をしていた。
ニイッと口角を上げ微笑む顔に思わず震える。
「ジャンセン…私達の父親である創造神サマがね、アンタを転生させてはやれないけど、生き返らせてあげるって。
良かったわね、特別なのよ?」
「そう、特別なんですの。
わたくし達のお父様は面倒くさい事がお嫌いで…
こんな、手間ヒマ掛かる上にアチラの神に手続きの申請もしなきゃなんて面倒くさい事なんて、普段はしませんの。
よほど、貴方の存在が腹立たしかったのでしょう。」
圧倒的強者の雰囲気を醸し出しながら話す悪役令嬢ディアーナと、おしとやかに優しい口調で語り掛けるヒロインのオフィーリア。
ゲームの画面ではなく、現物を目の前で見ている。
だが嬉しいや感動を通り越して、恐怖による震えが止まらない。
「……お、オフィーリア…
腹立たしいから……生き返らせるって…ナニ?…」
名指しで訊ねられたオフィーリアは両手の指を胸の前で組み、可愛らしく首をかしげた。
「それはですね……
お前みてぇなヤツは、死んだら死んだでイイや!みてぇなヤツが多いから、死なせるだけじゃ親父の気が済まねェんだと。
死ににくい身体にして延々と苦痛を与える事も出来るが、その作業がめんどくせぇ。
だからお前は放置する。長生き出来るようにして。」
━━え?長生きで放置………━━
青年は集中治療室に居た。
何も見えないし、聞こえないし、身体が動かない。
声も出せない。
真っ黒な意識の中に、ディアーナとオフィーリアが居る。
「暴走した車で少女達を轢き、一人の少女山崎めぐみを死亡させ、数人の少女に怪我を負わせたお前は、かろうじて生きていた事にした。
だが四肢は失い、視力、聴力、嗅覚もない。話す事も出来ない。
自殺すら出来なくなったお前は、この真っ暗な世界で延々と妄想していろだと。
ちなみに、死んだ後はこの世界で転生だからな。
まぁ、人間に生まれ変われるかは知らんが。」
「悪い話じゃないでしょ?
大好きなオフィーリアの姿を最後に見れたんだから、好きな様にしゃぶり尽くして弄んでよ。
妄想の中で。
あ、最後に……今後発売予定のあんたが好きそうなゲームと漫画とアニメのラインナップだけ、教えてあげる。
たっぷり妄想してね。」
「…………!!……!!!…………」
青年はもう、思考の中ですら自分の意思を言葉にする事を禁じられた。
「必死ねぇ、おトンが喜ぶわぁ。
生き返りたがっていた憐れな魂を救ってやったってね。」
「じゃあ、さようなら。いつまでも長く、お元気でね。」
ディアーナとオフィーリアは寄り添い、青年の意識の中から立ち去った。
▼
▼
▼
一夜明け
転移石を使い神聖国へと戻ったマグスと神聖国の兵士達は、神聖国王宮のホールに集められた。
同行して神聖国に赴いたラジェアベリア国王太子のスティーヴンは、ジャンセンに言われた通り全員の転移石を回収する。
「神聖国は、先代国王が崩御。
実弟であるマグスが新国王だ。
そして、この国はラジェアベリアの属国となる。
それでいいね。」
スティーヴンの言葉にマグスは頷いた。
「いいも何も…この国を守るには、それしかないだろ…
でないと、兄貴に申し訳が立たない。」
スティーヴンは回収された転移石の一つをマグスに渡した。
「この国と、ラジェアベリアだけを行き来出来る様に細工した石らしい。
君はこれを所持していて、私の呼び掛けには常に応じる事。
それ以上の無理を要求しないから。」
敗戦国として、多くの物を差し出さねばならなかった事を思えばスティーヴンの温情は有り難いが、マグスは頼りにしていた兄を失い、ある意味戦闘バカな自分が国王として国を動かすなど考えも及ばない。
「その為の転移石だろう?いつでも相談に来ればいい。
それに、君は一人で国を動かそうと考え過ぎだ。
優秀な部下を育てる事も覚えた方がいい。
冷静な判断で今回の戦争を反対していた者がいたのなら、まずそちらから当たってみると良いよ。」
「そうね、そして神聖国はこれから意味不明なオブジェと想像神様像のカオスな観光地として盛り上げていく事をオススメするわ。」
「………………………………ディアーナ嬢。」
呟くスティーヴン、マグス、多くの兵士の見ている前で前触れも無く突然現れたディアーナは、暗い顔付きのマグスに近付いた。
暗く俯き加減なマグスの前に立ち、背の高いマグスの顔を下から心配そうに覗き込み
「セイッ!!!」「ブフゴォ!!!」
いきなりマグスの腹部にカッタイ拳を打ち込んだ。
「ディアーナ嬢ーーー!!ナニしてんの!!」
あまりにも無体なディアーナの行動に、焦ったスティーヴンが思わず大声になる。
「いや、何かもうムカついた。
あのクソ女にそそのかされたとは言え、今更グジグジしていたって何もならんだろ。
お前にゃ、悩んでる暇も後悔してる暇もネェよ。
マングース。」
少女にワンパンされて地面にうずくまるマグスを見て兵士達が狼狽える。
うずくまるマグスが口からヨダレを垂らしながらディアーナに訊ねた。
「あの女…どうなった?まだ逃げてんなら…俺が……引導を…」
「あ、ゴメン。
ミランダ殺そうとしたから、サイモンが殺したわ!
で、師匠が生き返らせたから、今、地球の病院の集中治療室で飴玉の妄想中なの!」
マグスには、全く意味が分からなかった。
スティーヴンにも良く分からない。
ただ、ディアーナの晴れ晴れとした態度と、ジャンセンの存在が出た時点でエリーゼが無事に済んで無い事は分かる。
「殺し…生き返らせ…?チキュ?ビョイン?……は?」
「マグス、彼女はもう居なくなったのだ。
神の手に委ねられたから、もう忘れろ。」
▼
▼
▼
ほぼ同時刻、夜を外で過ごしたカチュアは朝になりヒールナー邸に帰った。
ヒールナー邸には、既に執事の衣装に身を包みモノクルをしたスチュワートが居た。
「おかえりなさい、カチュア。疲れているでしょう。
今日はゆっくりとお休み下さい。」
「………はい、スチュワート……様……。」
血の繋がった父だと知ったからと言って、父と呼ぶ訳にもいかず、
カチュアは邸に入って自室に向かおうとした。
「まずは中庭に行き、無事に帰還したと主に伝えて来なさい。」
カチュアは頷いて中庭に向かった。
薔薇の花が咲く温室に向かい、ドーム状の室内の中心に着いた。
「お母様……?」
温室のテーブルでは、にこやかに微笑むヒールナー伯爵夫妻と、疲れ果てた表情のアセレーナがティータイムを楽しんでいる様子。
いや、アセレーナは顔色が悪い。
「おかえりなさい、カチュア。今回の旅はご苦労だったわね。
騎士としても成長著しいし、わたくしとしては大満足だわ。」
揚々と話すグレイスとは対照的に、どんより曇天の様なアセレーナに、カチュアが不安げな視線を送る。
「母……元ライオット子爵夫人アセレーナ……
を、どうするおつもりなのでしょうか。何か罰を…」
「ええ、アセレーナはこの邸で監禁する事に決まったの。
彼女は罰としてヒールナー伯爵家の奴隷となり、わたくしの親友で、カチュアの母親で、スチュワートの妻で、カチュアの師匠となるわ。」
何かもう、おかしな言葉がたくさん出た気がするが…。
まさか奥様と母が親友だったとは。
「私は……どうしたら良いのでしょう……
今更、スチュワート様を父と、アセレーナを母親だと、思うのは難しい…。」
「うん、だったらカチュアの好きなようにしたらエーがな。
今までのカチュアでエーんじゃないかな。」
ヒールナー伯爵が微笑みながらポツリと言えば、グレイスも答える。
「そうよ。カチュアはカチュアのままでいいわ。
カテリーナではないのですもの。
縛られないで、自由に生きて。」
▼
▼
▼
ヒールナー伯爵邸、若夫婦の寝室━━
長らく主を失っていた寝室のベッドが久しぶりに激しく軋む。
「た、た、た、タイム!!待って!!サイモン!!」
「待てない。そうやって俺を焦らして…
もっと激しく君を求めさせる気か?」
タイムだとサイモンを制止する為に出した手の平を、レルんと舐められる。
「焦らしてって…!!もう繋がりっ放しじゃないの!
今だってまだ……はんっ!!」
繋がったまま、膝立ちをしたサイモンの太腿部分に乗った身体が下からユサユサと突き上げられる。
「あっあっあっあっ!やぁあん!終わらないィィ!」
「終わるなんて、そんな勿体ない事…出来ない。」
「だ、だって!今それどころじゃ…!!あぁん!!」
そうよ!昨夜あんな大変な事がいっぱいあったのに!!
わたし殺されかけましたけど、サイモン助けてくれて…
ありがとう!
エリーゼさん死んだみたいだし、戦争も終わったっぽい!
気になる事、いっぱいあるじゃない?報告したり、されたり、処理的なモンとか!!
なんで、何よりも優先させてのナニ!!オカシイでしよ!
「そんな事を言って、君の中も俺のを離したくないと絡みついているじゃないか…。
素晴らしいよ、最高に美味だ。」
「くぁあん!!ちょ、ま、待って!タイム!
メイは、メイはどうなったの!?」
そう、神聖国の宿でわたしとメイ、スファイの3人はお留守番組だった。
わたしはエリーゼさんに拉致されて、ラジェアベリアに転移されたけど、メイとスファイは遥か遠い神聖国に置き去りにした。
「ああ、二人には十分な程の路銀を届けさせた。
馬を使えば、ひと月もすれば帰って来るだろう。
途中で所帯を持って帰らなくなっても構わないし。」
はぁあ!?二人きりでラジェアベリアに帰るまでの旅を強制させたと!?
厄介払いが出来たと嬉々とした表情のサイモン。
「今はあの二人の事は忘れて、俺の事だけ考えてくれ。
めぐみ……」
これは………
帰って来る頃にはメイは豆柴ではなくドーベルマンになっているかも………。
それとも、もっと可愛くオンナらしくなってるのかしら。
0
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説


婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。


ヤンデレ義父に執着されている娘の話
アオ
恋愛
美少女に転生した主人公が義父に執着、溺愛されつつ執着させていることに気が付かない話。
色々拗らせてます。
前世の2人という話はメリバ。
バッドエンド苦手な方は閲覧注意です。

娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる