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49話◆ライオット子爵令嬢カテリーナ1
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咲き誇った真紅の薔薇のような紅い髪に、少し暗め赤茶色の瞳。
ライオット子爵令嬢カテリーナは、息を飲むほど美しい少女であった。
美しい少女でありながら、可愛いげのある女の表情、男に媚びる態度を一切見せない事も男達の興味をそそる要因の1つとなっていた。
惚れた男にだけは可愛いげのある一面を見せるのではないだろうか?
その男に自分がなれるのではないかと、愚かな夢を見る者が多く、彼女の元には婚約の申し込みが後を絶たなかった。
彼女の家は子爵家ではあったが、彼女の父は無能な跡継ぎであったため散財の限りを尽くし、実情は火の車であった。
だが、自尊心だけは無意味に高い両親の見栄により、彼女は貴族の子息、令嬢の通う学園へと入学する事が出来た。
彼女は物心がついた頃から、自身が女である事に違和感を感じていた。
だが、好きな男性が現れたら、こんな自分も女性らしくなるんだろうと考えていたのだが…。
学園に入学するまでの彼女は、両親の目の届く場所以外は、邸にほぼ閉じ籠った状態で居させられていた。
学園に入学して、彼女は初めて両親の視線から解放されて自身の本当に興味のある物を知る、学ぶ、機会を得た。
彼女は他の貴族令嬢とは一線を引き交流を持たず、他の令嬢がダンスや刺繍などを選ぶ選択授業で、騎士養成基礎の授業を選んだ。
「珍しいですね…まだ、入学して間もない…しかも女性が、私の授業を受けたがるなんて……。
楽しそうだと思った程度なら、やめた方が賢明ですよ?」
アリエスと言う名の女性のように美しい男性講師が、柔らかい笑みを浮かべた困り顔をして、カテリーナに諭すように忠告した。
「……上級生になれば、一度は必須科目となると聞きましたけど…上級生になれるまで学園に在学出来るかも分かりませんし…
それに、一度受ける位では戴けませんのでしょう?
騎士となれる証しの指輪…。」
「……騎士になりたいのですか?」
「ええ、騎士になりたいのです。」
「騎士になるまでの道は甘くない。血ヘド吐いて後悔しますよ?」
「アリエス先生に認められ騎士となった者は、死亡率が低いと聞きましたわ。
血ヘドを吐いても、真に強い騎士となれるならば本望ですわ。」
「良い覚悟ですね…では……まずは基礎体力をつける事からです。」
カテリーナは、騎士になりたい、なれるハズだとのたまう上級生の男子に混ざって授業を受け始めた。
上級生の男子が、美しいカテリーナにどよめく。
一緒に授業を受けられる事が嬉しいと浮かれ、ツラかったら自分を頼ってくれとアピールされまくる。
「第一回目の授業ですけど…
私の授業は、一度だけ受ける事が必須なので、次回は自由参加となります。
ちなみにー……第二回目以降を受けに来るのは、半数にも満たないんですけどね。
一年受け続けて修了するのは、一人居るか居ないかです。
では、第一回目の今日は……ここから海岸まで走りますよ!」
教室に居た男子生徒は30人程。
剣の腕なら誰にも負けないだの、何かあっても自分が守ってやるだの、カテリーナに言い寄っていた男の誰一人、海岸には辿り着けなかった。
海岸に辿り着けた者はカテリーナを含め8人程。
その半数がもはや虫の息。
カテリーナは息を切らす事も無く海岸に辿り着き、背を伸ばし海を見ていた。
「……ほーぉ?やるじゃねぇか!
貴族の嬢ちゃんだと思って、甘く見てたぜ!!気に入った!
俺の授業を修了して見せろ!騎士にしてやんぜ!!」
貴族の令嬢でありながら、カテリーナの持つ騎士としてのポテンシャルの高さに驚き、感心し、興奮したアリエスは人格が豹変した。
アリエスが、もともとが傭兵として数多の戦場を渡り歩いた猛者で、荒くれ者な面を持つとは聞いていたが…
「……よろしくお願いいたします……」
この豹変ぶり……美しい女性のようだったアリエス先生が……今はまるで無頼漢のようではないか。
素敵だ……好き!!!!好きだ!!!
この人になら抱かれてもいい……いや、抱きたい!!!
…ああ!そうか!そうだったのか!
「…………ふふ……アリエス先生、私は今、本当の自分が何者であるかを知った気がします。」
女性らしくなれる筈が無い。
私は男なのだから。……男性に恋する、男なのだ。
この日以降、カテリーナはアリエスの元で騎士になる為の基礎を学んでゆく。
体力作りは元より、体術、剣術、剣以外の武器の扱いも学んで行く。
カテリーナは家を棄てて一人で生きていく為に、騎士になりたかった。
家族に愛情を感じる事は無かったし、何より、家の役に立つ女で居る事を強いる両親には辟易していた。
いつ、家に連れ戻されるか分からない。
一刻も早く、騎士になる為の証しを手に入れたかった。
アリエスの授業が修了まであと数回となった頃、カテリーナは両親によって無理矢理学園を退学させられ、実家に連れ戻された。
「わたくし、まだ学びたい事がありますの!
お願いです!お父様!わたくしを、あの学園に…!」
「黙れ!わしに盾突く気か!女の癖に!!」
カテリーナにとって、愛すべき親で無い理由の大きな理由がこれだった。
女の癖に。幼い頃から言われ続けた。
カテリーナは精神的には男だったので、自分を守る本能もあったのか、「いや、女じゃないから」と心で反抗し、ある程度は受け流していた。
だが、母や姉や侍女が、父親にそう言われる度に、逆らえずに目が死ぬのを見ていた。
「お前は、ロージン伯爵の妻になるのだ!」
カテリーナは目の前が真っ暗になった。
見知らぬ男の……妻になる?
「我が家はロージン伯爵の慈悲深い援助によって、助かるのだ!」
言っている意味が分からない……慈悲深い?援助?
「カテリーナ…お願いよ…
貴女を妻に迎える事で、ロージン伯爵が我が家の負債を無かった事にしてくれるの!」
母が言う言葉でやっと意味が分かった。
私は、借金のカタに人身御供として差し出されたのだと。
しかも…その借金とやらは、落ちぶれかけた子爵家を立て直す為の援助ではない。
ロージン伯爵が邸にて、皆と交流を深める為だとかで、カードゲームに興じるサロンのようなものを開いていると噂で聞いた。
それは賭博だろう?カモにされたのだろう?
最初から、私をチップとして使ったのだろう!?
このクズどもが!!!!
子は、親の為に、親の都合により、その身の行く末が決まる。
カテリーナは、物心ついた時から頭に刻まれ続けた、この呪縛から逃れられなかった。
学園から去って数日後、カテリーナは会った事もない、どんな人物かも分からない、いや、イカサマ賭博なんかで自分を手に入れようとする輩など、ろくなヤツではない。
そんな輩の所に嫁に出された。
式と呼べるような物も無く、衣装だけ送られて来て、それを着て邸に来いと、いきなりロージン伯爵邸に呼ばれた。
純白の花嫁衣装を身に着けたカテリーナは、言われた通り指定された日の夕方にロージン伯爵邸に到着した。
到着するなり、下卑た男に邸の中へと案内される。
「さあさあ、旦那様がお待ちですよ、奥様!」
薄暗い邸の廊下を歩く。
ふと、エントランスからの階段の上に居る女性と目が合った。
薄暗い中で分かりにくいが、アリエスによって夜目も鍛えられたカテリーナにはハッキリと女性が見えた。
所々にアザのある、やつれた女性……。
その女性の唇が動く。
━━かわりが来た…良かった…━━━
カテリーナは女性に優しい笑顔を向けた。
助けてあげたい、助けてあげよう、そう思った。
カテリーナは女性には優しい、紳士なのだから。
ライオット子爵令嬢カテリーナは、息を飲むほど美しい少女であった。
美しい少女でありながら、可愛いげのある女の表情、男に媚びる態度を一切見せない事も男達の興味をそそる要因の1つとなっていた。
惚れた男にだけは可愛いげのある一面を見せるのではないだろうか?
その男に自分がなれるのではないかと、愚かな夢を見る者が多く、彼女の元には婚約の申し込みが後を絶たなかった。
彼女の家は子爵家ではあったが、彼女の父は無能な跡継ぎであったため散財の限りを尽くし、実情は火の車であった。
だが、自尊心だけは無意味に高い両親の見栄により、彼女は貴族の子息、令嬢の通う学園へと入学する事が出来た。
彼女は物心がついた頃から、自身が女である事に違和感を感じていた。
だが、好きな男性が現れたら、こんな自分も女性らしくなるんだろうと考えていたのだが…。
学園に入学するまでの彼女は、両親の目の届く場所以外は、邸にほぼ閉じ籠った状態で居させられていた。
学園に入学して、彼女は初めて両親の視線から解放されて自身の本当に興味のある物を知る、学ぶ、機会を得た。
彼女は他の貴族令嬢とは一線を引き交流を持たず、他の令嬢がダンスや刺繍などを選ぶ選択授業で、騎士養成基礎の授業を選んだ。
「珍しいですね…まだ、入学して間もない…しかも女性が、私の授業を受けたがるなんて……。
楽しそうだと思った程度なら、やめた方が賢明ですよ?」
アリエスと言う名の女性のように美しい男性講師が、柔らかい笑みを浮かべた困り顔をして、カテリーナに諭すように忠告した。
「……上級生になれば、一度は必須科目となると聞きましたけど…上級生になれるまで学園に在学出来るかも分かりませんし…
それに、一度受ける位では戴けませんのでしょう?
騎士となれる証しの指輪…。」
「……騎士になりたいのですか?」
「ええ、騎士になりたいのです。」
「騎士になるまでの道は甘くない。血ヘド吐いて後悔しますよ?」
「アリエス先生に認められ騎士となった者は、死亡率が低いと聞きましたわ。
血ヘドを吐いても、真に強い騎士となれるならば本望ですわ。」
「良い覚悟ですね…では……まずは基礎体力をつける事からです。」
カテリーナは、騎士になりたい、なれるハズだとのたまう上級生の男子に混ざって授業を受け始めた。
上級生の男子が、美しいカテリーナにどよめく。
一緒に授業を受けられる事が嬉しいと浮かれ、ツラかったら自分を頼ってくれとアピールされまくる。
「第一回目の授業ですけど…
私の授業は、一度だけ受ける事が必須なので、次回は自由参加となります。
ちなみにー……第二回目以降を受けに来るのは、半数にも満たないんですけどね。
一年受け続けて修了するのは、一人居るか居ないかです。
では、第一回目の今日は……ここから海岸まで走りますよ!」
教室に居た男子生徒は30人程。
剣の腕なら誰にも負けないだの、何かあっても自分が守ってやるだの、カテリーナに言い寄っていた男の誰一人、海岸には辿り着けなかった。
海岸に辿り着けた者はカテリーナを含め8人程。
その半数がもはや虫の息。
カテリーナは息を切らす事も無く海岸に辿り着き、背を伸ばし海を見ていた。
「……ほーぉ?やるじゃねぇか!
貴族の嬢ちゃんだと思って、甘く見てたぜ!!気に入った!
俺の授業を修了して見せろ!騎士にしてやんぜ!!」
貴族の令嬢でありながら、カテリーナの持つ騎士としてのポテンシャルの高さに驚き、感心し、興奮したアリエスは人格が豹変した。
アリエスが、もともとが傭兵として数多の戦場を渡り歩いた猛者で、荒くれ者な面を持つとは聞いていたが…
「……よろしくお願いいたします……」
この豹変ぶり……美しい女性のようだったアリエス先生が……今はまるで無頼漢のようではないか。
素敵だ……好き!!!!好きだ!!!
この人になら抱かれてもいい……いや、抱きたい!!!
…ああ!そうか!そうだったのか!
「…………ふふ……アリエス先生、私は今、本当の自分が何者であるかを知った気がします。」
女性らしくなれる筈が無い。
私は男なのだから。……男性に恋する、男なのだ。
この日以降、カテリーナはアリエスの元で騎士になる為の基礎を学んでゆく。
体力作りは元より、体術、剣術、剣以外の武器の扱いも学んで行く。
カテリーナは家を棄てて一人で生きていく為に、騎士になりたかった。
家族に愛情を感じる事は無かったし、何より、家の役に立つ女で居る事を強いる両親には辟易していた。
いつ、家に連れ戻されるか分からない。
一刻も早く、騎士になる為の証しを手に入れたかった。
アリエスの授業が修了まであと数回となった頃、カテリーナは両親によって無理矢理学園を退学させられ、実家に連れ戻された。
「わたくし、まだ学びたい事がありますの!
お願いです!お父様!わたくしを、あの学園に…!」
「黙れ!わしに盾突く気か!女の癖に!!」
カテリーナにとって、愛すべき親で無い理由の大きな理由がこれだった。
女の癖に。幼い頃から言われ続けた。
カテリーナは精神的には男だったので、自分を守る本能もあったのか、「いや、女じゃないから」と心で反抗し、ある程度は受け流していた。
だが、母や姉や侍女が、父親にそう言われる度に、逆らえずに目が死ぬのを見ていた。
「お前は、ロージン伯爵の妻になるのだ!」
カテリーナは目の前が真っ暗になった。
見知らぬ男の……妻になる?
「我が家はロージン伯爵の慈悲深い援助によって、助かるのだ!」
言っている意味が分からない……慈悲深い?援助?
「カテリーナ…お願いよ…
貴女を妻に迎える事で、ロージン伯爵が我が家の負債を無かった事にしてくれるの!」
母が言う言葉でやっと意味が分かった。
私は、借金のカタに人身御供として差し出されたのだと。
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ロージン伯爵が邸にて、皆と交流を深める為だとかで、カードゲームに興じるサロンのようなものを開いていると噂で聞いた。
それは賭博だろう?カモにされたのだろう?
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カテリーナは、物心ついた時から頭に刻まれ続けた、この呪縛から逃れられなかった。
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そんな輩の所に嫁に出された。
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純白の花嫁衣装を身に着けたカテリーナは、言われた通り指定された日の夕方にロージン伯爵邸に到着した。
到着するなり、下卑た男に邸の中へと案内される。
「さあさあ、旦那様がお待ちですよ、奥様!」
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ふと、エントランスからの階段の上に居る女性と目が合った。
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所々にアザのある、やつれた女性……。
その女性の唇が動く。
━━かわりが来た…良かった…━━━
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