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26話◆黒馬に乗った美麗なる騎士。
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「白い三角が…スゲーやらしい…」
「あっはっは!マジか!隠すわ!」
体育座りをやめ、立てていた膝を下ろす。
わたしはゲームの中のスファイの印象が強過ぎて、彼が身体も心ももう、一人前の男である事を忘れていた。
そしてゲームの中での彼の性格
━━対等な立ち位置の女性よりも、自分を理解して叱咤激励するような、お姉さんぽい人に惹かれる━━
と言う事をも…。
寝そべったまま、スファイがわたしの手首を掴む。
「……依頼を受けた仕事とは関係無く、あんたを俺の物にしたい…。もう、邸に帰れなくなれば俺の物になってくれる?」
なんですと……?
「そういや、スファイにこんな犯罪者みたいなアホな仕事依頼したの誰よ!!豆柴も仲間か!っちょ!!」
寝そべるスファイの上に身体が引き寄せられる。
スファイの上に身体が重なると、そのまま半回転してわたしがスファイの下になり、彼に見下ろされる体勢になった。
「…俺、あんたに惚れそう…」
「惚れんな!早いわ!!」
お前な!ゲームでさえな!
イベント重ねないと、親密度が上がらないんだぞ!!
叱咤激励って程、何かを言ったつもりはない!
あれか!白い三角がキーアイテムか!
「ミランダ…俺と王都から離れて二人で暮らそう?」
「何で!!!意味分からんわ!!!」
顔を近付け、キスをしようとしてくるスファイの横っ面をバチンっと思い切りはたく。
原稿用紙の束で。
平手では態勢的に力が出なかったので、ハリセンが欲しかったが、出なかった。
ハリセンのかわりに手にあったのは原稿用紙の束。
重かったから、ダメージもそこそこあったに違いない。
「いい加減にしろ!楽な方へ楽な方へと逃げようとしやがって!
依頼を失敗した!報告したくない!わたしに誰から依頼されたかも話したくない!
何も無かった事にして王都を離れよう、一人が不安だから、わたしも連れて行きたいって、お前はアホか!」
原稿用紙の束で頬をはたかれ、ショックを受けてるのか動きが止まったスファイの下から這い出し、スファイの前に仁王立ちする。
「大金払ってまで貴族の夫人を貶めるような依頼をする奴が、町でフラついていた若者を全面的に信用してるワケ無いでしょう!
こんな依頼なんかね、成功しても失敗しても、スファイが悪者にされるのよ!
簡単に逃げられるワケ無いでしょう!!」
言ったハナから、わたし達の様子を窺っていたであろう、顔を隠し武器を手にした男達が草原の奥に数人現れた。
これは…あれだ、スファイが依頼を失敗したと気付いて現れた。
ヤバい!わたし、この男達に食われちゃう!
そいで、すべての罪をスファイになすり付けて…下手したらスファイは殺されちゃう!
こんな時こそ、出ろよ!バズーカー!!
こいつら相手に、原稿用紙では戦えないわよ!!
「スファイ!!逃げて!!馬車を走らせて!!」
「ミランダ!ミランダも一緒に…!」
「わたしは多分、殺されないから!!……スファイは、殺されるかも知れないから、逃げてって言ってんの!!」
スファイを突き飛ばし、わたしは馬車のある方とは逆方向に向かい走る。
男達は三人おり、二人がわたしを追って走り出した。
まだ距離がある。
とりあえずスファイが馬車で逃げてくれたら…殺されないでいてくれたら…。
「わたしは…多分、殺されないから…
ちょっと怖い、嫌な目に遭う位、我慢するわよ…。」
サイモンがカチュアを好きだと知るのが、今のわたしには1番怖い、嫌な事だから…。
そうでなければ、我慢する……
もう、サイモンに会わせる顔が無くなるけど…。
覆面で顔を隠した男に肩を掴まれ、草地に身体を倒された。
男の一人が、わたしにのし掛かって来る。
うわ、怖いなー。わたし、こないだまでバージンだったんすよ!
今や立派にビッチっぽい時もありますけど、サイモン限定ですからね!
やっぱり怖いな…すっげ怖い…!
「やだ…!サイモン!サイモン!」
思わず大きな声で名を呼ぶ。
もう、呼んではいけないのではないかと思う人の名を。
泣きそう…でも、泣きたくない。
泣かん!!
こんな奴らに泣き顔なんて見せん!
「やだ…!助けて…!!サイモン…!」
「ぐあっ!」
わたしを組敷く男の一人が叫んだ。
わたしの顔に、男の血が僅かに飛ぶ。
「…!!サイモン…!………」じゃないわね。
えーと……誰!?
目の前に、わたしに背を向けアリエス先生みたいに線の細い、華奢な剣士が立っていた。
「………帰ってお前らの主に伝えろ。
我々はお前を許さない、地獄を見せてやるとな!!」
背中しか見えないけど、台詞からして何だか味方っぽいし…何だかカッコいいわ…。
二人の男の内、一人は華奢な剣士によって腕を切り落とされたようで、落ちた腕を拾い上げ走り去った。
わたしは、その様子を茫然と見ていたのだが……
「あ、危ない所を…ありがとうございました…
なんて…なんてお礼を……うっ……うぇぇ…!怖かったぁあ!!」
お礼を述べている途中で、素になってしまった。
わんわん大声を出して泣いてしまう。
「大丈夫ですよ…よく頑張りましたね…
貴女は強い、そして美しく、可愛い…。」
剣士がわたしの方を向くと、優しく微笑む。
凛々しい顔付き、長めの赤い髪をオールバックに撫で付けた姿。
カッコいいわ……カチュア………うぇ?
「さすがはサイモン様が選んだ方だ…素晴らしい…。」
カチュアがわたしの前に跪き、わたしの手を取り手の甲にキスを落とす。
はぁ…?ちょっと…え?…何だこれ…え?
混乱したわたしは、カチュアをガン見してしまう。
男装の麗人てやつ…?目茶苦茶カッコいいんだけど…
そいで強いし…え?サイモンと…ど、どのような、ご関係で?
カチュアの左手を見てしまう。
薬指ではなく小指に指輪がはめられている。
わたしの視線に気付いたカチュアが、わたしに指輪を見せた。
「これは、我が師アリエスにより、騎士と認められた証しの指輪なのです。
私は…あの学園に居て…騎士になる為にアリエス先生に鍛えて貰っていたのですが、家の都合により退学せざるをえなくなり……
先生の授業を修了出来なかった……。」
ほう……。
「だが、私が修めた成績が優秀であるとアリエス先生が認めて下さり、サイモン様が口添えなさってくれて、私は騎士となる事が出来たのです。」
ほう……さよか……。
「この指輪があれば、私は騎士として認められ、騎士録にも名を記されるのです。」
さよか!!って、この世界での指輪って、そんな意味!?
免許皆伝みたいな!課程修了みたいな!卒業証書?
「騎士になった私を、ただの女扱いするような奴は、家族と言えどぶった斬るつもりです!!」
ほえー……………さよか。マジで?
わたしは…お馬さんの背に揺られております。
お馬さんは、青毛で真っ黒。目茶苦茶カッコいい。
その馬にわたしと共に乗る、赤い髪の騎士様は、これまたカッコいいイケメン?で……名をカチュアと申します。
「奥様……メイが、白状したようです。奥様を襲った輩の黒幕を……」
「そう……スファイ……大丈夫かしら……ちゃんと……逃げ切れたかしら……」
「先ほどの男ですか?……奥様に手を出そうとした輩の心配など…」
手綱を握るカチュアが、困り顔でわたしを見る。わたしもカチュアを見て、すぐに目を逸らした。
「いいの、気にしないで…。ごめんなさい…。」
「フフ…奥様は優しい方だ…騒がしい音もしなかったし多分、大丈夫ですよ…」
カチュアは何だか男前だな!!
草原が終わり、王都の門が見えて来た。
思わず安堵の溜息が出る。
門の前に
琥珀色の馬に乗ったサイモンが居る。
その姿を見ただけで、わたしの目から涙が溢れる。
でも、声が出ない。何て言っていいのか分からない。
サイモンの馬が、カチュアの馬に近付いて来た。
「カチュア、すまん、礼を言う。」
「いいえ、サイモン様。」
馬を横付けするようにし、サイモンの腕がカチュアの馬上に居たわたしの腰を浚う。
「ギャわー!!」
声が出ないと思っていたのに、声が出た。思い切り変な声が。
「あっはっは!マジか!隠すわ!」
体育座りをやめ、立てていた膝を下ろす。
わたしはゲームの中のスファイの印象が強過ぎて、彼が身体も心ももう、一人前の男である事を忘れていた。
そしてゲームの中での彼の性格
━━対等な立ち位置の女性よりも、自分を理解して叱咤激励するような、お姉さんぽい人に惹かれる━━
と言う事をも…。
寝そべったまま、スファイがわたしの手首を掴む。
「……依頼を受けた仕事とは関係無く、あんたを俺の物にしたい…。もう、邸に帰れなくなれば俺の物になってくれる?」
なんですと……?
「そういや、スファイにこんな犯罪者みたいなアホな仕事依頼したの誰よ!!豆柴も仲間か!っちょ!!」
寝そべるスファイの上に身体が引き寄せられる。
スファイの上に身体が重なると、そのまま半回転してわたしがスファイの下になり、彼に見下ろされる体勢になった。
「…俺、あんたに惚れそう…」
「惚れんな!早いわ!!」
お前な!ゲームでさえな!
イベント重ねないと、親密度が上がらないんだぞ!!
叱咤激励って程、何かを言ったつもりはない!
あれか!白い三角がキーアイテムか!
「ミランダ…俺と王都から離れて二人で暮らそう?」
「何で!!!意味分からんわ!!!」
顔を近付け、キスをしようとしてくるスファイの横っ面をバチンっと思い切りはたく。
原稿用紙の束で。
平手では態勢的に力が出なかったので、ハリセンが欲しかったが、出なかった。
ハリセンのかわりに手にあったのは原稿用紙の束。
重かったから、ダメージもそこそこあったに違いない。
「いい加減にしろ!楽な方へ楽な方へと逃げようとしやがって!
依頼を失敗した!報告したくない!わたしに誰から依頼されたかも話したくない!
何も無かった事にして王都を離れよう、一人が不安だから、わたしも連れて行きたいって、お前はアホか!」
原稿用紙の束で頬をはたかれ、ショックを受けてるのか動きが止まったスファイの下から這い出し、スファイの前に仁王立ちする。
「大金払ってまで貴族の夫人を貶めるような依頼をする奴が、町でフラついていた若者を全面的に信用してるワケ無いでしょう!
こんな依頼なんかね、成功しても失敗しても、スファイが悪者にされるのよ!
簡単に逃げられるワケ無いでしょう!!」
言ったハナから、わたし達の様子を窺っていたであろう、顔を隠し武器を手にした男達が草原の奥に数人現れた。
これは…あれだ、スファイが依頼を失敗したと気付いて現れた。
ヤバい!わたし、この男達に食われちゃう!
そいで、すべての罪をスファイになすり付けて…下手したらスファイは殺されちゃう!
こんな時こそ、出ろよ!バズーカー!!
こいつら相手に、原稿用紙では戦えないわよ!!
「スファイ!!逃げて!!馬車を走らせて!!」
「ミランダ!ミランダも一緒に…!」
「わたしは多分、殺されないから!!……スファイは、殺されるかも知れないから、逃げてって言ってんの!!」
スファイを突き飛ばし、わたしは馬車のある方とは逆方向に向かい走る。
男達は三人おり、二人がわたしを追って走り出した。
まだ距離がある。
とりあえずスファイが馬車で逃げてくれたら…殺されないでいてくれたら…。
「わたしは…多分、殺されないから…
ちょっと怖い、嫌な目に遭う位、我慢するわよ…。」
サイモンがカチュアを好きだと知るのが、今のわたしには1番怖い、嫌な事だから…。
そうでなければ、我慢する……
もう、サイモンに会わせる顔が無くなるけど…。
覆面で顔を隠した男に肩を掴まれ、草地に身体を倒された。
男の一人が、わたしにのし掛かって来る。
うわ、怖いなー。わたし、こないだまでバージンだったんすよ!
今や立派にビッチっぽい時もありますけど、サイモン限定ですからね!
やっぱり怖いな…すっげ怖い…!
「やだ…!サイモン!サイモン!」
思わず大きな声で名を呼ぶ。
もう、呼んではいけないのではないかと思う人の名を。
泣きそう…でも、泣きたくない。
泣かん!!
こんな奴らに泣き顔なんて見せん!
「やだ…!助けて…!!サイモン…!」
「ぐあっ!」
わたしを組敷く男の一人が叫んだ。
わたしの顔に、男の血が僅かに飛ぶ。
「…!!サイモン…!………」じゃないわね。
えーと……誰!?
目の前に、わたしに背を向けアリエス先生みたいに線の細い、華奢な剣士が立っていた。
「………帰ってお前らの主に伝えろ。
我々はお前を許さない、地獄を見せてやるとな!!」
背中しか見えないけど、台詞からして何だか味方っぽいし…何だかカッコいいわ…。
二人の男の内、一人は華奢な剣士によって腕を切り落とされたようで、落ちた腕を拾い上げ走り去った。
わたしは、その様子を茫然と見ていたのだが……
「あ、危ない所を…ありがとうございました…
なんて…なんてお礼を……うっ……うぇぇ…!怖かったぁあ!!」
お礼を述べている途中で、素になってしまった。
わんわん大声を出して泣いてしまう。
「大丈夫ですよ…よく頑張りましたね…
貴女は強い、そして美しく、可愛い…。」
剣士がわたしの方を向くと、優しく微笑む。
凛々しい顔付き、長めの赤い髪をオールバックに撫で付けた姿。
カッコいいわ……カチュア………うぇ?
「さすがはサイモン様が選んだ方だ…素晴らしい…。」
カチュアがわたしの前に跪き、わたしの手を取り手の甲にキスを落とす。
はぁ…?ちょっと…え?…何だこれ…え?
混乱したわたしは、カチュアをガン見してしまう。
男装の麗人てやつ…?目茶苦茶カッコいいんだけど…
そいで強いし…え?サイモンと…ど、どのような、ご関係で?
カチュアの左手を見てしまう。
薬指ではなく小指に指輪がはめられている。
わたしの視線に気付いたカチュアが、わたしに指輪を見せた。
「これは、我が師アリエスにより、騎士と認められた証しの指輪なのです。
私は…あの学園に居て…騎士になる為にアリエス先生に鍛えて貰っていたのですが、家の都合により退学せざるをえなくなり……
先生の授業を修了出来なかった……。」
ほう……。
「だが、私が修めた成績が優秀であるとアリエス先生が認めて下さり、サイモン様が口添えなさってくれて、私は騎士となる事が出来たのです。」
ほう……さよか……。
「この指輪があれば、私は騎士として認められ、騎士録にも名を記されるのです。」
さよか!!って、この世界での指輪って、そんな意味!?
免許皆伝みたいな!課程修了みたいな!卒業証書?
「騎士になった私を、ただの女扱いするような奴は、家族と言えどぶった斬るつもりです!!」
ほえー……………さよか。マジで?
わたしは…お馬さんの背に揺られております。
お馬さんは、青毛で真っ黒。目茶苦茶カッコいい。
その馬にわたしと共に乗る、赤い髪の騎士様は、これまたカッコいいイケメン?で……名をカチュアと申します。
「奥様……メイが、白状したようです。奥様を襲った輩の黒幕を……」
「そう……スファイ……大丈夫かしら……ちゃんと……逃げ切れたかしら……」
「先ほどの男ですか?……奥様に手を出そうとした輩の心配など…」
手綱を握るカチュアが、困り顔でわたしを見る。わたしもカチュアを見て、すぐに目を逸らした。
「いいの、気にしないで…。ごめんなさい…。」
「フフ…奥様は優しい方だ…騒がしい音もしなかったし多分、大丈夫ですよ…」
カチュアは何だか男前だな!!
草原が終わり、王都の門が見えて来た。
思わず安堵の溜息が出る。
門の前に
琥珀色の馬に乗ったサイモンが居る。
その姿を見ただけで、わたしの目から涙が溢れる。
でも、声が出ない。何て言っていいのか分からない。
サイモンの馬が、カチュアの馬に近付いて来た。
「カチュア、すまん、礼を言う。」
「いいえ、サイモン様。」
馬を横付けするようにし、サイモンの腕がカチュアの馬上に居たわたしの腰を浚う。
「ギャわー!!」
声が出ないと思っていたのに、声が出た。思い切り変な声が。
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