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第7章【金の髪に翡翠の瞳。天使の様な乙女ゲーム主人公オフィーリア】
118#フローラそっくりの変態。
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「ただいま。」
学園の寮に戻ったディアルは自室に向かう前にフローラの部屋に寄る。
フローラとして学園での休日を過ごしたレオンハルトに話を聞き、互いの情報を交換したかった。
だがまた、この前の様にマッパのレオンハルトになってオッサンみたいにゴロ寝していたら…襲われ掛けたらどうしようかと思ったディアルだったが、レオンハルトは普通にオフィーリアの姿をして椅子に座っていた。
「……どうしたのレオン…険しい顔をして……。」
ホッとしたような…何だか残念な様な…複雑な胸の内を隠してディアルはオフィーリアの向かい側に椅子を運んで座る。
「ハワードに…一度フローラに逢わせろと言うつもりで上級生の校舎に行ったんだが……。」
「……ええ…?やっぱりレオンもフローラの事、気になったのね…。」
互いが今日一日、知った情報を話し合う。
一通り話した後に、暫し無言になる二人。
王子様に愛されるヒロイン。そして、お邪魔虫扱いの悪役令嬢。
悪役令嬢という苦難イベントを乗り越え、なんだかんだで結ばれる二人。
そんなテンプレみたいな恋愛事情のお手伝いをしろって親父が仕組むだなんてなぁと、お遊び気分で軽く考えていた二人だったが…。
「親父が俺達に出した課題は、この国の今後の在り方だと思う。……誰を次の国王とするべきか、その王妃となるべきは誰なのか……本当にロザリンドを国外追放として良いのか…何より今はフローラの身が心配だよな。」
「師匠…おとんが私達に任せきりで出て来ないって事は、まぁ無事ではあるのでしょうけど…私、ハワードに対して不信感いっぱいなのよね。でも、だからハワードが悪い奴かって言ったら、そうとは限らない場合もあるわよね?一方的に想いを寄せたからと言って……」
「……まぁな。俺だって愛し過ぎた余り、1000年もの間ディアーナを追っかけ回したストーカーみたいなモンだし。」
向かい側に座るレオンハルトの手がディアーナの手の甲に重なる。
ゴツゴツと節くれ立つ剣士の大きな手がディアーナの手を包む。
たくましく、頼もしく…温かい大きな手……の感触なのに、どう見てもディアーナの手の甲に重なる手は白く細く華奢で小さい少女の手だ。
目から入る情報と、感触が違い過ぎる!!
「……愛している、ディアーナ……」
「……そんな、鈴が鳴る様な声音で言われても……脳ミソが納得いかんつーか………レオンじゃないし。……やめてよ……」
ディアルは手に着いた汚いモノを払う様に、手をぶんぶん振ってオフィーリアの手を振り払おうとする。
「……俺はレオンハルトだよ……」
「いや、オフィーリアだし。」
「ディアーナ…君を抱きたい……」
「無理。無理だし。」
「ディアーナ……!!」
「無理だって言っとるだろーが!!!ギャー!!」
ディアルは華奢な少女にベッドに押し倒される。
押し倒した少女の見た目は天使の様に可憐な美少女。
なのに、目茶苦茶力が強いわ、感触はマッチョだわ。
「愛している、ディアーナ…」
「や、やめてぇえ!!無理ぃい!!た、助けてぇ!急に「抱きたいスイッチ」入るのやめてぇえ!」
「ちょっと!!あなた方、何をしてらっしゃるの!!!」
フローラの自室のドアが開いており、ロザリンドとジージョ…いや、侍女が立っていた。
「ディアル!!男子禁制の女子寮に入り込むなんて!バレたら退学は免れないわよ!!何をしてらっしゃるの!!」
「マンジ!助かった!マンジ~!!」
ディアルは自分を組み敷くオフィーリアを押し退けてベッドから逃げ出し、半泣きでロザリンドの背に隠れた。
「な、何よ、何なの!?」
ロザリンドは自身の背後に隠れたディアルを振り返る。
本日の午前中に、ロザリンド達をゴロツキから救い出した腕っぷしの強い少年が、フローラそっくりな少女にのし掛かられて半泣きになっている。
「邪魔すんなよ、はとこ殿。俺がディアルを抱くのを。」
オフィーリアはまばゆい位に美しい笑顔を見せロザリンドの前に立ち、口元に手を当て「ウフッ」と可愛い子ぶる。
「はぁあ!?フローラと同じ顔で、気持ち悪い事言ってんじゃないわよ!!顔と言葉と行動がちぐはぐだわ!気持ち悪いわね!!」
「……お嬢様、話が進みません。何しろディアル様のお仲間です。話が通じない事は想定内だと思われます。耐えて下さい。」
おかっぱ頭の、出来る女風の侍女は毅然とした態度でキッパリ言い放った。
さすがジージョ。
つか、一回ブチキレしたせいか、何か強くなったわね。
とにかく、時間は有限ですから無駄にしてはなりませんとジージョに促され、フローラの部屋にて四人で話をする事になった。
「寮に戻って来られてから、お嬢様がフローラ様のお部屋に行くと申しまして。本当にフローラ様ご本人ではないかを確認したいと。」
それで、わざわざフローラの部屋に来たのか……。ロザマンジ。
「貴女はフローラではないの?なんて、確認するまでも無いわね。わたくしの知っているフローラは、少年を無理矢理押し倒すような変態ではありませんでしたもの。」
寮に戻ったロザリンドは、街ではほどいていた髪を綺麗に縦ロールに巻いており、香の薫りに包まれている。
今日一日、部屋から出ずに身体を磨いていたとの偽りの証明の為か。
「残念ながら俺はフローラじゃねぇな。ちなみに嬢ちゃん……ランドルとは知り合いか?ランドルとフローラ……を知ってるか?」
ロザリンドは、オフィーリアが濁して言わなかった部分を無意識に頭に想像してしまった。
『二人が、出来ているの』と。
そして無意識に、ごく僅かにロザリンドの顎が下に動いた。
頷く様に。
「……やっぱりな、フローラとハワードは付き合ってねぇんだな。」
「当たり前じゃない…フローラとランドル殿下は…ずっと前から……殿下の立場上、それを隠してなければならなかったけど…。フローラがハワードと恋仲だなんて無いわよ。…回りからそんな風に思われる様には…なっていたけど……」
ロザリンドの声が言いにくそうにくぐもる。
だが、フローラとハワードが付き合っているのだと思われていた事も、ロザリンドとしては腹立たしく感じていた。
ディアルはロザリンドの表情を見ながら、ふと考える。
第三王子の事を殿下と呼んだロザリンドは、自身の婚約者であるハワードを感情が高ぶると無意識で呼び捨てにしたりする。
怖い男だとも言った。
婚約者だけど好きでない。を通り越して、嫌悪感さえ露にしているように見える。
怖い男……何があったのだろう。
「あなたがフローラでないのは分かったわよ。フローラそっくりの変態だってね。それなら…本物のフローラはどこに行ったのよ。……階段から落ちた日から、わたくしは会えてないって事よね?…ハワード……殿下なら知ってるって事?」
「そのハワードだが、学園から姿を消している。俺は昼に上級生の校舎に行ったんだが居なかった。他のパイセンに話を聞いたら2日ほど前から居なくなったそうだ。」
ロザリンドとジージョが顔を見合せて「パイセン?」と呟き合っている。
ディアルは小声で「先輩って意味だよ。」と二人に教える。
「パイセンは分かったけど、ハワードが居なくなったって…じゃあ、フローラが何処に消えたのか分からないの!?」
ロザリンドの顔からサァと血の気が引く。
「意外に本当に太っちゃってダイエットの為に実家に居たりしないのか?」
軽い口調で答えるオフィーリアに、青くなったロザリンドが首を激しく横に振る。
「そんなワケ無いでしょう!!とっくに調べたわよ!足を怪我して学園を一時離れた時だって、実家に帰ってなかったのですもの!」
オフィーリアとディアルは目で会話をする。
フローラの居どころはハワードだけが知っている。
創造神のジャンセンが首を突っ込んで来てないのだから、フローラの命が危ないなんて事は無いだろうが…
「いきなり転移魔法でハワードん所行って、アイツをボコってフローラの居どころ吐かせて…なんてしたら、親父が納得しねーよな…」
「師匠が求める答えが、悪役令嬢から王子とフローラを助けてハッピーエンドにしてあげなさいじゃないんでしょ?だったら、きっと駄目ね。その先を考えろって言ってんだもんね。」
二人は目で会話をする。
━━━めんどくせぇ。━━━
「……とりあえず、ハワードが居なくてもロザマンジは俺達の事を何も気付いて無いことにしといてよ。」
「この学園、ハワードの息の掛かった奴も居るっぽいしな。ランドルの名を語らせ、いたいけな俺を傷物にするよう命じた奴も居るみたいだし。」
大股を開いて前屈みで座る、オッサンみたいなオフィーリアにディアル、ロザリンド、侍女が「いたいけな?はぁ?」と視線を送った。
学園の寮に戻ったディアルは自室に向かう前にフローラの部屋に寄る。
フローラとして学園での休日を過ごしたレオンハルトに話を聞き、互いの情報を交換したかった。
だがまた、この前の様にマッパのレオンハルトになってオッサンみたいにゴロ寝していたら…襲われ掛けたらどうしようかと思ったディアルだったが、レオンハルトは普通にオフィーリアの姿をして椅子に座っていた。
「……どうしたのレオン…険しい顔をして……。」
ホッとしたような…何だか残念な様な…複雑な胸の内を隠してディアルはオフィーリアの向かい側に椅子を運んで座る。
「ハワードに…一度フローラに逢わせろと言うつもりで上級生の校舎に行ったんだが……。」
「……ええ…?やっぱりレオンもフローラの事、気になったのね…。」
互いが今日一日、知った情報を話し合う。
一通り話した後に、暫し無言になる二人。
王子様に愛されるヒロイン。そして、お邪魔虫扱いの悪役令嬢。
悪役令嬢という苦難イベントを乗り越え、なんだかんだで結ばれる二人。
そんなテンプレみたいな恋愛事情のお手伝いをしろって親父が仕組むだなんてなぁと、お遊び気分で軽く考えていた二人だったが…。
「親父が俺達に出した課題は、この国の今後の在り方だと思う。……誰を次の国王とするべきか、その王妃となるべきは誰なのか……本当にロザリンドを国外追放として良いのか…何より今はフローラの身が心配だよな。」
「師匠…おとんが私達に任せきりで出て来ないって事は、まぁ無事ではあるのでしょうけど…私、ハワードに対して不信感いっぱいなのよね。でも、だからハワードが悪い奴かって言ったら、そうとは限らない場合もあるわよね?一方的に想いを寄せたからと言って……」
「……まぁな。俺だって愛し過ぎた余り、1000年もの間ディアーナを追っかけ回したストーカーみたいなモンだし。」
向かい側に座るレオンハルトの手がディアーナの手の甲に重なる。
ゴツゴツと節くれ立つ剣士の大きな手がディアーナの手を包む。
たくましく、頼もしく…温かい大きな手……の感触なのに、どう見てもディアーナの手の甲に重なる手は白く細く華奢で小さい少女の手だ。
目から入る情報と、感触が違い過ぎる!!
「……愛している、ディアーナ……」
「……そんな、鈴が鳴る様な声音で言われても……脳ミソが納得いかんつーか………レオンじゃないし。……やめてよ……」
ディアルは手に着いた汚いモノを払う様に、手をぶんぶん振ってオフィーリアの手を振り払おうとする。
「……俺はレオンハルトだよ……」
「いや、オフィーリアだし。」
「ディアーナ…君を抱きたい……」
「無理。無理だし。」
「ディアーナ……!!」
「無理だって言っとるだろーが!!!ギャー!!」
ディアルは華奢な少女にベッドに押し倒される。
押し倒した少女の見た目は天使の様に可憐な美少女。
なのに、目茶苦茶力が強いわ、感触はマッチョだわ。
「愛している、ディアーナ…」
「や、やめてぇえ!!無理ぃい!!た、助けてぇ!急に「抱きたいスイッチ」入るのやめてぇえ!」
「ちょっと!!あなた方、何をしてらっしゃるの!!!」
フローラの自室のドアが開いており、ロザリンドとジージョ…いや、侍女が立っていた。
「ディアル!!男子禁制の女子寮に入り込むなんて!バレたら退学は免れないわよ!!何をしてらっしゃるの!!」
「マンジ!助かった!マンジ~!!」
ディアルは自分を組み敷くオフィーリアを押し退けてベッドから逃げ出し、半泣きでロザリンドの背に隠れた。
「な、何よ、何なの!?」
ロザリンドは自身の背後に隠れたディアルを振り返る。
本日の午前中に、ロザリンド達をゴロツキから救い出した腕っぷしの強い少年が、フローラそっくりな少女にのし掛かられて半泣きになっている。
「邪魔すんなよ、はとこ殿。俺がディアルを抱くのを。」
オフィーリアはまばゆい位に美しい笑顔を見せロザリンドの前に立ち、口元に手を当て「ウフッ」と可愛い子ぶる。
「はぁあ!?フローラと同じ顔で、気持ち悪い事言ってんじゃないわよ!!顔と言葉と行動がちぐはぐだわ!気持ち悪いわね!!」
「……お嬢様、話が進みません。何しろディアル様のお仲間です。話が通じない事は想定内だと思われます。耐えて下さい。」
おかっぱ頭の、出来る女風の侍女は毅然とした態度でキッパリ言い放った。
さすがジージョ。
つか、一回ブチキレしたせいか、何か強くなったわね。
とにかく、時間は有限ですから無駄にしてはなりませんとジージョに促され、フローラの部屋にて四人で話をする事になった。
「寮に戻って来られてから、お嬢様がフローラ様のお部屋に行くと申しまして。本当にフローラ様ご本人ではないかを確認したいと。」
それで、わざわざフローラの部屋に来たのか……。ロザマンジ。
「貴女はフローラではないの?なんて、確認するまでも無いわね。わたくしの知っているフローラは、少年を無理矢理押し倒すような変態ではありませんでしたもの。」
寮に戻ったロザリンドは、街ではほどいていた髪を綺麗に縦ロールに巻いており、香の薫りに包まれている。
今日一日、部屋から出ずに身体を磨いていたとの偽りの証明の為か。
「残念ながら俺はフローラじゃねぇな。ちなみに嬢ちゃん……ランドルとは知り合いか?ランドルとフローラ……を知ってるか?」
ロザリンドは、オフィーリアが濁して言わなかった部分を無意識に頭に想像してしまった。
『二人が、出来ているの』と。
そして無意識に、ごく僅かにロザリンドの顎が下に動いた。
頷く様に。
「……やっぱりな、フローラとハワードは付き合ってねぇんだな。」
「当たり前じゃない…フローラとランドル殿下は…ずっと前から……殿下の立場上、それを隠してなければならなかったけど…。フローラがハワードと恋仲だなんて無いわよ。…回りからそんな風に思われる様には…なっていたけど……」
ロザリンドの声が言いにくそうにくぐもる。
だが、フローラとハワードが付き合っているのだと思われていた事も、ロザリンドとしては腹立たしく感じていた。
ディアルはロザリンドの表情を見ながら、ふと考える。
第三王子の事を殿下と呼んだロザリンドは、自身の婚約者であるハワードを感情が高ぶると無意識で呼び捨てにしたりする。
怖い男だとも言った。
婚約者だけど好きでない。を通り越して、嫌悪感さえ露にしているように見える。
怖い男……何があったのだろう。
「あなたがフローラでないのは分かったわよ。フローラそっくりの変態だってね。それなら…本物のフローラはどこに行ったのよ。……階段から落ちた日から、わたくしは会えてないって事よね?…ハワード……殿下なら知ってるって事?」
「そのハワードだが、学園から姿を消している。俺は昼に上級生の校舎に行ったんだが居なかった。他のパイセンに話を聞いたら2日ほど前から居なくなったそうだ。」
ロザリンドとジージョが顔を見合せて「パイセン?」と呟き合っている。
ディアルは小声で「先輩って意味だよ。」と二人に教える。
「パイセンは分かったけど、ハワードが居なくなったって…じゃあ、フローラが何処に消えたのか分からないの!?」
ロザリンドの顔からサァと血の気が引く。
「意外に本当に太っちゃってダイエットの為に実家に居たりしないのか?」
軽い口調で答えるオフィーリアに、青くなったロザリンドが首を激しく横に振る。
「そんなワケ無いでしょう!!とっくに調べたわよ!足を怪我して学園を一時離れた時だって、実家に帰ってなかったのですもの!」
オフィーリアとディアルは目で会話をする。
フローラの居どころはハワードだけが知っている。
創造神のジャンセンが首を突っ込んで来てないのだから、フローラの命が危ないなんて事は無いだろうが…
「いきなり転移魔法でハワードん所行って、アイツをボコってフローラの居どころ吐かせて…なんてしたら、親父が納得しねーよな…」
「師匠が求める答えが、悪役令嬢から王子とフローラを助けてハッピーエンドにしてあげなさいじゃないんでしょ?だったら、きっと駄目ね。その先を考えろって言ってんだもんね。」
二人は目で会話をする。
━━━めんどくせぇ。━━━
「……とりあえず、ハワードが居なくてもロザマンジは俺達の事を何も気付いて無いことにしといてよ。」
「この学園、ハワードの息の掛かった奴も居るっぽいしな。ランドルの名を語らせ、いたいけな俺を傷物にするよう命じた奴も居るみたいだし。」
大股を開いて前屈みで座る、オッサンみたいなオフィーリアにディアル、ロザリンド、侍女が「いたいけな?はぁ?」と視線を送った。
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