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第六章【異世界にて悪役令嬢再び。】
105#殺される覚悟で夫婦喧嘩。それが日常。
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「ちょ、頂上決めるだと?お兄ちゃん?一体どういう……ぶぉはっ!!」
偽レオンハルトは、ディアーナの怒りの原因に辿り着く事が出来ないまま、再び腹部に拳を受ける。
「……?なぁに?張り合い無いわね…いつもみたいにガードもしないで。
お兄ちゃん、弱くなった?それとも、私の攻撃なんてガードする気にもならない程、弱いって言ってんの?」
腹部を押さえてうずくまる偽レオンハルトがディアーナを見上げた。
視線の先のディアーナは黒いサラシに黒い紐パンのエロい姿で、両手に拳を握り、冷めた目で偽レオンハルトを見下ろしている。
そのディアーナと目が合った偽レオンハルトの顔には驚愕と恐怖が見て取れる。
リュシーは、そんな表情をするヤツを初めて見た。
そんなヤツが、うずくまったまま焦った様にディアーナに訴え掛ける。
「ディアーナ!!俺は、お前の愛する男だろう!?
お前は愛する男を殺す気か!?そもそも何でそんな…!
愛する男に怒りを…!」
「………あ?お前だぁ?誰にモノ言ってんのよ……って言うか、死なないクセに何を言ってんの。
不死身の身体を持つ世界最強の男が、何をヘタレってんのよ。」
偽レオンハルトはディアーナの言っている言葉の意味が理解出来ない。
世界最強?しかも不死身?そんな人間が居るハズが無い。
ただ、今分かるのは、ディアーナが死なない相手だと言う自分に対し、何の躊躇も無く全力で攻撃してくる気が満々だという事。
偽レオンハルトは、物理攻撃に対し致命傷は負わない。
だが、痛みは感じ、身に纏う魔力は削がれる。
「何で怒ってるですって?!!
殿下の初試作品、私のプリンを勝手に食いやがったからでしょーが!!」
プリン!?プリン!?プリンて何だ!?
………!!!
あの記憶の中にあった、茶色が乗った黄色いプルンプルンしたアレかぁあ!?
「そんな事で!?お!俺は!!レオンハルトではない!!
本物のレオンハルトではない!!
プリンも知らん!!や、やめてくれ!」
リュシーもディアーナの言う言葉の意味が半分以上は理解出来なかった。
プリンて何だ。と言うか世界最強?不死身?そんな人間居ないだろう。と。
だが、ディアーナの言葉に嘘は感じられず、自分と同じく、そう感じているアイツは必死で命乞いを始めた。
「た、頼む!やめてくれ!俺は違う!」
ディアーナは偽レオンハルトの胸ぐらを掴み身体を持ち上げ、拳を振りかざす。
「俺は本物じゃない!偽物なんだ!!!」
「ニセモノ?ナニそれ、どこの言葉?美味しいの??」
怖い位の笑顔のディアーナが、偽レオンハルトの顔面に拳を叩き込む。
「ぐあ!は!まっ!待って…!あああ!!こ、壊れ…!」
胸ぐらを掴まれたまま、何度も拳を叩き込まれた偽レオンハルトはもはやレオンハルトの顔をしておらず、同時にディアーナの記憶への操作も解けてしまっていた。
が、ディアーナには関係無い。拳は止まらない。
いわゆるタコ殴りである。
茫然とその様子を見ていたリュシーに、偽レオンハルトの視線が飛ぶ。
ソイツは、思い付いた様に
姿をリュシーの妹であるシャルに変えた。
「お兄ちゃん!!痛い!!助けて!!!お願い!!」
「シャル!!!」
リュシーは頭では理解していた。
胸ぐらを掴まれ泣き叫ぶこれは、シャルではない。
だが、シャルの姿をし、シャルの声音で助けを求められ
現実では自分が助けられなかった、その場に居られなかった為に妹を死なせた悔しさから、妹を殴ろうとするディアーナを止めようとリュシーが足を踏み出す。
「動くな!!目ぇつむってろ!!リュシー!!
これは、あんたの!妹じゃない!!」
ディアーナは偽シャルの胸ぐらを掴んだまま、背負って投げる様に川にソイツを落とした。
川に浸かって姿を見えなくした状態で馬乗りになり、何度も拳を叩き込む。
ディアーナの拳の衝撃で、川面に魚がプカプカ浮く。
「お、女ぁあ!…いい加減に………しろぉぉ!!!このまま夢の中で死ねぇ!!」
最早、人の姿を保てなくなったソレは、黒いモヤのような得体の知れない人型となり、実体化したかのように鋭い触手が馬乗りになるディアーナの腹部を深く貫いた。
かと思われたが、刺したハズの触手が霧散するかのように消え失せた。
「はぁぁぁぁ!!???」
「攻撃は無効化されるわ!!私も不死身なのよ、聖女だからね!
創造主ジャンセンの娘で、神の御子レオンハルトの妻!
月の女神ディアーナ!それが私よ!!
さぁ!!お前なんざ、プチプチっとやってやるわ!!おら!!覚悟しろぉぉ!!」
この口の汚い無敵の女神は、目の前の人の型をした黒いモヤモヤの塊に、嬉々としてリュシーの風魔法が付与されたナイフを突き立てた。
「こんな女神っ……!いるかぁぁ!!!」
「ここに居るだろーーが!!!」
黒いモヤモヤしたモノは、小さな虫の集まりが散らされるようにブワッと散り、中から猫程の大きさの黒い塊が飛び出した。
「チッ!!本体、刺し損ねた…!!」
その飛び出した黒い塊は、その場にたまたま居た青年に飛び付こうとした。
削がれた魔力を補う為に、夢の中の住人にしては、えらく存在感のある青年の生気を奪おうと、黒い塊は青年に飛び付こうとしたが
青年は飛び付かれる前に、その黒い塊を片手で簡単に捕らえた。
「………何ですかコレは。魔物じゃないですか。俺にナニしようとした?……ウゼェ。」
青年はイラッとした顔をして、片手で黒い塊を握り潰した。
青年の手から、黒い塊の存在が完全に消え失せる。
意識せずとも強い魔力を持つ青年、創造主であるジャンセンは、いとも簡単にソイツをこの世から消し去った。
「師匠ーー!!つか、おとん!!それ、私の獲物ー!!あー!ちょっとは残しといてよ!」
「味見したかったのにみたいな言い方するんじゃないよ、馬鹿娘。呼ぶの遅いんだよ。」
リュシーは口をポカンと開けたまま、二人のやり取りを見ている。
現れた黒髪に黒い瞳の青年をディアーナがおとんと呼び、その青年はディアーナを娘と呼んだ。
この黒い青年は、アイツを武器も使わず片手で粉砕した……。
そしてもう一人……気になる人物が黒い青年の隣に居る……。
そう、この姿はレオンハルトさん。初めて見た、本物のレオンハルトさん。
この世界に現れた瞬間から、土下座しておりますが。
「ディアーナ!!すまない!!王子さんのプリンを!!食ってしまいましたぁあ!!もう二度と!こんな事はしません!」
「そうよ!!私を愛してるなら、そんなヒドイ事出来ないハズでしょ!!」
「おっしゃる通りです!!魔が差しました!大変、申し訳ございません!!」
世界最強らしい男が、ディアーナには一切逆らわない。
リュシーは暫く二人の様子を見ていたが、何だか可笑しくなり、笑ってしまった。
「あはは!何だか…なぁ……想像以上だ……敵わないな、これは……色々と…。」
土下座をするレオンハルトと、腕を組んで偉そうに説教をするディアーナの、二人の雰囲気が余りにも楽しげで、自分が二人の間に入る事は絶対に無理なのだと、理解した。
1000年想い、想われていたも何だか本当のような気がしてくる。
「……………あれ……?!アイツが居なくなったのに、夢の世界が終わって無い…?まさか、まだアイツが生きて……!」
「いや、死んだ。殺した。ここは、ディアーナの夢の中だから、アイツが死んでもすぐ消えない。で、俺が少し維持させている。君と話したくて。」
黒髪に黒い瞳の美しい青年はリュシーの前に立ち、軽く頭を下げる。
「私はジャンセン。ディアーナとレオンハルトの父であり、君が狩り場に選んだ世界を創った創造主だよ。神様って言って分かるかな?」
リュシーは……もしかしたら、この人も中二病?とか少し考えてしまった。ああ、これがディアーナ様の言ってた黒い残念さん…。
「……まぁ、そう思いたいなら構わないんだけど……今回の件は、俺にも責任があるみたいで……さっきの魔物は、俺の創った世界で生まれたヤツだ。」
リュシーは心を読まれた事にも焦ったが、謎の生命体だったアイツの正体を理解しているジャンセンの言葉に驚いた。
「……え?」
「と言うか…君の居る世界?そこも俺が副産物として創った世界っぽい。俺が意識せずに。」
「……は?」
「君の世界には、神が居ない。神と言うか管理者が居ない。だから、世界自体が滅び掛けても誰も救いの手を出せなかった。」
「……は?意味が……」
「俺がねぇ…こうやって世界を創るだろ?」
ジャンセンは川辺の泥を手ですくい、泥団子を作って地面に置いた。
そして、手に残った泥を集めて小さな団子を作り、先に作った団子の隣に置く。
「こんな風に、余ったから放置した泥……俺の魔力から勝手に生れた世界みたい。だから管理者が居ない。」
「……はぁ?……」
ディアーナとレオンハルトが、泥団子を見ているジャンセンとリュシーの側に来る。
「なぁに?泥遊び?楽しそうねー」
「!!楽しいワケ無いでしょ!大混乱ですよ!!俺、今何の説明されてるんですか!?何を、どうすればいいんですか!!」
リュシーは混乱していた。
自分の世界を食い物にしていたヤツは倒されたっぽい。
だから、自分はもう少女達の夢に入り込んで、彼女達の命を奪うような事はしなくて済む。
だから後は、寂しいけれどディアーナと別れ、自分は自分の世界で目を覚まして王達に報告をして……なんて思っていたのに、自分は神様ですよなんて言ってる若造に、ワケの分からない説明を受けている。
悪が倒れました!平和になりました!
めでたしめでたし!で、解散じゃないのか!?
偽レオンハルトは、ディアーナの怒りの原因に辿り着く事が出来ないまま、再び腹部に拳を受ける。
「……?なぁに?張り合い無いわね…いつもみたいにガードもしないで。
お兄ちゃん、弱くなった?それとも、私の攻撃なんてガードする気にもならない程、弱いって言ってんの?」
腹部を押さえてうずくまる偽レオンハルトがディアーナを見上げた。
視線の先のディアーナは黒いサラシに黒い紐パンのエロい姿で、両手に拳を握り、冷めた目で偽レオンハルトを見下ろしている。
そのディアーナと目が合った偽レオンハルトの顔には驚愕と恐怖が見て取れる。
リュシーは、そんな表情をするヤツを初めて見た。
そんなヤツが、うずくまったまま焦った様にディアーナに訴え掛ける。
「ディアーナ!!俺は、お前の愛する男だろう!?
お前は愛する男を殺す気か!?そもそも何でそんな…!
愛する男に怒りを…!」
「………あ?お前だぁ?誰にモノ言ってんのよ……って言うか、死なないクセに何を言ってんの。
不死身の身体を持つ世界最強の男が、何をヘタレってんのよ。」
偽レオンハルトはディアーナの言っている言葉の意味が理解出来ない。
世界最強?しかも不死身?そんな人間が居るハズが無い。
ただ、今分かるのは、ディアーナが死なない相手だと言う自分に対し、何の躊躇も無く全力で攻撃してくる気が満々だという事。
偽レオンハルトは、物理攻撃に対し致命傷は負わない。
だが、痛みは感じ、身に纏う魔力は削がれる。
「何で怒ってるですって?!!
殿下の初試作品、私のプリンを勝手に食いやがったからでしょーが!!」
プリン!?プリン!?プリンて何だ!?
………!!!
あの記憶の中にあった、茶色が乗った黄色いプルンプルンしたアレかぁあ!?
「そんな事で!?お!俺は!!レオンハルトではない!!
本物のレオンハルトではない!!
プリンも知らん!!や、やめてくれ!」
リュシーもディアーナの言う言葉の意味が半分以上は理解出来なかった。
プリンて何だ。と言うか世界最強?不死身?そんな人間居ないだろう。と。
だが、ディアーナの言葉に嘘は感じられず、自分と同じく、そう感じているアイツは必死で命乞いを始めた。
「た、頼む!やめてくれ!俺は違う!」
ディアーナは偽レオンハルトの胸ぐらを掴み身体を持ち上げ、拳を振りかざす。
「俺は本物じゃない!偽物なんだ!!!」
「ニセモノ?ナニそれ、どこの言葉?美味しいの??」
怖い位の笑顔のディアーナが、偽レオンハルトの顔面に拳を叩き込む。
「ぐあ!は!まっ!待って…!あああ!!こ、壊れ…!」
胸ぐらを掴まれたまま、何度も拳を叩き込まれた偽レオンハルトはもはやレオンハルトの顔をしておらず、同時にディアーナの記憶への操作も解けてしまっていた。
が、ディアーナには関係無い。拳は止まらない。
いわゆるタコ殴りである。
茫然とその様子を見ていたリュシーに、偽レオンハルトの視線が飛ぶ。
ソイツは、思い付いた様に
姿をリュシーの妹であるシャルに変えた。
「お兄ちゃん!!痛い!!助けて!!!お願い!!」
「シャル!!!」
リュシーは頭では理解していた。
胸ぐらを掴まれ泣き叫ぶこれは、シャルではない。
だが、シャルの姿をし、シャルの声音で助けを求められ
現実では自分が助けられなかった、その場に居られなかった為に妹を死なせた悔しさから、妹を殴ろうとするディアーナを止めようとリュシーが足を踏み出す。
「動くな!!目ぇつむってろ!!リュシー!!
これは、あんたの!妹じゃない!!」
ディアーナは偽シャルの胸ぐらを掴んだまま、背負って投げる様に川にソイツを落とした。
川に浸かって姿を見えなくした状態で馬乗りになり、何度も拳を叩き込む。
ディアーナの拳の衝撃で、川面に魚がプカプカ浮く。
「お、女ぁあ!…いい加減に………しろぉぉ!!!このまま夢の中で死ねぇ!!」
最早、人の姿を保てなくなったソレは、黒いモヤのような得体の知れない人型となり、実体化したかのように鋭い触手が馬乗りになるディアーナの腹部を深く貫いた。
かと思われたが、刺したハズの触手が霧散するかのように消え失せた。
「はぁぁぁぁ!!???」
「攻撃は無効化されるわ!!私も不死身なのよ、聖女だからね!
創造主ジャンセンの娘で、神の御子レオンハルトの妻!
月の女神ディアーナ!それが私よ!!
さぁ!!お前なんざ、プチプチっとやってやるわ!!おら!!覚悟しろぉぉ!!」
この口の汚い無敵の女神は、目の前の人の型をした黒いモヤモヤの塊に、嬉々としてリュシーの風魔法が付与されたナイフを突き立てた。
「こんな女神っ……!いるかぁぁ!!!」
「ここに居るだろーーが!!!」
黒いモヤモヤしたモノは、小さな虫の集まりが散らされるようにブワッと散り、中から猫程の大きさの黒い塊が飛び出した。
「チッ!!本体、刺し損ねた…!!」
その飛び出した黒い塊は、その場にたまたま居た青年に飛び付こうとした。
削がれた魔力を補う為に、夢の中の住人にしては、えらく存在感のある青年の生気を奪おうと、黒い塊は青年に飛び付こうとしたが
青年は飛び付かれる前に、その黒い塊を片手で簡単に捕らえた。
「………何ですかコレは。魔物じゃないですか。俺にナニしようとした?……ウゼェ。」
青年はイラッとした顔をして、片手で黒い塊を握り潰した。
青年の手から、黒い塊の存在が完全に消え失せる。
意識せずとも強い魔力を持つ青年、創造主であるジャンセンは、いとも簡単にソイツをこの世から消し去った。
「師匠ーー!!つか、おとん!!それ、私の獲物ー!!あー!ちょっとは残しといてよ!」
「味見したかったのにみたいな言い方するんじゃないよ、馬鹿娘。呼ぶの遅いんだよ。」
リュシーは口をポカンと開けたまま、二人のやり取りを見ている。
現れた黒髪に黒い瞳の青年をディアーナがおとんと呼び、その青年はディアーナを娘と呼んだ。
この黒い青年は、アイツを武器も使わず片手で粉砕した……。
そしてもう一人……気になる人物が黒い青年の隣に居る……。
そう、この姿はレオンハルトさん。初めて見た、本物のレオンハルトさん。
この世界に現れた瞬間から、土下座しておりますが。
「ディアーナ!!すまない!!王子さんのプリンを!!食ってしまいましたぁあ!!もう二度と!こんな事はしません!」
「そうよ!!私を愛してるなら、そんなヒドイ事出来ないハズでしょ!!」
「おっしゃる通りです!!魔が差しました!大変、申し訳ございません!!」
世界最強らしい男が、ディアーナには一切逆らわない。
リュシーは暫く二人の様子を見ていたが、何だか可笑しくなり、笑ってしまった。
「あはは!何だか…なぁ……想像以上だ……敵わないな、これは……色々と…。」
土下座をするレオンハルトと、腕を組んで偉そうに説教をするディアーナの、二人の雰囲気が余りにも楽しげで、自分が二人の間に入る事は絶対に無理なのだと、理解した。
1000年想い、想われていたも何だか本当のような気がしてくる。
「……………あれ……?!アイツが居なくなったのに、夢の世界が終わって無い…?まさか、まだアイツが生きて……!」
「いや、死んだ。殺した。ここは、ディアーナの夢の中だから、アイツが死んでもすぐ消えない。で、俺が少し維持させている。君と話したくて。」
黒髪に黒い瞳の美しい青年はリュシーの前に立ち、軽く頭を下げる。
「私はジャンセン。ディアーナとレオンハルトの父であり、君が狩り場に選んだ世界を創った創造主だよ。神様って言って分かるかな?」
リュシーは……もしかしたら、この人も中二病?とか少し考えてしまった。ああ、これがディアーナ様の言ってた黒い残念さん…。
「……まぁ、そう思いたいなら構わないんだけど……今回の件は、俺にも責任があるみたいで……さっきの魔物は、俺の創った世界で生まれたヤツだ。」
リュシーは心を読まれた事にも焦ったが、謎の生命体だったアイツの正体を理解しているジャンセンの言葉に驚いた。
「……え?」
「と言うか…君の居る世界?そこも俺が副産物として創った世界っぽい。俺が意識せずに。」
「……は?」
「君の世界には、神が居ない。神と言うか管理者が居ない。だから、世界自体が滅び掛けても誰も救いの手を出せなかった。」
「……は?意味が……」
「俺がねぇ…こうやって世界を創るだろ?」
ジャンセンは川辺の泥を手ですくい、泥団子を作って地面に置いた。
そして、手に残った泥を集めて小さな団子を作り、先に作った団子の隣に置く。
「こんな風に、余ったから放置した泥……俺の魔力から勝手に生れた世界みたい。だから管理者が居ない。」
「……はぁ?……」
ディアーナとレオンハルトが、泥団子を見ているジャンセンとリュシーの側に来る。
「なぁに?泥遊び?楽しそうねー」
「!!楽しいワケ無いでしょ!大混乱ですよ!!俺、今何の説明されてるんですか!?何を、どうすればいいんですか!!」
リュシーは混乱していた。
自分の世界を食い物にしていたヤツは倒されたっぽい。
だから、自分はもう少女達の夢に入り込んで、彼女達の命を奪うような事はしなくて済む。
だから後は、寂しいけれどディアーナと別れ、自分は自分の世界で目を覚まして王達に報告をして……なんて思っていたのに、自分は神様ですよなんて言ってる若造に、ワケの分からない説明を受けている。
悪が倒れました!平和になりました!
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