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第五章【番外編━━腐女子山崎めぐみ転生━━】
75#神の御子夫妻ヤンキー化、壁ドン。
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王宮のメインホールで、懐かしい顔を見付けました。
ディアーナと、元オフィーリアさん。
オフィーリアさんの本当の名前は、レオンハルトさんでしたっけ。
王城で働くようになったわたしは、ディアーナと旅に出たはずの殿下がちょこちょこ城に帰還している姿を見掛けるようになった。
殿下が転移魔法を習得したと聞いた。
よく分からないけど、それはかなり凄い事らしい。
わたしには、便利だな位にしか思わないけど。
まぁ、魔法を使えないわたしには縁がないので。
殿下は1年程前に、ダイナマイトボディの美女をお連れになり、その方を妻に迎えた。
最初の頃は、殿下の好みのタイプは主人公のような清純そうな美少女系だと思っていたのに、オフィーリアさんを見て懲りたから、真逆のタイプの女性を好きになったのかなとか思っていたのだけれど…
後になって、殿下と王太子妃にあたるウィリア様の絆の深さは、そんなタイプだとか外見がどうとかで測れるようなものではないと知った。
同様に、殿下の元婚約者で婚約破棄を言い渡されたディアーナと、ディアーナから殿下を奪い取ったオフィーリアさん…いえ、レオンハルトさんが、今は殿下の親友となっていると聞いて、この国を離れて三人で旅をしている間に、三人が互いを信頼するような関係になる、どんな事があったのだろうと気になっている。
王城メインホールの一番奥、国王陛下の近くに席を用意され、
御披露目会場に現れたディアーナとレオンハルトさんは神の一族の名の通り、人間離れした輝きを放っており……
いつの間にか
ディアーナは、ディングレイ侯爵令嬢ではなくなっていた。
不思議ね、わたしにはディングレイ侯爵令嬢だったディアーナの記憶も残ってるのだけど…。わたし以外の誰にも、その記憶が無い。
今のディアーナは、神の御子の妻で、月の聖女と呼ばれている。
妻か…
オフィーリアさんにプロポーズされた時は驚いたけど、ディアーナはレオンハルトさんを受け入れて、二人は結ばれたのね…。
おめでとう…。
二人はわたしの事なんて覚えてないでしょうけど、わたしはあなた達が好きだったわ…。
これからも、この世界で幸せで居てね……。
遠く離れた場所から二人の姿を見たわたしは満足し、ホールから出ようとした。
そんなわたしの前にスッと腕が現れ、わたしの行く手を塞ぐように壁にダン!と音を立て手の平が当てられる。
「ちょろ子。挨拶も無しに素通りすんなよ。」
はわー!!ヤンキーに絡まれた!!!
転移魔法ですか!?なぜわたし、今!急に目の前に現れたレオンハルトさんとディアーナに両サイドから壁ドンされてるの!!
壁ドンつか、逃げ場無くされて、もうカツアゲじゃないですか!?これ!
神の御子と聖女がヤンキーみたいって、何ですか!!
「ちょ、ちょろ子って何ですか…?わたくしには、ミランダという名前が……」
目が泳ぐ。視線の逃げ場が無い。どこを向いても、ディアーナかレオンハルトさんと目が合う。
「学園に居た頃、ディアーナと俺の回りをウロチョロしていたから、ちょろ子。」
「学園に居た頃?……思い出した!!メグミンじゃない!腐女子の!!」
で、でかい声で言うなぁああ!!!しかも何で、わたしの前世の名前知ってんのよぉ!!
心の中では大きな声を出している。
だが現実には、神の一族の二人の圧が凄すぎて、声が出せない。
「な、何で…わたしの名前…」
かすれた小声でやっと呟くわたしの問いに、楽しげに弾んだ声で返すディアーナ。
「だって、メグミン、サイモンとスティーヴンのチュウしてる絵を描いてた時に、横にサインも書いてたじゃん。」
「チュウしてる絵なんて、描いてませんよ!!!」
そこは全力否定させて貰う!本人が聞いていたら、どうすんだよ!
わたしだってね!本当は、描きたかったけど描かなかった!
だって、本人が居る世界なんだもの!
しかも、芸能人とかみたいに現実には居るけど中々会えない相手じゃない!近い!!いつでも会える、だから、追及されてしまう!
さすがにわたし、腐女子でしたけど創作とはいえ、高校のクラスの男子や先輩を絡ませる勇気はありませんでしたよ!
そんな描きたくなる対象になるヤツも居なかったけど!
そんなもの描いて本人に見つかったら、なんて説明するんですか!
「………へぇ、俺が殿下とチュウ……なぜだ?……」
疑問ごもっとも!妄想爆裂したの!すんません!
壁を背にしてディアーナとレオンハルトさんに囲まれ、逃げ場が無いわたしの視界にサイモンが入る。
レオンハルトさんとディアーナの後ろに、騎士の正装をしたジャンセンさんと、サイモンが立っていた。
「……ふ、ふはは……腐っても女子、それもジャパニーズカルチャーなんで……」
推しのサイモンがわたしに話し掛けて来た。ウソだ…。目が回る。
意味不明な言い訳をしたわたしは、そのまま白目をむいて倒れた。
「前世が日本人で腐女子なんて、面白いわね!!」
「ちょろ子は、学園に居た時からディアーナの事を心配していたぞ?国外追放させたくなかったみたいだしな。」
「メグミンたら、なんてイイヤツなの!!………あー…そっか…そうなんだ…へぇー…」
「へぇー……そうか……だから王城に居るんだ?親父…狙ったのか?」
気を失いつつあるわたしの回りで、ディアーナとレオンハルトさんが話している。
わたしの話をしているのは分かるけど…。
何が、へぇーなのよ!!狙っだ?
本人分からないじゃん!怖いわ!!
翌朝…
目が覚めたわたしは王城の敷地内にある建物の一室、自室に居た。
自室のベッドの上で、上体を起こす。
ここは王城に勤める者で遠い場所から来ている者等が利用する社員寮みたいな所。
わたしは実家の邸から通う事も出来たのだけれど、父と兄が鬱陶しいのでここに住まわせて貰っている。
小さなチェストとベッド、机しかないシンプルな部屋。
執筆活動には最適な部屋なんだけど……
「…………ディアーナ……様達は……」
「ああ、昨夜君が倒れた後に『暴れ足りないから、魔物ぶん殴りに行きまーす』って消えたよ。」
「そ、そ、そうですか………」
わたしが聞きたいのは…そんな事じゃありません…。
サイモン、なぜあんたがわたしの部屋に居る!!
しかも、わたしが依頼されて描いた絵も見てやがる!
大丈夫、大丈夫よ!妄想が暴走して描いた落書きは、ベッドの下に隠してあるから!!
「……ミランダ嬢、なぜ、ジャンセン師匠に俺が押し倒されている絵があるのだろう?」
!!!!!!!!!!!!!!?!???!
ベッドで身体を起こした状態のわたしは、視線をベッド脇の床に落とす。
ベッド下にとりあえず突っ込んどけ!どうせ、わたしの部屋になんか誰も来たりしないわよ!
と、雑に放り込んでいた妄想暴走な落書きが、キレイに揃えられております。
「レオンハルト殿が、ジャンセン師匠を壁に追い詰めている絵もあるな…どちらかと言うと、逆らしいぞ?師匠が言うには。」
ジャンセンさんも拝見済みかよ!!!何だそれ!!!
見た上で、サラリとアドバイスなんか寄越すな!!
「……サイモン様……わたしを……この部屋に運んでくださって…ありがとうございます……」
もしかしたら、転生前の女子高生時代を含めて、わたしは人生初のお姫様抱っこをされたのかも知れない。
しかも超イケメンの、推しキャラだったサイモンに。
だが、だが!そんな事、今はどーでもいー!!
「ありがとうございました!出てって下さい!!!」
嫁入り前の淑女の部屋に男性が!なんて思ってないわよ!
とにかく一人で頭の中を整理させろ!
サイモンはわたしの描いた絵の一枚を持ち、口元をその絵で隠すようにして笑った。
「面白い絵を描くんだな。今まで見てきた絵画とは違う……」
「はい!ジャパニーズカルチャーなんで!!」
ベッドから下りて、サイモンの手から絵を奪い取る。
もう、ジャパニーズカルチャーがわたしの言い訳になっている。
この世界の住人には分からないんだから、いーわよ!
万が一、転生前の日本に帰れたら、全日本国民に土下座するから許して!
「これから城が慌ただしくなる。多くの貴族が罪に問われる事件があったからな…俺達、王城に勤める騎士や兵士も忙しくなる。」
何か大きな事件があったらしいのは聞いている。
だが、わたしには関係無い話だ。うちの家族が関わっている訳でも無いし。
「それがすべて、うまく収まったら、また絵を見せて貰いに来る。」
「何でですか!!!!」
仕事で依頼された歴史書の挿し絵でないわよね!
明らかに、キレイに揃えられた妄想暴走爆裂落書きの方に目がいってますやん!!
なんでや!!!
サイモンから奪い取った絵を手に、興奮して威嚇する猫のようにフーッフーッと激しい呼吸を繰り返す。
サイモンは、そんなわたしの耳元に唇を寄せた。
「今度来た時には、チュウの絵も見せてくれ。」
フリーズ状態になったわたしの姿を見て笑いながら、サイモンは部屋を出て行った。
出て行った………
もう来なくていい!イケメン、しんどい!
ディアーナと、元オフィーリアさん。
オフィーリアさんの本当の名前は、レオンハルトさんでしたっけ。
王城で働くようになったわたしは、ディアーナと旅に出たはずの殿下がちょこちょこ城に帰還している姿を見掛けるようになった。
殿下が転移魔法を習得したと聞いた。
よく分からないけど、それはかなり凄い事らしい。
わたしには、便利だな位にしか思わないけど。
まぁ、魔法を使えないわたしには縁がないので。
殿下は1年程前に、ダイナマイトボディの美女をお連れになり、その方を妻に迎えた。
最初の頃は、殿下の好みのタイプは主人公のような清純そうな美少女系だと思っていたのに、オフィーリアさんを見て懲りたから、真逆のタイプの女性を好きになったのかなとか思っていたのだけれど…
後になって、殿下と王太子妃にあたるウィリア様の絆の深さは、そんなタイプだとか外見がどうとかで測れるようなものではないと知った。
同様に、殿下の元婚約者で婚約破棄を言い渡されたディアーナと、ディアーナから殿下を奪い取ったオフィーリアさん…いえ、レオンハルトさんが、今は殿下の親友となっていると聞いて、この国を離れて三人で旅をしている間に、三人が互いを信頼するような関係になる、どんな事があったのだろうと気になっている。
王城メインホールの一番奥、国王陛下の近くに席を用意され、
御披露目会場に現れたディアーナとレオンハルトさんは神の一族の名の通り、人間離れした輝きを放っており……
いつの間にか
ディアーナは、ディングレイ侯爵令嬢ではなくなっていた。
不思議ね、わたしにはディングレイ侯爵令嬢だったディアーナの記憶も残ってるのだけど…。わたし以外の誰にも、その記憶が無い。
今のディアーナは、神の御子の妻で、月の聖女と呼ばれている。
妻か…
オフィーリアさんにプロポーズされた時は驚いたけど、ディアーナはレオンハルトさんを受け入れて、二人は結ばれたのね…。
おめでとう…。
二人はわたしの事なんて覚えてないでしょうけど、わたしはあなた達が好きだったわ…。
これからも、この世界で幸せで居てね……。
遠く離れた場所から二人の姿を見たわたしは満足し、ホールから出ようとした。
そんなわたしの前にスッと腕が現れ、わたしの行く手を塞ぐように壁にダン!と音を立て手の平が当てられる。
「ちょろ子。挨拶も無しに素通りすんなよ。」
はわー!!ヤンキーに絡まれた!!!
転移魔法ですか!?なぜわたし、今!急に目の前に現れたレオンハルトさんとディアーナに両サイドから壁ドンされてるの!!
壁ドンつか、逃げ場無くされて、もうカツアゲじゃないですか!?これ!
神の御子と聖女がヤンキーみたいって、何ですか!!
「ちょ、ちょろ子って何ですか…?わたくしには、ミランダという名前が……」
目が泳ぐ。視線の逃げ場が無い。どこを向いても、ディアーナかレオンハルトさんと目が合う。
「学園に居た頃、ディアーナと俺の回りをウロチョロしていたから、ちょろ子。」
「学園に居た頃?……思い出した!!メグミンじゃない!腐女子の!!」
で、でかい声で言うなぁああ!!!しかも何で、わたしの前世の名前知ってんのよぉ!!
心の中では大きな声を出している。
だが現実には、神の一族の二人の圧が凄すぎて、声が出せない。
「な、何で…わたしの名前…」
かすれた小声でやっと呟くわたしの問いに、楽しげに弾んだ声で返すディアーナ。
「だって、メグミン、サイモンとスティーヴンのチュウしてる絵を描いてた時に、横にサインも書いてたじゃん。」
「チュウしてる絵なんて、描いてませんよ!!!」
そこは全力否定させて貰う!本人が聞いていたら、どうすんだよ!
わたしだってね!本当は、描きたかったけど描かなかった!
だって、本人が居る世界なんだもの!
しかも、芸能人とかみたいに現実には居るけど中々会えない相手じゃない!近い!!いつでも会える、だから、追及されてしまう!
さすがにわたし、腐女子でしたけど創作とはいえ、高校のクラスの男子や先輩を絡ませる勇気はありませんでしたよ!
そんな描きたくなる対象になるヤツも居なかったけど!
そんなもの描いて本人に見つかったら、なんて説明するんですか!
「………へぇ、俺が殿下とチュウ……なぜだ?……」
疑問ごもっとも!妄想爆裂したの!すんません!
壁を背にしてディアーナとレオンハルトさんに囲まれ、逃げ場が無いわたしの視界にサイモンが入る。
レオンハルトさんとディアーナの後ろに、騎士の正装をしたジャンセンさんと、サイモンが立っていた。
「……ふ、ふはは……腐っても女子、それもジャパニーズカルチャーなんで……」
推しのサイモンがわたしに話し掛けて来た。ウソだ…。目が回る。
意味不明な言い訳をしたわたしは、そのまま白目をむいて倒れた。
「前世が日本人で腐女子なんて、面白いわね!!」
「ちょろ子は、学園に居た時からディアーナの事を心配していたぞ?国外追放させたくなかったみたいだしな。」
「メグミンたら、なんてイイヤツなの!!………あー…そっか…そうなんだ…へぇー…」
「へぇー……そうか……だから王城に居るんだ?親父…狙ったのか?」
気を失いつつあるわたしの回りで、ディアーナとレオンハルトさんが話している。
わたしの話をしているのは分かるけど…。
何が、へぇーなのよ!!狙っだ?
本人分からないじゃん!怖いわ!!
翌朝…
目が覚めたわたしは王城の敷地内にある建物の一室、自室に居た。
自室のベッドの上で、上体を起こす。
ここは王城に勤める者で遠い場所から来ている者等が利用する社員寮みたいな所。
わたしは実家の邸から通う事も出来たのだけれど、父と兄が鬱陶しいのでここに住まわせて貰っている。
小さなチェストとベッド、机しかないシンプルな部屋。
執筆活動には最適な部屋なんだけど……
「…………ディアーナ……様達は……」
「ああ、昨夜君が倒れた後に『暴れ足りないから、魔物ぶん殴りに行きまーす』って消えたよ。」
「そ、そ、そうですか………」
わたしが聞きたいのは…そんな事じゃありません…。
サイモン、なぜあんたがわたしの部屋に居る!!
しかも、わたしが依頼されて描いた絵も見てやがる!
大丈夫、大丈夫よ!妄想が暴走して描いた落書きは、ベッドの下に隠してあるから!!
「……ミランダ嬢、なぜ、ジャンセン師匠に俺が押し倒されている絵があるのだろう?」
!!!!!!!!!!!!!!?!???!
ベッドで身体を起こした状態のわたしは、視線をベッド脇の床に落とす。
ベッド下にとりあえず突っ込んどけ!どうせ、わたしの部屋になんか誰も来たりしないわよ!
と、雑に放り込んでいた妄想暴走な落書きが、キレイに揃えられております。
「レオンハルト殿が、ジャンセン師匠を壁に追い詰めている絵もあるな…どちらかと言うと、逆らしいぞ?師匠が言うには。」
ジャンセンさんも拝見済みかよ!!!何だそれ!!!
見た上で、サラリとアドバイスなんか寄越すな!!
「……サイモン様……わたしを……この部屋に運んでくださって…ありがとうございます……」
もしかしたら、転生前の女子高生時代を含めて、わたしは人生初のお姫様抱っこをされたのかも知れない。
しかも超イケメンの、推しキャラだったサイモンに。
だが、だが!そんな事、今はどーでもいー!!
「ありがとうございました!出てって下さい!!!」
嫁入り前の淑女の部屋に男性が!なんて思ってないわよ!
とにかく一人で頭の中を整理させろ!
サイモンはわたしの描いた絵の一枚を持ち、口元をその絵で隠すようにして笑った。
「面白い絵を描くんだな。今まで見てきた絵画とは違う……」
「はい!ジャパニーズカルチャーなんで!!」
ベッドから下りて、サイモンの手から絵を奪い取る。
もう、ジャパニーズカルチャーがわたしの言い訳になっている。
この世界の住人には分からないんだから、いーわよ!
万が一、転生前の日本に帰れたら、全日本国民に土下座するから許して!
「これから城が慌ただしくなる。多くの貴族が罪に問われる事件があったからな…俺達、王城に勤める騎士や兵士も忙しくなる。」
何か大きな事件があったらしいのは聞いている。
だが、わたしには関係無い話だ。うちの家族が関わっている訳でも無いし。
「それがすべて、うまく収まったら、また絵を見せて貰いに来る。」
「何でですか!!!!」
仕事で依頼された歴史書の挿し絵でないわよね!
明らかに、キレイに揃えられた妄想暴走爆裂落書きの方に目がいってますやん!!
なんでや!!!
サイモンから奪い取った絵を手に、興奮して威嚇する猫のようにフーッフーッと激しい呼吸を繰り返す。
サイモンは、そんなわたしの耳元に唇を寄せた。
「今度来た時には、チュウの絵も見せてくれ。」
フリーズ状態になったわたしの姿を見て笑いながら、サイモンは部屋を出て行った。
出て行った………
もう来なくていい!イケメン、しんどい!
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追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
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