【完結】悪役令嬢に転生した私はヒロインに求婚されましたが、ヒロインは実は男で、私を溺愛する変態の勇者っぽい人でした。

DAKUNちょめ

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第一章【悪役令嬢ディアーナに転生】

22#影と募る不安【レオンハルト目線】

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商業都市シャンクを離れてから、ディアーナの様子がおかしい。


いや、理由は分かっている。

影という存在がディアーナにくっついているからだ。


シャンクを出てからディアーナは、一人の時間を欲するようになった。


元々が、鍛練したいだの強くなりたいだの言っていたので…
まぁ…何となく分かっていた。


今さらながら…


なぜ、ディアーナが俺に「護身の術を教えて下さらない?」と言って来た時に、寝技なんか教えようとしてしまったのか…。


寝技を教えようと純粋な気持ちで、抱き寄せてベッドに押し倒したら頭突きを食らわされ、その日からディアーナが俺を警戒して近付かなくなってしまった。


そこに現れたのが影だ。


王子サマや、令嬢ディアーナを影から護衛するのは当然だろうが、もう姿見せてるし影ではないよな!

それにしてもディアーナにくっつき過ぎだろ!と、鍛練現場を覗き見した時に最初は子供じみた嫉妬をしたのだが……。


今、心がざわついているのは、そんな単純な理由ではない。


影 が、読めない。その存在の在り処が分からない。


あまりに気配を殺すのが人間離れして上手いので、反射的に「奴」を探ってしまった。

人の技ではなく、神の域の業で。


人が気付く筈の無い力を行使した瞬間、奴と目が合った。

奴は目を細め、涼しい顔で微笑を浮かべた。



何者なのか、何であるのか、何処から来たのか、全て読めない。

人の身で出来る隠蔽ではない。

ゆえに、おそらく人間ではない。



長い長い時を生きて来た俺が、初めてまみえる異色の存在。

それが、ディアーナの傍らに居る。


目的が分からない。

俺なのか、ディアーナなのか……。


それが、とてつもなく恐ろしい。

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