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第一章【悪役令嬢ディアーナに転生】
9#そして今に至る…。
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私達は三人でラジェアベリア国の王都を出発した。
「レオンハルト殿、この乗り合い馬車を降りたら歩くのか?」
スティーヴンが尋ねるとレオンハルトは少し首を傾けたようにして頷く。
「ああ、今から向かう村は街道から逸れて獣道みたいな場所を突っ切って行くんだが。」
「それは…令嬢のディアーナ嬢には酷なんじゃないか?
彼女の…その…柔らかな絨毯の上しか歩かないような…白百合のような足では…。」
スティーヴンが貴族令嬢であるディアーナを気遣い、心配そうにディアーナの方を見た。
さすが王子様、紳士的だ。とは、言え…。
━━初めて聞いたわよ、そんな表現!
白魚のような手なら聞いた事あったような気がするけど!白百合の様な足!?
て言うか殿下の中の令嬢のイメージおかしくありません?━━
「殿下、わたくしの事ならお構い…無…く……!!?」
背後に立ち昇る仄暗いオーラに怖気が立つ。
刺激しないように、ゆっくりと背後に居るレオンハルトの方を振り返る。
そこには……鬼が居た。
「王子サンよぉ……見た事あるのかよ……ディアーナの生足…
なぁ、答えろよ…」
「ち、違う!見た事無い!!
深窓の令嬢とは、そういったものだろうと!
そもそも私とディアーナは、そのような親密な関係にはならなかった!それは、オフィーリアであったレオンハルト殿が一番よく知っているであろう!」
「当たり前だ、俺と付き合っていながらディアーナとも親密な関係になっていたりしたら、お前なんかもう生きて、この世には居ないからな!」
何か変な三角関係みたいな会話になってません?
スティーヴン殿下が、私とレオンハルト様を二股したような…。
乗り合い馬車の他の乗客の視線が痛いですわよ…。
ディアーナは二人の肩に手を置き、グワッと力を込め肩肉を鷲掴むとニコリと笑う。
「お二人様とも…回りにご迷惑ですわ……だから、もう黙れ…」
永久凍土のように冷めた目で笑う私に、二人は口をパクパクさせて静かになった。
「レオンハルト殿、この乗り合い馬車を降りたら歩くのか?」
スティーヴンが尋ねるとレオンハルトは少し首を傾けたようにして頷く。
「ああ、今から向かう村は街道から逸れて獣道みたいな場所を突っ切って行くんだが。」
「それは…令嬢のディアーナ嬢には酷なんじゃないか?
彼女の…その…柔らかな絨毯の上しか歩かないような…白百合のような足では…。」
スティーヴンが貴族令嬢であるディアーナを気遣い、心配そうにディアーナの方を見た。
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━━初めて聞いたわよ、そんな表現!
白魚のような手なら聞いた事あったような気がするけど!白百合の様な足!?
て言うか殿下の中の令嬢のイメージおかしくありません?━━
「殿下、わたくしの事ならお構い…無…く……!!?」
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「王子サンよぉ……見た事あるのかよ……ディアーナの生足…
なぁ、答えろよ…」
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