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もう父と子ではない。
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ガインは身体に鈍痛を感じ、うっすらと目を開いた。
床の上で寝てしまった様で、仰向けになった自分の背の下が硬く、身体の所々に鈍い痛みが走る。
ぼんやりとした意識が段々と鮮明になり、自分の目に映る景色と状況を把握するのに時間を要した。
「………食堂の天井?
俺は床に倒れて…にしては天井が近いような……」
まだモヤが晴れない様な意識のまま身体を起こそうとしたガインは、自由に動けない様に拘束されている事と、自身が寝かせられていた場所が食堂のテーブルだと気付いた。
「な!何だこれは!!一体どうなって…!」
一気にモヤが晴れ意識が鮮明になり、全裸で拘束された自身の姿に気付いたガインは、賊に押し入られ身ぐるみ剥がされたのかと青褪めた。
そう考えると気掛かりなのは大事な息子達の安否だ。
「キリアン!カーキ!フォーン!誰か居ないのか!!
無事なら声を聞かせてくれ!今すぐ行く!」
ガインは拘束された両腕と右足をバタつかせ、長テーブルの上から身体を起こそうとした暴れ回った。
散々身体を動かした末に、右脚を拘束していたロープだけが上手く解けた。
自由になった右脚を軸に、身体を起こそうとするが束ねた様に結ばれた左脚に力が入らず上手くいかない。
両腕を開いて上げた格好で縛られたままの両手首にロープが食い込み、じわりと血が滲む。
「院長、もう起きたの!?
ちょッ!手首から血が出てるじゃん!」
食堂のドアが開き、真っ先に飛び込んで来たのはフォーンだった。
何事も無かった様に無事なフォーンの姿を見たガインは、ホッと安堵の溜め息を漏らした。
「良かった…賊が押し入ったのかと…キリアンとカーキも無事か?………………………」
フォーンに続きキリアンとカーキが食堂に入り、3人が揃ってテーブル上の自分を見下ろす姿を見て、ガインは初めて自身の状況を把握した。
自分は3人により薬を盛られ、意識を失ってる間に拘束されたのだと。
「結構、きつく縛ったつもりだったんだが。
……中途半端な縛り方で、かえって悪い事をしたな。」
自由になったガインの右脚を見たカーキがポツリと呟く。
強く暴れた為かガインの足首は血が滲み、皮膚は鬱血して赤黒くなっていた。
「……っと……なん……これは……」
ガインは3人に、何から訊ねれば良いのか頭が働かず、言葉も出ない。
キョトンと呆けた顔で言葉を詰まらせながら3人の顔を順に見て行くのが精一杯だ。
ガインを見下ろしていたキリアンがテーブルの端に腰掛け、手にした借用書をガインの目の前に出した。
「院長室の机の引き出し…鍵も掛けずに、よく隠せた気でいたよね。
ずっと気付かなかったフリをしていたんだけど、俺達はかなり前からガインの借金を知っていた。
こんなに多額の借金がある事をなぜ、俺達に話してくれなかったんだ。」
「それは…!お前達に負担を掛けたくなかったからだ!
俺のせいで膨らんだ借金の肩代わりをさせたくなかった!」
先ほどまで何を言って良いか分からずに口ごもっていたガインだが、キリアンの問いにははっきりと答えた。
ガインの中でこの答えは正しくあり、非難される理由が無い。
拘束された状態で頭を持ち上げ真剣に弁明するガインの姿に、フォーンは思わず噴き出した。
「プッあはは、院長カメみたいだねー」
「おい、ふざけんな!これは何なんだ!
さっさとほどけ!」
フォーンの軽い態度につられ普段通りの自分を取り戻したガインは、3人を睨み付けながら両腕を引っ張って腕の拘束を解く様に強く言い放つ。
相変わらずクスクスと笑うフォーンをよそに、無表情なままのキリアンは別の借用書の書面をガインの前に出した。
「借金を返す為に邸を売るのは分かる。
で…足りない分は自分が借金奴隷になって返すって?
環境劣悪な北の鉱山で死ぬまで働き続けるって?
……………そんな事、俺達が許す訳が無いだろう!!!」
キリアンは借用書を握り潰し、その拳をガインに向けて放った。
自分の顔を目掛けて飛んで来たキリアンの拳に、ガインは目を伏せ身構えたが、その拳はガインの髪を掠めてテーブルを強く殴っていた。
ガインは薄目だった瞼を上げ、自分の顔の横に伸びたキリアンの腕からゆっくりとキリアンの顔にまで視線を上げてゆく。
ガインが目にしたキリアンは、テーブルに拳を当てたまま僅かに震え、ポタポタと涙を零していた。
「き……キリアン……」
キリアンの痛々しい姿を目にし、ガインは再び言葉を詰まらせた。
ガインの頭には、「すまない、だが、ありがとう」だの「お前達の気持ちは嬉しい」だの、その場しのぎの慰めの言葉しか思い浮かばない。
どう言い繕った所で借金は無くならないし、ガインは我が子達の為にそうするのが一番良い方法だと思い込んだ上に、独断でそう決めてしまったのだから。
その愛しい我が子達が、どれだけ深く悲しみ、心に傷を負うかをも愚かにも失念して。
「院長、あんたが終身刑に近い借金奴隷になる事で俺達が救われると思っていたのだとしたら………
あんたは、とんでも無く俺達を見くびり過ぎだ。
あんたが言う通り俺達はもうガキじゃない、大人だ。
相談に乗る事も良い案を出す事も出来たんだ。
あんたが辛い時、苦しい時は、俺達を頼って欲しかった。」
カーキは慰める様にキリアンの肩に手を置きながら、ガインと視線を合わせずに淡々と言葉を紡ぐ。
フォーンもカーキに補足するように言葉を繋いだ。
「そうだよ院長。
何もかも秘密にしたまま俺達に何の相談も無しに、借金奴隷になるから「さようなら」なんてさー
俺達はガキだから頼りにならないし、隠し事をさらけ出せる程、信用もしてないって言ってるみたいだよね。」
「それは違う!!俺はお前達を大切に思って…!!」
フォーンの言葉を、ガインは慌てた様に否定したが、ガインを見下ろす3人の目は凍て付いた様に冷たかった。
3人を想うガインの気持ちに偽りは無かったが、3人の今後の身の上を思うばかりに、彼等の気持ちを無視していたのは否めない。
「……お前達を大切に思って……だから……
それが、お前達を苦しめない一番良い方法だと思ったんだ…
……すまなかった……」
ガインの声は段々と小さくなり、最後の謝罪は掠れ声になっていた。
「もう遅い。」
キリアンは一度握り潰した借用書を開いてガインの目の前に出し、ガインの目の前でそれを縦に裂いて破り捨てた。
「その借用書はもう無効だ。
この邸と借金奴隷となった院長の身柄を引っくるめて、俺達が買い取った。」
キリアンの手を離れ、ヒラヒラと舞う様に床に落ちた借用書の一部をカーキは憎々しげな表情で踏み付けた。
「は…?それは…どういう……い…」
戸惑う様に言葉を途切れさせながら訊ね掛けたガインの声を遮り、渇いた涙跡を拭ったキリアンが冷ややかな面持ちでガインに告げた。
「借金を肩代わりしたのではない。
邸と奴隷を売り値で買い取ったんだ。
孤児院とガインを助ける為の優しさだなんて勘違いするなよ。
ガインは院長でもなければ、もう俺達の父親でもない。
ガインは俺達の性奴隷だ。」
━━━━……………は?━━━━
声を発する事すら忘れ、聞き間違いではないかとガインはテーブルを囲む3人の顔を順に見ていく。
自分が聞いた言葉が信じられず戸惑いを越え、混乱状態に陥ったガインは「嘘だろ?」と言いたげに口元をヘラリと緩めた。
「我が子の様に愛情を注いでやったのに、なんて非道い裏切りだと思ってる?
先に俺達を裏切ったのは、ガインだからね。」
ガインの足元からテーブルの上に乗ったキリアンは、自由になったガインの右脚を脇に抱え込む様に押さえつけ、衣服を身に着けたままの下肢を、ガインの股の間にグイッと押し付けてきた。
「キリアン!?何するんだ!やめろ!!………ぐっ!」
ガインは身をよじってキリアンから身体を離そうとするが、右脚を抱え込まれており身動きが取れない。
頭を起こしキリアンに向けて制止を吠えるガインの頭にカーキの手が置かれ、ガンッと頭をテーブルに強く押さえつけられた。
「奴隷が主に命令するな。
キリアン、焦らしてくれるなよ?後が詰まっているんだからな。」
キリアンは「フフッ」と声を出して笑い、トラウザーズから出した性器をガインの後孔に押し当て、クチュクチュと先走りを塗り付け始めた。
薄い粘液を入口に塗り込む様に、谷奥の浅い窪みに楔の先端を押し付ければ固く閉じた口が拒む様にキュッとすぼむ。
キリアンは面白がる様に、浅い位置での疑似抽挿を繰り返した。
「待ち焦がれた瞬間なんだ。
少し位、愉しんでも良いだろう?
とは言え、待たせるのも悪いしな。」
キリアンは楔を後孔に押し当てたまま腰を前に進ませた。
固く閉じた入口が外部からこじ開ける様に拡げられ、キチキチと裂かれる様な痛みがガインの局部に走る。
「待て…!キリアン!………っ待ってくれ!!」
カーキに頭を押さえつけられたガインは、下方に居るキリアンの姿を見る事が困難になった。
ガインの視界に入るのは自分を見下ろす無表情のカーキだけとなった。
ずっと無表情でいたカーキがニッと口の端を上げ、ガインに向けて笑んだ。
「院長、堕ちろ。」
「っっっぎ……っ…ぅぁああっ!!」
内側深く埋め込まれた杭により、裂く様な激しい痛みと共に内臓が外側に押しやられる様な圧迫が苦しく、声を上げたガインは身を縮めようとして両腕を強く引っ張った。
ロープが手首に食い込み、ガインの手首の鬱血痕には血が滲み痛々しい。
フォーンはテーブルの横に立つとガインの手首の血を猫の様にピチャピチャと舌先で舐め取り始め微笑んだ。
「痛い?辛い?苦しい?院長、すごくしんどそうな顔してる。
それが、どんな風に変わってくんだろうって楽しみなんだぁ」
「………や、やめろ………こんな…のッ!!っくぁあ!」
ガインの右脚を抱えたキリアンは、ガインの内側深く埋め込んだ肉杭をズルッと引き抜きかけ、再びズジュッと根元まで埋め込んだ。
ゆっくりと数回それを繰り返した後、同じ行為を速度を上げて繰り返し始めた。
キリアンの律動に合わせ、テーブル上のガインの身体がユサユサと激しく揺らされる。
「あっ!うぐっ…!あっ…!っんぁ!や、やめ…あっ…!」
「尻に男を咥え込むのは初めてだと思っていたが、まんざらでも無さそうだな。
キリアンのを咥えて、おっ勃てるなんて。」
ガインの身体がユサユサと揺れ動くのに合わせ、ガインの巨木の様な性器もブルンブルンと激しく揺れ動き、先端から滲み出た白濁を垂らし痴態を見せた。
「最初から、男を受け入れるメス孔の持ち主だったのかもね。
中々に素晴らしい名器だよ。
もっと深く、もっと色んな場所をほじくり返したくなる。
こんな風に。」
キリアンがガインの性器を強く握り締めるのに反応し、驚いた様にビクッとガインが腰を跳ね上げさせた。
キリアンは腰を浮かせたガインの臍の裏側を突く様な抽挿を始めた。
「ああ、ここを突いて欲しいのか。
グッポグッポ気持ち良さげな音を立てて悦んで。」
内側から前立腺を隔てた壁をグリグリと突かれ、自身の意思に反して脈打つ程屹立した性器の頭から白濁の雫を散らして痴態を晒す自身の肉体に、ガインが情けなく泣きそうな顔を歪ませた。
「あぁっ!!や、ぃや…!あぁっ!やめ…!やめてくれ!
ぁ、はひっ…!ひぁっ!」
「こんなにも説得力の無い、ヤメテは初めて聞いたよー俺」
フォーンは楽しげにニコニコと微笑んだ後、トラウザーズからズルんと半勃ちの性器を取り出した。
素で訝しげな顔をしたカーキにニカッと笑顔を見せたフォーンはテーブルに乗り、カーキに頭を押さえつけられたガインの口にペニスの先端を当てた。
「おい、まだ掘られるのに慣れてないんだ。
苦痛を感じたら反射的に噛み千切られるかも知れんそ。」
「それもまた、スリルあるじゃない?
どうせ噛み千切られるなら、本当は下の口のがイーけどねぇ」
カーキはガインの頭から手をよけフォーンに場所を譲った。
「イヤだ…や…ンあっ!あ!…フォーンやめろ…」
「駄目だよ、院長。キリアンだけ気持ち良くさせるなんて。
俺ももう、我慢出来ないんだ。」
力無く緩く首を振って拒否を示すガインの顎先を引いて口を開かせ、フォーンがガインの口にペニスを咥え込ませた。
「んぐ!!んんんっ…!!」
「贔屓は無しだよ、いっぱい舐めて俺も気持ち良くして?」
テーブル上のキリアンとフォーンを見たカーキはフゥと溜め息をつき上着とシャツを脱ぎ、椅子に腰掛け呟いた。
「出遅れてしまったな。………まぁ、いいか。
この先、いくらでも時間はあるんだからな。」
床の上で寝てしまった様で、仰向けになった自分の背の下が硬く、身体の所々に鈍い痛みが走る。
ぼんやりとした意識が段々と鮮明になり、自分の目に映る景色と状況を把握するのに時間を要した。
「………食堂の天井?
俺は床に倒れて…にしては天井が近いような……」
まだモヤが晴れない様な意識のまま身体を起こそうとしたガインは、自由に動けない様に拘束されている事と、自身が寝かせられていた場所が食堂のテーブルだと気付いた。
「な!何だこれは!!一体どうなって…!」
一気にモヤが晴れ意識が鮮明になり、全裸で拘束された自身の姿に気付いたガインは、賊に押し入られ身ぐるみ剥がされたのかと青褪めた。
そう考えると気掛かりなのは大事な息子達の安否だ。
「キリアン!カーキ!フォーン!誰か居ないのか!!
無事なら声を聞かせてくれ!今すぐ行く!」
ガインは拘束された両腕と右足をバタつかせ、長テーブルの上から身体を起こそうとした暴れ回った。
散々身体を動かした末に、右脚を拘束していたロープだけが上手く解けた。
自由になった右脚を軸に、身体を起こそうとするが束ねた様に結ばれた左脚に力が入らず上手くいかない。
両腕を開いて上げた格好で縛られたままの両手首にロープが食い込み、じわりと血が滲む。
「院長、もう起きたの!?
ちょッ!手首から血が出てるじゃん!」
食堂のドアが開き、真っ先に飛び込んで来たのはフォーンだった。
何事も無かった様に無事なフォーンの姿を見たガインは、ホッと安堵の溜め息を漏らした。
「良かった…賊が押し入ったのかと…キリアンとカーキも無事か?………………………」
フォーンに続きキリアンとカーキが食堂に入り、3人が揃ってテーブル上の自分を見下ろす姿を見て、ガインは初めて自身の状況を把握した。
自分は3人により薬を盛られ、意識を失ってる間に拘束されたのだと。
「結構、きつく縛ったつもりだったんだが。
……中途半端な縛り方で、かえって悪い事をしたな。」
自由になったガインの右脚を見たカーキがポツリと呟く。
強く暴れた為かガインの足首は血が滲み、皮膚は鬱血して赤黒くなっていた。
「……っと……なん……これは……」
ガインは3人に、何から訊ねれば良いのか頭が働かず、言葉も出ない。
キョトンと呆けた顔で言葉を詰まらせながら3人の顔を順に見て行くのが精一杯だ。
ガインを見下ろしていたキリアンがテーブルの端に腰掛け、手にした借用書をガインの目の前に出した。
「院長室の机の引き出し…鍵も掛けずに、よく隠せた気でいたよね。
ずっと気付かなかったフリをしていたんだけど、俺達はかなり前からガインの借金を知っていた。
こんなに多額の借金がある事をなぜ、俺達に話してくれなかったんだ。」
「それは…!お前達に負担を掛けたくなかったからだ!
俺のせいで膨らんだ借金の肩代わりをさせたくなかった!」
先ほどまで何を言って良いか分からずに口ごもっていたガインだが、キリアンの問いにははっきりと答えた。
ガインの中でこの答えは正しくあり、非難される理由が無い。
拘束された状態で頭を持ち上げ真剣に弁明するガインの姿に、フォーンは思わず噴き出した。
「プッあはは、院長カメみたいだねー」
「おい、ふざけんな!これは何なんだ!
さっさとほどけ!」
フォーンの軽い態度につられ普段通りの自分を取り戻したガインは、3人を睨み付けながら両腕を引っ張って腕の拘束を解く様に強く言い放つ。
相変わらずクスクスと笑うフォーンをよそに、無表情なままのキリアンは別の借用書の書面をガインの前に出した。
「借金を返す為に邸を売るのは分かる。
で…足りない分は自分が借金奴隷になって返すって?
環境劣悪な北の鉱山で死ぬまで働き続けるって?
……………そんな事、俺達が許す訳が無いだろう!!!」
キリアンは借用書を握り潰し、その拳をガインに向けて放った。
自分の顔を目掛けて飛んで来たキリアンの拳に、ガインは目を伏せ身構えたが、その拳はガインの髪を掠めてテーブルを強く殴っていた。
ガインは薄目だった瞼を上げ、自分の顔の横に伸びたキリアンの腕からゆっくりとキリアンの顔にまで視線を上げてゆく。
ガインが目にしたキリアンは、テーブルに拳を当てたまま僅かに震え、ポタポタと涙を零していた。
「き……キリアン……」
キリアンの痛々しい姿を目にし、ガインは再び言葉を詰まらせた。
ガインの頭には、「すまない、だが、ありがとう」だの「お前達の気持ちは嬉しい」だの、その場しのぎの慰めの言葉しか思い浮かばない。
どう言い繕った所で借金は無くならないし、ガインは我が子達の為にそうするのが一番良い方法だと思い込んだ上に、独断でそう決めてしまったのだから。
その愛しい我が子達が、どれだけ深く悲しみ、心に傷を負うかをも愚かにも失念して。
「院長、あんたが終身刑に近い借金奴隷になる事で俺達が救われると思っていたのだとしたら………
あんたは、とんでも無く俺達を見くびり過ぎだ。
あんたが言う通り俺達はもうガキじゃない、大人だ。
相談に乗る事も良い案を出す事も出来たんだ。
あんたが辛い時、苦しい時は、俺達を頼って欲しかった。」
カーキは慰める様にキリアンの肩に手を置きながら、ガインと視線を合わせずに淡々と言葉を紡ぐ。
フォーンもカーキに補足するように言葉を繋いだ。
「そうだよ院長。
何もかも秘密にしたまま俺達に何の相談も無しに、借金奴隷になるから「さようなら」なんてさー
俺達はガキだから頼りにならないし、隠し事をさらけ出せる程、信用もしてないって言ってるみたいだよね。」
「それは違う!!俺はお前達を大切に思って…!!」
フォーンの言葉を、ガインは慌てた様に否定したが、ガインを見下ろす3人の目は凍て付いた様に冷たかった。
3人を想うガインの気持ちに偽りは無かったが、3人の今後の身の上を思うばかりに、彼等の気持ちを無視していたのは否めない。
「……お前達を大切に思って……だから……
それが、お前達を苦しめない一番良い方法だと思ったんだ…
……すまなかった……」
ガインの声は段々と小さくなり、最後の謝罪は掠れ声になっていた。
「もう遅い。」
キリアンは一度握り潰した借用書を開いてガインの目の前に出し、ガインの目の前でそれを縦に裂いて破り捨てた。
「その借用書はもう無効だ。
この邸と借金奴隷となった院長の身柄を引っくるめて、俺達が買い取った。」
キリアンの手を離れ、ヒラヒラと舞う様に床に落ちた借用書の一部をカーキは憎々しげな表情で踏み付けた。
「は…?それは…どういう……い…」
戸惑う様に言葉を途切れさせながら訊ね掛けたガインの声を遮り、渇いた涙跡を拭ったキリアンが冷ややかな面持ちでガインに告げた。
「借金を肩代わりしたのではない。
邸と奴隷を売り値で買い取ったんだ。
孤児院とガインを助ける為の優しさだなんて勘違いするなよ。
ガインは院長でもなければ、もう俺達の父親でもない。
ガインは俺達の性奴隷だ。」
━━━━……………は?━━━━
声を発する事すら忘れ、聞き間違いではないかとガインはテーブルを囲む3人の顔を順に見ていく。
自分が聞いた言葉が信じられず戸惑いを越え、混乱状態に陥ったガインは「嘘だろ?」と言いたげに口元をヘラリと緩めた。
「我が子の様に愛情を注いでやったのに、なんて非道い裏切りだと思ってる?
先に俺達を裏切ったのは、ガインだからね。」
ガインの足元からテーブルの上に乗ったキリアンは、自由になったガインの右脚を脇に抱え込む様に押さえつけ、衣服を身に着けたままの下肢を、ガインの股の間にグイッと押し付けてきた。
「キリアン!?何するんだ!やめろ!!………ぐっ!」
ガインは身をよじってキリアンから身体を離そうとするが、右脚を抱え込まれており身動きが取れない。
頭を起こしキリアンに向けて制止を吠えるガインの頭にカーキの手が置かれ、ガンッと頭をテーブルに強く押さえつけられた。
「奴隷が主に命令するな。
キリアン、焦らしてくれるなよ?後が詰まっているんだからな。」
キリアンは「フフッ」と声を出して笑い、トラウザーズから出した性器をガインの後孔に押し当て、クチュクチュと先走りを塗り付け始めた。
薄い粘液を入口に塗り込む様に、谷奥の浅い窪みに楔の先端を押し付ければ固く閉じた口が拒む様にキュッとすぼむ。
キリアンは面白がる様に、浅い位置での疑似抽挿を繰り返した。
「待ち焦がれた瞬間なんだ。
少し位、愉しんでも良いだろう?
とは言え、待たせるのも悪いしな。」
キリアンは楔を後孔に押し当てたまま腰を前に進ませた。
固く閉じた入口が外部からこじ開ける様に拡げられ、キチキチと裂かれる様な痛みがガインの局部に走る。
「待て…!キリアン!………っ待ってくれ!!」
カーキに頭を押さえつけられたガインは、下方に居るキリアンの姿を見る事が困難になった。
ガインの視界に入るのは自分を見下ろす無表情のカーキだけとなった。
ずっと無表情でいたカーキがニッと口の端を上げ、ガインに向けて笑んだ。
「院長、堕ちろ。」
「っっっぎ……っ…ぅぁああっ!!」
内側深く埋め込まれた杭により、裂く様な激しい痛みと共に内臓が外側に押しやられる様な圧迫が苦しく、声を上げたガインは身を縮めようとして両腕を強く引っ張った。
ロープが手首に食い込み、ガインの手首の鬱血痕には血が滲み痛々しい。
フォーンはテーブルの横に立つとガインの手首の血を猫の様にピチャピチャと舌先で舐め取り始め微笑んだ。
「痛い?辛い?苦しい?院長、すごくしんどそうな顔してる。
それが、どんな風に変わってくんだろうって楽しみなんだぁ」
「………や、やめろ………こんな…のッ!!っくぁあ!」
ガインの右脚を抱えたキリアンは、ガインの内側深く埋め込んだ肉杭をズルッと引き抜きかけ、再びズジュッと根元まで埋め込んだ。
ゆっくりと数回それを繰り返した後、同じ行為を速度を上げて繰り返し始めた。
キリアンの律動に合わせ、テーブル上のガインの身体がユサユサと激しく揺らされる。
「あっ!うぐっ…!あっ…!っんぁ!や、やめ…あっ…!」
「尻に男を咥え込むのは初めてだと思っていたが、まんざらでも無さそうだな。
キリアンのを咥えて、おっ勃てるなんて。」
ガインの身体がユサユサと揺れ動くのに合わせ、ガインの巨木の様な性器もブルンブルンと激しく揺れ動き、先端から滲み出た白濁を垂らし痴態を見せた。
「最初から、男を受け入れるメス孔の持ち主だったのかもね。
中々に素晴らしい名器だよ。
もっと深く、もっと色んな場所をほじくり返したくなる。
こんな風に。」
キリアンがガインの性器を強く握り締めるのに反応し、驚いた様にビクッとガインが腰を跳ね上げさせた。
キリアンは腰を浮かせたガインの臍の裏側を突く様な抽挿を始めた。
「ああ、ここを突いて欲しいのか。
グッポグッポ気持ち良さげな音を立てて悦んで。」
内側から前立腺を隔てた壁をグリグリと突かれ、自身の意思に反して脈打つ程屹立した性器の頭から白濁の雫を散らして痴態を晒す自身の肉体に、ガインが情けなく泣きそうな顔を歪ませた。
「あぁっ!!や、ぃや…!あぁっ!やめ…!やめてくれ!
ぁ、はひっ…!ひぁっ!」
「こんなにも説得力の無い、ヤメテは初めて聞いたよー俺」
フォーンは楽しげにニコニコと微笑んだ後、トラウザーズからズルんと半勃ちの性器を取り出した。
素で訝しげな顔をしたカーキにニカッと笑顔を見せたフォーンはテーブルに乗り、カーキに頭を押さえつけられたガインの口にペニスの先端を当てた。
「おい、まだ掘られるのに慣れてないんだ。
苦痛を感じたら反射的に噛み千切られるかも知れんそ。」
「それもまた、スリルあるじゃない?
どうせ噛み千切られるなら、本当は下の口のがイーけどねぇ」
カーキはガインの頭から手をよけフォーンに場所を譲った。
「イヤだ…や…ンあっ!あ!…フォーンやめろ…」
「駄目だよ、院長。キリアンだけ気持ち良くさせるなんて。
俺ももう、我慢出来ないんだ。」
力無く緩く首を振って拒否を示すガインの顎先を引いて口を開かせ、フォーンがガインの口にペニスを咥え込ませた。
「んぐ!!んんんっ…!!」
「贔屓は無しだよ、いっぱい舐めて俺も気持ち良くして?」
テーブル上のキリアンとフォーンを見たカーキはフゥと溜め息をつき上着とシャツを脱ぎ、椅子に腰掛け呟いた。
「出遅れてしまったな。………まぁ、いいか。
この先、いくらでも時間はあるんだからな。」
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