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卓上の美食。
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エントは目の前のテーブルの上で大きく足を開かされて、恥部を全てさらけ出す事を強いられた巨躯の男の姿を見る。
男を抱く事に興味の無いエントには、男の裸体等見ていて気分の良い物では無く、目を逸らしたいがそれが許される雰囲気ではない。
「さぁ、エント。心ゆくまで堪能するが良い。
私の好きな味を識れば、今後私に用意する料理にも活かせるだろう?」
「は…はぁ………。」
キリアン皇帝は椅子に座り、テーブル上のガチャガチャに乱れた皿の中から料理を摘んで口にした。
指をねぶるキリアンの目はずっとエントに向けられ、エントは皇帝が自分に対し、言葉は使わずとも命令をしている事を理解していた。
「…陛下のお気持ちは嬉しいのですが…俺……ぃや、わ、私……男の人とは……。」
今や暴君の様になった皇帝に逆らう恐怖を感じながらも、生理的に難しいのだと、エントはおずおずと何とか角を立てずにその場から逃れる方法を探す。
「その……使いもんになりませんし……。」
「キリアン!坊主を解放してやれ!馬鹿な真似をさせんな!」
性的な興奮を得られないために行為を出来る状態にはなってない事を控え目にやんわりと告げるエントの声に、被せる様にガインが吠えた。
キリアンはニイッと目を細めて口元に笑みを浮かべる。
「エントが怯えるだろう。
カーキ、フォーン、駄犬の無駄吠えを何とかしろ。」
「はっ!」
カーキはテーブルの上に乗り、ガインの髪を掴んでその口に強引に自身の性器を捩じ込んだ。
「よ、よせ…!ンンっ!!ぷ…!ぐぷ!…!」
「人様の会話に口を挟むな。犬の分際で。」
カーキは自分のペニスを咥えさせたガインを冷たく見下ろし、無遠慮にガインの咥内を蹂躪する。
喉の奥まで突く様に腰を打ち付けられ、ガインは息が詰まるその苦しさに顔を歪ませ、目尻に涙を滲ませた。
エントは今までの人生の中で、見る事はおろか欠片程の想像すらした事の無かった、若い青年に大柄の中年の男が性的な蹂躪を受ける光景を目の当たりにし、呆然と立ち尽くしたままガインから目が逸らせなくなった。
「いい顔をするでしょう?このワンちゃん。
あ、ワンちゃんの名前はガイン隊長ってゆーんだけど、とっても食いしん坊でね。
俺達も毎日美味しくいただかれてるよ。この口で。」
フォーンはテーブルの前に立つエントに話し掛けながら、ガインの開いた足の中央の窄みに二本指をヒタリと当てた。
「ほら、コッチはもう受け入れ万全。
見てみなよトロットロ。」
ズプッとガインの後孔に指を挿したフォーンはエントに見る様に促し、グジュグジュと激しく指を出し入れし始めた。
「んくぅ!!ンン!くぅぅ!!」
カーキのペニスを口に含んだままのガインが、焦った様に下肢をバタつかせる。
フォーンはテーブル前にしゃがみ、ガインの暴れ回る片側の足を肩に乗せ、肩に担いだ丸太を固定する様に腕を回して押さえつけた。
目の前のガインの孔を指先で嬲り、激しく突いてキリアンが放った精液を掻き出していく。
エントは二人の美形の青年兵士に蹂躪される大柄な中年の男の姿を、どこか現実味の無い、幻覚でも見ているような不思議な気持ちで見ていた。
初めて目にした時は頭の片隅にあったハズの、ガインを気の毒に思う気持ちすら薄れており、今はもう好奇心にも似た気持ちの方が強くなっていた。
「エント君、君のソレって本当に使いもんにならない?」
フォーンはガインの後孔からズルッと引き抜いた白濁塗れの指でエントの股関を指差した。
エントの料理人の衣装の前部分が隆起しており、フォーンが楽しそうに笑った。
「あっ!い、いやっ…これは!!」
「いいじゃん、試してみようよ。
駄目なら途中でやめたらいいんだから。
食べてみないと美味しいか分からないモノってあるでしょ?」
フォーンがエントの肩に手を置いて、ガインの前まで押す様にして近付かせる。
テーブルの上に仰向けに寝かせられたガインは、カーキの太茎を咥えさせられたまま、自分の開かされた股の前に立たされたエントに目線を向けた。
眉間にシワを寄せ、薄く閉じた目で「やめろ」と訴える。
ガインの威嚇するような、それでいて憐れむような視線に一瞬怯んだエントのトラウザーズをフォーンがズルリと強引に下げ、エントの肩を強く掴んだ。
「いつまでも陛下を待たすんじゃないよ。
陛下の恩情を無下にするつもりか?
お前、料理人だろ?食わず嫌いしてんじゃねぇぞ。」
軽薄ではあるが棘が無く話し掛け易い雰囲気だったフォーンが、ガインの視線にたじろいだエントに苛立ち、発破をかける様に凄んだ。
「わ、分かってます!
私料理人のエント、陛下からの下賜を有り難く頂戴します!」
半ば脅されてヤケクソ気味に、エントは剥き出しになった性器をガインの後孔に充てがった。
フォーンに脅された拍子に少し萎えかけた性器が、完全に萎えて再び使いものにならなくなる前に、エントは萎えかけたペニスを強引にガインの下の口に捩じ込んだ。
「んぐう!!ンンぅ!んん!!っっぷぁ!!ケホッ!」
エントがガインに楔を埋め込んだのを確認したカーキはガインの口中に精液を放出し、ガインの口からズルンとペニスを抜いた。
口の端から白濁を垂らし苦しげに咳き込むガインはテーブルの上の上体を僅かに起こし、自分の中に侵入したモノの持ち主であるエントを憐れむ様な目で見た。
━━おい…坊主…やめとけ、こんな事間違っている!━━
エントにガインの目で訴えた声は届いてなかった。
初めて味わう身体の芯から全身を駆ける快感に恍惚となり、それは未知の極上の料理と出会えた感動にも似て、強い衝撃を受けた。
萎えかけていた陰茎が水を吸って息を吹き返したかの様に膨張し、硬度を増した。
「どうだ、エント。
これが、私がこの世でもっとも好み、もっとも愛する美食だ。」
椅子に腰掛け、足を組んだキリアンがワインの入ったグラスを傾け、グラスを通して赤く染まった視界の向こう、テーブル上のガインを見た。
この世でもっとも愛する人が、自分では無い他の男に貫かれている様を。
その様子を見てキリアンは微笑み、微笑みながら唇の内側を強く噛んだ。
嫉妬で胸が張り裂けるのではないかと思う程に心が痛い。
心なんて…まだ、あるのだろうか?
自らの行いが自分の想いと矛盾する程に、自分が壊れているのは重々に理解しているのに。
━━ガインに、想いの全てを拒絶された時から。━━
「陛下…陛下……大丈夫ですか?」
フォーンがガインの側を離れ、キリアンの横に立っていた。
ガインやエントに気付かれない小声で、ほくそ笑む様な表情は崩さないままフォーンはキリアンを気遣う言葉を発した。
「……ああ、すまない。大丈夫だ。」
ガインと身体を繋げたまま、暫く呆けた様になっていたエントはキリアンの視線に気付いて顔をキリアンの方に向けた。
ワイングラスで血が滲んだ口元を隠したキリアンは目を細めて緩く頷く。
皇帝が頷くのを見たエントは許しを得て、堰を切ったように激しく腰を打ち付け始めた。
パンパンと肌がぶつかり叩き合う音がする。
「ッッぅあっ!ング!や、やめろっ!あっ…!あぁっ!」
エントが食堂に呼ばれるまでこの場で何度もキリアンに突かれ、腹の奥に多量の精を吐き出されたガインは言葉では抗うが、蓄積された疲労と薬の催淫効果も有り、抵抗する力は殆ど無く大股を開いたままでエントの肉茎を抱き込んだ後孔を晒していた。
「この俺が男の人を抱くなんて、ありえませんよ!
そんな事するなんて!!
ああ…!でも、凄い!こんなの、気持ち良すぎて止まらない!
やめろって?そんなの無理だ!」
「あぐっ…!!ひ、ひぁ!もっ…!駄目だっ!」
「見苦しいぞ。隊長。」
ガインの頭上辺りに座ったままのカーキが、エントの身体を押し返そうとする弱々しいガインの腕を頭上で纏める様に押さえつけて抵抗を奪う。
そのやり取りさえエントの耳には入らない様で、興が乗って来たのか抽挿の速度が増した。
「それに、自分よりも絶対に強い人を…俺が、こんな風にしちゃってんのかと思ったら…!たまらない!
ああ!凄い!中がトロトロ!」
「や…!もぉ無理ッ!!何度っ…何度こんな事を……!!んああっ!!はぅ…!」
テーブルの上に両腕を押さえつけられたままのガインの顔の上に、カーキが顔を近付ける。
目尻を潤ませ頬を紅潮させた顔は、味わっているのが苦痛とも快感とも取れる様な複雑な表情をしており、それは嗜虐心を煽る為にわざとではないかとさえ思わせる。
「何度でもです。限りなんて無いんですよ。隊長。
貴方を壊すのが目的とは言ってますが、正直に言えば壊れなくたって構わない。
貴方は黙って、貴方が犯した罪を贖うしかない。
貴方は咎人です。それでも俺達は貴方を愛しますよ。永遠に。」
ガインの顔を上から覗き込むカーキの整った顔が、一瞬悲しげに歪んだ。
「……カーキ…?意味が……んぐっ!はっ…!ふあっ!んああ!」
「男のモノなんて、見るのも嫌で触れるなんて絶対に無理だと思っていたけど…!
もう関係無い、俺は見たいし、知りたいし、もっと味わい尽くしたい。アンタを!」
ガインのペニスを握り込んだエントが、根元から先端に向けて手の平を何度も行き来させ始めた。
性器を扱きながらも抽挿は止めず、結合部の淵から白く泡立った白濁液がプチャプチャと溢れて小さな飛沫を飛ばす。
「メレンゲのなりかけみたいなのがタラタラ垂れてるんだけど!
なにこれ、やらしい!それに中、あちこち引っ掛かるし、そんな内側の肉で絡み付いてくるし、ああ…イきそう…!」
「ひや……!や、イヤだ…!!やめ、やめ!!!!んうううッ!」
ビクッビクッとガインの内側で激しく脈打つ若い雄の根は、胎内に熱のある淫液をぶち撒けてガインの吐精をも促す。
腹の裏側の天井を叩かれながら性器を扱かれたガインは、4人の目に晒された状態でビュクビュクと精を吐き出した。
ガインが精液を放つ瞬間を見たエントは興奮が治まらず、ガインの精液が掛かった料理人の衣装を指先で拭いヌルっと舐めた。
ガインから抜かないまま、精を出してなお硬さを持つ楔をズチュズチュと再び出し入れし始める。
「あああ!凄い!こんなの初めてだ…!」
「隊長は名器だからなぁ。
何も知らないウブな子が一度知ると、中毒になるよね。多分。」
テーブルから離れた位置でキリアンの隣に立っていたフォーンが、ポソッと呟いて隣のキリアンに目を向けた。
キリアンは微笑んだまま青い顔をしており、血の滲む唇が紫になっていた。
「エント!陛下に下賜された美食を堪能出来た様で何よりだ。
陛下の御前に来て、礼をするが良い。」
フォーンがガインを犯し続けるエントの行為を止めさせた。
エントはフォーンの声にハッと我に返り、脱がされたトラウザーズを履き直してからキリアンの前に膝をつき頭を下げた。
「陛下、大変素晴らしい味を識りました。
感謝致します。」
「そうか。」
下げられたエントの頭の上で、キリアンが短く呟いた。
エントの見えない場所でキリアンの顔は憎悪と嫉妬に駆られ、今にもエントを殺してしまいそうな悪鬼の様な表情をしていた。
フォーンもカーキも、ただ静かにそれを見ている。
「き、キリアン…!やめろ!」
エントが下げた頭を、そのまま斬り落とされてしまうのではないかと不安になったガインが思わず声を出す。
その声に反応し、顔を上げたエントの前のキリアンは、いつもの皇帝だった。
「エント、明日の夕食後に私の大事な美食をもう一度だけ味わわせてやろう。楽しみにしているが良い。」
紺碧の瞳を細め、口角を上げてほくそ笑む皇帝は、見下ろしたエントの頭を撫でる様に、髪の上に指先を走らせた。
「は、はい!ありがとうございます!!」
パァっと明るい顔をしたエントに微笑み、キリアンはカーキとフォーンに声を掛けた。
「私は先に休む。駄犬は部屋に繋いでおけ。」
「はっ!」
キリアンが一人、食堂を出て行く。
その姿を見送ったカーキとフォーンは、気を失いかけグッタリと脱力しきったガインの身体を両側から支えて引き摺るように部屋に向かった。
「陛下は大丈夫か……?」
「さぁ、どうだろう……」
意味をなさない二人の会話を意識の遠くで聞きながら、ガインは深く暗い眠りに落ちた。
男を抱く事に興味の無いエントには、男の裸体等見ていて気分の良い物では無く、目を逸らしたいがそれが許される雰囲気ではない。
「さぁ、エント。心ゆくまで堪能するが良い。
私の好きな味を識れば、今後私に用意する料理にも活かせるだろう?」
「は…はぁ………。」
キリアン皇帝は椅子に座り、テーブル上のガチャガチャに乱れた皿の中から料理を摘んで口にした。
指をねぶるキリアンの目はずっとエントに向けられ、エントは皇帝が自分に対し、言葉は使わずとも命令をしている事を理解していた。
「…陛下のお気持ちは嬉しいのですが…俺……ぃや、わ、私……男の人とは……。」
今や暴君の様になった皇帝に逆らう恐怖を感じながらも、生理的に難しいのだと、エントはおずおずと何とか角を立てずにその場から逃れる方法を探す。
「その……使いもんになりませんし……。」
「キリアン!坊主を解放してやれ!馬鹿な真似をさせんな!」
性的な興奮を得られないために行為を出来る状態にはなってない事を控え目にやんわりと告げるエントの声に、被せる様にガインが吠えた。
キリアンはニイッと目を細めて口元に笑みを浮かべる。
「エントが怯えるだろう。
カーキ、フォーン、駄犬の無駄吠えを何とかしろ。」
「はっ!」
カーキはテーブルの上に乗り、ガインの髪を掴んでその口に強引に自身の性器を捩じ込んだ。
「よ、よせ…!ンンっ!!ぷ…!ぐぷ!…!」
「人様の会話に口を挟むな。犬の分際で。」
カーキは自分のペニスを咥えさせたガインを冷たく見下ろし、無遠慮にガインの咥内を蹂躪する。
喉の奥まで突く様に腰を打ち付けられ、ガインは息が詰まるその苦しさに顔を歪ませ、目尻に涙を滲ませた。
エントは今までの人生の中で、見る事はおろか欠片程の想像すらした事の無かった、若い青年に大柄の中年の男が性的な蹂躪を受ける光景を目の当たりにし、呆然と立ち尽くしたままガインから目が逸らせなくなった。
「いい顔をするでしょう?このワンちゃん。
あ、ワンちゃんの名前はガイン隊長ってゆーんだけど、とっても食いしん坊でね。
俺達も毎日美味しくいただかれてるよ。この口で。」
フォーンはテーブルの前に立つエントに話し掛けながら、ガインの開いた足の中央の窄みに二本指をヒタリと当てた。
「ほら、コッチはもう受け入れ万全。
見てみなよトロットロ。」
ズプッとガインの後孔に指を挿したフォーンはエントに見る様に促し、グジュグジュと激しく指を出し入れし始めた。
「んくぅ!!ンン!くぅぅ!!」
カーキのペニスを口に含んだままのガインが、焦った様に下肢をバタつかせる。
フォーンはテーブル前にしゃがみ、ガインの暴れ回る片側の足を肩に乗せ、肩に担いだ丸太を固定する様に腕を回して押さえつけた。
目の前のガインの孔を指先で嬲り、激しく突いてキリアンが放った精液を掻き出していく。
エントは二人の美形の青年兵士に蹂躪される大柄な中年の男の姿を、どこか現実味の無い、幻覚でも見ているような不思議な気持ちで見ていた。
初めて目にした時は頭の片隅にあったハズの、ガインを気の毒に思う気持ちすら薄れており、今はもう好奇心にも似た気持ちの方が強くなっていた。
「エント君、君のソレって本当に使いもんにならない?」
フォーンはガインの後孔からズルッと引き抜いた白濁塗れの指でエントの股関を指差した。
エントの料理人の衣装の前部分が隆起しており、フォーンが楽しそうに笑った。
「あっ!い、いやっ…これは!!」
「いいじゃん、試してみようよ。
駄目なら途中でやめたらいいんだから。
食べてみないと美味しいか分からないモノってあるでしょ?」
フォーンがエントの肩に手を置いて、ガインの前まで押す様にして近付かせる。
テーブルの上に仰向けに寝かせられたガインは、カーキの太茎を咥えさせられたまま、自分の開かされた股の前に立たされたエントに目線を向けた。
眉間にシワを寄せ、薄く閉じた目で「やめろ」と訴える。
ガインの威嚇するような、それでいて憐れむような視線に一瞬怯んだエントのトラウザーズをフォーンがズルリと強引に下げ、エントの肩を強く掴んだ。
「いつまでも陛下を待たすんじゃないよ。
陛下の恩情を無下にするつもりか?
お前、料理人だろ?食わず嫌いしてんじゃねぇぞ。」
軽薄ではあるが棘が無く話し掛け易い雰囲気だったフォーンが、ガインの視線にたじろいだエントに苛立ち、発破をかける様に凄んだ。
「わ、分かってます!
私料理人のエント、陛下からの下賜を有り難く頂戴します!」
半ば脅されてヤケクソ気味に、エントは剥き出しになった性器をガインの後孔に充てがった。
フォーンに脅された拍子に少し萎えかけた性器が、完全に萎えて再び使いものにならなくなる前に、エントは萎えかけたペニスを強引にガインの下の口に捩じ込んだ。
「んぐう!!ンンぅ!んん!!っっぷぁ!!ケホッ!」
エントがガインに楔を埋め込んだのを確認したカーキはガインの口中に精液を放出し、ガインの口からズルンとペニスを抜いた。
口の端から白濁を垂らし苦しげに咳き込むガインはテーブルの上の上体を僅かに起こし、自分の中に侵入したモノの持ち主であるエントを憐れむ様な目で見た。
━━おい…坊主…やめとけ、こんな事間違っている!━━
エントにガインの目で訴えた声は届いてなかった。
初めて味わう身体の芯から全身を駆ける快感に恍惚となり、それは未知の極上の料理と出会えた感動にも似て、強い衝撃を受けた。
萎えかけていた陰茎が水を吸って息を吹き返したかの様に膨張し、硬度を増した。
「どうだ、エント。
これが、私がこの世でもっとも好み、もっとも愛する美食だ。」
椅子に腰掛け、足を組んだキリアンがワインの入ったグラスを傾け、グラスを通して赤く染まった視界の向こう、テーブル上のガインを見た。
この世でもっとも愛する人が、自分では無い他の男に貫かれている様を。
その様子を見てキリアンは微笑み、微笑みながら唇の内側を強く噛んだ。
嫉妬で胸が張り裂けるのではないかと思う程に心が痛い。
心なんて…まだ、あるのだろうか?
自らの行いが自分の想いと矛盾する程に、自分が壊れているのは重々に理解しているのに。
━━ガインに、想いの全てを拒絶された時から。━━
「陛下…陛下……大丈夫ですか?」
フォーンがガインの側を離れ、キリアンの横に立っていた。
ガインやエントに気付かれない小声で、ほくそ笑む様な表情は崩さないままフォーンはキリアンを気遣う言葉を発した。
「……ああ、すまない。大丈夫だ。」
ガインと身体を繋げたまま、暫く呆けた様になっていたエントはキリアンの視線に気付いて顔をキリアンの方に向けた。
ワイングラスで血が滲んだ口元を隠したキリアンは目を細めて緩く頷く。
皇帝が頷くのを見たエントは許しを得て、堰を切ったように激しく腰を打ち付け始めた。
パンパンと肌がぶつかり叩き合う音がする。
「ッッぅあっ!ング!や、やめろっ!あっ…!あぁっ!」
エントが食堂に呼ばれるまでこの場で何度もキリアンに突かれ、腹の奥に多量の精を吐き出されたガインは言葉では抗うが、蓄積された疲労と薬の催淫効果も有り、抵抗する力は殆ど無く大股を開いたままでエントの肉茎を抱き込んだ後孔を晒していた。
「この俺が男の人を抱くなんて、ありえませんよ!
そんな事するなんて!!
ああ…!でも、凄い!こんなの、気持ち良すぎて止まらない!
やめろって?そんなの無理だ!」
「あぐっ…!!ひ、ひぁ!もっ…!駄目だっ!」
「見苦しいぞ。隊長。」
ガインの頭上辺りに座ったままのカーキが、エントの身体を押し返そうとする弱々しいガインの腕を頭上で纏める様に押さえつけて抵抗を奪う。
そのやり取りさえエントの耳には入らない様で、興が乗って来たのか抽挿の速度が増した。
「それに、自分よりも絶対に強い人を…俺が、こんな風にしちゃってんのかと思ったら…!たまらない!
ああ!凄い!中がトロトロ!」
「や…!もぉ無理ッ!!何度っ…何度こんな事を……!!んああっ!!はぅ…!」
テーブルの上に両腕を押さえつけられたままのガインの顔の上に、カーキが顔を近付ける。
目尻を潤ませ頬を紅潮させた顔は、味わっているのが苦痛とも快感とも取れる様な複雑な表情をしており、それは嗜虐心を煽る為にわざとではないかとさえ思わせる。
「何度でもです。限りなんて無いんですよ。隊長。
貴方を壊すのが目的とは言ってますが、正直に言えば壊れなくたって構わない。
貴方は黙って、貴方が犯した罪を贖うしかない。
貴方は咎人です。それでも俺達は貴方を愛しますよ。永遠に。」
ガインの顔を上から覗き込むカーキの整った顔が、一瞬悲しげに歪んだ。
「……カーキ…?意味が……んぐっ!はっ…!ふあっ!んああ!」
「男のモノなんて、見るのも嫌で触れるなんて絶対に無理だと思っていたけど…!
もう関係無い、俺は見たいし、知りたいし、もっと味わい尽くしたい。アンタを!」
ガインのペニスを握り込んだエントが、根元から先端に向けて手の平を何度も行き来させ始めた。
性器を扱きながらも抽挿は止めず、結合部の淵から白く泡立った白濁液がプチャプチャと溢れて小さな飛沫を飛ばす。
「メレンゲのなりかけみたいなのがタラタラ垂れてるんだけど!
なにこれ、やらしい!それに中、あちこち引っ掛かるし、そんな内側の肉で絡み付いてくるし、ああ…イきそう…!」
「ひや……!や、イヤだ…!!やめ、やめ!!!!んうううッ!」
ビクッビクッとガインの内側で激しく脈打つ若い雄の根は、胎内に熱のある淫液をぶち撒けてガインの吐精をも促す。
腹の裏側の天井を叩かれながら性器を扱かれたガインは、4人の目に晒された状態でビュクビュクと精を吐き出した。
ガインが精液を放つ瞬間を見たエントは興奮が治まらず、ガインの精液が掛かった料理人の衣装を指先で拭いヌルっと舐めた。
ガインから抜かないまま、精を出してなお硬さを持つ楔をズチュズチュと再び出し入れし始める。
「あああ!凄い!こんなの初めてだ…!」
「隊長は名器だからなぁ。
何も知らないウブな子が一度知ると、中毒になるよね。多分。」
テーブルから離れた位置でキリアンの隣に立っていたフォーンが、ポソッと呟いて隣のキリアンに目を向けた。
キリアンは微笑んだまま青い顔をしており、血の滲む唇が紫になっていた。
「エント!陛下に下賜された美食を堪能出来た様で何よりだ。
陛下の御前に来て、礼をするが良い。」
フォーンがガインを犯し続けるエントの行為を止めさせた。
エントはフォーンの声にハッと我に返り、脱がされたトラウザーズを履き直してからキリアンの前に膝をつき頭を下げた。
「陛下、大変素晴らしい味を識りました。
感謝致します。」
「そうか。」
下げられたエントの頭の上で、キリアンが短く呟いた。
エントの見えない場所でキリアンの顔は憎悪と嫉妬に駆られ、今にもエントを殺してしまいそうな悪鬼の様な表情をしていた。
フォーンもカーキも、ただ静かにそれを見ている。
「き、キリアン…!やめろ!」
エントが下げた頭を、そのまま斬り落とされてしまうのではないかと不安になったガインが思わず声を出す。
その声に反応し、顔を上げたエントの前のキリアンは、いつもの皇帝だった。
「エント、明日の夕食後に私の大事な美食をもう一度だけ味わわせてやろう。楽しみにしているが良い。」
紺碧の瞳を細め、口角を上げてほくそ笑む皇帝は、見下ろしたエントの頭を撫でる様に、髪の上に指先を走らせた。
「は、はい!ありがとうございます!!」
パァっと明るい顔をしたエントに微笑み、キリアンはカーキとフォーンに声を掛けた。
「私は先に休む。駄犬は部屋に繋いでおけ。」
「はっ!」
キリアンが一人、食堂を出て行く。
その姿を見送ったカーキとフォーンは、気を失いかけグッタリと脱力しきったガインの身体を両側から支えて引き摺るように部屋に向かった。
「陛下は大丈夫か……?」
「さぁ、どうだろう……」
意味をなさない二人の会話を意識の遠くで聞きながら、ガインは深く暗い眠りに落ちた。
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