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流れに身を委ね、やがて溺れて。
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底が砂地の川の浅瀬に両肘をついて仰向けになったガインの両足の間に、キリアンが正座をする様に腰を下ろす。
キリアンは水の浮力で軽くなったガインの腰を掴み、下肢を自身の太腿の上にズリ上げて乗せ、先ほどまでキリアン自身を咥え込んでいたガインの下の口を見下ろしてほくそ笑んだ。
「ちょ…!や、やめろ…そんな所をまじまじと見んな…!」
「なぜ?まだ足りないんだろ?
どれぐらい足りないのか、具合を確かめておかないと。」
「い、いや…何かもう充分だし、やめても…んん!!」
欲情心が少し落ち着いたかに見えるガインのまだ柔い孔に、キリアンがヌプっと2本の指を挿し込んだ。
「もう充分?やめる?あんなに激しくおねだりしておいて?
嘘は良くないよガイン。」
ガインの内側は柔らかく、侵入して来たキリアンを迎え入れ歓ぶ様に絡みつきキュウっとキリアンの指を締め付けた。
素に戻りかけたガインはキリアンの一部を内側に迎え入れた一瞬で、淫靡な表情を取り戻した。
「ふあっ!…あ……もっ…もっと……」
ブルッと痙攣する様にガインの身体が震え、艶めかしく腰を揺らし始める。
応える様にキリアンがガインの中を指先で掻いて擦り、パチュパチュと指での抽挿を始めた。
「ほらね、まだ足りてない。
ふふっホントに、やらしい身体になったねガイン。
淫らに腰を揺らして俺を欲しがって…。
俺しか知らない、俺だけのガイン…あぁ何て幸せなんだろう。」
キリアンの指先の動きに合わせてガインの大きな身体がしなる。
水面から出たガインの性器は怒張し、腰が揺れ動く度にその大きな首をブンブンと振った。
「あぁ…足りない…!もっと…もっと俺の中を満たしてくれ…!
指より、もっと大きいキリアンで…ここを…!」
キリアンの指を食む口の縁をガインが両手の指先で引っ張り孔を拡げ、キリアンの中心にそびえ立つ雄根を懇願する様に見た。
「俺だけのキリアン…俺だけを満たしてくれ…
頼むから…他の誰にも触れないで…」
涙ぐみながらの淫靡な表情でのガインの懇願はキリアンの身体にゾクゾクッと鳥肌を立てた。
喜びが高じ過ぎて、これは本当に現実なのか?と不安を覚え、恐怖すら感じる様な錯覚に陥りそうになる。
━━嘘みたいな、夢みたいな…これが現実だと確認したい。
ガインが壊れそうになるほど、俺を刻み込んでメチャクチャに抱きたい━━
コクリと唾を飲むキリアンの芯に熱が集まってゆく。
冷たい水にさらされた身体が自我を失い獣のようになりそうな程の情慾により、熱く火照ってゆくのをキリアンは自認した。
「当たり前だろうガイン…俺の妻はガインだけなんだから」
キリアンはハァーっと呼吸を整え、ガインの指先が指し示す様にムニィと拡げた蜜孔に雄根の頭を当てた。
先端でガインの入口をグリグリと押し拡げながら、すぐには柱部分を挿れない。
焦らされたガインが身を捩り、泣きそうな声を上げた。
「またッ…そんな……!
焦らさないでくれ、もうっ…!早く深く繋がりたっ…
ンあああっ!!」
ズブブっとガインの中にキリアンの楔が埋め込まれる。
キリアンを欲しがったガインに応えて、と言うよりはキリアンの方が限界だった。
「ガイン…愛しくて堪らないよ……
俺だけのガインだ…絶対に離さないから…」
深く楔を穿ち、ガインの内側をみっちりと満たしたキリアンがガインに優しく囁く。
待ち望んだキリアンを蜜園に目一杯迎え入れたガインは、口をパクパクさせながらキリアンの身体を抱き締めたいと腕を伸ばした。
「愛してる…愛してるキリアン…!
愛してる!!」
キリアンは上半身を折ってガインの上に重ね、抱き締めたいと縋り付く様なガインの腕に身体を抱かせた。
キリアンの細身の身体をガインの野太い両腕が強くかき抱く。
重なっても重なっても、もっと深く混じり合いたいと心が欲する。
必死にキリアンを繋ぎ止めようとする様なガインの態度に、キリアンが打ち震えた。
「いい子だ、ガイン…
そうやって、ずっと俺だけに溺れていて…」
キリアンは嫉妬を覚えたガインのいじらしさに喜びが隠せない。
泣きそうなガインとは対照的に、キリアンは口角を上げ目を細めてしまう。
ガインの蜜壺に根元まで埋め込んだ太く熱い楔を、グリグリと掻き回す様に動かす。
「うぁぁっ!!…ぁっ、あっ……んんぅ……」
緩やかに腰を動かし腹部側の天井を叩くと、頬を真っ赤に染めビクンと胸を反らせたガインの反応を見たキリアンがほくそ笑んだ。
「ガインって名器だよな…
熱くて柔らかくてトロトロで……なのに緩急付けて程よく締め付けてきて…。
それに感度が良くて良い反応をしてくれる。
ホント、ガインは男好きする身体をしている。
ふふっ、誰にも知られる事無く俺だけの為に花開く極上の薔薇だ。」
埋め込んだ杭をコッチュコッチュと小突く様に動かし始める。
性器の括れでガインの肉壁をこそぎ、腹部側の天井をノックする。
「あっあっ…!ソコ…!叩いたらっ……!あっ…!」
淡く染まったガインの身体がキリアンの抽挿に合わせて艶めかしく、揺れ動きしなるのを眺め、一気にズズンと最奥を衝き上げる。
「ひぁあ!!奥っ…!そんな強っ…すご…!」
「奥を突き上げられるの好きだろう?
ほら、みっちり隙間が無いほど俺を埋め込んだよ。
美味しい?」
コクコクと小刻みに頷くガインの顎先に口付け、軽く歯を立てる。
ガインの喉仏が上下し、せぐりあげる様な呼吸と共に甲高く甘い声音が漏れた。
「ひゃぅっ…!」
━━可愛い…なんて可愛いんだろう、俺の妻のガインは…
愛しくて愛しくて…もう、この激しい感情を当て嵌める言葉が思い付かない。━━
「ガインのオンナのコの孔の中、たくさん擦って突いてあげるからね、良く噛んで味わうんだよ。
そしてたくさん注いであげるから、可愛い子を孕んでね。」
ヌプぅと引き抜きかけた楔を再びバチュんと戻し、パチュパチュと浅い抽挿を繰り返しながら孔の方々を不規則に突いてゆく。
「あっうっ…あっ…あっ……ンあぁぁ!奥ぅ!ひ…ぅあ…」
浅い抽挿から一気に最奥を抉る様に激しく突き上げ、ゴンゴンとガインの腹の底を叩く。
ガインの口から言葉にならない上擦った嬌声が漏れ、開きっぱなしの口から出た濡れた舌先が空を舐める。
「いいねぇ、その恍惚とした表情。
普段の凛々しい姿からは想像もつかないほど、可愛く美しいよ。
理性を手放した淫らなガインは………ふふっ、堪らないなぁ、ガインのアヘ顔って!
さぁ枯れるまで出し尽くそうか。」
ガインの両足首を掴んで下肢を叩きつけ、ガインの最奥にキリアンが精を放った。
「ううッ!あつ…熱い…中がぁ……!」
瞬時に呼応するかの様にガインの馬首の先からもビュルッと白濁が飛び散る。
飛び散った白濁液は川面に浮かび、そのまま溶ける様に流されていった。
「何だか幻想的な光景だね。……もっと見せてくれるよね?
ごめんね、ガイン……止まりそうにないんだ。ふふっ」
ヒクヒクと小刻みに痙攣するガインの内側の楔は、放出したにも関わらず既に硬度を保ち、出された精でグズグズになった内側を無遠慮に撹拌する。
「ま、待ってくれ…!まっ…!んぁあ!ソコ好きぃ…」
「ホント、止まりそうになくて……
ミーちゃんも帰って来るから今日は身体を休めて、明日にはここを発って城に戻らなきゃいけないのにね……どうしよっか。」
困り顔をしながらもほくそ笑むキリアンは、ガインの耳もとに口を近付け囁いた。
「ガイン、夜はテントでもたくさん可愛がってあげるからね。」
睡眠よりもガインを味わい尽くす方が大事だと、キリアンがニッコリ微笑んだ。
▼
▼
▼
ベルゼルト皇国内でも王都より離れた国境近くの遠い領地、ガインの故郷であるヴィルムバッハ。
ミーシャがこの地を発った日の夕方、1日の仕事を終えたルンルンが今夜の夕食が入ったバスケットをぶら下げて領主邸内にある自室のドアを開けた。
「お帰り、ルンルン。」
ルンルンの部屋の椅子に腰掛けた線の細い青年が読んでいた本を閉じてニコリと微笑む。
「ヴィー、また勝手に部屋に入って…。
広い立派な部屋があるのに、何でこんな狭い部屋に入り浸るんだかねー。」
テーブルに重ねられた青年が読んだらしき本を本棚に片付けながら、ルンルンが呆れた様に言えば、青年は邪気の無い笑顔で首を傾けた。
「この部屋の方が何だか居心地が良くて。
ね、ミーちゃんとどんな話をした?
何か面白い話は無い?」
ルンルンは部屋の椅子を青年に占領された為にやむなくベッドに腰掛けた。
美しいが少しばかり気の強そうな顔立ちの青年は、見た目に反しておっとりとしたもの静かな性格をしている。
緩くまとめた母譲りの銀髪を揺らし、ルンルンにベルゼルトの話をねだった。
「えーと…領主のガイン様に王都で良い人が出来たそうでー。
22歳の美しい方だとか。
その内その方を妻に娶られて領地に連れて来るんじゃないかねー。」
「22歳の美人?それ、絶対兄上の事だよね。
そっかぁ、兄上はガインに想いを告げられたんだぁ。」
「いや、違うでしょ?絶対。」
青年の言葉に、ルンルンがしゃくりあげる様に驚きの声をあげた。
「何で?何で違うって思うの?」
毒気の無い顔で、青年にキョトンとされる。
まるで、ルンルンの方が常識外れの言動をしたかのように錯覚させられた。
「ガイン様が、陛下とは幼い頃から親子のように親密だってのは将軍からも聞いてたけど……
俺が言ってる様な関係とは違うだろ?
それに、陛下は巷でも噂になるほど美しい方だとは知ってるが…実際に会ってみたら、あの方は噂になってるような儚い美人って感じではなかったぞ?
男を相手に組み敷かれる様なタイプでは絶対無い。」
ルンルンが実際に会った時にキリアンに抱いた印象では━━
庇護されるべき綿毛のような小さな白い小鳥の様に見せ掛けているが、実際には鷹の様に鋭い眼差しと強い牙や爪を持つ、絶対的な強者だと感じた。
そんな男がガインを相手に組み敷かれる行為を良しとするのか疑問だ。
そうは言っても性癖なんて人それぞれなのだから、好いた相手にだったらそれを許せるのかも知れない。
そんな事を考えながらルンルンはバスケットからパンを取り出してガブっと齧り付いた。
「うん、兄上は組み敷かれるタイプじゃないね。
組み敷かれるのはガインだ。」
「ブフォ!!」
ルンルンの口に咥えられたパンが流星の如く部屋の隅に飛んで行った。
キリアンは水の浮力で軽くなったガインの腰を掴み、下肢を自身の太腿の上にズリ上げて乗せ、先ほどまでキリアン自身を咥え込んでいたガインの下の口を見下ろしてほくそ笑んだ。
「ちょ…!や、やめろ…そんな所をまじまじと見んな…!」
「なぜ?まだ足りないんだろ?
どれぐらい足りないのか、具合を確かめておかないと。」
「い、いや…何かもう充分だし、やめても…んん!!」
欲情心が少し落ち着いたかに見えるガインのまだ柔い孔に、キリアンがヌプっと2本の指を挿し込んだ。
「もう充分?やめる?あんなに激しくおねだりしておいて?
嘘は良くないよガイン。」
ガインの内側は柔らかく、侵入して来たキリアンを迎え入れ歓ぶ様に絡みつきキュウっとキリアンの指を締め付けた。
素に戻りかけたガインはキリアンの一部を内側に迎え入れた一瞬で、淫靡な表情を取り戻した。
「ふあっ!…あ……もっ…もっと……」
ブルッと痙攣する様にガインの身体が震え、艶めかしく腰を揺らし始める。
応える様にキリアンがガインの中を指先で掻いて擦り、パチュパチュと指での抽挿を始めた。
「ほらね、まだ足りてない。
ふふっホントに、やらしい身体になったねガイン。
淫らに腰を揺らして俺を欲しがって…。
俺しか知らない、俺だけのガイン…あぁ何て幸せなんだろう。」
キリアンの指先の動きに合わせてガインの大きな身体がしなる。
水面から出たガインの性器は怒張し、腰が揺れ動く度にその大きな首をブンブンと振った。
「あぁ…足りない…!もっと…もっと俺の中を満たしてくれ…!
指より、もっと大きいキリアンで…ここを…!」
キリアンの指を食む口の縁をガインが両手の指先で引っ張り孔を拡げ、キリアンの中心にそびえ立つ雄根を懇願する様に見た。
「俺だけのキリアン…俺だけを満たしてくれ…
頼むから…他の誰にも触れないで…」
涙ぐみながらの淫靡な表情でのガインの懇願はキリアンの身体にゾクゾクッと鳥肌を立てた。
喜びが高じ過ぎて、これは本当に現実なのか?と不安を覚え、恐怖すら感じる様な錯覚に陥りそうになる。
━━嘘みたいな、夢みたいな…これが現実だと確認したい。
ガインが壊れそうになるほど、俺を刻み込んでメチャクチャに抱きたい━━
コクリと唾を飲むキリアンの芯に熱が集まってゆく。
冷たい水にさらされた身体が自我を失い獣のようになりそうな程の情慾により、熱く火照ってゆくのをキリアンは自認した。
「当たり前だろうガイン…俺の妻はガインだけなんだから」
キリアンはハァーっと呼吸を整え、ガインの指先が指し示す様にムニィと拡げた蜜孔に雄根の頭を当てた。
先端でガインの入口をグリグリと押し拡げながら、すぐには柱部分を挿れない。
焦らされたガインが身を捩り、泣きそうな声を上げた。
「またッ…そんな……!
焦らさないでくれ、もうっ…!早く深く繋がりたっ…
ンあああっ!!」
ズブブっとガインの中にキリアンの楔が埋め込まれる。
キリアンを欲しがったガインに応えて、と言うよりはキリアンの方が限界だった。
「ガイン…愛しくて堪らないよ……
俺だけのガインだ…絶対に離さないから…」
深く楔を穿ち、ガインの内側をみっちりと満たしたキリアンがガインに優しく囁く。
待ち望んだキリアンを蜜園に目一杯迎え入れたガインは、口をパクパクさせながらキリアンの身体を抱き締めたいと腕を伸ばした。
「愛してる…愛してるキリアン…!
愛してる!!」
キリアンは上半身を折ってガインの上に重ね、抱き締めたいと縋り付く様なガインの腕に身体を抱かせた。
キリアンの細身の身体をガインの野太い両腕が強くかき抱く。
重なっても重なっても、もっと深く混じり合いたいと心が欲する。
必死にキリアンを繋ぎ止めようとする様なガインの態度に、キリアンが打ち震えた。
「いい子だ、ガイン…
そうやって、ずっと俺だけに溺れていて…」
キリアンは嫉妬を覚えたガインのいじらしさに喜びが隠せない。
泣きそうなガインとは対照的に、キリアンは口角を上げ目を細めてしまう。
ガインの蜜壺に根元まで埋め込んだ太く熱い楔を、グリグリと掻き回す様に動かす。
「うぁぁっ!!…ぁっ、あっ……んんぅ……」
緩やかに腰を動かし腹部側の天井を叩くと、頬を真っ赤に染めビクンと胸を反らせたガインの反応を見たキリアンがほくそ笑んだ。
「ガインって名器だよな…
熱くて柔らかくてトロトロで……なのに緩急付けて程よく締め付けてきて…。
それに感度が良くて良い反応をしてくれる。
ホント、ガインは男好きする身体をしている。
ふふっ、誰にも知られる事無く俺だけの為に花開く極上の薔薇だ。」
埋め込んだ杭をコッチュコッチュと小突く様に動かし始める。
性器の括れでガインの肉壁をこそぎ、腹部側の天井をノックする。
「あっあっ…!ソコ…!叩いたらっ……!あっ…!」
淡く染まったガインの身体がキリアンの抽挿に合わせて艶めかしく、揺れ動きしなるのを眺め、一気にズズンと最奥を衝き上げる。
「ひぁあ!!奥っ…!そんな強っ…すご…!」
「奥を突き上げられるの好きだろう?
ほら、みっちり隙間が無いほど俺を埋め込んだよ。
美味しい?」
コクコクと小刻みに頷くガインの顎先に口付け、軽く歯を立てる。
ガインの喉仏が上下し、せぐりあげる様な呼吸と共に甲高く甘い声音が漏れた。
「ひゃぅっ…!」
━━可愛い…なんて可愛いんだろう、俺の妻のガインは…
愛しくて愛しくて…もう、この激しい感情を当て嵌める言葉が思い付かない。━━
「ガインのオンナのコの孔の中、たくさん擦って突いてあげるからね、良く噛んで味わうんだよ。
そしてたくさん注いであげるから、可愛い子を孕んでね。」
ヌプぅと引き抜きかけた楔を再びバチュんと戻し、パチュパチュと浅い抽挿を繰り返しながら孔の方々を不規則に突いてゆく。
「あっうっ…あっ…あっ……ンあぁぁ!奥ぅ!ひ…ぅあ…」
浅い抽挿から一気に最奥を抉る様に激しく突き上げ、ゴンゴンとガインの腹の底を叩く。
ガインの口から言葉にならない上擦った嬌声が漏れ、開きっぱなしの口から出た濡れた舌先が空を舐める。
「いいねぇ、その恍惚とした表情。
普段の凛々しい姿からは想像もつかないほど、可愛く美しいよ。
理性を手放した淫らなガインは………ふふっ、堪らないなぁ、ガインのアヘ顔って!
さぁ枯れるまで出し尽くそうか。」
ガインの両足首を掴んで下肢を叩きつけ、ガインの最奥にキリアンが精を放った。
「ううッ!あつ…熱い…中がぁ……!」
瞬時に呼応するかの様にガインの馬首の先からもビュルッと白濁が飛び散る。
飛び散った白濁液は川面に浮かび、そのまま溶ける様に流されていった。
「何だか幻想的な光景だね。……もっと見せてくれるよね?
ごめんね、ガイン……止まりそうにないんだ。ふふっ」
ヒクヒクと小刻みに痙攣するガインの内側の楔は、放出したにも関わらず既に硬度を保ち、出された精でグズグズになった内側を無遠慮に撹拌する。
「ま、待ってくれ…!まっ…!んぁあ!ソコ好きぃ…」
「ホント、止まりそうになくて……
ミーちゃんも帰って来るから今日は身体を休めて、明日にはここを発って城に戻らなきゃいけないのにね……どうしよっか。」
困り顔をしながらもほくそ笑むキリアンは、ガインの耳もとに口を近付け囁いた。
「ガイン、夜はテントでもたくさん可愛がってあげるからね。」
睡眠よりもガインを味わい尽くす方が大事だと、キリアンがニッコリ微笑んだ。
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ベルゼルト皇国内でも王都より離れた国境近くの遠い領地、ガインの故郷であるヴィルムバッハ。
ミーシャがこの地を発った日の夕方、1日の仕事を終えたルンルンが今夜の夕食が入ったバスケットをぶら下げて領主邸内にある自室のドアを開けた。
「お帰り、ルンルン。」
ルンルンの部屋の椅子に腰掛けた線の細い青年が読んでいた本を閉じてニコリと微笑む。
「ヴィー、また勝手に部屋に入って…。
広い立派な部屋があるのに、何でこんな狭い部屋に入り浸るんだかねー。」
テーブルに重ねられた青年が読んだらしき本を本棚に片付けながら、ルンルンが呆れた様に言えば、青年は邪気の無い笑顔で首を傾けた。
「この部屋の方が何だか居心地が良くて。
ね、ミーちゃんとどんな話をした?
何か面白い話は無い?」
ルンルンは部屋の椅子を青年に占領された為にやむなくベッドに腰掛けた。
美しいが少しばかり気の強そうな顔立ちの青年は、見た目に反しておっとりとしたもの静かな性格をしている。
緩くまとめた母譲りの銀髪を揺らし、ルンルンにベルゼルトの話をねだった。
「えーと…領主のガイン様に王都で良い人が出来たそうでー。
22歳の美しい方だとか。
その内その方を妻に娶られて領地に連れて来るんじゃないかねー。」
「22歳の美人?それ、絶対兄上の事だよね。
そっかぁ、兄上はガインに想いを告げられたんだぁ。」
「いや、違うでしょ?絶対。」
青年の言葉に、ルンルンがしゃくりあげる様に驚きの声をあげた。
「何で?何で違うって思うの?」
毒気の無い顔で、青年にキョトンとされる。
まるで、ルンルンの方が常識外れの言動をしたかのように錯覚させられた。
「ガイン様が、陛下とは幼い頃から親子のように親密だってのは将軍からも聞いてたけど……
俺が言ってる様な関係とは違うだろ?
それに、陛下は巷でも噂になるほど美しい方だとは知ってるが…実際に会ってみたら、あの方は噂になってるような儚い美人って感じではなかったぞ?
男を相手に組み敷かれる様なタイプでは絶対無い。」
ルンルンが実際に会った時にキリアンに抱いた印象では━━
庇護されるべき綿毛のような小さな白い小鳥の様に見せ掛けているが、実際には鷹の様に鋭い眼差しと強い牙や爪を持つ、絶対的な強者だと感じた。
そんな男がガインを相手に組み敷かれる行為を良しとするのか疑問だ。
そうは言っても性癖なんて人それぞれなのだから、好いた相手にだったらそれを許せるのかも知れない。
そんな事を考えながらルンルンはバスケットからパンを取り出してガブっと齧り付いた。
「うん、兄上は組み敷かれるタイプじゃないね。
組み敷かれるのはガインだ。」
「ブフォ!!」
ルンルンの口に咥えられたパンが流星の如く部屋の隅に飛んで行った。
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