【R18】熊の様な45歳の近衛隊長は、22歳の美貌の皇帝に欲しがられています。

DAKUNちょめ

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美しく消え入りそうに儚く。

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目を覚ましたガインは自分が真っ暗な部屋のベッドの上で寝ている事に気付いた。

暗い部屋に目が慣れてくると部屋の輪郭がぼんやり浮かび、ここが自室のベッドであると気付く。


記憶の途切れる直前まで、キリアンに突かれていた場所。

あえて、抱かれていたとは思わない。

恥ずかし過ぎるから!

それなら、突っ込まれてたと表現した方が幾分かマシな気がする。


「……昨日のあれは…夢……じゃないわな……ッッ!!

イッテェ!!やっぱ現実な!」


ベッドから身体を起こそうとした瞬間に激痛が走る腰と尻!

思わずベッドの上でうつ伏せになり、プルプル震えてしまう。

その状態でガインは昨日から今に至るまでの状況を整理していく。


自分が非番で…昼に食堂から帰ったら部屋に陛下が居て……

何か凄く怒っていて…突っ込まれて…だから、今日1日好きにしていいと言った。

そしたら、睡魔に襲われるまで本当に好きにされた。


「いや…駄目だ、過ぎた事を結果だけ書きつらねたら、ただのアホみたいな話にしかならん。」


では、今現在の自分の状況。

まず自分は全裸。それは記憶の途切れる前から変わらず。

だが身体は綺麗に拭かれており、寝ていたベッドのシーツも新しい物に変わっている。


ベッタベタな身体を綺麗に拭いて、ベッタベタなシーツを取り替えて……これ、誰がした?

誰かって、キリアンしかおらんが……

皇帝陛下が、配下の身体を拭いて綺麗にして…シーツまで?

シーツ替える間、俺の身体は?まさか床にゴロリと寝かせていたとか……無いよな。

むしろ、そうであってほしい!


だが、一番可能性の高いのが、キリアンが身体を拭いてくれて俺の身体を抱きかかえていてくれて、その間に誰かがシーツを新しい物に替えた。

そんな第三者が居る!!


だ、誰に見られた!!!誰に知られた!!!こんな事を!!!


「……ガイン、心配しなくても誰にも見られてないから。」


「はうあっ!!」


暗い部屋の片隅にキリアンが立っている。

普段なら人の気配には敏感なガインだが、自室で警戒を怠ったせいもあるが、今は自身の頭の中を整理するのに神経を使い過ぎていてキリアンの気配に気が付かなかった。


「へ、陛下!まだいらっしゃいましたか!

申し訳ございません!陛下がいらっしゃるのに眠りこけているなど…!」


またガツガツいかれるのか?と、思わず身構えてしまいつつもガインは全裸のままベッドから降り、片膝をついて臣下の礼を取った。



「………そう身構えなくても…大丈夫だ。

もう、日が変わったからしないよ。

昨日1日の約束だものね…師匠、ありがとう…。」


暗がりに立つキリアンが、小さなランプに灯りを点した。

そのランプをテーブルに置き、キリアンが椅子に腰掛ける。

部屋の中が少し明るくなったが、テーブルの向こう側に座るキリアンの顔は口元だけが点された炎に揺らいで、鼻より上が良く見えない。


「……そ、そうか……。」


少しばかり安堵し、ガインは改めて自身の姿を見る。

綺麗に身体を拭かれた全裸の自分。


「ガインの体調が悪くなったからと新しいシーツを持って来て貰って俺が替えた。気にしなくても、誰も知らないから…。」


「……そ、そうですか……今日の事は……その………。」


「心配しなくても、誰にも言わない……。

俺は…ガインが嫌がる事は…したくない。」


床に膝をつくガインは、暗がりの中の小さなランプの炎に揺らぐキリアンの表情が良く見えない。

淡々と紡がれるキリアンの声は静かで、感情が読み取りにくい。


「……まぁ、そうしてくれると有り難い。

俺も相手がキリアンだとは言え、男に突っ込まれたとか…あまり思い出したくはないし…。」


テーブルの向こう側、カツっと靴のかかとの鳴る音がした。

思わず立ち上がろうとした、初動の音。

だがキリアンは立たずに、フウーッと長いタメ息を吐く。


「………突っ込まれた………

抱かれたとは、言ってくれないのか?師匠。」


膝をついたガインが、焦った様にテーブル向こうのキリアンを見る。

テーブル上のランプに照らされたキリアンの口元が、引きつる様に笑むのが見えた。

そして弧を描く口の下、顎の先からポツリと雫がひとつ落ちるのを見てしまった。


「だ、抱くってのは…その…そこに愛情があってこその…。」


ガインは自分が見た物が信じ難く、またキリアンの言葉に上手く返す事が出来ない。


「愛情が無かったと思っているのか?戯れに身体を重ねただけだと……

俺が、なぜいきなり師匠を貫いたか分かるか?

……嫉妬したからだよ……俺以外の誰かに優しくする師匠が許せなかった!!」


キリアンの泣きそうな声がガインの胸にチクチクと刺さる。

キリアンの想いを疑っているワケではない。

認めたくない部分はあるが、信じてないワケではない。

だが、それを全て受け入れる事は出来ない。


「……畏れながら……陛下……私は男であり、一配下に過ぎません。私ごときが陛下の寵愛を受けるなど……恐れ多い…で、ですから……私より、もっと陛下に相応しい……。」


「…愛してる…ガイン。」


しどろもどろになりながら、ガインが下手くそな逃避用の言い訳をしようとするが、キリアンは真っ直ぐにブレない気持ちを投げ付けて来る。


「や、いや、しかしですよ?私…俺はオッサンですし…こんな熊みたいなナリしてますしね、若く美しい陛下とは、釣り合い取れてませんし…。」


ガインがキリアンを拒む理由が、立場を重んじるが所以のものから、恋愛下手が恋に臆病なのをこじらせたゆえに拒む為の自己否定みたいな言い訳になってきている。


「俺はガインしかいらないんだ…ガインが俺を拒むのなら…

ガインを失う位なら…俺は…もう、消える…。」


「きっ…!!消える!?消えるなんて言わないでくれよ!!

お前が消えたら俺はどうすれば!!」


ガインは床から立ち上がり、キリアンに駆け寄った。

椅子に座るキリアンの背に腕を回して立ち上がらせ、正面から強く抱き竦める。


キリアンの頬を濡らした涙に映る炎がゆらゆらキラキラと揺れながら輝いており、そんなキリアンは美しく━━

そして、今にも消えてしまいそうに儚く見え、ガインは手を離す事に恐怖を覚えた。


「配下として…皇帝陛下の身を案じて…くれてるのでしょう?

…それは…俺の欲しい師匠の気持ちではない…。」


「しっ知らん!正直……分からん!!俺も今、混乱している!だ、だが…嫌なんだ!消えたりするな!」


自分よりは細いキリアンの身体を強く抱き締め、ガインがキリアンの頭を何度も撫でる。


「……師匠は俺から距離を置きたがってる……。

あんな事をしてしまった俺を置いて、何処かに行こうとしたがる……耐えられないんだ……そんなの…。

師匠に見放された俺なんか…もう、この世に居る必要がない…。」


ガインの背に回したキリアンの手が、弱々しくガインの背を抱く。

そして、その手が諦めたかのようにストンとガインの背から降りた。

まるで生きる事さえ諦めたかのようなキリアンの態度に、ガインが焦り、励ます様に更に強くキリアンを抱き締める。


「あっ…!諦めんなよ!!見放したりしねぇし!!

何処にも行かないって約束する!!だから、元気出せ!な?」


「……だったら師匠、俺を…愛してくれる……?」

うっ!!……ガインが一瞬止まる。

敬愛するとは違う意味で言っているのだと分かる。

どちらかと言えば、女性の立場を求めての問いだと。

さすがに結婚は無理だと分かっているが、皇帝陛下を振るなど不敬でもあるし……かと言って、消え入りそうな程弱気で儚い今のキリアンを突き放す勇気も無い。


何より……キリアンに求められた事は、決して嫌ではなかった。

戸惑い、混乱はしたし、かなり痛かったが………


途中から快楽に溺れていた自分の痴態をハッキリと自覚している。


「……正直な…俺にはまだ、分からん…。

結婚は元より、恋愛ってもんは男女でするもんだと思っていたからな…。

だから分からんが…キリアンの気持ちは…ありがたく受け取る。だから、時間をくれ。」


何の時間だ?それ。

思わず頭の中で自己突っこみしてしまう。

結婚する覚悟なワケ無いし、キリアンの愛してくれる?に対しての答えだったら、今も愛してないワケではない。


━━敬愛とキリアンの欲しい愛の線引きが俺には難しい!━━


「……師匠!本当に何処にも行かない?俺の傍に居る?

……俺の愛を受け入れてくれる?」


「……ああ、まだ俺には分からん事だらけだが……傍に居るし、キリアンの気持ちはありがたく受け取る…………んあっ!?」


ガインの背から弱々しく下ろされていたキリアンの指先が、ガインの後孔の隠れた谷間を開こうとクチクチと動き始める。


「ちょ…ちょっと待て!な、何をしている…!」


「師匠、俺の愛を受け取ってくれて、ありがとう。

これからは結婚を前提としたお付き合いという事で、よろしく。大丈夫、誰にも言わないから!」


「はぁあ!?結婚前提のお付き合い!?…っあ…!ゆ、指っ…!」


「うん、柔らかくて入り易くなってる。」


ヌプとガインの後ろの穴に指を挿し込んだキリアンが、自分を抱き締めるガインの首筋に歯を立て柔く噛み付く。


「ンンんっ!!はぁっ…は……や、やめろ…!約束の1日は終わったろう!」


「それと、これは別。婚約者同士なんだから、愛し合うのは当然だろう?ガイン。」


婚約者同士!?俺とキリアンが!?へあっ!?


「どっ!どうゆー事ですかね!!それは!!んあっ…あぁ…あっ…!」


キリアンの指先がガインの穴を出入りするが、ガインの体躯が大きい為に向かい合って抱き合った状態だと浅くしか入らない。

それがもどかしく、ガインは無意識の内に下半身をキリアンに押し付けるように寄せ、腰を揺らしてキリアンの指をもっと奥へ導こうとした。

ガインの首筋に噛み付いていたキリアンが顔を上げる。


「ふふふ…ガインの、い、ん、ら、ん」


炎に揺らぐキリアンの顔は美しく…だが、先ほどまでの儚さは消え、嬉々として微笑んでいた。

弧を描き口角を上げて目を細める。

そこにあったのは絶対的な支配者であり、捕食者の笑み。


━━え?さっき迄の儚さは!?俺、選択早まった!?━━


「ちょちょちょっ!!待て!待っ……!あぅんっ!!」


「自分からおねだりしてきて、そんな事を言う。俺を焦らす気なの?無理だよ、こんな美味しいご馳走を前にして。」


指を抜いたキリアンは、ガインを抱き寄せたまま背後の椅子に座る。


「ガイン、ミーシャが城に来た日の事を覚えているか?

俺の膝に座ったのを。

ガイン、あの時のように俺の膝に座れ。俺のを咥え込んでな。」


「な、な、ナニ言ってんだ!!お前!!そんな事、出来ん…!あ、や、やめろ…!」


ガインの身体がクルリと向きを変えられ、柔くなった肉ひだに既に硬くなった楔が当てられる。


いつの間にナニを出していたんだ!!つか、既にカチコチって!!


「あっ…んおっ!!はうっ…!」


「そのまま座るんだよガイン。

上手に膝に乗ったら、美味しいモノいっぱい食べさせてあげるよ。

子どもの頃、俺にガインがしてくれたように。」


背後のキリアンが左手でガインの腰を抱き、右手の指先で乳首をクンと押し潰す。

ぞくぞくと背筋を這い上がる擽ったさを越えた快感に膝から力が抜け身体がストンと落ち、自重によりキリアンの硬い茎をズブズブと身体の中心に迎え入れた。


「上手に食べてるね。いい子だ、ガイン。」


「ふああぁぁあっ!」









「今度からパパの部屋でするのは避けてもらお。距離があるから、後始末が大変だもの。

それに、後から詳しく取材しなきゃ。」


ガインの部屋の汚れたシーツを抱え、ミーシャは洗濯物置き場に向かった。


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