6 / 11
この苛立ちは何処から来て何処へ?
しおりを挟む
濡れて砂まみれになった衣服を脱ぎ、違う衣服を身に着ける。
海水や砂で汚れた身体は清浄魔法で綺麗にした。
食堂に向かう為に部屋を出て、先ほど雑草女と話しをした中庭に面した廊下を歩く。
何気無く中庭に目をやると、雑草女がまだ中庭に立っていた。
「雑草、何をしている。
今日は城に居る女達は皆、必ず食堂に来るようにと伝えてあったろう。
お前も食堂に来い。菓子を見たいのだろう。」
宙に目を泳がせた雑草は、目で何かを追っている。
夢中で何かを……読んでいるように…。
「……あ、ダーリン…着替えたのね。」
先ほどまで、ピーチクパーチク小鳥がどうのこうのとうるさかった雑草女が妙に静かで、少し落ち込んだようにも見える。
そんな表情をする原因が、先ほどの女達の事とは思えない。
私が私室で着替える短い間に一体何が…?
私は廊下から中庭に降り立った。
女の表情が気になったのもあるが、女の目線が宙を泳ぐ様が以前から気になっていた。
「……お前は、よく宙を見るな。
そこに、私には見えない何かが見えるのか?」
「……うん、見える。
……わたし、あと半年も…持たないかも……。」
誰に何を知らされたのか…。
雑草女の目線の先を見るが、やはり私には何も見えない。
半年持たない、の意味を考える。
持たないのは命か?死ぬ…という事なのか?
いや、この女は海から何処かへ帰ると言った。
だから見送れと。
「見送りは半年以内って事か?
『さようなら、また会いましょう』と私がお前に言う時が来るのは。」
「言ってくれるの!?」
「それでお前の顔を見なくて済むなら安いものだ。」
クックッと笑いが零れる。
雑草女は「もう!」と言って頬を膨らませた。
怒りの表現らしいが、間抜けな顔だ。
「食堂に行くなら、エスコートして!ダーリン!」
「…また、女達に責められるぞ?」
「?それが何か困る?
コトリみたいにうるさいだけでしょ。」
私は雑草女に手を差し出し、雑草女の手を取ると身を屈めた。
「では、私が麗しのフグリ姫をエスコートしよう。」
「だから!わたしをキ◯タマ呼ばわりするんじゃない!!」
クックッと笑って女の手を取り、食堂に向かい並んで歩き出す。
「……雑草、誰に何と言われたのか私には教えてくれないのか?
半年も持たないとは、何の事だ。」
「……わたしの仲間から……もう持たないと言われた…
それだけよ。」
「曖昧な言い方をするんだな…。
ダーリンの私にも教えられない事なのか?」
随分と図々しくなったと自分に対して思う。
ダーリンと呼ばれる事が腹立たしかった筈なのに、今はそれを利用して、私の好奇心を満たそうとしている。
「そうね…貴方が本当にわたしのダーリンになったら、教えるわ。」
「……本物の恋人になれと?」
本音が表情に現れ、愚かな女だと彼女に対して嘲笑を浮かべてしまった私に雑草女が首を振った。
「違う。
わたしが貴方の事を離れたく無い位に本当に好きになってしまったらよ。」
「何だ…そういう意味か。」
納得したような顔をした私の内心は、私自身が驚く程に動揺していた。
私をダーリンと呼び、うるさく付きまとう女。
このけたたましい女は、今、ハッキリと言った。
私を好きではないと。
私は勝手に思い上がり、勝手に思い込んでいた。
この女は私が好きなのだろうと。
この女は時間を費やす憂さ晴らしに、ただ私を付き合わせたいと言っていた。
どんなに冷たくあしらっても付きまとう雑草女に、私の認識がすり変わっていた。
突き放しても付きまとう程に私を好きなのだと。
それゆえに、この女を所有物として…
何をするのも、命を奪う事さえ私の自由だと思い込んでしまった。
私は何と浅慮で愚かなのだろうか。
「……ダーリン?顔色が悪いわ…どうしたの?」
「……久しぶりの乗馬で…疲れたのかも知れない。」
好きでないと言われた事位で、こんなにみっともなく動揺するとは…
好きでもない女に、好きではないと言われただけじゃないか。
「食堂まで抱っこしましょうか?」
「やめろ!みっともないだろうが!」
みっともない。こんなに狼狽えている私は……
なぜだ、身体に力が入らない…。
足元がふらつく私を雑草女が支え、食堂に辿り着いた。
雑草女は城の者に私の身を預け、自身に用意された席についた。
私も自分の席に腰を下ろし、テーブルに並んだ美しい菓子を見る。
菓子の向こうに居る雑草女を見る。
雑草女は、私を見ていた。
心配そうに私を見る青い目が私と合う。
やめてくれ…そんな目で私を見るな…。
情けない私を………
「大輪の花の如く、日々この城の中を美しく彩り飾って下さる皆様に、陛下からの贈り物で御座います。
どうぞお召し上がり下さい。」
料理長がそう言うと、侍女達がそれぞれの席を回り紅茶を煎れる。
女達は、この城に来て初めて受ける私からのもてなしを警戒した。
自分の前に置かれた果物や食用の花で彩られた美しいケーキと紅茶を、眺めてはいるが手をつけるのを躊躇っている。
「……私がお前達の為に用意させた菓子だ。
毒でも入ってるのかと疑っているのか?
…私を何だと思っている…。」
雑草女の事で自身に対して苛立ちを募らせていた私は、その苛立ちを隠す事が出来ず、菓子に手を付けない女達にもその見苦しい感情をぶつける。
「ち、違いますわ!
あまりに美しくて眺めていただけですの!」
「そうですわ!
陛下からの贈り物だなんて、素晴らしくて食べてしまうのが勿体ない位ですもの!」
「ご託はいい、さっさと食え。」
女達が焦ったようにケーキを食べ始めた。
私は……なぜ、料理長に菓子を用意するよう頼んだのだった…?
遠乗りに出る前に、何を確かめたくて菓子を………
雑草女は、テーブルに置かれた菓子を見ていた。
ただ見ているだけだ。
「あなた、陛下の優しさを無下にする気!?」
「陛下のお心を疑ってらっしゃるのね!ひどい人!」
菓子を口にした女達が、菓子を口にしない雑草女を責め始めた。
私はテーブルに肘を置き頬杖をついて、もう片方の手の指で苛立つ様にテーブルを叩いた。
「……美しい菓子だろう?お前は、なぜ食わない。」
口々に雑草女を非難する女達のさえずりを無視し、遠く離れた席に座る雑草女に尋ねる。
「………わたしは………食べる事が出来ません。」
「まぁ!なんて方なの!」
「陛下が贈って下さった食物を口に出来ないなんて!無礼な人ね!」
「やかましい!黙れ!!!」
青い目を伏せ小さな声で答えた雑草女の声を掻き消すように、女達が喧しく騒ぎ出した。
私は、その雑音が鬱陶しく、テーブルを思い切り叩いて怒鳴った。
怒りをあらわにした私を初めて見た女達が身を強張らせているのを無視し、私は雑草女を問い詰める。
「お前はこの城に来てから食事を一切取ってないらしいな。
お前は何処から来た何者なんだ?そもそもが人間なのか?
私をどうしたい?何を企んでいる?」
「わたしが何者かは、今は話せないわ…
でも、貴方をどうかしたいなんて思ってない。
わたしは、わたしが消える日まで美しい物を見て、楽しい事をしたいだけよ。
この世界で。」
「ふざけるな!!」
私は席を立ち、雑草女の元へ行く。
雑草女の腕を掴み椅子から立ち上がらせ、強引に食堂から女を引っ張り出した。
「ふざけてないわよ!ちょっと…!何で怒ってんの!?」
こんなに感情を昂らせたのは、いつぶりだろう。
この女と逢ってからの私は、忘れていた人らしい感情を一つ一つ取り戻していく。
激しい苛立ちも、怒りも、ましてや怒鳴るなんて今までの私には無かった。
認めたくないが認めるしかない。
この女は私にとって特別だ。
なのに、この女にとっての私は、短い期間の暇潰しのパートナー程度なのだ。
「ダーリン!」
「その呼び方をやめろ!好きでもない癖に!」
海水や砂で汚れた身体は清浄魔法で綺麗にした。
食堂に向かう為に部屋を出て、先ほど雑草女と話しをした中庭に面した廊下を歩く。
何気無く中庭に目をやると、雑草女がまだ中庭に立っていた。
「雑草、何をしている。
今日は城に居る女達は皆、必ず食堂に来るようにと伝えてあったろう。
お前も食堂に来い。菓子を見たいのだろう。」
宙に目を泳がせた雑草は、目で何かを追っている。
夢中で何かを……読んでいるように…。
「……あ、ダーリン…着替えたのね。」
先ほどまで、ピーチクパーチク小鳥がどうのこうのとうるさかった雑草女が妙に静かで、少し落ち込んだようにも見える。
そんな表情をする原因が、先ほどの女達の事とは思えない。
私が私室で着替える短い間に一体何が…?
私は廊下から中庭に降り立った。
女の表情が気になったのもあるが、女の目線が宙を泳ぐ様が以前から気になっていた。
「……お前は、よく宙を見るな。
そこに、私には見えない何かが見えるのか?」
「……うん、見える。
……わたし、あと半年も…持たないかも……。」
誰に何を知らされたのか…。
雑草女の目線の先を見るが、やはり私には何も見えない。
半年持たない、の意味を考える。
持たないのは命か?死ぬ…という事なのか?
いや、この女は海から何処かへ帰ると言った。
だから見送れと。
「見送りは半年以内って事か?
『さようなら、また会いましょう』と私がお前に言う時が来るのは。」
「言ってくれるの!?」
「それでお前の顔を見なくて済むなら安いものだ。」
クックッと笑いが零れる。
雑草女は「もう!」と言って頬を膨らませた。
怒りの表現らしいが、間抜けな顔だ。
「食堂に行くなら、エスコートして!ダーリン!」
「…また、女達に責められるぞ?」
「?それが何か困る?
コトリみたいにうるさいだけでしょ。」
私は雑草女に手を差し出し、雑草女の手を取ると身を屈めた。
「では、私が麗しのフグリ姫をエスコートしよう。」
「だから!わたしをキ◯タマ呼ばわりするんじゃない!!」
クックッと笑って女の手を取り、食堂に向かい並んで歩き出す。
「……雑草、誰に何と言われたのか私には教えてくれないのか?
半年も持たないとは、何の事だ。」
「……わたしの仲間から……もう持たないと言われた…
それだけよ。」
「曖昧な言い方をするんだな…。
ダーリンの私にも教えられない事なのか?」
随分と図々しくなったと自分に対して思う。
ダーリンと呼ばれる事が腹立たしかった筈なのに、今はそれを利用して、私の好奇心を満たそうとしている。
「そうね…貴方が本当にわたしのダーリンになったら、教えるわ。」
「……本物の恋人になれと?」
本音が表情に現れ、愚かな女だと彼女に対して嘲笑を浮かべてしまった私に雑草女が首を振った。
「違う。
わたしが貴方の事を離れたく無い位に本当に好きになってしまったらよ。」
「何だ…そういう意味か。」
納得したような顔をした私の内心は、私自身が驚く程に動揺していた。
私をダーリンと呼び、うるさく付きまとう女。
このけたたましい女は、今、ハッキリと言った。
私を好きではないと。
私は勝手に思い上がり、勝手に思い込んでいた。
この女は私が好きなのだろうと。
この女は時間を費やす憂さ晴らしに、ただ私を付き合わせたいと言っていた。
どんなに冷たくあしらっても付きまとう雑草女に、私の認識がすり変わっていた。
突き放しても付きまとう程に私を好きなのだと。
それゆえに、この女を所有物として…
何をするのも、命を奪う事さえ私の自由だと思い込んでしまった。
私は何と浅慮で愚かなのだろうか。
「……ダーリン?顔色が悪いわ…どうしたの?」
「……久しぶりの乗馬で…疲れたのかも知れない。」
好きでないと言われた事位で、こんなにみっともなく動揺するとは…
好きでもない女に、好きではないと言われただけじゃないか。
「食堂まで抱っこしましょうか?」
「やめろ!みっともないだろうが!」
みっともない。こんなに狼狽えている私は……
なぜだ、身体に力が入らない…。
足元がふらつく私を雑草女が支え、食堂に辿り着いた。
雑草女は城の者に私の身を預け、自身に用意された席についた。
私も自分の席に腰を下ろし、テーブルに並んだ美しい菓子を見る。
菓子の向こうに居る雑草女を見る。
雑草女は、私を見ていた。
心配そうに私を見る青い目が私と合う。
やめてくれ…そんな目で私を見るな…。
情けない私を………
「大輪の花の如く、日々この城の中を美しく彩り飾って下さる皆様に、陛下からの贈り物で御座います。
どうぞお召し上がり下さい。」
料理長がそう言うと、侍女達がそれぞれの席を回り紅茶を煎れる。
女達は、この城に来て初めて受ける私からのもてなしを警戒した。
自分の前に置かれた果物や食用の花で彩られた美しいケーキと紅茶を、眺めてはいるが手をつけるのを躊躇っている。
「……私がお前達の為に用意させた菓子だ。
毒でも入ってるのかと疑っているのか?
…私を何だと思っている…。」
雑草女の事で自身に対して苛立ちを募らせていた私は、その苛立ちを隠す事が出来ず、菓子に手を付けない女達にもその見苦しい感情をぶつける。
「ち、違いますわ!
あまりに美しくて眺めていただけですの!」
「そうですわ!
陛下からの贈り物だなんて、素晴らしくて食べてしまうのが勿体ない位ですもの!」
「ご託はいい、さっさと食え。」
女達が焦ったようにケーキを食べ始めた。
私は……なぜ、料理長に菓子を用意するよう頼んだのだった…?
遠乗りに出る前に、何を確かめたくて菓子を………
雑草女は、テーブルに置かれた菓子を見ていた。
ただ見ているだけだ。
「あなた、陛下の優しさを無下にする気!?」
「陛下のお心を疑ってらっしゃるのね!ひどい人!」
菓子を口にした女達が、菓子を口にしない雑草女を責め始めた。
私はテーブルに肘を置き頬杖をついて、もう片方の手の指で苛立つ様にテーブルを叩いた。
「……美しい菓子だろう?お前は、なぜ食わない。」
口々に雑草女を非難する女達のさえずりを無視し、遠く離れた席に座る雑草女に尋ねる。
「………わたしは………食べる事が出来ません。」
「まぁ!なんて方なの!」
「陛下が贈って下さった食物を口に出来ないなんて!無礼な人ね!」
「やかましい!黙れ!!!」
青い目を伏せ小さな声で答えた雑草女の声を掻き消すように、女達が喧しく騒ぎ出した。
私は、その雑音が鬱陶しく、テーブルを思い切り叩いて怒鳴った。
怒りをあらわにした私を初めて見た女達が身を強張らせているのを無視し、私は雑草女を問い詰める。
「お前はこの城に来てから食事を一切取ってないらしいな。
お前は何処から来た何者なんだ?そもそもが人間なのか?
私をどうしたい?何を企んでいる?」
「わたしが何者かは、今は話せないわ…
でも、貴方をどうかしたいなんて思ってない。
わたしは、わたしが消える日まで美しい物を見て、楽しい事をしたいだけよ。
この世界で。」
「ふざけるな!!」
私は席を立ち、雑草女の元へ行く。
雑草女の腕を掴み椅子から立ち上がらせ、強引に食堂から女を引っ張り出した。
「ふざけてないわよ!ちょっと…!何で怒ってんの!?」
こんなに感情を昂らせたのは、いつぶりだろう。
この女と逢ってからの私は、忘れていた人らしい感情を一つ一つ取り戻していく。
激しい苛立ちも、怒りも、ましてや怒鳴るなんて今までの私には無かった。
認めたくないが認めるしかない。
この女は私にとって特別だ。
なのに、この女にとっての私は、短い期間の暇潰しのパートナー程度なのだ。
「ダーリン!」
「その呼び方をやめろ!好きでもない癖に!」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】絵の中の人々
遥々岬
ファンタジー
これは自分の在り方を探す画家のおはなし
雪に覆われる冬の森
銀色のサナギがひしめき合う洞窟の奥で見つけた青色の果実を食べた少女は、まるで孵化をするように死んだ自分の体から生まれ直しを繰り返す様になってしまった。
やがて少女は生きていく手段として絵を学び、画家になって世界を旅するようになる。
絵の依頼をする人々は様々な事情を抱えており、その救いとして絵を求めた。
誰かの為に絵を描き、誰かの記憶の中に留まることを戸惑っていた画家は何度目かの人生を歩み始めた頃、ある一人の少年と出会ったのをきっかけに希望を抱いた。
乙女の頭部、それが世界の形である。
世界は森や海、空から形を模った精霊が統べていた。
人族馬型・魚型。郵便屋で働く風の妖精。様々な者と関り、画家は絵描きの旅をしながら自分の生き方を探し始める。
ざまあ~が終ったその後で BY王子 (俺たちの戦いはこれからだ)
mizumori
ファンタジー
転移したのはざまあ~された後にあぽ~んした王子のなか、神様ひどくない「君が気の毒だから」って転移させてくれたんだよね、今の俺も気の毒だと思う。どうせなら村人Aがよかったよ。
王子はこの世界でどのようにして幸せを掴むのか?
元28歳、財閥の御曹司の古代と中世の入り混じった異世界での物語り。
これはピカレスク小説、主人公が悪漢です。苦手な方はご注意ください。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる