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第一章
14ーエセ外国人のミリタリーオタク。
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俺が流された次の世界は、近未来的な施設が廃墟と化した場所だった。
だが、やる事は以前と同じで立ち塞がる敵を倒しながらただ前に進む。
前と違う所をあえて挙げるならば、マシン系の敵が現れる様になった所位だろうか。
こちらの世界に来たばかりの俺は、まだ武器を手に入れていない丸腰状態だったが、スタート地点周辺の敵なんぞ全く相手にならなかった。
俺が前の世界で培った経験は全て俺の身体に残っており、リセットはされていない様だ。
この世界に流れ着いて一週間。
戦う事に関しては、まだ何も不都合は無い。
戦っている中でコンバットナイフらしきものを手に入れたが、俺が装備して敵に振るったら簡単に折れた。
仕方ないので、今までと同じく殴って倒す。
俺の素手の方がまだ強いらしい。
ステータスを見てもレベルも上がっておらず、まだこの周辺は経験値も入らない様なザコばかりなのだろう。
以前の世界でもラスボスの葵の所まで8年掛かっている。
今回も数年掛かるかも知れない。
先は長い様だが、8年もそんな生活をしていたせいで意外と苦ではない俺がいる。
慣れとは恐ろしいモンだな。
……俺の中では他人でしかない両親の待つ家に帰らなくて済むようになった安堵の方が、この殺伐とした世界で生きていく不安より大きいのだから。
「食料事情だけは何とかして欲しかったがな。
パウチタイプのゼリーとか、カロリーバーばかりってのは…ツライ。」
一応、近未来的な食事のつもりなんだろうか?
本当に近未来に来たと言うよりは、誰かが作った『近未来的だと予想した世界』に迷い込んだ様だ。
そのうち、バランス栄養食だとサプリメントしか手に入らなくなるとか無いだろうな。
近未来だろうがなんだろうが、腹にたまるちゃんとした飯を食わせろ。
「どうせ異世界に行くなら、こんな延々と閉鎖的な屋内施設が続く世界より、ファンタジー定番の町とか村とかがある世界が良かったな。
武器屋があったり酒場があったり、食料を調達出来たり情報を得たり出来るような場所がある世界に行きたかったがな。」
俺はカロリーバーを口に咥えたまま、更に施設の奥を目指して歩き始めた。
•
•
•
「あれぇ?ニイチャン、スコルとハティはどこ?」
俺が渡した銃で散々遊んで満足したのか、宿の外から部屋に戻って来たダイが姿の見えない二人の事を俺に訊ねた。
「知らん。
俺はアイツらのお守りじゃない。
お前だって今さらアイツらが拐われる心配なんかしてないんだろ?」
この小さな村で唯一の木賃宿で部屋を借りた俺は、硬いベッドの上に横向きに寝そべって宿の外で買ってきたチェリーのような果物を延々と口に運んでいた。
隣のベッドに腰掛けたダイが不安げに表情を曇らせて、ブツブツと何か言い出し始める。
「そりゃね…スコルとハティならさ…メチャクチャ強いし…。
はぐれ奴隷だとか思われても誰かに捕まる事も無いだろうけどさ…。
逆にさぁ……ねぇ。」
逆に。
誰かに手を出されそうになっても2人は無事だろうが、手を出そうとした相手が2人に殺されてしまう可能性が大。
それはそれで、確かに問題ありか。
「あーそれな。
食べる気がないなら何でもかんでも面白半分で殺すなとは言ってある。
変に目立って貰っても面倒だからな。」
「それ食べる気があるのは、もっと問題じゃないの?
第一さぁニイチャンがそう言っても……。」
そんな口約束、あの二人が守るの?と言わんばかりの不信感いっぱいの視線をダイに向けられた。
それについては………うーん………。
俺も、絶対に大丈夫だ!とは言えないが……。
俺を我が王だと呼ぶ、奴らの父親であるフェンリルが……前に俺に言った事がある。
━━我らは、我が王の言葉に従おう。
テイトの邪魔はしない。そのほうが楽しめそうだからな。
だが、我らの世界にも我らが守るべき矜持がある。
それに関しては、我が王の頼みでも聞けないからな。━━
全体的に、ふわっと濁した言い方をされたのだが、俺の中では「とりあえず言う事は聞く。でも、どうしてもの時はゴメンね?」と軽く解釈した。
なので、とりあえず一回は命令してみるが、後は知らん。
奴らは俺を我が王とか呼ぶが、服従しているワケでもない。
「俺は殺すなと言った。
それでも殺してしまったなら、それなりの理由があったって事なんだろ。
アイツらも馬鹿じゃない。分かっているハズだ。
それよりダイ、お前は分かってんのか?」
俺は最後の果物を口に入れ、ベッドに寝そべらせていた体を起こした。
親指の腹で口元の果汁を拭い、「何を?」とキョトンとしているダイに俺はキラッキラに輝く満面の笑みを見せた。
「今の俺達って、強い美少女の用心棒が居なくなった、ただのか弱い若造二人だって事。
お前が前に言ったように、俺達を捕らえて変態に売りたいとか、殺してしまって金目の物を奪いたいとか…。
そんな事を考える連中には、今の俺達は恰好の餌食状態になってるって事。
で俺達、今そんな事を考えるような連中に囲まれてる。
あははは。」
「あははじゃないよ!
ニイチャンの馬鹿ァァ!笑い事じゃないじゃないか!」
ダイがそろそろと窓の外を覗く。
宿の周りには、見るからに風体のよろしく無い連中が集まり始めていた。
「ひっ…!武器持ってる!いっぱい居る!逃げ、逃げよ!」
ワタワタとダイが慌て始めた。
慌てた所で宿をぐるりと囲まれており、脱出なんか出来ない。
宿を取った時から、俺達の動向を見張っていた奴が居るのだろう。
スコルとハティが出て行ったのを確認してから人を集めたようだ。
「まぁそんなワケで、今から戦闘……
いや、一方的にアチラさんに痛い思いをして貰うんだが情け深い俺は奴らを殺すつもりはない。
だからダイ、お前も銃は構えるなよ?」
「情け深い?
情け容赦無いの間違いじゃないの?
…ニイチャン、寒くなるほど笑顔が怖いんだけど。」
俺は、この世界に来てから思いの外、大人しくしていたと思う。
俺が人を殺ったのは、神殿を出てから俺を消しに来た兵士3人の内の2人だけだったと思う。
3人目はスコルとハティが仲良く半分こしたからな。
首と胴をちぎって。
それ以降は、全部スコルとハティが……
いや、兵士の後はダイの養母のババァをヤッたろかと思ったが、その前に野獣の少年に食われちまったし。
そう考えたら、まだ2人しか殺してないのか。
この世界での俺はおしとやかなモンだ。
「ニイチャン!銃も武器も持たずにどうすんのさ!!
アイツら、武器を持って…!」
俺は学ランを脱いで片付けた。
何もない空中に、食われる様に俺が手にした学ランが消えるのを見たダイが、改めてその異様さを把握したようだ。
俺が何もない空間から銃やナイフやペットボトルの水、ダイの好物のシリアルバーやカロリーバーを出すのを、不思議には思っても今までは追及しても来なかったダイが、今更のように驚いている。
「一番最初に飛ばされた異世界とは違って、この世界では服も身体も普通に汚れるからな。」
恭弥やミチル達と同じ学校のブレザーの制服はダイを助けた時にムカデ汁で駄目にしたから、あまり衣類を持ってない俺としては、この学ランを汚したくない。
なので片付けたのだが、ダイからすれば「どこに消えた!?」なんだろう。
ま、ほっとこう。
「ダイ、お前は部屋の中で隠れてろ。
襲われても俺は助けないからな。」
俺は白系のTシャツに黒いスラックス姿、何も手にせず丸腰状態で宿の外に出て行った。
宿の主人は、とっくに逃げ出したようで、小さな木賃宿には俺達以外誰も居なかったようだ。
「まぁ…若造とガキじゃ、強そうには見えんだろうな。」
フェンリルと会った町から小さなこの村まで来る間も幾度となく魔物にも野盗にも襲われたが、それらはスコルとハティが全て血祭りにした。
俺達を襲う前に、それを見た奴等も居るのだろう。
だからスコルとハティが見た目に反して凄腕の用心棒だという情報は、至るところに既に知られているのだと思う。
で、二人の雇い主である俺は武器も持たない普通の若造で、そんな若造があんな強い二人を雇っているのだから…
俺自身は、かなり弱い奴だと思われているようだ。
弱い奴ほど強い用心棒を雇うのは普通だしな。
…まぁ俺がそれだけの金を持ってるのか、二人を隷属させるだけの道具か何かを持ってるかもと思われているのか……
それを奪いたいと思うのはあるかもな。
何にせよ用心棒が居なくなった俺達は美味しそうなカモなワケだな。
そのカモの用途に、金持ちのオッサンの愛玩用奴隷として売るつもりってのがあるなら、ソコだけは許せん。
そう思われただけで腹立たしい。
宿の外に出た俺は宿の周りを囲む男達の中を歩き、誘導するように宿から少し歩いて広けた場所に立った。
宿を取り囲む男達以外にも俺が逃げ出さないよう見張る為なのか、離れた場所に姿を隠していた数人の男達もぞろぞろと現れた。
全部で二十人くらいだろうか。
俺が魔法を使える奴だった場合に備えてなのか、魔力を封じて隷属させる鉄の首輪を持ったヤツも居る。
ジリジリと俺との間を詰めようとする男達が互いにボソボソと話す声が耳に入ってきた。
「コイツは弱いんだろうな」
「戦っている姿を誰も見た事が無いらしい」
「強いのは、あの2人の女奴隷だけだろ」
「魔法を使える奴だったらどうする?」
「魔法を唱え終わる前に首輪を嵌めちまえ」
「これだけの人数で取り押さえりゃ、なんとかなるだろ」
「抵抗するなら腕の一本切り落としてもいい」
「待てよコイツ中々いい見た目してんぞ」
「珍しい黒髪だしな」
「奴隷を買う客に、こういう若い男が好きな変態いたよな」
「あぁ反抗的な若い男をやたらと痛い目に遭わせるのが好きな変態ジジ……………ブゴッ!!!」
俺は聞くともなしに聞いていた男達の会話の、最後の声の主をぶん殴っており、数メートル離れた場所にまでフっ飛ばしていた。
「あー…うっぜ。
喧嘩を売られるのは一向に構わないが、俺をそういう扱いが出来そうな奴だって目で見られるのはスゲェ腹が立つ。」
俺を取り囲んだ男達が、俺にぶっ飛ばされて地面に倒れたまま口から泡を吹いてピクピクとのびている男を凝視した。
その後一斉に俺に注視した。
皆が俺の一挙手一投足に気を取られて動きが止まっている。
そんな中、俺は地面で泡を吹きながら痙攣している男の所まで歩いて行くなり、片手で胸ぐらを掴んで持ち上げた。
そして、そのまま茫然としている男達の群れに向け、ドッヂボールの球のように片手で男の身体を投げ飛ばした。
「わわ!!わぁあ!!」
投げ飛ばされた男の下敷きになった男達、あるいは仲間であろうが受け止めもせず逃げるように避けた者など反応は様々だ。
「どうせ、あのくそバーロンのスパイ的な奴も俺を見てるんだろ?
魔法は使えず剣も持たない俺だが、それなりに強いって所を見せておくか。」
俺はきっと、溜まってたんだと思う。
ストレス、鬱憤、苛立ち、性欲……は、違うか。
だが、色々溜まっていたのだろう。
だって今の俺は解放感いっぱいで、気分爽快だ。
スゲェ気持ちがいい。
「ははははは!!
俺を襲いに来たんだ、反撃するのに遠慮はしない!
殺しはしないが、ただで済ます気も無い!
報復する気なんか起きない程度には痛い目に遭ってもらう!」
大暴れした俺は気分が良すぎて覚えてなかったが……
後からダイに話を聞いた所によると、俺は呻き声をあげる二十人の男達を折り重ねるように高く積み上げ、お山の大将よろしくそのてっぺんに立って笑っていたそうだ。
聞いているだけでは勇者感ゼロだな。
むしろ悪い奴の絵面だよな、それ。
まぁ俺は良い奴ではないしな。
ある者は骨を砕き、またある者は腱を断ち、ある者は腕を一回転するほど捩じり
悪人とはいえ二十人もの人間の片腕をもう使い物にならない位に破壊した。
報復を考えるならば、もう片方の腕も同じ目にあわせるとの意味を含めて。
「命を奪わない方が優しいとは限らないんだって思ったよ…。
苦痛を与える前に殺してしまうスコルやハティのが優しく見えてきた。」
俺達は、主人が逃げ出した無人の木賃宿に戻った。
ダイは窓の外で折り重なった男達が、呻き声をあげながら芋虫のようにモゾモゾと動き出し、一人ずつ山から剥がれるように身体を起こしていく様子を青い顔をして見ている。
「ハッハッハ!あまり褒めるなよ。」
「褒めてないよ………。」
外の男達は、苦痛に耐えて呻く事しか出来ない。
痛みに泣き叫び怒号のような大声をあげる事で俺を刺激したくない様だ。
硬いベッドに寝そべり、宙から取り出したペットボトルの水を飲む。
「ニイチャンて……本当に何者?
異世界から来た人は、魔法を使えるって聞いたけど…
ニイチャンのそれ、魔法じゃないよね…」
俺は無言でペットボトルの水を飲み干すと、空になったペットボトルをダイの見ている前で空中にしまい込むように無くした。
「俺は異世界人だよ。
ただ、この世界が異世界人を召喚する場所が、俺達が前に居た世界だけだって言うのなら………
俺は、そことは全く別の異世界の出身って事になるのかな。」
恭弥やミチル達が、この世界に喚ばれて魔法が使えるようになったように
世界を渡った際、あるいはその世界からの脱出を成功させた見返りなど、多様な力を手にする機会に巡り合う事がままある。
俺が初めて異世界に行った時に手にしたのは自身のステータスの確認が出来る事と強運。
その世界のラスボスであった葵を倒した際には条件付きでの物理無効を与えられた。
そのようにして、経験を重ねて上がったレベルやステータスとは別に、何らかのスキルや効果をも得たりしている。
「俺と一緒にこの世界に来た異世界人のガキどもは、初めての転移なんだ。
ところが俺はそうじゃない。
俺はもう何回も転移を繰り返しているし、レベルも高い。
……親友との約束を果たすために
……俺の望みを叶えるために……何度も……。」
そう言えば、俺の望みって……何だったっけ……。
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遅刻寸前の校門前から飛ばされて、近未来の廃墟の様な異世界に流れついてから既に二年ほど経った。
その間、同じ学校の奴らには逢えていない。
一緒にコチラに飛ばされた校門前に立っていた教師を含む連中がどうなったかなんて、知りたいとも思わない。
生きてるか死んでしまったかにも興味は無い。
だが人恋しくないかと聞かれれば、それは「人恋しい」と答える。
会話が出来ないのは意外とツライものだ。
話す事を、言葉をも忘れてしまいそうで怖くなる。
誰でもいい。人に会いたくなる。
人恋しさに心折れそうなそんな時に、大輔を殺した寺島のように居るはずのない先生が現われたとか幻覚を見たりするのかも知れない。
頼りたい相手や、会いたくて仕方が無い相手とか…
そんな人物の幻覚を見たり、あるいは幻覚を見せられて、心のスキを突かれたりするのかも知れないが…。
俺はこんなオッサン知らん。
俺は、いつも通りにアイテム部屋を開いただけだ。
部屋の中は魔物が現れず、いつもならば部屋の中には主に食料などのアイテムが置いてある。
稀に武器が置いてある事もあるが、オッサンが置いてある……
いや、居たのは初めてだ。
しかも軍服にグラサンとか、胡散臭ぇことこの上ない。
よし部屋を出よう……。
俺は回れ右して廊下に出ようとドアを開けた。
「ヘイヘイ!ウェイト!ウェイト!ボーイ!
無視するんじゃないぜ!!
見なかった事にして出て行くな!こらこらウェイト!」
もう言葉遣いも何もかもが胡散臭い。
エセ外人、ミリタリーオタクみたいな……。
そんな奴に肩を掴まれて部屋に引き戻された。
この俺の肩を掴んで引き戻すなんて、意外と強い。
正直、なおのこと関わりたく無い。
「大丈夫です。貴方の事は誰にも言いません。
だから俺の事も忘れて下さい。グッバイ。」
「ボーイ!恋路の終わりみたいな言い方すんなヨ!
コッチも商売なんでな、俺の話を聞いて貰いたいんだよ!
悪い話じゃないからよ!アンダースタン?」
部屋に強引に引き戻された俺は、ソファに座らされて目の前のテーブルを見るように促された。
テーブルには、ペットボトル入りの水とシリアルバー、カロリーバーが並んでいる。
「………なんスか、これ。」
「俺が売ってるモノの一部!レーション!どう?」
どうって……この世界のアイテム部屋で手に入る物と大差ない。
それ以上の感想は無い。
「何かね、噂になってんだよボーイ。
ここに迷い込んだ人間にしては、面白い奴が居るって!」
噂…誰が俺の噂話なんかしてるんだか。
このオッサン以外にも、こんな食い物も無いような殺伐とした世界に誰かが居るのか?
「貴方も、この世界に迷い込んだクチですかね。」
「ノー。俺はこの世界の住人じゃあ無い。
ボーイ達みたいに身一つで飛ばされたのでもない。
だから俺は、この部屋からは出られないんだ。」
意味が分からない。
中途半端な外国人のフリも意味が分からない。
やはり、おいとまさせて頂きたい。
「商売って言われましても、コチラこの通り学校の制服と腕時計。
後は電池の切れた携帯電話と、こないだ手に入れた大振りの剣くらいしか持ってませんし。
てな訳で、さようなら。」
ソファーから立ち上がった俺の前に、ゴトリと音を立てて銃が置かれた。
銃なら……この世界に来たばかりの時にアイテム部屋で見つけて教師に渡した。
手に持ったし、それが武器である事も勿論知っていたのだが、あの時は手に入れた銃に対して全く興味が無かった。
「S&Wのサクラだよー。
ニッポンのおまわりさんが持ってる銃。
コレ、欲しく無い?」
なのに、この胡散臭いエセ外国人のミリタリーオタクみたいなオッサンの出した銃に、俺は目を奪われていた。
だが、やる事は以前と同じで立ち塞がる敵を倒しながらただ前に進む。
前と違う所をあえて挙げるならば、マシン系の敵が現れる様になった所位だろうか。
こちらの世界に来たばかりの俺は、まだ武器を手に入れていない丸腰状態だったが、スタート地点周辺の敵なんぞ全く相手にならなかった。
俺が前の世界で培った経験は全て俺の身体に残っており、リセットはされていない様だ。
この世界に流れ着いて一週間。
戦う事に関しては、まだ何も不都合は無い。
戦っている中でコンバットナイフらしきものを手に入れたが、俺が装備して敵に振るったら簡単に折れた。
仕方ないので、今までと同じく殴って倒す。
俺の素手の方がまだ強いらしい。
ステータスを見てもレベルも上がっておらず、まだこの周辺は経験値も入らない様なザコばかりなのだろう。
以前の世界でもラスボスの葵の所まで8年掛かっている。
今回も数年掛かるかも知れない。
先は長い様だが、8年もそんな生活をしていたせいで意外と苦ではない俺がいる。
慣れとは恐ろしいモンだな。
……俺の中では他人でしかない両親の待つ家に帰らなくて済むようになった安堵の方が、この殺伐とした世界で生きていく不安より大きいのだから。
「食料事情だけは何とかして欲しかったがな。
パウチタイプのゼリーとか、カロリーバーばかりってのは…ツライ。」
一応、近未来的な食事のつもりなんだろうか?
本当に近未来に来たと言うよりは、誰かが作った『近未来的だと予想した世界』に迷い込んだ様だ。
そのうち、バランス栄養食だとサプリメントしか手に入らなくなるとか無いだろうな。
近未来だろうがなんだろうが、腹にたまるちゃんとした飯を食わせろ。
「どうせ異世界に行くなら、こんな延々と閉鎖的な屋内施設が続く世界より、ファンタジー定番の町とか村とかがある世界が良かったな。
武器屋があったり酒場があったり、食料を調達出来たり情報を得たり出来るような場所がある世界に行きたかったがな。」
俺はカロリーバーを口に咥えたまま、更に施設の奥を目指して歩き始めた。
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「あれぇ?ニイチャン、スコルとハティはどこ?」
俺が渡した銃で散々遊んで満足したのか、宿の外から部屋に戻って来たダイが姿の見えない二人の事を俺に訊ねた。
「知らん。
俺はアイツらのお守りじゃない。
お前だって今さらアイツらが拐われる心配なんかしてないんだろ?」
この小さな村で唯一の木賃宿で部屋を借りた俺は、硬いベッドの上に横向きに寝そべって宿の外で買ってきたチェリーのような果物を延々と口に運んでいた。
隣のベッドに腰掛けたダイが不安げに表情を曇らせて、ブツブツと何か言い出し始める。
「そりゃね…スコルとハティならさ…メチャクチャ強いし…。
はぐれ奴隷だとか思われても誰かに捕まる事も無いだろうけどさ…。
逆にさぁ……ねぇ。」
逆に。
誰かに手を出されそうになっても2人は無事だろうが、手を出そうとした相手が2人に殺されてしまう可能性が大。
それはそれで、確かに問題ありか。
「あーそれな。
食べる気がないなら何でもかんでも面白半分で殺すなとは言ってある。
変に目立って貰っても面倒だからな。」
「それ食べる気があるのは、もっと問題じゃないの?
第一さぁニイチャンがそう言っても……。」
そんな口約束、あの二人が守るの?と言わんばかりの不信感いっぱいの視線をダイに向けられた。
それについては………うーん………。
俺も、絶対に大丈夫だ!とは言えないが……。
俺を我が王だと呼ぶ、奴らの父親であるフェンリルが……前に俺に言った事がある。
━━我らは、我が王の言葉に従おう。
テイトの邪魔はしない。そのほうが楽しめそうだからな。
だが、我らの世界にも我らが守るべき矜持がある。
それに関しては、我が王の頼みでも聞けないからな。━━
全体的に、ふわっと濁した言い方をされたのだが、俺の中では「とりあえず言う事は聞く。でも、どうしてもの時はゴメンね?」と軽く解釈した。
なので、とりあえず一回は命令してみるが、後は知らん。
奴らは俺を我が王とか呼ぶが、服従しているワケでもない。
「俺は殺すなと言った。
それでも殺してしまったなら、それなりの理由があったって事なんだろ。
アイツらも馬鹿じゃない。分かっているハズだ。
それよりダイ、お前は分かってんのか?」
俺は最後の果物を口に入れ、ベッドに寝そべらせていた体を起こした。
親指の腹で口元の果汁を拭い、「何を?」とキョトンとしているダイに俺はキラッキラに輝く満面の笑みを見せた。
「今の俺達って、強い美少女の用心棒が居なくなった、ただのか弱い若造二人だって事。
お前が前に言ったように、俺達を捕らえて変態に売りたいとか、殺してしまって金目の物を奪いたいとか…。
そんな事を考える連中には、今の俺達は恰好の餌食状態になってるって事。
で俺達、今そんな事を考えるような連中に囲まれてる。
あははは。」
「あははじゃないよ!
ニイチャンの馬鹿ァァ!笑い事じゃないじゃないか!」
ダイがそろそろと窓の外を覗く。
宿の周りには、見るからに風体のよろしく無い連中が集まり始めていた。
「ひっ…!武器持ってる!いっぱい居る!逃げ、逃げよ!」
ワタワタとダイが慌て始めた。
慌てた所で宿をぐるりと囲まれており、脱出なんか出来ない。
宿を取った時から、俺達の動向を見張っていた奴が居るのだろう。
スコルとハティが出て行ったのを確認してから人を集めたようだ。
「まぁそんなワケで、今から戦闘……
いや、一方的にアチラさんに痛い思いをして貰うんだが情け深い俺は奴らを殺すつもりはない。
だからダイ、お前も銃は構えるなよ?」
「情け深い?
情け容赦無いの間違いじゃないの?
…ニイチャン、寒くなるほど笑顔が怖いんだけど。」
俺は、この世界に来てから思いの外、大人しくしていたと思う。
俺が人を殺ったのは、神殿を出てから俺を消しに来た兵士3人の内の2人だけだったと思う。
3人目はスコルとハティが仲良く半分こしたからな。
首と胴をちぎって。
それ以降は、全部スコルとハティが……
いや、兵士の後はダイの養母のババァをヤッたろかと思ったが、その前に野獣の少年に食われちまったし。
そう考えたら、まだ2人しか殺してないのか。
この世界での俺はおしとやかなモンだ。
「ニイチャン!銃も武器も持たずにどうすんのさ!!
アイツら、武器を持って…!」
俺は学ランを脱いで片付けた。
何もない空中に、食われる様に俺が手にした学ランが消えるのを見たダイが、改めてその異様さを把握したようだ。
俺が何もない空間から銃やナイフやペットボトルの水、ダイの好物のシリアルバーやカロリーバーを出すのを、不思議には思っても今までは追及しても来なかったダイが、今更のように驚いている。
「一番最初に飛ばされた異世界とは違って、この世界では服も身体も普通に汚れるからな。」
恭弥やミチル達と同じ学校のブレザーの制服はダイを助けた時にムカデ汁で駄目にしたから、あまり衣類を持ってない俺としては、この学ランを汚したくない。
なので片付けたのだが、ダイからすれば「どこに消えた!?」なんだろう。
ま、ほっとこう。
「ダイ、お前は部屋の中で隠れてろ。
襲われても俺は助けないからな。」
俺は白系のTシャツに黒いスラックス姿、何も手にせず丸腰状態で宿の外に出て行った。
宿の主人は、とっくに逃げ出したようで、小さな木賃宿には俺達以外誰も居なかったようだ。
「まぁ…若造とガキじゃ、強そうには見えんだろうな。」
フェンリルと会った町から小さなこの村まで来る間も幾度となく魔物にも野盗にも襲われたが、それらはスコルとハティが全て血祭りにした。
俺達を襲う前に、それを見た奴等も居るのだろう。
だからスコルとハティが見た目に反して凄腕の用心棒だという情報は、至るところに既に知られているのだと思う。
で、二人の雇い主である俺は武器も持たない普通の若造で、そんな若造があんな強い二人を雇っているのだから…
俺自身は、かなり弱い奴だと思われているようだ。
弱い奴ほど強い用心棒を雇うのは普通だしな。
…まぁ俺がそれだけの金を持ってるのか、二人を隷属させるだけの道具か何かを持ってるかもと思われているのか……
それを奪いたいと思うのはあるかもな。
何にせよ用心棒が居なくなった俺達は美味しそうなカモなワケだな。
そのカモの用途に、金持ちのオッサンの愛玩用奴隷として売るつもりってのがあるなら、ソコだけは許せん。
そう思われただけで腹立たしい。
宿の外に出た俺は宿の周りを囲む男達の中を歩き、誘導するように宿から少し歩いて広けた場所に立った。
宿を取り囲む男達以外にも俺が逃げ出さないよう見張る為なのか、離れた場所に姿を隠していた数人の男達もぞろぞろと現れた。
全部で二十人くらいだろうか。
俺が魔法を使える奴だった場合に備えてなのか、魔力を封じて隷属させる鉄の首輪を持ったヤツも居る。
ジリジリと俺との間を詰めようとする男達が互いにボソボソと話す声が耳に入ってきた。
「コイツは弱いんだろうな」
「戦っている姿を誰も見た事が無いらしい」
「強いのは、あの2人の女奴隷だけだろ」
「魔法を使える奴だったらどうする?」
「魔法を唱え終わる前に首輪を嵌めちまえ」
「これだけの人数で取り押さえりゃ、なんとかなるだろ」
「抵抗するなら腕の一本切り落としてもいい」
「待てよコイツ中々いい見た目してんぞ」
「珍しい黒髪だしな」
「奴隷を買う客に、こういう若い男が好きな変態いたよな」
「あぁ反抗的な若い男をやたらと痛い目に遭わせるのが好きな変態ジジ……………ブゴッ!!!」
俺は聞くともなしに聞いていた男達の会話の、最後の声の主をぶん殴っており、数メートル離れた場所にまでフっ飛ばしていた。
「あー…うっぜ。
喧嘩を売られるのは一向に構わないが、俺をそういう扱いが出来そうな奴だって目で見られるのはスゲェ腹が立つ。」
俺を取り囲んだ男達が、俺にぶっ飛ばされて地面に倒れたまま口から泡を吹いてピクピクとのびている男を凝視した。
その後一斉に俺に注視した。
皆が俺の一挙手一投足に気を取られて動きが止まっている。
そんな中、俺は地面で泡を吹きながら痙攣している男の所まで歩いて行くなり、片手で胸ぐらを掴んで持ち上げた。
そして、そのまま茫然としている男達の群れに向け、ドッヂボールの球のように片手で男の身体を投げ飛ばした。
「わわ!!わぁあ!!」
投げ飛ばされた男の下敷きになった男達、あるいは仲間であろうが受け止めもせず逃げるように避けた者など反応は様々だ。
「どうせ、あのくそバーロンのスパイ的な奴も俺を見てるんだろ?
魔法は使えず剣も持たない俺だが、それなりに強いって所を見せておくか。」
俺はきっと、溜まってたんだと思う。
ストレス、鬱憤、苛立ち、性欲……は、違うか。
だが、色々溜まっていたのだろう。
だって今の俺は解放感いっぱいで、気分爽快だ。
スゲェ気持ちがいい。
「ははははは!!
俺を襲いに来たんだ、反撃するのに遠慮はしない!
殺しはしないが、ただで済ます気も無い!
報復する気なんか起きない程度には痛い目に遭ってもらう!」
大暴れした俺は気分が良すぎて覚えてなかったが……
後からダイに話を聞いた所によると、俺は呻き声をあげる二十人の男達を折り重ねるように高く積み上げ、お山の大将よろしくそのてっぺんに立って笑っていたそうだ。
聞いているだけでは勇者感ゼロだな。
むしろ悪い奴の絵面だよな、それ。
まぁ俺は良い奴ではないしな。
ある者は骨を砕き、またある者は腱を断ち、ある者は腕を一回転するほど捩じり
悪人とはいえ二十人もの人間の片腕をもう使い物にならない位に破壊した。
報復を考えるならば、もう片方の腕も同じ目にあわせるとの意味を含めて。
「命を奪わない方が優しいとは限らないんだって思ったよ…。
苦痛を与える前に殺してしまうスコルやハティのが優しく見えてきた。」
俺達は、主人が逃げ出した無人の木賃宿に戻った。
ダイは窓の外で折り重なった男達が、呻き声をあげながら芋虫のようにモゾモゾと動き出し、一人ずつ山から剥がれるように身体を起こしていく様子を青い顔をして見ている。
「ハッハッハ!あまり褒めるなよ。」
「褒めてないよ………。」
外の男達は、苦痛に耐えて呻く事しか出来ない。
痛みに泣き叫び怒号のような大声をあげる事で俺を刺激したくない様だ。
硬いベッドに寝そべり、宙から取り出したペットボトルの水を飲む。
「ニイチャンて……本当に何者?
異世界から来た人は、魔法を使えるって聞いたけど…
ニイチャンのそれ、魔法じゃないよね…」
俺は無言でペットボトルの水を飲み干すと、空になったペットボトルをダイの見ている前で空中にしまい込むように無くした。
「俺は異世界人だよ。
ただ、この世界が異世界人を召喚する場所が、俺達が前に居た世界だけだって言うのなら………
俺は、そことは全く別の異世界の出身って事になるのかな。」
恭弥やミチル達が、この世界に喚ばれて魔法が使えるようになったように
世界を渡った際、あるいはその世界からの脱出を成功させた見返りなど、多様な力を手にする機会に巡り合う事がままある。
俺が初めて異世界に行った時に手にしたのは自身のステータスの確認が出来る事と強運。
その世界のラスボスであった葵を倒した際には条件付きでの物理無効を与えられた。
そのようにして、経験を重ねて上がったレベルやステータスとは別に、何らかのスキルや効果をも得たりしている。
「俺と一緒にこの世界に来た異世界人のガキどもは、初めての転移なんだ。
ところが俺はそうじゃない。
俺はもう何回も転移を繰り返しているし、レベルも高い。
……親友との約束を果たすために
……俺の望みを叶えるために……何度も……。」
そう言えば、俺の望みって……何だったっけ……。
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遅刻寸前の校門前から飛ばされて、近未来の廃墟の様な異世界に流れついてから既に二年ほど経った。
その間、同じ学校の奴らには逢えていない。
一緒にコチラに飛ばされた校門前に立っていた教師を含む連中がどうなったかなんて、知りたいとも思わない。
生きてるか死んでしまったかにも興味は無い。
だが人恋しくないかと聞かれれば、それは「人恋しい」と答える。
会話が出来ないのは意外とツライものだ。
話す事を、言葉をも忘れてしまいそうで怖くなる。
誰でもいい。人に会いたくなる。
人恋しさに心折れそうなそんな時に、大輔を殺した寺島のように居るはずのない先生が現われたとか幻覚を見たりするのかも知れない。
頼りたい相手や、会いたくて仕方が無い相手とか…
そんな人物の幻覚を見たり、あるいは幻覚を見せられて、心のスキを突かれたりするのかも知れないが…。
俺はこんなオッサン知らん。
俺は、いつも通りにアイテム部屋を開いただけだ。
部屋の中は魔物が現れず、いつもならば部屋の中には主に食料などのアイテムが置いてある。
稀に武器が置いてある事もあるが、オッサンが置いてある……
いや、居たのは初めてだ。
しかも軍服にグラサンとか、胡散臭ぇことこの上ない。
よし部屋を出よう……。
俺は回れ右して廊下に出ようとドアを開けた。
「ヘイヘイ!ウェイト!ウェイト!ボーイ!
無視するんじゃないぜ!!
見なかった事にして出て行くな!こらこらウェイト!」
もう言葉遣いも何もかもが胡散臭い。
エセ外人、ミリタリーオタクみたいな……。
そんな奴に肩を掴まれて部屋に引き戻された。
この俺の肩を掴んで引き戻すなんて、意外と強い。
正直、なおのこと関わりたく無い。
「大丈夫です。貴方の事は誰にも言いません。
だから俺の事も忘れて下さい。グッバイ。」
「ボーイ!恋路の終わりみたいな言い方すんなヨ!
コッチも商売なんでな、俺の話を聞いて貰いたいんだよ!
悪い話じゃないからよ!アンダースタン?」
部屋に強引に引き戻された俺は、ソファに座らされて目の前のテーブルを見るように促された。
テーブルには、ペットボトル入りの水とシリアルバー、カロリーバーが並んでいる。
「………なんスか、これ。」
「俺が売ってるモノの一部!レーション!どう?」
どうって……この世界のアイテム部屋で手に入る物と大差ない。
それ以上の感想は無い。
「何かね、噂になってんだよボーイ。
ここに迷い込んだ人間にしては、面白い奴が居るって!」
噂…誰が俺の噂話なんかしてるんだか。
このオッサン以外にも、こんな食い物も無いような殺伐とした世界に誰かが居るのか?
「貴方も、この世界に迷い込んだクチですかね。」
「ノー。俺はこの世界の住人じゃあ無い。
ボーイ達みたいに身一つで飛ばされたのでもない。
だから俺は、この部屋からは出られないんだ。」
意味が分からない。
中途半端な外国人のフリも意味が分からない。
やはり、おいとまさせて頂きたい。
「商売って言われましても、コチラこの通り学校の制服と腕時計。
後は電池の切れた携帯電話と、こないだ手に入れた大振りの剣くらいしか持ってませんし。
てな訳で、さようなら。」
ソファーから立ち上がった俺の前に、ゴトリと音を立てて銃が置かれた。
銃なら……この世界に来たばかりの時にアイテム部屋で見つけて教師に渡した。
手に持ったし、それが武器である事も勿論知っていたのだが、あの時は手に入れた銃に対して全く興味が無かった。
「S&Wのサクラだよー。
ニッポンのおまわりさんが持ってる銃。
コレ、欲しく無い?」
なのに、この胡散臭いエセ外国人のミリタリーオタクみたいなオッサンの出した銃に、俺は目を奪われていた。
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