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扉が開くとき ※

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ホテルにある1室
部屋のドアが、バンッと開く

「エミーっ!!」



この部屋に飛び込んで来た人物。

息を切らせながら
切羽詰まったような表情で
私の元に駆け付けてくれた人物は…。




「り、りゅう…」

部屋に響いた声。

部屋の中を見渡すと…

私の目に飛び込んできたのは


「リュウ」


そこには…、
スーツを着たリュウの姿があった。



え…?幻覚?

何…?幻聴…?

私の体を覆い隠すように
抱き締めてくれる
リュウの手が微かに震えている。

だけど、
腕の中の暖かさだけは確かだった。




…これ、夢?

私を抱き締めるの
手の感触も、震える手も、
この暖かさも全部夢?幻?



「返してもらう」



低く唸るようなリュウの声が聞こえた。


そう言うとリュウは、すぐさま縄を解き
衣類を持つと私にワンピースを着せた


私の体をふわりと持ち上げ
この部屋から
私を連れ出そうとしてくれている。



ドクンッ、ドクンッ…
心臓が止まりそうになった。

声が出ない


心臓がドキドキと跳ねてる。

リュウの声を聞いて、
リュウに優しくされただけで、
心が痛くなる。

さっきとは違う動悸が私を襲う。

今にも破裂しそうな程に
心臓がバクバクと高鳴ってる。


「さて。俺のモノに無断で
手を出したんだから、
それ相応の覚悟は
出来てるんだろうな?」

リュウの声はいつにも
増して怒っていて

その声のトーンに圧倒されて、
私は何も言えなくなってしまった。


監禁した犯人の男
「相田姉妹とは寝たのか?」

ドクンッ、ドクンッ
痛いぐらいに心臓が脈打ってる


リュウくん
なぜ、そんなに
震えてるんですか…?
私を誰にも取られたくないと
思ってくれたの?

エミー
「私は…何を聞いても驚かないよ?」
「だから、その…彼女達を抱いたの?」

リュウ
「間に合ってよかった
 危険な目に合わせて
 ごめんな…」




何かを決心したかのような
リュウの真剣な眼差しと表情。


「抱いてない」

混乱した頭でリュウに目をやる

い、今…、何て言ったの…?

何…?

「愛してもない女性は抱かない」

でも、私の事は散々抱いてきた。



相田姉妹の事は抱かなかったけど
私の事は抱いてる。


な、何…。


「だ、抱いてないって…」

「お前は俺の事、誰彼構わず抱く男だと
思ってるのか…?
そこまで堕ちてなんかいねぇよ」



これ以上何か言われても、
私の頭じゃもう理解出来ない。

既に理解の範疇を越してる…。





「俺はクスリを飲まされたが
 相田姉妹を抱いてはいない」

愛してもない女性は抱かない

彼女達、ハダカだった


…そんなの、嘘に決まってる

「心配するな」


男性は愛情なんかなくても
女を抱けるって聞いたことがある。




リュウの怒りは収まってないのか
今にも爆発しそうな怒りを堪えながら
言い放つ


「嶋一族が、相田を許さない」




ホテル部屋を出ると廊下には、
秘書のアキラや顔見知り男達が
居たのを見てホッとする

私を拉致した
男は確保され項垂れていた



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