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冷蔵庫の事件
庫内から消えた消えた-4
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庫内から消えた消えた-4
「お母さん、今日なんかあったの?」
オレは単刀直入に、母に聞いた。
母は聞こえないふりをしたが、それでも我慢していると、答えてくれた。
「あんたに言ってもしょうがないんだけどね、仕事場でさ、ちょっとね」
自分で聞いておきながら思ったのだが、こんな事を漏らす母は、珍しい。
働くのって大変なんだなって思う。
子供には、弱みは診せたくないか。
「ビール、良いかな」
父が言った。
おそらく、母に、ビールを取ってこいということだろう。
母は父をグッと睨んで、そっぽを向く。
「自分で取ってくれば?」
こんな反応をする母は、父と喧嘩している時以外は見た事がない。
?
と言う事は、父との確執?
って、大げさだけれど、喧嘩でもしているのかな。
オレは、地雷覚悟で母に聞いてみた。
「父さんと、何かあった?」
母はそっぽを向いたまま、答えてくれた。
「何にも無いわよ」
その口調から、何にも無いわけが無いと、オレの直感が伝えてくる。
今日の母には、何かいつもと違うものを感じる。
母にも、コーラを飲む動機がありそうだな。
オレは、邪悪な姉もそうだが、母にも動機があると思い始めていた。
父との確執が何か。
それが犯行動機かもしれない。
オレは、母も姉同様にもう一度犯行動機などを整理し、推理し直す必要がありそうだと思った。
どうやら事件は難しい局面を迎えそうだと、オレの直感が伝えていた。
姉のところへ電話が入った。
姉のスマホが着信音を立てたので、それがわかった。
着信音が、男性アイドルの曲だったので、姉のミーハー度がしれるというものだ。
そう言うオレも、由緒正しき女性アニソン歌手のものだけれどな。
超ミーハー、萌え系アニメの主題歌だ!まいったか!
弟のは特撮系で、母のはやはり、姉と同系統。
そして父のが、これが一番真面だと思うのだが!スパイ映画のBGM。
オレはテレビの内容など耳に入らないほど、姉の電話にくぎ付けだった。
姉は、「あの子とは、どう言う関係なの?」
と、いきなり大きな声で言ったと思ったら、小声になって、「あんなところで、何をしていたの?」と、言った。
彼氏と痴話喧嘩!
オレの脳裏に、はっきりと刻みつけた。
姉は、15分ほど彼氏と言葉を交わして、電話を切った。
姉はイライラが頂点に達していた。
触らぬ神に祟りなし。
オレは姉から注意をそらして、テレビのニュース番組が終わってしまったのを、残念に思った。
父はビールを自分で用意して、つまみも、乾き物を自分で戸棚から出して、チビチビと一杯やっていた。
オレは父に注意を向ける。
鼻歌交じりで上機嫌だ。
方や、母はと言うと、父が上機嫌なのとは反対に、不機嫌極まりない。
父を見ながら、何か言いたげである。
それに気が付いて、父が母に尋ねた。
「何かあったのか?」
父の言葉に、母は、堰を切ったように話した。
「今日、駅で、何方といたのかしら?」
「何の事だい?」
父は何事もなかったように、とぼけた様子もなく答えた。
母は少し間を置いてから、「とぼけないでよ」と答えた。
父は何の事か本当にわからない様子で、あっけにとられた表情で、母を見た。
「お母さん、今日なんかあったの?」
オレは単刀直入に、母に聞いた。
母は聞こえないふりをしたが、それでも我慢していると、答えてくれた。
「あんたに言ってもしょうがないんだけどね、仕事場でさ、ちょっとね」
自分で聞いておきながら思ったのだが、こんな事を漏らす母は、珍しい。
働くのって大変なんだなって思う。
子供には、弱みは診せたくないか。
「ビール、良いかな」
父が言った。
おそらく、母に、ビールを取ってこいということだろう。
母は父をグッと睨んで、そっぽを向く。
「自分で取ってくれば?」
こんな反応をする母は、父と喧嘩している時以外は見た事がない。
?
と言う事は、父との確執?
って、大げさだけれど、喧嘩でもしているのかな。
オレは、地雷覚悟で母に聞いてみた。
「父さんと、何かあった?」
母はそっぽを向いたまま、答えてくれた。
「何にも無いわよ」
その口調から、何にも無いわけが無いと、オレの直感が伝えてくる。
今日の母には、何かいつもと違うものを感じる。
母にも、コーラを飲む動機がありそうだな。
オレは、邪悪な姉もそうだが、母にも動機があると思い始めていた。
父との確執が何か。
それが犯行動機かもしれない。
オレは、母も姉同様にもう一度犯行動機などを整理し、推理し直す必要がありそうだと思った。
どうやら事件は難しい局面を迎えそうだと、オレの直感が伝えていた。
姉のところへ電話が入った。
姉のスマホが着信音を立てたので、それがわかった。
着信音が、男性アイドルの曲だったので、姉のミーハー度がしれるというものだ。
そう言うオレも、由緒正しき女性アニソン歌手のものだけれどな。
超ミーハー、萌え系アニメの主題歌だ!まいったか!
弟のは特撮系で、母のはやはり、姉と同系統。
そして父のが、これが一番真面だと思うのだが!スパイ映画のBGM。
オレはテレビの内容など耳に入らないほど、姉の電話にくぎ付けだった。
姉は、「あの子とは、どう言う関係なの?」
と、いきなり大きな声で言ったと思ったら、小声になって、「あんなところで、何をしていたの?」と、言った。
彼氏と痴話喧嘩!
オレの脳裏に、はっきりと刻みつけた。
姉は、15分ほど彼氏と言葉を交わして、電話を切った。
姉はイライラが頂点に達していた。
触らぬ神に祟りなし。
オレは姉から注意をそらして、テレビのニュース番組が終わってしまったのを、残念に思った。
父はビールを自分で用意して、つまみも、乾き物を自分で戸棚から出して、チビチビと一杯やっていた。
オレは父に注意を向ける。
鼻歌交じりで上機嫌だ。
方や、母はと言うと、父が上機嫌なのとは反対に、不機嫌極まりない。
父を見ながら、何か言いたげである。
それに気が付いて、父が母に尋ねた。
「何かあったのか?」
父の言葉に、母は、堰を切ったように話した。
「今日、駅で、何方といたのかしら?」
「何の事だい?」
父は何事もなかったように、とぼけた様子もなく答えた。
母は少し間を置いてから、「とぼけないでよ」と答えた。
父は何の事か本当にわからない様子で、あっけにとられた表情で、母を見た。
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