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地球滅亡
戦いの始まり2
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「戦いの地は日本であることは、みんな分かっていると思うけれど、どうやら最初から戦いに参加するメンバーは決まっていたようなの」
芳欄は語り始めた。
皆は固唾をのんで、と言うわけでもなく、でもまんじりともしない様子で聞き入っている。
「どういうことだ?」
司馬はしばらく組織を離れていたので、事情がつかめないでいる。
芳蘭もそのことは充分に承知していた。
彼女は老師から、司馬に余計な心配をかけないように言われていたのもあって、活動内容は伝えていなかったのだ。
「我らの頭首のところに件の神と名乗る相手から接触があったらしいのだ」
光は重い口を開いたが、彼自身もまだ情報はつかめていない様子だ。
「頭首と神が?そんなことがあったのか?」
司馬は光の方にゆっくりと頭を向けると、疑問を投げかけた。
「頭首は祭司であるから、神からの声が聞こえても当然だな」
光の言う言葉に、司馬はなんとなく納得できずにいた。
司馬は今まで神などというものは信じたことがなかった。
司馬は自分の幼少期の出来事を思い出していた。
彼の母親は、性的な暴行の結果として司馬を産み落とした。
司馬の母は懐妊時に堕胎のための薬を飲んで、彼を流産させるつもりだった。
堕胎のための薬物を、念入りに、時間をおいて、日にちをおいて何回か飲んだのだが、おなかの中の司馬はその薬をはねのけて、効果を拒絶し、順調に育った。
さらに司馬の母は未成年であったし、両親もあまり裕福な方でもなかったために妊娠を言い出せないでいた。
幸いにもというか、おなかも目立った大きさにはならずに、周囲に気づかれることなく、司馬は順調に成長することが出来た。順調に成長してしまった。
司馬の母は悲観して、自殺を試みたが、その都度失敗した。
まるで司馬が何かに守られているような、様子であった。
司馬の師匠である孫は、偶然見かけた司馬の母の様子に異常な事態を感じたので、監視をしていたのだが、ついに出産の時になり、司馬の母が生まれて来た司馬を殺してしまおうと首に手をかけたときに、止めに入って、司馬を彼女から取り上げてしまった。
司馬の命は間一髪で守られたのだが、そこからは、司馬の地獄の始まりだった。
司馬は命を助けられたが、孫にはまだ司馬を育てるだけの余裕もなく、修行中でもあったために、司馬は施設に亜づけられることになった。
孫は後々になって司馬をその施設に預けたことを後悔したが、その時には遅かった。
司馬は壮絶な虐待に合って、売られてしまった。
孫がやっと探し当てた頃には、司馬は感情を失い、何も信じられない中身のない人間になってしまっていた。
芳欄は語り始めた。
皆は固唾をのんで、と言うわけでもなく、でもまんじりともしない様子で聞き入っている。
「どういうことだ?」
司馬はしばらく組織を離れていたので、事情がつかめないでいる。
芳蘭もそのことは充分に承知していた。
彼女は老師から、司馬に余計な心配をかけないように言われていたのもあって、活動内容は伝えていなかったのだ。
「我らの頭首のところに件の神と名乗る相手から接触があったらしいのだ」
光は重い口を開いたが、彼自身もまだ情報はつかめていない様子だ。
「頭首と神が?そんなことがあったのか?」
司馬は光の方にゆっくりと頭を向けると、疑問を投げかけた。
「頭首は祭司であるから、神からの声が聞こえても当然だな」
光の言う言葉に、司馬はなんとなく納得できずにいた。
司馬は今まで神などというものは信じたことがなかった。
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堕胎のための薬物を、念入りに、時間をおいて、日にちをおいて何回か飲んだのだが、おなかの中の司馬はその薬をはねのけて、効果を拒絶し、順調に育った。
さらに司馬の母は未成年であったし、両親もあまり裕福な方でもなかったために妊娠を言い出せないでいた。
幸いにもというか、おなかも目立った大きさにはならずに、周囲に気づかれることなく、司馬は順調に成長することが出来た。順調に成長してしまった。
司馬の母は悲観して、自殺を試みたが、その都度失敗した。
まるで司馬が何かに守られているような、様子であった。
司馬の師匠である孫は、偶然見かけた司馬の母の様子に異常な事態を感じたので、監視をしていたのだが、ついに出産の時になり、司馬の母が生まれて来た司馬を殺してしまおうと首に手をかけたときに、止めに入って、司馬を彼女から取り上げてしまった。
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司馬は命を助けられたが、孫にはまだ司馬を育てるだけの余裕もなく、修行中でもあったために、司馬は施設に亜づけられることになった。
孫は後々になって司馬をその施設に預けたことを後悔したが、その時には遅かった。
司馬は壮絶な虐待に合って、売られてしまった。
孫がやっと探し当てた頃には、司馬は感情を失い、何も信じられない中身のない人間になってしまっていた。
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