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地球滅亡
戦いの前触れ-2
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戦いの前触れ-2
佐竹咲子、鳴神斜陽、小林櫻子、新塚よしみ、園崎八子の5人は、八子の部屋で黙り込んでしまった。
陽気に話しを交わすような雰囲気ではなかった。
重苦しい空気がながれはじめて、その状態に耐えきれなくなった5人は、何か話さなければ行けないと思い、一斉に口火を切ろうと思っては、黙り込んでしまうという状態が続いた。
佐竹咲子が褐色の肌を惜しげもなく見せている、丈の短いスカート下の太股を、座り心地悪そうにモジモジと動かしているのをみて、八子はなんだか笑い出したくなった。
こんな時に非常識とか思わない。
まだ事態がよくのみ込めていない。
だから、本当に何がどういったことなのかは、ゲームが開始されなければ、何もわからないのだ。
八子は、元々格闘技などを嗜む性格なので、男勝りというか、度胸の据わったところがある。
開き直りの気持ちがはたらいて、かえって思考が安定してきたのかもしれない。
「神ってヤツは何をやらせたいんだろうね?」新塚よしみが言った。
「降ろしてみるって訳にもいかないしね」と、鳴神斜陽が受ける。
降霊の出来るよしみに、神を降ろして直接訪ねようと言うのだが、さすがにそれは危険だと、鳴神も感じていた。
斜陽もよしみも霊能者であるから、その辺りの危険は、充分に理解していた。
「相手が神じゃ、柔道の技も使えないか」と、今度は小林櫻子が、溜息交じりに言った。
「そうでもないわよ、わたし、気を使うコツを教わったの」佐竹咲子の番で有る。彼女は剣道かなのだが、気などに非常に興味があるようなのだ。
「そうだな、でも、当面の敵は、同じ人間かもな」八子は、ニヤリと笑って、手の指を組み合わせた。
「ヤル気満々?」咲子は、こちらも血色の良い顔色で、薄く笑顔である。
「ああ!悪霊退治は武道家の仕事だろう!」言ってから、八子は全員の顔を見回した。
八子の自信に引きずられてか、全員の士気が上がったように見えた。
なんだか闘争を心待ちにしているようにも思える少女達は、その辺のひ弱な男子よりも頼もしく見えた。
「八子、わたし達、何が来ても勝てると思う?」鳴神斜陽が気弱な問いかけをしても、八子は頷いて見せた。
「こんな事はじめる野郎だぜ、多分ろくでもない暴力の世界かもな。そう思って、お前達を呼んだんだよ」
「そうね、みんな、そういう世界に憧れていたもんね。でも、死ぬのはごめんよ」斜陽は薄く笑うと、八子の目を見た。
「もちろんだ。全員生きて帰る。当たり前だろ」八子も斜陽を見て、言葉を返した。
「そうだな」咲子や櫻子、よしみも声を揃えて頷いた。
結束が高まったのを確認して、袋菓子などをひらいて、小さなパーティーがひらかれた。
佐竹咲子、鳴神斜陽、小林櫻子、新塚よしみ、園崎八子の5人は、八子の部屋で黙り込んでしまった。
陽気に話しを交わすような雰囲気ではなかった。
重苦しい空気がながれはじめて、その状態に耐えきれなくなった5人は、何か話さなければ行けないと思い、一斉に口火を切ろうと思っては、黙り込んでしまうという状態が続いた。
佐竹咲子が褐色の肌を惜しげもなく見せている、丈の短いスカート下の太股を、座り心地悪そうにモジモジと動かしているのをみて、八子はなんだか笑い出したくなった。
こんな時に非常識とか思わない。
まだ事態がよくのみ込めていない。
だから、本当に何がどういったことなのかは、ゲームが開始されなければ、何もわからないのだ。
八子は、元々格闘技などを嗜む性格なので、男勝りというか、度胸の据わったところがある。
開き直りの気持ちがはたらいて、かえって思考が安定してきたのかもしれない。
「神ってヤツは何をやらせたいんだろうね?」新塚よしみが言った。
「降ろしてみるって訳にもいかないしね」と、鳴神斜陽が受ける。
降霊の出来るよしみに、神を降ろして直接訪ねようと言うのだが、さすがにそれは危険だと、鳴神も感じていた。
斜陽もよしみも霊能者であるから、その辺りの危険は、充分に理解していた。
「相手が神じゃ、柔道の技も使えないか」と、今度は小林櫻子が、溜息交じりに言った。
「そうでもないわよ、わたし、気を使うコツを教わったの」佐竹咲子の番で有る。彼女は剣道かなのだが、気などに非常に興味があるようなのだ。
「そうだな、でも、当面の敵は、同じ人間かもな」八子は、ニヤリと笑って、手の指を組み合わせた。
「ヤル気満々?」咲子は、こちらも血色の良い顔色で、薄く笑顔である。
「ああ!悪霊退治は武道家の仕事だろう!」言ってから、八子は全員の顔を見回した。
八子の自信に引きずられてか、全員の士気が上がったように見えた。
なんだか闘争を心待ちにしているようにも思える少女達は、その辺のひ弱な男子よりも頼もしく見えた。
「八子、わたし達、何が来ても勝てると思う?」鳴神斜陽が気弱な問いかけをしても、八子は頷いて見せた。
「こんな事はじめる野郎だぜ、多分ろくでもない暴力の世界かもな。そう思って、お前達を呼んだんだよ」
「そうね、みんな、そういう世界に憧れていたもんね。でも、死ぬのはごめんよ」斜陽は薄く笑うと、八子の目を見た。
「もちろんだ。全員生きて帰る。当たり前だろ」八子も斜陽を見て、言葉を返した。
「そうだな」咲子や櫻子、よしみも声を揃えて頷いた。
結束が高まったのを確認して、袋菓子などをひらいて、小さなパーティーがひらかれた。
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