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地球滅亡
戦いの前触れ-1
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戦いの前触れ -1
空赤く染まり始めた頃に、八子の家には4人の女子が集まっていた。
八子の狭い部屋は、人の体温で、室温が上がっていた。
八子の部屋には物は殆どなかったが、座布団や椅子もないのには、さすがに集まった人たちは辟易とした。
園崎八子の他には、佐竹咲子、鳴神斜陽、小林櫻子、新塚よしみ、この4人が八子の部屋に集まった顔ぶれである。
5人は小学生時代からの同級生、さらには幼馴染で、親友の契を結んだ中であった。
その割には最近は、離れてしまって、会うことも少なくなってしまっていた。
それでもこうして集まってくれたのだから、友情の賜物か?
本当にそれだけだとは、声をかけた当人である八子も、思ってはいなかった。
こいつらは冒険が目的なのだ。
八子と同じような性格であるから、正常な世界に馴染めない人種ではある。
鳴神斜陽は霊感少女であるし、佐竹咲子は極度の推理オタクで、さらには剣道を得意とする。
小林櫻子は柔道家の娘、新塚よしみは、霊能者ではあるが、霊媒体質である。
それに、園崎八子、彼女は実践空手の全国大会覇者である。
八子は常々技を実践で試したいと思っていたから、今回のようなシチュエーションでは、アクション映画的な展開を、心待ちに期待していた。
ゲームがどのようなものか、始まってみないとわからないが、得体の知れない神と名乗る相手であるから、命がけの戦いになることも、想像できる。
八子の目的は他にもあったが、心躍る展開を期待していた。
「八子、本当に、神の目的はわからないの?」
新塚よしみは、自分で持ってきた、500ミリのペットボトル飲料を、他の者たちにも配ってから、蓋を取り、一口飲んだ。
「神って野郎はどんなやつは一体何を考えているんだろうね」
よしみから受け取ったペットボトル飲料を持て余しながら、小林櫻子が言う。
「さあな。あたしの知るのは、さっきの説明通りの内容だけだよ」
園崎八子も、ペットボトルを受け取って、口にした。
「そのような力の持ち主なのに、視界にこんな表示をさせられる力の持ち主なのに、霊的なものは感じられない」
「霊格が違うのかな」
鳴神斜陽は神に対する自分なりの考えを披露するとともに、同じような能力を持つ新塚よしみの方へそれとなく意見を求めて視線を送った。
「そうね」
よしみも同じことを感じていたらしく、頷いてみせた。
「情報が少なすぎるわね。神とやらがどういったゲームを仕掛けてくるのか、予測すら出来ない。だから、準備も何処までやれば良いのか見当もつかない」
佐竹咲子が文句を言いながら、ペットボトルの清涼飲料を飲み込む。
分析屋の咲子も、分析するためのデータがなければ本領が発揮できない。
「どうするかな」
個性的なメンバーの意見を聞きながら、呼び集めた本人である園崎八子は、意見をまとめたり、リーダーシップを振りかざしたりすることもなく、部屋の窓から彼方を眺めた。
空赤く染まり始めた頃に、八子の家には4人の女子が集まっていた。
八子の狭い部屋は、人の体温で、室温が上がっていた。
八子の部屋には物は殆どなかったが、座布団や椅子もないのには、さすがに集まった人たちは辟易とした。
園崎八子の他には、佐竹咲子、鳴神斜陽、小林櫻子、新塚よしみ、この4人が八子の部屋に集まった顔ぶれである。
5人は小学生時代からの同級生、さらには幼馴染で、親友の契を結んだ中であった。
その割には最近は、離れてしまって、会うことも少なくなってしまっていた。
それでもこうして集まってくれたのだから、友情の賜物か?
本当にそれだけだとは、声をかけた当人である八子も、思ってはいなかった。
こいつらは冒険が目的なのだ。
八子と同じような性格であるから、正常な世界に馴染めない人種ではある。
鳴神斜陽は霊感少女であるし、佐竹咲子は極度の推理オタクで、さらには剣道を得意とする。
小林櫻子は柔道家の娘、新塚よしみは、霊能者ではあるが、霊媒体質である。
それに、園崎八子、彼女は実践空手の全国大会覇者である。
八子は常々技を実践で試したいと思っていたから、今回のようなシチュエーションでは、アクション映画的な展開を、心待ちに期待していた。
ゲームがどのようなものか、始まってみないとわからないが、得体の知れない神と名乗る相手であるから、命がけの戦いになることも、想像できる。
八子の目的は他にもあったが、心躍る展開を期待していた。
「八子、本当に、神の目的はわからないの?」
新塚よしみは、自分で持ってきた、500ミリのペットボトル飲料を、他の者たちにも配ってから、蓋を取り、一口飲んだ。
「神って野郎はどんなやつは一体何を考えているんだろうね」
よしみから受け取ったペットボトル飲料を持て余しながら、小林櫻子が言う。
「さあな。あたしの知るのは、さっきの説明通りの内容だけだよ」
園崎八子も、ペットボトルを受け取って、口にした。
「そのような力の持ち主なのに、視界にこんな表示をさせられる力の持ち主なのに、霊的なものは感じられない」
「霊格が違うのかな」
鳴神斜陽は神に対する自分なりの考えを披露するとともに、同じような能力を持つ新塚よしみの方へそれとなく意見を求めて視線を送った。
「そうね」
よしみも同じことを感じていたらしく、頷いてみせた。
「情報が少なすぎるわね。神とやらがどういったゲームを仕掛けてくるのか、予測すら出来ない。だから、準備も何処までやれば良いのか見当もつかない」
佐竹咲子が文句を言いながら、ペットボトルの清涼飲料を飲み込む。
分析屋の咲子も、分析するためのデータがなければ本領が発揮できない。
「どうするかな」
個性的なメンバーの意見を聞きながら、呼び集めた本人である園崎八子は、意見をまとめたり、リーダーシップを振りかざしたりすることもなく、部屋の窓から彼方を眺めた。
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