天井の神と地上の悪魔

こみつ

文字の大きさ
上 下
4 / 13
地球滅亡

惑星衝突 神の世界-2

しおりを挟む
司馬にも迷いはあった。
神と名乗る者が、ルール自体を提示していない。
ゲームが始まっていると言っていたから、もうどこかで何かが動き始めているのだろう。
ゲームと言いつつルールがない。

神というのは、信用できないな。
司馬はそう思っていた。
信用できない相手だから、勝利の時に得られるものも、本当に得られるかどうかもわからない。
ただ、天変地異もおさめてしまうような力の持ち主であるから、それだけが、勝利者に提示される、望みを何でも叶えてくれるという事を信用させてくれる。

司馬はこれに賭けるしかなかった。
妹を辱めて殺してしまった日本人を探し出すには、この条件を利用するしかない。
そう思い詰めていた。

何をすれば良いのか、それがわかれば!
司馬は、神というヤツを、心の中で呼び出してみた。

答えはあった。
神は彼の問いかけに答えるように、メッセージを送ってきた。
だが、おそらくそれは、参加者全員に向けての一方的な通知だった。

ーゲームは13回、人数分の回数しか行わない。誰の手助けもしてはならないし、また、得る事も出来ないだろう。一人一人が与えられた問題を解き、最後に一人でも残ったら、君たちの勝利だ。約束通りに報酬を払おうー

ーゲームの内容は、一人一人違ったものなので、情報を共有しようとしても無駄だよ、さらに、ゲームクリアに失敗したら、死んでしまう。そして、ゲームを拒否して逃げ出したりしても、死の帳が、君たちを迎えに行くよ。生き残るには、ゲームクリアを目指しましょう。では、頑張ってくださいー

神と名乗るものは、気軽な調子で言ってのけたが、とても怖ろしい内容だった。
ゲームを拒否しても死、ゲームに負けても死、クリアするしか道はないが、一人も生き残らなければ、人類の滅亡なのだ。

自分が死んでしまったら、人類なんて滅亡しても関係がない。
司馬はそう思おうとしたが、今まで自分がやってきた事や、人生がまるきり遺せないのは、さすがに寂しい。
自分の人生がどうであったかなど、自分が良ければ良いという者も居るが、それでも何か生きた痕跡が残っているのとそうでないのとでは、死んでゆく時に、心の違いがあるのだろうと、そう思った。

園崎八子や、他のメンバーも、多少なりと、そんな考えを持ったようである。
意思疎通は得られなかったが、皆が、神の提示に、覚悟を決めたように感じられた。
司馬も、覚悟を決めなければならなかった。
復讐のためにも、そう思った。

園崎八子は十分納得の内容だと思って、早速準備に入った。
食料品を、携行できる保存食品を買い出しに、スーパーへはしった。
それとついでに、武器になりそうな小型の刃物や、ハンマー、バールなども手元に用意した。
バッグに詰め込んで、戦闘準備を、着々と整えていった。

司馬も、動かなければと、食料や、武器を購入した。
だが、今後、現金もいるだろうから、貯金は少し残す事にした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...