宇宙人の憂鬱

こみつ

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本格侵攻 序章

宇宙人の憂鬱 54.

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宇宙人の憂鬱 54.決意2

ー心の方向が定まったようね?ー
ルクスはにっこりと笑って見せた。
この子の正体は何なのだろう?
わたしのご先祖様なのだろうか?メモの文章や話の流れから察すると、その可能性が高い。
ルクスに聞いてみようかな?
そう思ったときに、ルクスの方から答えが聞こえてきた。

ーわからないのよー
わたしの心を読んだのだろう。
ルクスはわたしの目の前をふらふらと行ったり来たりしながら、悲しげに笑って見せた。
ルクスの後ろにある小型の水槽になにも入っていないのを見つけると、そちらに気が取られてしまい、なんだかどうでもよくなってしまった。
ルクスが笑ったように見えた。
ひょっとしたら、彼女がそのように誘導したのかもしれない。
わたしはそう思って、何か隠し事をしているのだなと直感した。

「ルクス、なにかかくしてる?」
ルクスは笑ったが、はぐらかさなかった。
ーわかっちゃったか?ー
「わかっちゃったか~じゃないよ!意地が悪い!」
わたしが膨れつらで応じると、ルクスはケラケラと笑った。
わたしはますます膨れつらになり、ルクスは大きく仰け反って笑い転げた。
こいつ本当に幽霊かよ!というほど元気よく笑い転げるルクスを見ていると、不安と何かが入り交じって、複雑な気持ちになった。

ーわたしが魚子の先祖かどうかは本当にわからないのよー
ーただわたしはあの時代にあの場所に居たらしい事は、何となくだけれども分かっていたのー
ーわたしはあなたの先祖の方達と一緒に居たのー
ルクスはウロウロと動き回るのをやめて、わたしの目の前にしゃがんで見せてから、話しを続けた。
ーわたしはどうやら、あなたの先祖に拾われた、あなたの先祖がわたしの里親だったのではないかと思っているのー
ーわたしには巫女の素質があるって、村の近くにいた霊媒が言っていたわ!ー
ーだから幼いわたしが、一緒に連れて行かれたのよ。よく覚えていないのだけれども、そんなところかな!ー
随分明るいな!この幽霊は!笑出したくなるほどに元気がいい!!
本当に死んでいるの?と疑問を投げかけながらも、本当の親は誰かわからないの?と聞いた。
ーうん!分からなかったー
「かった?」
ー死んだ瞬間に全てがわかったのー
「誰だったの?」
ーそれはまだ秘密ー
にっこりと笑って、ルクスは私をじっと見つめた。
「何?」
わたしはルクスの方を見つめながら、微笑み返した。
ーううん、なんでもないー
ルクスは笑いながらわたしのところへ来た。
身体がないので触れないのがもどかしい!
頭を撫でてやりたい気持ちを抑えながら、新たなルクスへの疑惑と、自分が何をやるべきかを考えたが、思考がまとまらないのでイラついて頭を掻いた。

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