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出逢い、覚醒編
宇宙人の憂鬱 26.
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「わたし?」
「そうあなた」
母の笑い声が聞こえそうである。
意地の悪い!
わたしは、まだ相手が居ないよと言って、苦虫を噛みつぶした。
「フフフフフフフフ」
本当に母が笑った。
わたしは心の中で毒づいて、表情は笑顔で対応した。
「ご飯まだなの」
若干語気が強めなのは、気持ちが波立っているから。
わたしはリモコンを取って、テレビをつけた。
中ぐらい大きさのテレビ。
テレビのサイズの事なんて、わたしにはわからなかったから、何型とか全然わからない。
高精細なテレビで、パソコンもつなぐ事が出来るものである。
それが、部屋の片隅に置かれていた。
有名な国産メーカーの物では無かった。
舶来もののテレビで、性能は国産よりもかなり優秀だったので、技術オタクの父が、良いものだからと購入したのだ。
この間来た時には既に有った。
ちょうどニュースをやっている時間だった。
どこかで見た光景が映っていた。
どこで見たのかな。
記憶の片隅を探ってみると、それは伯父さんの家のある町である事が思い出せた。
何かあったのかな。
画面の右端で、煙が上がる。
カメラの画像が揺れて、何人かが、煙から離れるように走り去ってゆく。
カメラマンの位置と、煙の上がった建物の間には、道路があって、車と人が入り乱れていた。
もう一回、今度は大きな音とともに煙が上がり、炎が見えた。
火事?
そのうちに、消防車と救急車と、警察の車両が何台か到着する。
サイレンをミュートしての原着なので、かなり静かだったが、道路に止めるしかないようで、かなり同素の交通を乱した.
じっと見ていると、画面の中で、怪我人が担架で運び出されて、救急車の一台に乗せられる。
そうこうしているうちに、もう何台かの応援の、緊急車両が集まってくる。
次々と、怪我人が運び出されてくる。
見ているだけで6人は運び出されて来た。
そのうちの何人目かが救急車に乗せられた時に、見ような違和感があった。
なんとも言えないざわつきが、背中を奔って首筋に登ってきた。
なんだか父さんと、伯父さんに似ていた。
画面は小さくて、本当にそうなのか、確認できるほどハッキリと視認できなかったが、嫌な予感がした。
わたしは恐くなって、母を呼んでしまった。
母は何事かとこちらに顔を出したが、ニュースの映像を見て、「ここはあの喫茶店じゃない?」と胃って視線を固定してしまった。
「何の事」
「伯父さんが新しくはじめたお店なの」
母が言った。
伯父は新規に飲食業をはじめたのだという。
その伯父の店が、火事になった建物に入っているのだとか。
わたしは驚いて、さっき見た光景と、違和感を、母に伝えた。
母は蒼い顔をして、大急ぎで台所の火気を止めてから、テレビの前に座り込んだ。
そして、少し画面を凝視していたが、思い直して、伯父の家に電話をかけた。
わたしは固唾を飲んで、母の様子を見た。
母は何度目かのコールでやっとつながった電話の先にいる、叔母に向かって話しかけた。
「テレビ見てる?」
そう聞くなり、叔母は慌てた様子で、「うちの人よ」と言った。
何があったかまではわからなかったが、救急隊からから連絡があって、伯父さんと父が怪我をしたのだと知らされたというのだ。
これから受け入れ病院がわかったら、連絡が来るというので、そうしたら行ってみるのだということだった。
わたしは嫌な予感がまだ続いていた。
父や伯父にもしもの事があったらどうしようかと、本気で考え始めて、その嫌な思いを、急いで頭の中から追い出した。
そんなわけはない!
そう思い、気持ちを奮い立たせた。
「そうあなた」
母の笑い声が聞こえそうである。
意地の悪い!
わたしは、まだ相手が居ないよと言って、苦虫を噛みつぶした。
「フフフフフフフフ」
本当に母が笑った。
わたしは心の中で毒づいて、表情は笑顔で対応した。
「ご飯まだなの」
若干語気が強めなのは、気持ちが波立っているから。
わたしはリモコンを取って、テレビをつけた。
中ぐらい大きさのテレビ。
テレビのサイズの事なんて、わたしにはわからなかったから、何型とか全然わからない。
高精細なテレビで、パソコンもつなぐ事が出来るものである。
それが、部屋の片隅に置かれていた。
有名な国産メーカーの物では無かった。
舶来もののテレビで、性能は国産よりもかなり優秀だったので、技術オタクの父が、良いものだからと購入したのだ。
この間来た時には既に有った。
ちょうどニュースをやっている時間だった。
どこかで見た光景が映っていた。
どこで見たのかな。
記憶の片隅を探ってみると、それは伯父さんの家のある町である事が思い出せた。
何かあったのかな。
画面の右端で、煙が上がる。
カメラの画像が揺れて、何人かが、煙から離れるように走り去ってゆく。
カメラマンの位置と、煙の上がった建物の間には、道路があって、車と人が入り乱れていた。
もう一回、今度は大きな音とともに煙が上がり、炎が見えた。
火事?
そのうちに、消防車と救急車と、警察の車両が何台か到着する。
サイレンをミュートしての原着なので、かなり静かだったが、道路に止めるしかないようで、かなり同素の交通を乱した.
じっと見ていると、画面の中で、怪我人が担架で運び出されて、救急車の一台に乗せられる。
そうこうしているうちに、もう何台かの応援の、緊急車両が集まってくる。
次々と、怪我人が運び出されてくる。
見ているだけで6人は運び出されて来た。
そのうちの何人目かが救急車に乗せられた時に、見ような違和感があった。
なんとも言えないざわつきが、背中を奔って首筋に登ってきた。
なんだか父さんと、伯父さんに似ていた。
画面は小さくて、本当にそうなのか、確認できるほどハッキリと視認できなかったが、嫌な予感がした。
わたしは恐くなって、母を呼んでしまった。
母は何事かとこちらに顔を出したが、ニュースの映像を見て、「ここはあの喫茶店じゃない?」と胃って視線を固定してしまった。
「何の事」
「伯父さんが新しくはじめたお店なの」
母が言った。
伯父は新規に飲食業をはじめたのだという。
その伯父の店が、火事になった建物に入っているのだとか。
わたしは驚いて、さっき見た光景と、違和感を、母に伝えた。
母は蒼い顔をして、大急ぎで台所の火気を止めてから、テレビの前に座り込んだ。
そして、少し画面を凝視していたが、思い直して、伯父の家に電話をかけた。
わたしは固唾を飲んで、母の様子を見た。
母は何度目かのコールでやっとつながった電話の先にいる、叔母に向かって話しかけた。
「テレビ見てる?」
そう聞くなり、叔母は慌てた様子で、「うちの人よ」と言った。
何があったかまではわからなかったが、救急隊からから連絡があって、伯父さんと父が怪我をしたのだと知らされたというのだ。
これから受け入れ病院がわかったら、連絡が来るというので、そうしたら行ってみるのだということだった。
わたしは嫌な予感がまだ続いていた。
父や伯父にもしもの事があったらどうしようかと、本気で考え始めて、その嫌な思いを、急いで頭の中から追い出した。
そんなわけはない!
そう思い、気持ちを奮い立たせた。
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