ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

にくなまず

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~

援軍、更に援軍

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スレイブ・ローカスト…全長1~2メルの大型のバッタ。恐るべき跳躍力を持つ。
サイズ以外普通のバッタと同じだが、爆発的に発生しやすい。

また、意図的に蝗害を発生させる事も出来、その場合『ローカストマスター』なる存在も同時に出現する。



ローカストマスター…スレイブ・ローカストの主人的ポジション。人型。
スレイブ・ローカストを使役する事が出来、意のままに操る。

当人の戦闘力は皆無。





~南側・森林エリア~


『『『ギヂギヂギヂッ!』』』(スレイブ・ローカストの群れ)

「オオオオオラァッ!(ダッカード)」

『ドゴンッ!』ッギュ!(頭部破壊)

『ガガンッ!』ッギッ!(殴打)
『バガァッ!』プギュッ!(轢死)


「…驚いた。あの2人(レドリックとアミスティア)の言う通りこのモンスターはそこまで硬くない。
寧ろ脆いと言って良い…(ダッカード)」

「…このモンスターが脆いのか、この一式装備が強すぎるのか、もう分かんねぇや…(部隊1)」

「それより良いのか、【鬼神】に加勢しなくて?
さっきの竜が消えちまったみたいだが…(部隊2)」


″『『『ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォンッ!』』』″(連続大爆発)


「「「うぉっ!?」」」
「うひゃっ!?」
「「「うわわわわわわっ!?」」」

「…加勢行くか?(ダッカード)」
「…その心配は無用の様だ…(部隊3)」
「つか、あそこ熱波がヤバくて近付けん。
もう少し冷めないと息するだけで終わりだ。(部隊4)」


一式装備[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の部隊約150人が南側の森林エリアに移動し、左右に展開したスレイブ・ローカストの処理に追われていた。

恐らくスレイブ・ローカストは中央に位置するノアやグリードを避ける為に闇雲に展開した様で、森林エリアはスレイブ・ローカストの持つ跳躍力を生かせない場所であった事も窺えた。

そこにダッカード率いる[弾丸戦車(タンク・ディバラ)]の部隊が攻勢を仕掛け、あっという間に殲滅していった。


「しまったな…これなら北側にも幾らか人員を割けば良かったな…
今からでは遅いか…(ダッカード)」

「大丈夫だと思うぞ。
あちらには『エイペス』と『筋肉達磨』が向かってますし、街から援軍が″飛んで″行ったからな。(部隊5)」

「なる程、それは良…
ん?″飛んで″…?(ダッカード)」





~南側・森林エリア~


『『『ギヂギヂギヂッ!』』』(スレイブ・ローカストの群れ)


「ぬぅううんッ!(バルク)」

ピギ『ブチィッ!』ッ!(首引っこ抜き)

「ふんぬっ!(スクワ)」

『グシャッ!』ッギッ!(頭部圧砕)

「しっ!(ゴーラ)」

『バ『バンッ!』(頭部埋没)


「むぅ!思いの外脆いな!(パンプ)」

「とは言え数が数だ、効率が悪過ぎる。
 大技を使いたいが木々が多くて…(オラウ)」


『『ゴォッ!』』(高速移動する2つの影)

〔『羽嵐』!(ヤンチャラット)〕
  
〔『鉤爪閃刃』!(シッチャカ)〕

『『『ズドドドドドドッ!』』』(無数の羽の刃)

『『『ドシュシュシュッ!』』』(爪による無数の刃)

ギギャッ!『『ギュァアアアアッ!』』ギャギッ!ッギッ!『『『ゲァアッ!』』』


森林エリアと言う狭所で攻撃に制限が掛かっているのはモンスターだけでは無かった。

後方待機組であった類人猿クラン『エイペス』と『筋肉達磨』は、迫り来るモンスター群に対し、1体1体千切っては投げ、千切っては投げを繰り返す。

だがこれでは効率的でない事は明白であったが、そんな森林エリアを高速で突き進む存在が援軍としてやってきた。

ハーピー族の5人であった。


バサァッ!

〔『旋刃乱舞』!(チュルチー)〕

『『『ギュルルルルルッ!』』』(風を纏い、高速回転しつつモンスター群に突っ込む)


〔『ら~♪』(チャチャ)〕

『『『『フォンッ!』』』』(周囲に風を付与)

「「「「「「「「おおっ!?」」」」」」」」


〔チャチャが風を付与してくれたよ~。
普段より体感″6割″速く動けるハズだよ~。(ゴチ)〕

「「「「「「「「″6割″っ!?」」」」」」」」


高速移動を行いつつ、森林エリアの木々をいとも容易く縫いつつ次々とモンスター群を撃破。

その上チャチャによる歌(?)によって周囲の者達に支援魔法を付与。


ヒュバッ!『『『バババッ!』』』シュバッ!『『シュバババッ!』』(高速のフットワーク)

「おおっ!?体が羽の様に軽い!(ゴーラ)」
「支援感謝するぞハーピーの嬢ちゃん!(バルク)

〔ど、どーも…(チャチャ)〕


体感″6割″も速度が上昇している為、殲滅速度も″6割″上昇する事になる。

とは言え、後続はまだ数千体迫っている為、100人少しでは何れ数に押し切られるのは必至。

そんな中ハーピー族のゴチは



ザクッ!(スレイブ・ローカストの亡骸を実食)

「うぇっ!?
何食っているのだゴチちゃん!?(スクワ)」

「え?私達ハーピー(鳥+人)だから虫好物なんだよ?(ゴチ)」

「あ、あぁそうだったな…
羽と四肢以外人間だからか違和感が凄いな…(スクワ)」


突然ゴチがスレイブ・ローカストの死骸を口に運びモグモグと食事。

戦闘中に食事を始めた事もそうだが、スクワの言う通り羽と四肢以外人間の見た目である為、認識と絵面とのギャップが凄まじかったと言えた。


モグモグ。

〔うーん、臭みも無くて口溶けが何とも言えない。これは格別…(ゴチ)〕

「何こんな状況で味の感想を言っているのだ…
皆戦っておるのだぞ…?(スクワ)」

〔うんこれは良い。″皆を呼ぼう″。(ゴチ)〕

「聞いてい…ん?
″呼ぶ″…?″皆″とは?彼女達ではないのか?(スクワ)」


ゴチが突然″皆を呼ぶ″と言い出した。
てっきり現在戦闘中の4人を呼ぶものと思われたが


〔『キィィ…イイン…』!(ゴチ)〕

「ん?何をしたのだ?(スクワ)」

〔″呼んだだけだよ。皆を″。(ゴチ)〕


ゴチは徐に空に向かって聞き取れない程か細い声を上げた。
下手をすれば周囲にも聞こえない程の声だが、何かを呼んだのは確からしい。

すると少しして


〔ほら、見て見て!皆来たよ。(ゴチ)〕

「見てって何…え?何だあれは…?(スクワ)」





~上空1000メル~


『『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』』
ゴォッ!
『『『シュシュンッ!』』』
ヒュオンッ!
『『『シュンッ!』』』
バヒュンッ!
『『ビュンッ!』』
『『『『ギュンッ!』』』』(300体以上のハーピー族急降下中)


ゴチが上げた声は高高度にある天空大陸に響き、そこから300体以上のハーピー族が降下。
真っ直ぐこの地を目指していたのだった。



〔私達の暮らす所って高高度だから好物の虫が全くと言っていい程居ないの。
だから出来る限り確保しようと思って。(ゴチ)〕

「なる程ね。(スクワ)」
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