ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

にくなまず

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

別勢力?

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~数分前・比較的安全圏・街(前哨基地)建設予定地~


『『『ゴォッ!』』』(上空から大木が次々と飛来。)

ドドッ!『『ドガッ!』』ガガッ!(地面に次々と横一直線に突き刺さる。)

「よーし、次また頼むぞー。(レドリック)」

「ほーい。」
「はいさー。(ラインハード)」


2日前から森林エリアの大木をノアが幾本か斬り倒し、簡易防壁建設を任されていたレドリックが次々に″チャージ″。

一定数大木が貯まって来たので、街(前哨基地)建設予定地の正面辺りに次々と配置する事となった。

その役を、ノアと影の中で魔装鉄甲のメンテナンスや製作作業を行っていたラインハードが買って出てくれた。

元々はノアへの贈与品であった魔装鉄甲であるが、海洋種のクラーケン素材を用いてグレードアップした事で大幅な耐久性と攻撃力の上昇、吸収された衝撃を推進力へと変換する機構が実現し、現在はラインハード本人の愛用品となっている。

暇さえあればメンテナンスし、動作確認を兼ねて実戦的に使用する事もある。

作中でも何度か登場しているが、ラインハード自身が装着する事で、戦闘に参加する場面もよくある。

ノアやクリストフのデタラメ2人に隠れがちだが、ラインハードも強力な戦力の1人である。





ガシャガシャガチョンッ!(魔装鉄甲装着。)

「えいさー!『ドゴォッ!』(ラインハード)」

「フンッ!『ドゴンッ!』」

「ほいさー!『ガゴンッ!』(ラインハード)」

「ムンッ!『ドゴンッ!』」


レドリックが突き立てた大木を更に深く突き刺す為、魔装鉄甲を装着したラインハードとノアが次々に殴り付けて深く突き刺していく。

感覚的には人1人分が通れる位の隙間を保った状態で等間隔に打ち込まれている。
防壁としては心許ないが、あくまで″簡易″である。

開拓民としてこの地にやって来る元奴隷の技術職達によって新たに防壁が新設される迄の″繋ぎ″である。
その後は薪だったり他の場所で使う為に素材となる事だろう。


ギッ…ギッ…

「うん、こんなものか。」

「あの、1つ良いか?
何故完全に囲わずに前方に立てるだけなのだ?(カルル)」

「本当なら建設予定地を囲った方が良いんだろうけど、これは僅かでも″足止め″出来れば良い位で立てたに過ぎない。」

「″足止め″?(カルル)」

「あの2人(レドリックとアミスティア)の前で僅かでも動きを止めてしまえば直ぐにでも屠られちゃいますからね。」


簡易防壁は、例えモンスターが接近してきた場合の″足止め″程度の効力しかない。
よじ登って来たり、押し倒したり迂回してきたりと何通りかの対策を取られる事だろう。

ヴァリエンテ領の兵士やカルルからすれば非常に心許ないモノだが、ノアやレドリック、アミスティアに対してその僅かな隙の意味は非常に大きい。





「んしょっと。『ゴィンッ!』ふぃーっ、終わりましたー。(ラインハード)」

 「ありがとうね、ラインハードちゃん。
後は息子が引き継ぐからこの後は自由にすると良い。(レドリック)」

ガショガションッ!(魔装鉄甲脱着。)

「はーい。
それじゃあノア君、私街の武器・防具屋に行って金属素材買ってくるよ。(ラインハード)」

「あぁ″新作″造ってるんでしたね、分かりました。そうだ、もしミダレさんに会ったら伝えて貰えますか?
明日辺りに山の方に調査に向かうので魔石の余りあったら欲しいです、と。」

「ミダレが欲しいと。(ラインハード)」

「端折り過ぎ。」


少し遅れる形でラインハードも大木の殴り付けが完了する。
しれっとノアが引き継ぐ事になり、ラインハードは街へ買い物に行く事になった。





すると数分後


カンッ!カンッ!(見張りをやっていた兵士からの報せ。)

「″はぐれモンスター″だ!
弓兵!迎撃準備をせよ!(兵士)」

「「おおっ!」」


比較的安全圏である街(前哨基地)の建設予定地周辺に金属質の甲高い音が鳴り響く。
どうやら兵士の1人が″はぐれモンスター″の存在を感知し、持っていた盾を大きく鳴らした様だ。

奥の方を見れば大きく翅を延ばした巨大な影が接近してきていた。


「ん?″はぐれモンスター″?」

「″はぐれモンスター″って言うのは″自身の棲息域から外れた″モンスターの事。
あのモンスターで言うと、魔素が濃い一定の空域を飛んでいたのだけど、コースから外れて魔素の薄いこちらの空域に飛んできたのも″はぐれ″としてカウントするわ。(アミスティア)」

「へー。」

「丁度良いわノアちゃん、あれ、倒してきちゃいなさい。(アミスティア)」

「え?何でぼ「あれは『ママン・モス』って言って、″鱗粉攻撃″が厄介よ。(アミスティア)」

「母さん?「あの『ママン・モス』の鱗粉には各種状態異常効果が多数備わっているの。
今日辺り開拓民の人達が来るだろうから、悪さしない内に倒した方が良いわ。(アミスティア)」

「…はい。」スラッ…

『バシュンッ!』(転移。)


母親からの有無を言わさぬ即時討伐命令が降ったノアは、こちらに向かって飛行中の『ママン・モス』へ転移するのだった。



『ママン・モス』…長大な牙を持つ巨大な蛾。
翅には各種状態異常効果のある鱗粉が大量に備わっており、近くに居るだけで状態異常に侵されるという事態に陥ってしまう。

素材として取れる牙や翅は特性もあって高値が付く。

番に『マン・モス』が居るが、『ママン』なら『パパン』じゃないの?っていう疑問はスルーしてくれ。



『バシュンッ!』(転移。)

モフッ。(翅の上に着地。)

「さーて『『『ウモォオオオオオッ!』』
チャッチャと倒して『『バオッ!』』っおっ!?」


『ママン・モス』の直上に転移したノアは、そのまま荒鬼神ノ化身を振り上げて翅の付け根に斬り掛かろうとするが、『ママン・モス』が咆哮を上げた後、ノアを振り落とそうと1回転(俗に言うバレルロールを)しだした。

巨体に似合わぬ素早い動きに、思わずノアは振り落とされ、空に放り出されてしまう。


『『『バッファッ!』』』(鱗粉がノアの周囲に舞う。)

モァアアアアッ!『『ガチンッ!』』(牙を打ち鳴らす。)

『『『バチチッ!』』』(火花が散る。)

「あ、やっべ。」


『ママン・モス』が頭を振り、自身に備わっている牙同士がぶつかると、そこから火花が発生。

その火花は周囲の鱗粉に次々と連鎖し、一気にノアの周囲は火に包まれる。所謂粉塵爆発である。


『『『『ズドォオンッ!』』』』

ウモォオオオオッ!

『『『オオオオ……シュィイイイイッ!』』』


空に大火球が発生。『ママン・モス』が雄叫びを上げる中、その大火球は一気に縮小。
鎮火した様ではなく、内側に向かって吸収されている様に見える。


「さっすが『大喰(オオグライ)』の力って奴だ。
この程度の爆発なら屁でも無い。」

ウモォオオオオオッ!!

(『爆発時の熱までは防げんから<火耐性>は必須だがな。』)


ノアは荒鬼神ノ化身の能力『大喰(オオグライ)』を用い、『ママン・モス』が発生させた粉塵爆発の殆どを無効化。

屠ったと思った相手が無傷であった事に『ママン・モス』は咆哮を上げる中


「【召喚獣:一刀】『貪欲(グリー…ん?」


反撃として【召喚獣:一刀】『貪欲(グリーディ)』を召喚しようとしたノアだが、視線の先、奥の方から『ママン・モス』よりも小柄な個体、『マン・モス』が飛んでくるのが見えた。


「追加か…あっちはコレでやるとして、こっちのは君に任せるよ、グリード。」

(《畏まり。》)

『『『ゴッ!』』』(直下の地面から光の柱が屹立。)

『『ゾリッ!』』(『ママン・モス』の頭部が削り落とされる。)

「さっすがグリード。」

(《むふー♪》)





~名も無き広大な大地の最奥・数千メル級の山頂付近~


『『『ゴォオオオオッ!』』』(猛吹雪)

《m?krh、″r-ntkr″…?》ムクリ。

〔d-stn…?〕

《stkr″r-ntkr″wknjt…nzkkn…?
htmzkknnw…iy、sryrmmzhknststmrk…》
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