ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

にくなまず

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獣人国編~御前試合の代表決め~

【召喚獣:二刀】【鬼灯丸(ホオズキマル)】

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~タイトル『阿羅亀噛(アラキガミ)→荒鬼神(アラキガミ)→?』より抜粋~


【荒鬼神ノ化身専用戦技:起点技】『大喰(オオグライ)』…この武器を使用する事で、対象(生物、魔法問わず)の魔力を分解、吸収し、武器に刻まれた刻印に溜める事が可能。

この【戦技】を起点とし、規定量の魔力を溜めた刀剣の本数に応じて1~4種の【召喚獣】を使役可能。


【召喚獣:二刀】『鬼灯丸(ホオズキマル)』…吸収した魔力で形作られた中型の鬼人。攻撃力は折り紙付きで恐ろしく身軽。
周囲に<挑発>と<威圧>を振り撒くので殿等に向く。(一度の召喚で2体まで。)



ブゥウウン…

『『ゴボボボボボボッ!(ゥオ″オ″オ″オ″オ″オ″オ″ッ!)』』

『『『『『『ギャギギッ!?』』』』』』×80


【召喚獣:二刀】【鬼灯丸(ホオズキマル)】がノアの喚び掛けに応じて召喚。
開口一番に<挑発>と<威圧>が混ざった咆哮を上げ、サハギン共の視線が一挙に集まる。

【鬼灯丸】の身長は約2.5メル、体色は蒼く、所々に黒い紋様が入っている。
額からは短いながらも鋭利な角が2本生えており、鬼の形相を浮かべている。

身体の肘、膝、踵からは爪の様な突起が突き出ており、何とも殺意に溢れている。


「おお~デカい…
初めまして【鬼灯丸】、頼りにしてるよ。」

『ぼご。(う。)』(    ゜゜)b(    ゜゜)b

(((強面だけど気さくだ…(一同))))


ノアが喚び出したから当たり前な話ではあるが、ノアの声掛けにしっかりと反応。
言葉は話せない様だが、受け答えはしっかりしていた。


(゜゜ソワ…(゜゜ ソワ…

(どうしたんだろう、ソワソワして…)

(『取り敢えず鼓舞でもしてみりゃ良いんでね?』)

(鼓舞!?僕そんな事やった事無いよ!)

(『なら指示出しかな?
どちらにしろ、主からの言葉を待ってる雰囲気だぜ?』)

(そ、そう?それなら…)


と、ノアは咳払いを1つした後控えるグリードと【鬼灯丸】の3人に言い放つ。


「ん″ん″っ!
あちらは多勢、こちらは無勢。
なれど我等は一騎当千の猛者なり、取るに足らない雑魚に後れを取る事は許さん。
勝負の要は″速さ″だ。
最初の数体で奴等の″壊し方″を学び、一撃決殺で仕留めよ。
俺達に目を付けられた事を後悔させてやれ。」

『『ごぼぼっ!(ゥオ″オ″ッ!)』』

《ぼご、ぼごご、ごぼぼぼ?(ね、ね、主様?私にも何か良いですか?)》

「そうだな…
一撃決殺だけど食い散らかしは宜しく無い。
蹂躙が終わったら″食材″は残さず美味しく頂きましょうね?」

《ごぼぼ!(はーい!)》

『『『『『『ギュェエエエエエエエエエッ!』』』』』』×80

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!


3人への声掛けを終えた直後、中々動かない一行に痺れを切らし、サハギン共が咆哮を上げ突っ込んできた。


「敵は推定500弱。
なーに、己の四肢を50振り終わる頃には全てが終わる。
叩け、突け、裂け、割れ、潰せ、殺せ!
やり方は各々に任せる。
グリード、開戦の狼煙をぶちかませ!」ズドッ!

《ぼご!(はーい!)》

バジュァアアアアアアッ!


駆けるノア目掛けグリードはプラズマレーザーをぶっ放すのであった。





ドゴァアアアアアアアッ!

『『『ギュォオオオオオオオオオッ!?』』』×30


グリードがぶっ放したプラズマレーザーはサハギン共の先頭集団に叩き込まれ、数多くの者が蹴散らされていく。

が、そこは上級冒険者~が対象の″海中″エリアのモンスターな上に水中である為、弱体化したレーザーと言うのもあり、半分以上は生存していた。

そこに


「おぉおおぉおおっ!」ゴッ!

ギュ『ザシュッ!』ゲッ!?

ギュ『ビッ!』オッ!

ゲェア『ズバッ!』ッ!?

ビャァ『ボッ!』アッ!


砂煙の中から両手に荒鬼神ノ化身を持ったノアが現れ、咆哮を上げながら剣を振るい次々にサハギンの首を撥ね飛ばしていく。

時間にして1秒にも満たなかったが、手に伝わる感触からノアは瞬時に理解した。


「コイツらの体は思いの外柔い!『ズバッ!』
首から上を狙えば直ぐに″終わる″!
時間掛けんなよ、手早くやれぇっ!」

ズザザッ!

『『ごぼぼぼっ!(オ″ォオ″オ″オ″ッ!)』』

バチュンッ!ボッ!ボキンッ!ゴッ!ドゴゴゴゴゴゴッ!


こちらも咆哮を上げながら突っ込んできた【鬼灯丸】達は、豪腕を振るい鉄塊の様な拳をサハギンの顔面に叩き込むと容易に弾け飛んだ。

次に蹴りを叩き込むと、サハギン共の身体はぐにゃりと曲がり、体内から恐ろしく鈍い音が【鬼灯丸】の足に伝わる。

そのままの勢いでサハギンの集団に突っ込むと、10数体のサハギンを押し込みながらもズンズンと進み、次々に圧死させていった。


シュルルル…


【鬼灯丸】が暴れて空いたスペースを、高速で黒い物体が突き進む。


ギュル『ズバッ!』ルル『ザシュッ!』ル『ザクッ!』ル『ゾリッ!』ルル『ドパァッ!』ルル『ザンッ!』ッ!


その黒い物体は、速度が乗った状態で捻りを加え、回転しながらサハギンの集団を突き進み、硬質化させた髪と尻尾がサハギン共を次々と斬り刻んでいく。


ズザザザザザッ!ビョルルルルンッ!

『『ゥギャァア『ズババババババババッ!』アアアアッ!?』』


砂地に降り立ったグリードは、滑り込みながら長い尻尾を振るい、前方に居た集団を次々に両断していった。


グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!


グリード本来の咆哮を上げると、衝撃波の様に伝播していき、迫るサハギンの体を叩いていった。





~龍宮城・広場~

龍宮城横にある広場、と言うよりかだだっ広い空きスペースに海洋種の長、リヴァイアの姿があった。

リヴァイアは頭上に手を掲げ、その先には巨大な板状の物体が展開され、リアルタイムの映像が表示されていた。

そこに映し出されていたのはサハギンの集団に突撃し、荒鬼神ノ化身を振るい続けるノアの姿であった。


「うおー、すげー!」
「がんばれー!人族のおにーちゃん!」
「ねぇねぇ、あの人がケンちゃんとたたかったおにぃさん?」

「…あぁ、そうだよ。」

「「「うわー、すごーい!(人魚の子供達)」」」


板状の物体に映し出された映像を食い入る様に見詰める人魚の子供達は、映し出されるノアに歓声と応援を掛けていた。

その遥か後方では山の様に巨大な数体の生物が板状の物体の映像を眺め見ていた。
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