ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

にくなまず

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獣人国編~御前試合の代表決め~

ダンジョン査察

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「ノア君!」

「あ、クロラさんにポー『ガバッ!』ク、クロラさん!?」


屋台通りで団欒を過ごしていると慌てた様子のクロラとポーラがやって来た。
ノアは笑顔で出迎えたが、クロラはそのまま抱き付いてきた。


「ハナさんからノア君の殺害依頼が取り下げられたって聞いてポーラちゃんと一緒に来たの!
大丈夫?ケガしてない…?(クロラ)」
 
「ちょ、ちょっと頬をケガしたけどもう大丈夫だよ…?」

「少年なら心配いらないの分かってはいるけれど、『ギュッ…』ずっと心配してたんだぞバカァ…(ポーラ)」

「あ、あぁゴメンねポーラ、気にしてくれてありがとうね…」


普段は大人っぽい雰囲気を醸しつつ平然と鋭いツッコミを入れてくるポーラだが、本当に心配していたのだろう、泣き出しそうな声音で抱き付いてきた。

実は殺害依頼が出され、傭兵達がやって来る迄の2日間、2人に万が一の事を考えてノアに近付かない様に言い聞かせていたのである。

慌てたノアは慰める様にポーラの頭を数回撫でるのであった。


「ノアちゃん、いつもこんな感じなの?
女の子を心配させたらダメでしょう?(アミスティア)」

「べ、弁解のしようもありません…」

「1人で生き抜く術を身に付けさせたが、何もかもを1人で解決しようとしなくても良かったのにな…(レドリック)」


【ソロ】としてこの世界を容易に生き抜く為の訓練を施しはしたが、徹頭徹尾物事を1人で解決しなさい、と強要した覚えはない。

両親からしてみれば、今回の件に関していつ声が掛かるか期待していた節はあったが、結局ノアはいつも通り1人で解決しようとした為、ゲイリー戦では足蹴にして無理矢理割って入って戦いを終わらせたのであった。


サササササッ!ρ\┓┓┗( ̄^ ̄ )(アミスティア)

(″良い?一人身ならまだしも、ノアちゃんにはこんなに可愛らしい彼女さんが2人も居るのよ?″←的な家族間ハンドサイン)


サササササッ!┗┗\┓ρ( ̄   ̄  )(レドリック)

(こういう時は俺達に頼って、事案より彼女さん達の事を考えなさい。←的な家族間ハンドサイン)


コクコクサササッ…( ;  ̄  ̄))БГ/ГГ(ノア)

(以後気を付けます。←的な家族間ハンドサイン)


クロラとポーラに抱き付かれている為、音も無く静かに教育的指導をするアミスティアとレドリックなのであった。

と、そんな事をしていると


スタスタ…

「やっはろー、ノア君。
セレイアさんが用事あるみたいだから連れて来たよ~。(ヤン)」

「少し宜しい…おっと、お取り込み中でしたか?(セレイア)」

「…あ、いえいえ、色々と自分に至らない事があっただけです…」


槍サーの姫君改めネプトゥリオのヤンが海洋種の人魚セレイアと共にノアの下にやって来た。

獣人国来訪初日程の人だかりは無いものの、2人の周囲には幾人かの獣人と2組の冒険者パーティが着いて来ていた。

何か用事がある様なので、クロラとポーラの2人には一旦離れて貰い、話を聞く事となった。

だがその前に


「あ、あの私王都新聞社『文襲砲』の【記者】ラビッツと申します。(ラビッツ)」


1番の特ダネとも言える海洋種の登場に、言葉を詰まらせながらも自己紹介をするラビッツ。


「これは御丁寧にどうも、可愛らしい【記者】さんですね。
そうだ、丁度良いのでこれからの話に同席願えませんでしょうか?(セレイア)」

「へ?(ラビッツ)」





~屋台通り・テラス席~

カッ!

「<水牢>!」 コポポポ…

「おー…」
「おー…(ラビッツ)」


街のど真ん中で話を始めると言い出したので大丈夫かな?と思っていたが、ヤンがテラス席を中心に水で形成された結界を展開しだした。


「これでこれからの話は結界から漏れる事はありません。
まぁ街の皆様に聞かれる分には構わないのですが、良からぬ者が何処で聞き耳を立てているか分かりませんので…(セレイア)」

「なる程、それで話と言うのはなんですか?」

「式典まで残す所後1週間。
そろそろ式典後に開放するダンジョンやら獣人国での施設についての情報を開示していこう、とリヴァイア様から指示を頂きまして本日やって参りました。(セレイア)」

「うぉおおおっ!特ダネの香り!(※ラビッツです)」


どうやら国交式典の後に開放予定であったダンジョンが完成したのだと言う。
それに付随した施設を2軒程獣人国内に建てるのだと言う。


「へー、そうなんですか。
ん…?でもその情報を何故僕に?」

「それは勿論国交樹立に大きく貢献して頂いたノア君には、いの一番にお知らせしようと思いまして。(セレイア)」

「いやいや、そんな「まぁダンジョン作りなど初めてでしたので、開放前に1度意見を頂きたいな~、と…(セレイア)」それが本音ですか…」


思い返してみれば、ノアが初めて海洋種と出会した王都の鉱山ではクラーケンを配置していた位である。

海洋種の長であるリヴァイアは度々外に出ていたみたいだが、ダンジョンには行った事は無いと言う、ダンジョン作りのノウハウなんかは無いに等しいハズである。


「あれ?その辺りはヤンさんや他のネプトゥリオのメンバーさん達が意見出したりしてないのですか?」

「いやー私達は海洋種さん達の厚意で居座らせて貰ってるからあまり口出し辛いと言うか…
でも流石に″この難易度でこれは…″って思う所では口出ししてるよ…?(ヤン)」

「例えば?」

「獣人国側のダンジョンは3段階の難易度、後に追加の2段階の難易度を追加する事になるんだけど…(ヤン)」

「なるんだけど…?」

「最初の2段階目で上級冒険者クラスあったり「分かりました、僕の意見が欲しいとの事なので向かわせて貰います。」


ネプトゥリオのヤンが言うには、海洋種の手によるダンジョン作成に人族が口出しするのはどうかと思ったのだが、2段階目の難易度″浅瀬″に″ライトニングレーザー搭載オカヤドカリ″なる大型モンスターを配置した時には血の気が引いたと言う。


「それは助かります。
実はリヴァイア様が途中から悪ノリして戦艦クラスのモンスターを3段階目で配置してしまったのですが、誰も指摘出来なかったのですよ。
ノア君でしたら意見が通ると思います。(セレイア)」

「いや、それは言おうよ。」


何はともあれこれからノアとラビッツの2人は海洋種が作り出したダンジョンへと向かい、開放前の査察に向かう事になった。





パシャン。

「あ、ノア君が出てきたよ。(クロラ)」


<水牢>が解除されて中から一行が姿を現す。
中から出てくると、周囲には大勢の人だかりが出来ていた。

まぁ街のど真ん中でこんな事になっていれば当然の事である。


トテテ…

「ねぇノア君、中でどんな話してたの?(クロラ)」
「…もしかしてまた何かに巻き込まれたり…とか?(ポーラ)」

「ははは、心配しないで。
ちょっと査察に行ってくるだけだから。」

「「んー…?(クロラとポーラ)」」
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