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獣人国編~救出作戦~
この人に仕事を与えないで下さい。
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『この人に仕事を与えないで下さい。』
と言う立て看板の上に顎を乗せて休むノアは、何とも手持ち無沙汰な様子であった。
だが、ノアが休憩に入ってくれたお陰か、他の冒険者や騎士達も休憩を取る者がチラホラと出始めていた。
ノアから妙な圧を受けたハナに至っては、舌をでろりと垂らしつつ、水をガバガバと煽っていた。
「うーむ…我が家では"別の事をやってる時、それ即ち休憩"と教わってきたんだけどなぁ。」
「どんな家訓だよ、それ…」
と、ノア家の家訓にツッコミを入れつつ横に座り込んだのはジョーであった。
「お疲れ様です、ジョーさん。」
「君程では無いがね。
いやはや…あの国との商売は毎度の事ながら疲れるよ…」
「そうなんですか?」
「あぁ。
基本的にウチら商人は信用が第一だから扱う商品に紛い物や、品質の悪い物なんかは入れない様にしているんだよ。」
「まぁそうですね。」
「だがあの国の者達は、何かしら難癖を付けて商品を何とか安く買い叩こうとしてくるんだ…
野菜果物なら傷を付ける、凹ませる、汚れてるとか。
あの国の者達全体的に酒が好きみたいなんだが、"瓶に傷がある"、"酒の質が悪い"、"色味がおかしい"等々言いたい放題だよ。 」
「うへぇ…」
普段ニコニコ顔のジョーが話の最中、終始うんざり顔なのがヒュマノ聖王国での商いの面倒臭さを物語っていた。
「まぁ良いさ。
そっちに気を散らしてくれたお陰で私の仲間の仕事がやり易かったからね。」
にっこり…
先程までうんざり顔だったジョーが妖しく嗤う。
「…一体何やってたんですか?」
「今は詳しく話せないけど、取り敢えず"調査"をね。」
何故だろう、ジョーは笑ってはいるのだが、深入りしない方が良い気がする"嗤い方"なので、ノアは適当に「ふーん」「ほーん」と相槌を打ちつつ、この話をしれっと終わらせる事にした。
「よ、ノア君休んでるか?」
「見ての通りべふよ。」
立て看板に顎を乗せたノアが、デミにそう返事を返す。
漸く一息付ける状況になったデミは、執事のローザを連れ立ってやって来た。
スッ、ペコッ。
「お初にお目に掛かります。
私はこの度領主と成られましたデミ・スロア様の執事であり、前領主のコモン・スロア様の代わりに領地経営を営んでおりましたローザです。」
「この間は覗き見る様な真似をしてすいません、僕は新人冒険者の『ガシッ!』「ノア様ですよね!?」
「あ、はい。」
ローザが名乗ってきたので名乗り返そうとするも、ノアの手をガシリと掴んで食い気味に被せてきた。
デミもローザの豹変ぶりに、面食らっていた。
「あなたには感謝してもしきれません!
人間の良くない部分を煮詰めた様な性格の若様「おい。」を。
人に対して優しさや慈しみ等の感情を一切持たない糞みたいな「おい!」性格の若様を。
自身が常に注目の的、話の中心に居ないと気が済まない、自己中心的思考の若「おいローザ無視するなって!」
明らかにデミの制止の声が聞こえているハズなのだが、無視してノアに感謝(?)の述べるローザ。
「あら、若様いらっしゃったのですね。」
「居たじゃん!ローザを連れ立って来たんだから居るハズじゃん!
ってか本人目の前にして過去の汚点を羅列しないでくれ!」
「若様、まだ物語で言えば序章を話したに過ぎません。
ノア様に感謝を述べたいので暫し静観して頂きたいのですが…」
「あ、あぁ、分かったよ…」
「…とまぁ性格に難がありました若様を改心して頂き感謝の念に堪えません。
屋敷の者達を代表してお礼申し上げます。」
「別に狙って改心させようと思った訳じゃありませんよ。
僕に対して癪に触る言動をかなりされたので、僕としては八つ当たりをしただけです。
ねぇ、デミさん?」
「あ、あぁ…今でもたまにノア君に殺されまくった時の光景を思い出し、手が震えるよ…
それに夢でも見るんだ…
当時のイキった俺の目の前に現れ、抵抗虚しく一方的に蹂躙されてく光景が…」
デミはその時の事を思い出したのか、体を震わせていた。
が
「やだなー。
その言い方、まるで僕が化物みたいな言い方じゃないですか~。」
ノアはケラケラと笑い、「冗談上手いんだから、もー。」とでも言いたげな様子である。
このやり取りを見ていたデミと、話を途中から聞いていた『新鋭の翼』の面々は「いやいや…」とでも言いたげな表情をしていた。
それに対してノアは少し心外な気持ちであった。
何せ当時のノアは八つ当たり的な戦い方を取ってはいたが、何も精神的に壊してやろう、なんて気持ちは特に無かったからだ。
デミに対して"ほぼ一撃死"系の攻撃しか繰り出していなかったのもその気持ちの現れである。
ノアが本気で精神的に壊してやろうと思ったのなら"徹底して殺さない"で半死半生の責め苦を味わわせるつもりである。
「ですが内容はどうであれ、結果的には「デミさんにも言いましたが、納得はしているのですか?内容はどうであれ、僕は前領主のコモンさんを殺してるんですよ?」
「っ!?」
以前王都でもデミに言った事と同じ事を言う。
ローザの言う通り、内容はどうであれ結果的に良い作用を生んでいるなら素直に感謝に応じる事だろう。
今も時勢的にはスロア領にとって良い流れに向かいつつあるが、人の心と言うのはそう簡単に割り切れる物では無い。
ノアが発したこの言葉に、以前同じ事を言われたデミは未だ答えが見出だせていない様な表情である。
「…コモン様が王都で行った凶行が領内に伝わった時、私含め領内の者達皆寝耳に水で御座いました…
"何かの間違いだ"、"そんな大それた事に気付けない訳無い"と誰も信じていませんでした。
王都から調査の者達がやって来て、コモン様の凶行が明るみになって来ると、私達は漠然と"終わった"と感じました。
特段名産等無いこの領地で細々と、だが数千にも及ぶ領民の為に何とか経営してきた苦労が徒労に終わると…
事の大きさを考えれば、領の者と言うだけで今後後ろ指を差される事は必至。
領地剥奪所か忌み地として消滅も辞さなかった事でしょう。
ですがエルニストラ王曰く被害は御前試合の会場位で最小限に抑えられた事と、人的被害がデミ様と討伐した少年だけだった為、仕出かした事の大きさの割には軽い罰で済みました。
領地の残留と領民の行く末に多大な影響を及ぼして下さったノア様に、何を不満が御座いますでしょうか。」
ノアの目をジッと見詰めて言い放つローザ。
これを受けたノアは真意である、と受け取る事にした。
「そうですか…
『パンッ!』さて、小難しい話はここまでにしましょう。
デミさん、何か手伝う事ありませんか?」
「え?いや、待て、手伝うってまだ10分も休んで無いだろ!?」
「いーや、休みました。
2日分位は休ませて貰いましたのでもう大丈夫です。」
「止めろ!次休憩する者が10分しか休めなくなるから止めろぉっ!」
その後、何だかんだ理由を付けて子供達の一時的な住まいであるテント約1000基の設営をこなすノアなのであった。
と言う立て看板の上に顎を乗せて休むノアは、何とも手持ち無沙汰な様子であった。
だが、ノアが休憩に入ってくれたお陰か、他の冒険者や騎士達も休憩を取る者がチラホラと出始めていた。
ノアから妙な圧を受けたハナに至っては、舌をでろりと垂らしつつ、水をガバガバと煽っていた。
「うーむ…我が家では"別の事をやってる時、それ即ち休憩"と教わってきたんだけどなぁ。」
「どんな家訓だよ、それ…」
と、ノア家の家訓にツッコミを入れつつ横に座り込んだのはジョーであった。
「お疲れ様です、ジョーさん。」
「君程では無いがね。
いやはや…あの国との商売は毎度の事ながら疲れるよ…」
「そうなんですか?」
「あぁ。
基本的にウチら商人は信用が第一だから扱う商品に紛い物や、品質の悪い物なんかは入れない様にしているんだよ。」
「まぁそうですね。」
「だがあの国の者達は、何かしら難癖を付けて商品を何とか安く買い叩こうとしてくるんだ…
野菜果物なら傷を付ける、凹ませる、汚れてるとか。
あの国の者達全体的に酒が好きみたいなんだが、"瓶に傷がある"、"酒の質が悪い"、"色味がおかしい"等々言いたい放題だよ。 」
「うへぇ…」
普段ニコニコ顔のジョーが話の最中、終始うんざり顔なのがヒュマノ聖王国での商いの面倒臭さを物語っていた。
「まぁ良いさ。
そっちに気を散らしてくれたお陰で私の仲間の仕事がやり易かったからね。」
にっこり…
先程までうんざり顔だったジョーが妖しく嗤う。
「…一体何やってたんですか?」
「今は詳しく話せないけど、取り敢えず"調査"をね。」
何故だろう、ジョーは笑ってはいるのだが、深入りしない方が良い気がする"嗤い方"なので、ノアは適当に「ふーん」「ほーん」と相槌を打ちつつ、この話をしれっと終わらせる事にした。
「よ、ノア君休んでるか?」
「見ての通りべふよ。」
立て看板に顎を乗せたノアが、デミにそう返事を返す。
漸く一息付ける状況になったデミは、執事のローザを連れ立ってやって来た。
スッ、ペコッ。
「お初にお目に掛かります。
私はこの度領主と成られましたデミ・スロア様の執事であり、前領主のコモン・スロア様の代わりに領地経営を営んでおりましたローザです。」
「この間は覗き見る様な真似をしてすいません、僕は新人冒険者の『ガシッ!』「ノア様ですよね!?」
「あ、はい。」
ローザが名乗ってきたので名乗り返そうとするも、ノアの手をガシリと掴んで食い気味に被せてきた。
デミもローザの豹変ぶりに、面食らっていた。
「あなたには感謝してもしきれません!
人間の良くない部分を煮詰めた様な性格の若様「おい。」を。
人に対して優しさや慈しみ等の感情を一切持たない糞みたいな「おい!」性格の若様を。
自身が常に注目の的、話の中心に居ないと気が済まない、自己中心的思考の若「おいローザ無視するなって!」
明らかにデミの制止の声が聞こえているハズなのだが、無視してノアに感謝(?)の述べるローザ。
「あら、若様いらっしゃったのですね。」
「居たじゃん!ローザを連れ立って来たんだから居るハズじゃん!
ってか本人目の前にして過去の汚点を羅列しないでくれ!」
「若様、まだ物語で言えば序章を話したに過ぎません。
ノア様に感謝を述べたいので暫し静観して頂きたいのですが…」
「あ、あぁ、分かったよ…」
「…とまぁ性格に難がありました若様を改心して頂き感謝の念に堪えません。
屋敷の者達を代表してお礼申し上げます。」
「別に狙って改心させようと思った訳じゃありませんよ。
僕に対して癪に触る言動をかなりされたので、僕としては八つ当たりをしただけです。
ねぇ、デミさん?」
「あ、あぁ…今でもたまにノア君に殺されまくった時の光景を思い出し、手が震えるよ…
それに夢でも見るんだ…
当時のイキった俺の目の前に現れ、抵抗虚しく一方的に蹂躙されてく光景が…」
デミはその時の事を思い出したのか、体を震わせていた。
が
「やだなー。
その言い方、まるで僕が化物みたいな言い方じゃないですか~。」
ノアはケラケラと笑い、「冗談上手いんだから、もー。」とでも言いたげな様子である。
このやり取りを見ていたデミと、話を途中から聞いていた『新鋭の翼』の面々は「いやいや…」とでも言いたげな表情をしていた。
それに対してノアは少し心外な気持ちであった。
何せ当時のノアは八つ当たり的な戦い方を取ってはいたが、何も精神的に壊してやろう、なんて気持ちは特に無かったからだ。
デミに対して"ほぼ一撃死"系の攻撃しか繰り出していなかったのもその気持ちの現れである。
ノアが本気で精神的に壊してやろうと思ったのなら"徹底して殺さない"で半死半生の責め苦を味わわせるつもりである。
「ですが内容はどうであれ、結果的には「デミさんにも言いましたが、納得はしているのですか?内容はどうであれ、僕は前領主のコモンさんを殺してるんですよ?」
「っ!?」
以前王都でもデミに言った事と同じ事を言う。
ローザの言う通り、内容はどうであれ結果的に良い作用を生んでいるなら素直に感謝に応じる事だろう。
今も時勢的にはスロア領にとって良い流れに向かいつつあるが、人の心と言うのはそう簡単に割り切れる物では無い。
ノアが発したこの言葉に、以前同じ事を言われたデミは未だ答えが見出だせていない様な表情である。
「…コモン様が王都で行った凶行が領内に伝わった時、私含め領内の者達皆寝耳に水で御座いました…
"何かの間違いだ"、"そんな大それた事に気付けない訳無い"と誰も信じていませんでした。
王都から調査の者達がやって来て、コモン様の凶行が明るみになって来ると、私達は漠然と"終わった"と感じました。
特段名産等無いこの領地で細々と、だが数千にも及ぶ領民の為に何とか経営してきた苦労が徒労に終わると…
事の大きさを考えれば、領の者と言うだけで今後後ろ指を差される事は必至。
領地剥奪所か忌み地として消滅も辞さなかった事でしょう。
ですがエルニストラ王曰く被害は御前試合の会場位で最小限に抑えられた事と、人的被害がデミ様と討伐した少年だけだった為、仕出かした事の大きさの割には軽い罰で済みました。
領地の残留と領民の行く末に多大な影響を及ぼして下さったノア様に、何を不満が御座いますでしょうか。」
ノアの目をジッと見詰めて言い放つローザ。
これを受けたノアは真意である、と受け取る事にした。
「そうですか…
『パンッ!』さて、小難しい話はここまでにしましょう。
デミさん、何か手伝う事ありませんか?」
「え?いや、待て、手伝うってまだ10分も休んで無いだろ!?」
「いーや、休みました。
2日分位は休ませて貰いましたのでもう大丈夫です。」
「止めろ!次休憩する者が10分しか休めなくなるから止めろぉっ!」
その後、何だかんだ理由を付けて子供達の一時的な住まいであるテント約1000基の設営をこなすノアなのであった。
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