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王都編
ヒュマノ聖王国の者
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「ほぅ、我々をヒュマノ聖王国の者だと知っているとはな。」
「我々の名声が広く世間に轟いている様だな!」
「名声?どちらかと言えば悪評の方ですがね。」
声高らかに発する男性に水を差す様にノアが口を挟む。
「何だと貴様!根も葉も無い事を!」
「まぁ落ち着けセドル。
今の発言については不問にするとしよう。
我々が貴様の元へわざわざ訪れたのは「ね、ねぇ人間さま…冒険者見付けた、ご、ご飯…」
白銀鎧の男性の言葉を遮る形で子供の獣人が食事を懇願してきた。
バキッ!「……ッ…」
「…チッ!」ぽてっ
白銀鎧の男性は話を遮られた事に腹を立て、腰に提げていた剣の鞘で獣人を叩く。
叩かれた事に対して言葉を発っさない辺り、日常的に暴行が行われているのだろう。
後ろに控えていたもう1人の男性がアイテムボックスから無造作に取り出した、一口分にも満たないパン屑を通りに投げる。
そのパン屑目掛けて子供の獣人2人が群がる。
「…は、はぁっ!」
「…ご、ご飯…」
その光景を見たノアは静かに目が据わる。
「ふ、申し訳無いな。
ガキは物覚えが良いはずなのだが躾がまだなっていない様だ。」
「道具の分際で飯をねだるとは…国に戻ったらもう少し厳しく育てる事にしよう。」
「…で?僕に何の用ですか。
奴隷を痛め付けるのを見せ付けに来た訳じゃないんでしょ?」
「おい貴様!先程から我々に対する発言、無礼ではないか!」
ガシッ!「うぉわっ!?」ガシャンッ!
男性の1人がノアの胸ぐらを掴みに掛かるが、荒鬼神を装備したノアは非常に重く、逆に自身がノアの方に引っ張られる形になる。
体勢を崩した男性をノアは、ヒラリとかわして立ち上がると、男性は座っていた席に突っ込んでしまった。
「…何1人で事故ってるんですか?
相変わらずヒュマノの人間は訳分かんない行動する人ばかりですねぇ。」
「こ、のガキ…」
「セドル、貴方は黙っていなさい、私が話をしよう。
冒険者のノアよ、此度私達が来たのは他でも無い、来る聖戦に参「断る。」
「「…は?」」
男性2人はノアが参戦要請を即座に蹴った事に対処出来ず、間の抜けた声を上げる事しか出来なかった。
「用はそれだけですね?
であれば僕はもう寝るので帰りますね、さようなら。」
そう言ってその場から離れようとすると
「下手に出れば調子に乗りおってこの糞ガキがぁっ!
おらガキ共!あのガキを捕まえろ!無理矢理にでも連れてくぞ!」
「「ガァアアアアアアッ!!」」
男性が言葉を発した直後、道端に項垂れていた子供の獣人2人の首輪が発光し、強制的に体が跳ね上がったかと思うと、猛烈な速度でノアに向け襲い掛かる。
ドドッ
ノアは1歩も動く事無く迫る子供の獣人を見据え、2人よりも更に素早い動作で腕を振って首元に強打を当て、一瞬の内に気絶させる。
「…ごめんな…」
ガッガシッ
痛みも無く、即座に気絶した獣人に小さく謝罪しつつ、倒れ込んだ獣人の枯れ木の様な体を受け止める。
「くそっ!タダ飯食らいの使えんガキ共が!
仕方無い、私自ら手を下すとするか。」
シュイン!
と、男性の1人がゴテゴテと装飾が施された剣を抜く。すると
ズズズズズズズズズズズズズズ…
獣人を抱き抱えるノアからとんでもない殺気が発せられている。
既に眼は赤黒く染まり、赤黒いオーラで4本の腕が生成。
『貴様ら、街の中で剣を抜く事の意味を理解しての行動なんだろうなぁ!』
普段戦闘の一切を奴隷任せにしているヒュマノの人間にとって、ノアが発するクラーケンレベルの殺気は洒落にならない物で、全身から脂汗を吹き出し、呼吸が儘ならない程に体が硬直し、失禁。
武器を即座に取り落とすと、剣に付いているゴテゴテの装飾が砕ける。
「ひ、ひぃ、ぃ…」
「…ぃ、いやだぁ…」
『こんな…年端のいかない子供に手を汚させ、対価も与えず虫けら同然の扱い!
黙って貴様らの話を聞いていた俺が馬鹿だった!
今すぐにでも灰塵に帰してやろうかぁっ!』
ノアから立ち昇るオーラの量は増大し、生成された腕は大木の様に巨大化。
口からは紫電混じりの炎が漏れ、ヒュマノの男性らの肌をチリチリと焼く。
が、肌を焼かれようがノアから発せられる殺気で身動き1つ取れず、苦悶の表情を浮かべる。
ノアは生成された巨腕を振り上げ、拳を固く握る。
拳からは金属同士が擦れ合う不快な音が上がり、途轍も無い圧が掛かっている事は想像に難くない。
その拳は強烈な圧が掛かったまま男性の脳天目掛けて振り下ろされ
「ノア君そこまでだ!」
声のした方を見ると、ノア達がいる後方の建物の屋根上にフードを目深に被った人物(恐らく獣人)が立ち、こちらの様子を窺っていた。
その時になって初めて気付いたが、ノア達の周囲には職員やら隊員らが直ぐに止めに入れる様、多岐に渡る魔法を発動可能状態にして待機していた。
「力を振り翳して相手を黙らせるやり方を取ってはいけない!それでは彼らと同類だ!
賢い君ならそこら辺の分別は付くハズだ!」
巨腕を振り上げた姿勢のまま立ち尽くすノアは、歯軋り一つ立てた直後、地面に巨腕を叩き付ける。
ギリッ ズゴンッ!
地面が波打ち、ヒュマノの男性2人は尻餅を着く。
直後にノアが纏っていたオーラや巨腕は霧散し、殺気も焼失して辺りは静寂に包まれる。
「今すぐにでも殺してやりたいが、コイツらと同類は御免だ。」
「…ふ、ふはは、は!
そこのフードの者よ、良くやった!
そのガキの身柄を拘束し、こちらに引き渡すが良い!」
「…身柄を拘束?
馬鹿言え、拘束されるのは貴様らだ。
街中で騒ぎを起こした上に抜剣しよって!
貴様らとそこの少年とのやり取りは終始記録させて貰った、言い逃れは出来んぞ!」
「ぐぬ…しかし我らはヒュマノ聖王国からの使者だ!
我らを裁けるのは我らの法の下でのみだ!」
「ほぅ?ならばコレならどうだ?
そこの獣人に着けている首輪を見せてみろ、国家間で禁止されている違法魔道具を使用しているだろう?
私はそちら側の知識も多少持っているのでな、知識有る者が見れば一目で分かるぞ?」
「う、ぐぬぬ…」
「そ、それは…」
「ノア君、その奴隷の子をこちらに。」
「はい。」
ノアは腕の中で気を失っている獣人を抱えつつフードの男性の元へ向かう。
「や、止め…そ、そうだ!そのガキ共はこの街へ来る途中に拾った知らぬガキだ!」
「そ、そうだ!我らが慈悲を掛け、同行を許してやったのだ!」
この発言には流石に周囲も呆気に取られる。
「慈悲ねぇ…貴様らの言う慈悲ってのは剣の鞘で相手をぶん殴る事を言うのか?」
「ふん、獣人なぞ生まれながらに罪な存在。
人間の出来損ない的存在の為に我らが気に留めただけでも感謝して貰いた『もういい、黙れ。』
再び静かに殺気を立ち昇らせたノアが2人に視線を向ける。
『そんなに喋りたいのなら好きなだけ喋らせてやる。
このまま来た道を戻り、王城へ向かえ。
貴様らが知り得る限りのヒュマノ聖王国の情報を全て隊員や諜報部の者達に伝えろ!
良いな?』
ノアの目を見た2人は次第に無表情となり体も人形の様に硬直。
先程までべらべらと喋っていた口はだらしなく開き、目も虚ろに変化する。
「「…はい…畏まりました…」」
そう言って今度は白銀鎧の2人が振り返り、よろよろと王城へ向け歩き始めた。
ノアから発せられていた殺気が落ち着いた所で獣人の子供2人を抱えた諜報部の獣人がノアの元へと歩み寄る。
「ノア君…今のは…?」
「はぁ…はぁ…はぁ…うっ、げぇぼぉっ…」ビチャチャ…
「お、おい!大丈夫か!?」
ズルッ
「ノア君!?」
「ノア様!?」
クロラとヴァンディットの2人は、ノアの異変に慌てて避難していた影の中から飛び出す。
「…だ、大丈…うげぼぉっ…」
ノアは足元が覚束ない状態で吐瀉物を撒き散らしながら2人から距離を取る。
今まで見た事の無いノアの異変に、ヴァンディットは立ち尽くしていた。
「ノア君!落ち着いて、慌てずゆっくり息を吐いて!」
「げ…か、ふっ、ふぅ、ふぅ…」
「うん、その調子、その調子。
落ち着いて、ゆっくりで良いから楽な姿勢に。」
呼吸が安定したノアはクロラに誘導されるままゆっくりと地面に腰を下ろす。
「…ごめ…あの獣人の…子、達を酷い目…に合わせた…アイツらの事が、許せ、なくて…」
「うん、うん…また呼吸が早くなってるから落ち着いて…」
「ふっ、ふぅ、ふぅ…
…あまり使いたくなかったけど…スキル使って情報を絞り取ってやろうと思って…」
「…その代わり反動が凄まじい様だな…
何事かと焦ったぞ…だがお手柄だ。
隊員達は速やかに奴らを追い、情報を聞き出せ!」
未だ呼吸が乱れているノアは、駆け出す隊員らを見送り、暫く休む事にした。
「我々の名声が広く世間に轟いている様だな!」
「名声?どちらかと言えば悪評の方ですがね。」
声高らかに発する男性に水を差す様にノアが口を挟む。
「何だと貴様!根も葉も無い事を!」
「まぁ落ち着けセドル。
今の発言については不問にするとしよう。
我々が貴様の元へわざわざ訪れたのは「ね、ねぇ人間さま…冒険者見付けた、ご、ご飯…」
白銀鎧の男性の言葉を遮る形で子供の獣人が食事を懇願してきた。
バキッ!「……ッ…」
「…チッ!」ぽてっ
白銀鎧の男性は話を遮られた事に腹を立て、腰に提げていた剣の鞘で獣人を叩く。
叩かれた事に対して言葉を発っさない辺り、日常的に暴行が行われているのだろう。
後ろに控えていたもう1人の男性がアイテムボックスから無造作に取り出した、一口分にも満たないパン屑を通りに投げる。
そのパン屑目掛けて子供の獣人2人が群がる。
「…は、はぁっ!」
「…ご、ご飯…」
その光景を見たノアは静かに目が据わる。
「ふ、申し訳無いな。
ガキは物覚えが良いはずなのだが躾がまだなっていない様だ。」
「道具の分際で飯をねだるとは…国に戻ったらもう少し厳しく育てる事にしよう。」
「…で?僕に何の用ですか。
奴隷を痛め付けるのを見せ付けに来た訳じゃないんでしょ?」
「おい貴様!先程から我々に対する発言、無礼ではないか!」
ガシッ!「うぉわっ!?」ガシャンッ!
男性の1人がノアの胸ぐらを掴みに掛かるが、荒鬼神を装備したノアは非常に重く、逆に自身がノアの方に引っ張られる形になる。
体勢を崩した男性をノアは、ヒラリとかわして立ち上がると、男性は座っていた席に突っ込んでしまった。
「…何1人で事故ってるんですか?
相変わらずヒュマノの人間は訳分かんない行動する人ばかりですねぇ。」
「こ、のガキ…」
「セドル、貴方は黙っていなさい、私が話をしよう。
冒険者のノアよ、此度私達が来たのは他でも無い、来る聖戦に参「断る。」
「「…は?」」
男性2人はノアが参戦要請を即座に蹴った事に対処出来ず、間の抜けた声を上げる事しか出来なかった。
「用はそれだけですね?
であれば僕はもう寝るので帰りますね、さようなら。」
そう言ってその場から離れようとすると
「下手に出れば調子に乗りおってこの糞ガキがぁっ!
おらガキ共!あのガキを捕まえろ!無理矢理にでも連れてくぞ!」
「「ガァアアアアアアッ!!」」
男性が言葉を発した直後、道端に項垂れていた子供の獣人2人の首輪が発光し、強制的に体が跳ね上がったかと思うと、猛烈な速度でノアに向け襲い掛かる。
ドドッ
ノアは1歩も動く事無く迫る子供の獣人を見据え、2人よりも更に素早い動作で腕を振って首元に強打を当て、一瞬の内に気絶させる。
「…ごめんな…」
ガッガシッ
痛みも無く、即座に気絶した獣人に小さく謝罪しつつ、倒れ込んだ獣人の枯れ木の様な体を受け止める。
「くそっ!タダ飯食らいの使えんガキ共が!
仕方無い、私自ら手を下すとするか。」
シュイン!
と、男性の1人がゴテゴテと装飾が施された剣を抜く。すると
ズズズズズズズズズズズズズズ…
獣人を抱き抱えるノアからとんでもない殺気が発せられている。
既に眼は赤黒く染まり、赤黒いオーラで4本の腕が生成。
『貴様ら、街の中で剣を抜く事の意味を理解しての行動なんだろうなぁ!』
普段戦闘の一切を奴隷任せにしているヒュマノの人間にとって、ノアが発するクラーケンレベルの殺気は洒落にならない物で、全身から脂汗を吹き出し、呼吸が儘ならない程に体が硬直し、失禁。
武器を即座に取り落とすと、剣に付いているゴテゴテの装飾が砕ける。
「ひ、ひぃ、ぃ…」
「…ぃ、いやだぁ…」
『こんな…年端のいかない子供に手を汚させ、対価も与えず虫けら同然の扱い!
黙って貴様らの話を聞いていた俺が馬鹿だった!
今すぐにでも灰塵に帰してやろうかぁっ!』
ノアから立ち昇るオーラの量は増大し、生成された腕は大木の様に巨大化。
口からは紫電混じりの炎が漏れ、ヒュマノの男性らの肌をチリチリと焼く。
が、肌を焼かれようがノアから発せられる殺気で身動き1つ取れず、苦悶の表情を浮かべる。
ノアは生成された巨腕を振り上げ、拳を固く握る。
拳からは金属同士が擦れ合う不快な音が上がり、途轍も無い圧が掛かっている事は想像に難くない。
その拳は強烈な圧が掛かったまま男性の脳天目掛けて振り下ろされ
「ノア君そこまでだ!」
声のした方を見ると、ノア達がいる後方の建物の屋根上にフードを目深に被った人物(恐らく獣人)が立ち、こちらの様子を窺っていた。
その時になって初めて気付いたが、ノア達の周囲には職員やら隊員らが直ぐに止めに入れる様、多岐に渡る魔法を発動可能状態にして待機していた。
「力を振り翳して相手を黙らせるやり方を取ってはいけない!それでは彼らと同類だ!
賢い君ならそこら辺の分別は付くハズだ!」
巨腕を振り上げた姿勢のまま立ち尽くすノアは、歯軋り一つ立てた直後、地面に巨腕を叩き付ける。
ギリッ ズゴンッ!
地面が波打ち、ヒュマノの男性2人は尻餅を着く。
直後にノアが纏っていたオーラや巨腕は霧散し、殺気も焼失して辺りは静寂に包まれる。
「今すぐにでも殺してやりたいが、コイツらと同類は御免だ。」
「…ふ、ふはは、は!
そこのフードの者よ、良くやった!
そのガキの身柄を拘束し、こちらに引き渡すが良い!」
「…身柄を拘束?
馬鹿言え、拘束されるのは貴様らだ。
街中で騒ぎを起こした上に抜剣しよって!
貴様らとそこの少年とのやり取りは終始記録させて貰った、言い逃れは出来んぞ!」
「ぐぬ…しかし我らはヒュマノ聖王国からの使者だ!
我らを裁けるのは我らの法の下でのみだ!」
「ほぅ?ならばコレならどうだ?
そこの獣人に着けている首輪を見せてみろ、国家間で禁止されている違法魔道具を使用しているだろう?
私はそちら側の知識も多少持っているのでな、知識有る者が見れば一目で分かるぞ?」
「う、ぐぬぬ…」
「そ、それは…」
「ノア君、その奴隷の子をこちらに。」
「はい。」
ノアは腕の中で気を失っている獣人を抱えつつフードの男性の元へ向かう。
「や、止め…そ、そうだ!そのガキ共はこの街へ来る途中に拾った知らぬガキだ!」
「そ、そうだ!我らが慈悲を掛け、同行を許してやったのだ!」
この発言には流石に周囲も呆気に取られる。
「慈悲ねぇ…貴様らの言う慈悲ってのは剣の鞘で相手をぶん殴る事を言うのか?」
「ふん、獣人なぞ生まれながらに罪な存在。
人間の出来損ない的存在の為に我らが気に留めただけでも感謝して貰いた『もういい、黙れ。』
再び静かに殺気を立ち昇らせたノアが2人に視線を向ける。
『そんなに喋りたいのなら好きなだけ喋らせてやる。
このまま来た道を戻り、王城へ向かえ。
貴様らが知り得る限りのヒュマノ聖王国の情報を全て隊員や諜報部の者達に伝えろ!
良いな?』
ノアの目を見た2人は次第に無表情となり体も人形の様に硬直。
先程までべらべらと喋っていた口はだらしなく開き、目も虚ろに変化する。
「「…はい…畏まりました…」」
そう言って今度は白銀鎧の2人が振り返り、よろよろと王城へ向け歩き始めた。
ノアから発せられていた殺気が落ち着いた所で獣人の子供2人を抱えた諜報部の獣人がノアの元へと歩み寄る。
「ノア君…今のは…?」
「はぁ…はぁ…はぁ…うっ、げぇぼぉっ…」ビチャチャ…
「お、おい!大丈夫か!?」
ズルッ
「ノア君!?」
「ノア様!?」
クロラとヴァンディットの2人は、ノアの異変に慌てて避難していた影の中から飛び出す。
「…だ、大丈…うげぼぉっ…」
ノアは足元が覚束ない状態で吐瀉物を撒き散らしながら2人から距離を取る。
今まで見た事の無いノアの異変に、ヴァンディットは立ち尽くしていた。
「ノア君!落ち着いて、慌てずゆっくり息を吐いて!」
「げ…か、ふっ、ふぅ、ふぅ…」
「うん、その調子、その調子。
落ち着いて、ゆっくりで良いから楽な姿勢に。」
呼吸が安定したノアはクロラに誘導されるままゆっくりと地面に腰を下ろす。
「…ごめ…あの獣人の…子、達を酷い目…に合わせた…アイツらの事が、許せ、なくて…」
「うん、うん…また呼吸が早くなってるから落ち着いて…」
「ふっ、ふぅ、ふぅ…
…あまり使いたくなかったけど…スキル使って情報を絞り取ってやろうと思って…」
「…その代わり反動が凄まじい様だな…
何事かと焦ったぞ…だがお手柄だ。
隊員達は速やかに奴らを追い、情報を聞き出せ!」
未だ呼吸が乱れているノアは、駆け出す隊員らを見送り、暫く休む事にした。
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