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旅立ち~オードゥス出立まで
うとうと
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中層1階の入口で壁を背に休憩中のノア。
職員達が調査を終えるのを待っていたが上層から吹き下ろす心地よい風に当たっていたからかうとうとしだす。
「あー、ライルさん…少し寝ます。調査終わったら起こして下さい…」
「分かったにゃ、ゆっくり眠ると良いにゃ。」
ライルに断りを入れ、本格的に寝る体勢に入るノアの姿をライルは見て思う。
(こんな子供がさっきまで蜂共を相手に大暴れしてたにゃんて今でも信じられにゃいにゃ…)
「…」
「…!」
「…ア…く…!」
「…きて!ノア君!」
「…うぶにゃ、ね…けにゃ…」
誰かが叫ぶ声と体を揺さぶられる感覚に一気に覚醒するノア。
目を開くと目の前にはボロボロ泣いているクロラがノアの体を揺すり、そんなクロラをおろおろしながら落ち着かせるライル。
心配そうにノアの様子を見守るジェイル、ロゼ、ポーラがいた。
(しまった、感知系完全に切って寝てしまった…)
「ノアく…、ノア君!大丈夫!?」
「クロラさん!?大丈夫!大丈夫ですから落ち着いて!」
目を覚ましたらボロ泣きのクロラがいたのだ、そりゃ焦る。
落ち着かせる為クロラの肩に触れようとして今の自分の状態に気付く。
色々な箇所を鋼鉄の針で貫かれた為防具や下に着てる服が所々穴だらけの上、全身頭からから指先まで乾いた血でバリバリである。
「あー、大丈夫ですよ。傷口は塞がってますから。」
「そう言う問題じゃ…無い…ょ……」
「あ、ちょ…」
ボロ泣きの状態でクロラがノアに抱き付く。ノアは血が付くかも知れないので身を捩るが無駄の様だ。
耳元でクロラが小さく嗚咽を漏らしているので血が付いてない右掌で落ち着かせる様に後頭部をぽんぽん叩き「大丈夫です」と呟く。
こういう時は空気を読んで見守ってくれるロゼとポーラ。
ジェイルもノアが無事で一安心の様だ。
「それで何故皆ここに?」
ノアがジェイルに質問を飛ばす。
「俺達が上層3階を探索していたらギルドの職員の集団が駆けて行くのを見てな。
何があったか聞いたら『ノアが危機的状況にある』って言われたんでお願いして同行させて貰ったんだ。
それで上層5階で待機して安全を確保出来たら呼ぶからと言われて今下りてきた所だ。」
「そーしたら壁の所で血塗れでノア君倒れてるんだもん慌てちゃったよ。」
「でも少年がここで休んでるって事は討伐出来たのね?」
「あぁ、切り札使って何とかね。」
会話に一区切り付いた所で未だに抱き付いてるクロラの様子を見る。
どうやら落ち着いた様なので一旦離れる。
「クロラさん?大丈夫ですか?」
優しい声で語り掛けるノアだがクロラは顔を真っ赤にして怒りだす。
「何で、1人でこ…んな無茶な事して、私が来ても…戦力にならないかも知れないけど、一言言ってくれたって良いじゃない…」
また目から大粒の涙を流して溜め込んでいた物を吐き出す。
「ノア…君自分の事あまり話さないし、話してもはぐらかす…から私の事避けてるんじゃないかって…」
「違っ…」
「『許す』とは言ってくれたけど、押し付けの事をまだ根に持ってるのかな…とか考えて、でも私からは聞けないから…悪い方…にばっか考えちゃって…」
「…」
「お願い、1人で無謀な事、はしないで…ノア君が私を助けてくれた様、に私にもノア君を手助けさせて欲しいの…」
嗚咽を漏らして泣くクロラ。ノアはいつもの様にはぐらかすのを止めた。
「クロラさん、押し付けの事については本当に許しています。
自分の事を話さないのもはぐらかすのも自分の【適正】の事を知ると避けられると思ったからです。」
「そんなこと…」
「自分もそこまで鈍くはないつもりです。【適正】を打ち明けなくても皆さんは僕を僕として接してくれました。
だからもう隠す必要も無いかなって思ってたんです。
僕の適正は一人行動特化型の【ソロ】って言うものです。 なので嫌いだからとかそう言った理由で避けてた訳じゃないんです。」
「【ソロ】か、確かに聞いたこと無いな…」
「あー、だから一対一で戦った時すごく強いのね。」
「私の<支援魔法>が発動されなかったのもそれのせいなのね?」
「そういう事です。だからパーティを組んだら足を引っ張る恐れがあるんです。」
「じゃあ、これからもずっと1人、なのね…」
「はい…ただあくまで戦闘での話ですから街で一緒に過ごす分には弊害とかはありません。
僕も出来ることなら一緒にいたいですしね。」
「え」
「人からの好意に気付かない程鈍感じゃあありませんよ。
ただ先程の理由もあって意識しないようにしていました。
クロラさん、今話した通り僕の【適正】は特殊です。
今後も1人で行動する事が多いでしょう。1人でダンジョン行って、1人でモンスターと戦って、時には今みたいな無茶をすることもあるでしょう。その時はもちろんクロラさん、少なくともあなたには一言言ってからにします。約束ですからね。」
「…うん。」
「それで、いきなり相談なんですが。
明日のお昼2人でご飯食べに行きませんか?」
職員達が調査を終えるのを待っていたが上層から吹き下ろす心地よい風に当たっていたからかうとうとしだす。
「あー、ライルさん…少し寝ます。調査終わったら起こして下さい…」
「分かったにゃ、ゆっくり眠ると良いにゃ。」
ライルに断りを入れ、本格的に寝る体勢に入るノアの姿をライルは見て思う。
(こんな子供がさっきまで蜂共を相手に大暴れしてたにゃんて今でも信じられにゃいにゃ…)
「…」
「…!」
「…ア…く…!」
「…きて!ノア君!」
「…うぶにゃ、ね…けにゃ…」
誰かが叫ぶ声と体を揺さぶられる感覚に一気に覚醒するノア。
目を開くと目の前にはボロボロ泣いているクロラがノアの体を揺すり、そんなクロラをおろおろしながら落ち着かせるライル。
心配そうにノアの様子を見守るジェイル、ロゼ、ポーラがいた。
(しまった、感知系完全に切って寝てしまった…)
「ノアく…、ノア君!大丈夫!?」
「クロラさん!?大丈夫!大丈夫ですから落ち着いて!」
目を覚ましたらボロ泣きのクロラがいたのだ、そりゃ焦る。
落ち着かせる為クロラの肩に触れようとして今の自分の状態に気付く。
色々な箇所を鋼鉄の針で貫かれた為防具や下に着てる服が所々穴だらけの上、全身頭からから指先まで乾いた血でバリバリである。
「あー、大丈夫ですよ。傷口は塞がってますから。」
「そう言う問題じゃ…無い…ょ……」
「あ、ちょ…」
ボロ泣きの状態でクロラがノアに抱き付く。ノアは血が付くかも知れないので身を捩るが無駄の様だ。
耳元でクロラが小さく嗚咽を漏らしているので血が付いてない右掌で落ち着かせる様に後頭部をぽんぽん叩き「大丈夫です」と呟く。
こういう時は空気を読んで見守ってくれるロゼとポーラ。
ジェイルもノアが無事で一安心の様だ。
「それで何故皆ここに?」
ノアがジェイルに質問を飛ばす。
「俺達が上層3階を探索していたらギルドの職員の集団が駆けて行くのを見てな。
何があったか聞いたら『ノアが危機的状況にある』って言われたんでお願いして同行させて貰ったんだ。
それで上層5階で待機して安全を確保出来たら呼ぶからと言われて今下りてきた所だ。」
「そーしたら壁の所で血塗れでノア君倒れてるんだもん慌てちゃったよ。」
「でも少年がここで休んでるって事は討伐出来たのね?」
「あぁ、切り札使って何とかね。」
会話に一区切り付いた所で未だに抱き付いてるクロラの様子を見る。
どうやら落ち着いた様なので一旦離れる。
「クロラさん?大丈夫ですか?」
優しい声で語り掛けるノアだがクロラは顔を真っ赤にして怒りだす。
「何で、1人でこ…んな無茶な事して、私が来ても…戦力にならないかも知れないけど、一言言ってくれたって良いじゃない…」
また目から大粒の涙を流して溜め込んでいた物を吐き出す。
「ノア…君自分の事あまり話さないし、話してもはぐらかす…から私の事避けてるんじゃないかって…」
「違っ…」
「『許す』とは言ってくれたけど、押し付けの事をまだ根に持ってるのかな…とか考えて、でも私からは聞けないから…悪い方…にばっか考えちゃって…」
「…」
「お願い、1人で無謀な事、はしないで…ノア君が私を助けてくれた様、に私にもノア君を手助けさせて欲しいの…」
嗚咽を漏らして泣くクロラ。ノアはいつもの様にはぐらかすのを止めた。
「クロラさん、押し付けの事については本当に許しています。
自分の事を話さないのもはぐらかすのも自分の【適正】の事を知ると避けられると思ったからです。」
「そんなこと…」
「自分もそこまで鈍くはないつもりです。【適正】を打ち明けなくても皆さんは僕を僕として接してくれました。
だからもう隠す必要も無いかなって思ってたんです。
僕の適正は一人行動特化型の【ソロ】って言うものです。 なので嫌いだからとかそう言った理由で避けてた訳じゃないんです。」
「【ソロ】か、確かに聞いたこと無いな…」
「あー、だから一対一で戦った時すごく強いのね。」
「私の<支援魔法>が発動されなかったのもそれのせいなのね?」
「そういう事です。だからパーティを組んだら足を引っ張る恐れがあるんです。」
「じゃあ、これからもずっと1人、なのね…」
「はい…ただあくまで戦闘での話ですから街で一緒に過ごす分には弊害とかはありません。
僕も出来ることなら一緒にいたいですしね。」
「え」
「人からの好意に気付かない程鈍感じゃあありませんよ。
ただ先程の理由もあって意識しないようにしていました。
クロラさん、今話した通り僕の【適正】は特殊です。
今後も1人で行動する事が多いでしょう。1人でダンジョン行って、1人でモンスターと戦って、時には今みたいな無茶をすることもあるでしょう。その時はもちろんクロラさん、少なくともあなたには一言言ってからにします。約束ですからね。」
「…うん。」
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