39 / 1,134
旅立ち~オードゥス出立まで
何故かクロラとノア
しおりを挟む
ジェイルのパーティメンバーにギルドでの一件を聞かれたノアは場所をおばさんの食堂に移していた。ジェイル、ロゼ、ポーラの向かいに何故かクロラとノアが隣に座る形である。
ノアは一通り説明を終え、テーブルに顎を乗せてぐでっとしている。
「それはあいつ等顔真っ赤になるわね。この街に来るまで録に戦いもしないで金の話だとか素材売ったらどうとかどうでもいい事ばかり話して…
さっさと前出ろ、『火球』ぶつけてやるからよ。って毎回思ってたわ。」
魔法使いのポーラはバッツとガッツの言動を思い出して毒づく。怖い。
「でも大丈夫なのノア君?あの2人多分また絡んで来ると思うよ?」
隣に座るクロラが心配してノアに声を掛ける。
ぐでったノアはクロラをチラリと見た後
「ま、結構煽ったからこれで当分はクロラさん達に付きまとったりする事は無いでしょうね。」
ノアの発言を聞いて皆が「ああ、なるほど。」と言った顔をする。
ノアの目的は全方位に向けられてたバッツとガッツの魔の手を自身に向けさせる事であった。
スルーするだけなら簡単だが別のパーティが餌食になってしまう。
ギルドとしても実際に被害が出ない限りは手出し出来ない為判断が難しい所である。
「それじゃ自分はそろそろ寝ますね。
明後日の為に明日は色々やることがあるので…」
「え?ノア君明後日何かあるの?」
「あぁ、明後日伐採師の人と一緒に中層に潜るので、明日上層4階、5階埋めてくるんです。」
「なぁノア君。その話もう少し詳しく。」
「少年。座りなさい。なに、時間はそこまで取らないさ。」
「あ、帰れないやつだ。これ。」
興味を持ったロゼとポーラがノアを引き留める。
ロゼ、ジェイル、クロラ、ポーラと次々と質問を投げ掛けてくる。
「伐採師ってのと何を採ってくるんだ?」
「中層に生えてる『魔竹』ってのを取りに行くんだ。弓の製作依頼を出してるんだがその素材が必要らしい。」
「な、もう武器の製作依頼を頼んでいるのか?」
「あぁ、弓だけじゃなくて剣と刺突武器、あとダガーも作って貰ってる。来週には出来るらしい。」
「え、ノア君。弓は今のままじゃダメなの?」
「自分が持ってる弓は4割位の力で使ってるんだ。本気で引っ張ると壊れちゃうからね。」
「でもな少年。中層に下りる前に熊に遭遇したらどうするんだい?」
「まぁ出来る限り避けて行こうと思いますけど。どうしてもって時は倒します。今日も2頭倒してきましたし。」
「あ!もしかしてその剣とダガーって…」
「ええ、戦った時に壊れちゃいましてね。」
「「「「………。」」」」
熊と戦った事に絶句する4人。その中の盾役を担うジェイルが真っ先に聞いてきた。
「すまない。君は熊とどう戦ったんだ?」
聞いてきたジェイルの前に手を出し制する。
「盾役を担うジェイルとしては聞きたい事であるのは理解している。だが話しても良いが真似しない方がいい。
とりあえず熊と戦うのであれば小さくても良いから盾を用意するのをオススメする。」
それでも聞きたそうにしているジェイルにノアは提案を出す。
「じゃあ今度機会があればパーティは無理だが同行という形で狩りに行こう。それなら自分の【適正】にも引っ掛からないだろう。」
そのノアの提案に静かに頷く。
「ねぇ少年。ずっと気になっていたんだが君の【適正】は一体何なんだい?今の話を聞く限りだと何か制約がありそうだが…」
ポーラが聞いてきたことだが全員が気になっている所だろう。
「自分の【適正】は大分特殊でね、自分もまだ把握しきれてないんだが、単独行動には効果があって誰かと一緒に戦うと効果が無くなるんだ。
ポーラさんは<支援魔法>は何か使えますか?」
「<守り手>とか<癒しの光>で良いなら使えるわよ?」
<守り手>…一定時間防御効果のあるオーラを纏う。
<癒しの光>…光を任意の対象に当てると回復効果を与える。
「それを僕に掛けて貰っても良いですか?多分その方が1発で分かると思うので。」
「ええ…<癒しの光>!……あれ?<癒しの光>!<守り手>!ウソ!?何で発動しないの?」
ノアに手をかざし<支援魔法>を掛けるが発動する気配が一切無い。
不発の場合魔力が抜ける感覚だけ発生するがこの場合は魔力消費が無く、そもそも発動すらしない状況らしい。
「こんな感じで僕は他人からの<支援魔法>を受け付けないんです。回復魔法であっても。」
人数的に不利な1人という状況な上怪我を負った際の回復を誰からも受け取れないと言うことに4人はゾッとする。
「ノア君魔法は使えないの?」
首を横に振るノア。
「まぁその代わりに…自作ですけど回復玉とか作ってますんで余程の事がなければ大丈夫ですよ。」
腰のカバンから自作の回復玉を取り出す。
「へー、回復玉何て初めて見たよ。」
「まぁ民間療法みたいなモノだから知らなくて当然だけどね、ポーションと違って効果が一定だから愛用してるだけだよ。」
「なるほどな…」
「…と大体こんな所かな?何か質問なければ今日はもう寝るとするが…」
「今日は色々とすまなかった。」
「引き留めてすまなかった少年。」
「じゃな!またダンジョンで。」
「おやすみノア君。」
軽く挨拶を交わして宿に戻るノア。
「明日には中層に入れると良いがな…」
ノアは一通り説明を終え、テーブルに顎を乗せてぐでっとしている。
「それはあいつ等顔真っ赤になるわね。この街に来るまで録に戦いもしないで金の話だとか素材売ったらどうとかどうでもいい事ばかり話して…
さっさと前出ろ、『火球』ぶつけてやるからよ。って毎回思ってたわ。」
魔法使いのポーラはバッツとガッツの言動を思い出して毒づく。怖い。
「でも大丈夫なのノア君?あの2人多分また絡んで来ると思うよ?」
隣に座るクロラが心配してノアに声を掛ける。
ぐでったノアはクロラをチラリと見た後
「ま、結構煽ったからこれで当分はクロラさん達に付きまとったりする事は無いでしょうね。」
ノアの発言を聞いて皆が「ああ、なるほど。」と言った顔をする。
ノアの目的は全方位に向けられてたバッツとガッツの魔の手を自身に向けさせる事であった。
スルーするだけなら簡単だが別のパーティが餌食になってしまう。
ギルドとしても実際に被害が出ない限りは手出し出来ない為判断が難しい所である。
「それじゃ自分はそろそろ寝ますね。
明後日の為に明日は色々やることがあるので…」
「え?ノア君明後日何かあるの?」
「あぁ、明後日伐採師の人と一緒に中層に潜るので、明日上層4階、5階埋めてくるんです。」
「なぁノア君。その話もう少し詳しく。」
「少年。座りなさい。なに、時間はそこまで取らないさ。」
「あ、帰れないやつだ。これ。」
興味を持ったロゼとポーラがノアを引き留める。
ロゼ、ジェイル、クロラ、ポーラと次々と質問を投げ掛けてくる。
「伐採師ってのと何を採ってくるんだ?」
「中層に生えてる『魔竹』ってのを取りに行くんだ。弓の製作依頼を出してるんだがその素材が必要らしい。」
「な、もう武器の製作依頼を頼んでいるのか?」
「あぁ、弓だけじゃなくて剣と刺突武器、あとダガーも作って貰ってる。来週には出来るらしい。」
「え、ノア君。弓は今のままじゃダメなの?」
「自分が持ってる弓は4割位の力で使ってるんだ。本気で引っ張ると壊れちゃうからね。」
「でもな少年。中層に下りる前に熊に遭遇したらどうするんだい?」
「まぁ出来る限り避けて行こうと思いますけど。どうしてもって時は倒します。今日も2頭倒してきましたし。」
「あ!もしかしてその剣とダガーって…」
「ええ、戦った時に壊れちゃいましてね。」
「「「「………。」」」」
熊と戦った事に絶句する4人。その中の盾役を担うジェイルが真っ先に聞いてきた。
「すまない。君は熊とどう戦ったんだ?」
聞いてきたジェイルの前に手を出し制する。
「盾役を担うジェイルとしては聞きたい事であるのは理解している。だが話しても良いが真似しない方がいい。
とりあえず熊と戦うのであれば小さくても良いから盾を用意するのをオススメする。」
それでも聞きたそうにしているジェイルにノアは提案を出す。
「じゃあ今度機会があればパーティは無理だが同行という形で狩りに行こう。それなら自分の【適正】にも引っ掛からないだろう。」
そのノアの提案に静かに頷く。
「ねぇ少年。ずっと気になっていたんだが君の【適正】は一体何なんだい?今の話を聞く限りだと何か制約がありそうだが…」
ポーラが聞いてきたことだが全員が気になっている所だろう。
「自分の【適正】は大分特殊でね、自分もまだ把握しきれてないんだが、単独行動には効果があって誰かと一緒に戦うと効果が無くなるんだ。
ポーラさんは<支援魔法>は何か使えますか?」
「<守り手>とか<癒しの光>で良いなら使えるわよ?」
<守り手>…一定時間防御効果のあるオーラを纏う。
<癒しの光>…光を任意の対象に当てると回復効果を与える。
「それを僕に掛けて貰っても良いですか?多分その方が1発で分かると思うので。」
「ええ…<癒しの光>!……あれ?<癒しの光>!<守り手>!ウソ!?何で発動しないの?」
ノアに手をかざし<支援魔法>を掛けるが発動する気配が一切無い。
不発の場合魔力が抜ける感覚だけ発生するがこの場合は魔力消費が無く、そもそも発動すらしない状況らしい。
「こんな感じで僕は他人からの<支援魔法>を受け付けないんです。回復魔法であっても。」
人数的に不利な1人という状況な上怪我を負った際の回復を誰からも受け取れないと言うことに4人はゾッとする。
「ノア君魔法は使えないの?」
首を横に振るノア。
「まぁその代わりに…自作ですけど回復玉とか作ってますんで余程の事がなければ大丈夫ですよ。」
腰のカバンから自作の回復玉を取り出す。
「へー、回復玉何て初めて見たよ。」
「まぁ民間療法みたいなモノだから知らなくて当然だけどね、ポーションと違って効果が一定だから愛用してるだけだよ。」
「なるほどな…」
「…と大体こんな所かな?何か質問なければ今日はもう寝るとするが…」
「今日は色々とすまなかった。」
「引き留めてすまなかった少年。」
「じゃな!またダンジョンで。」
「おやすみノア君。」
軽く挨拶を交わして宿に戻るノア。
「明日には中層に入れると良いがな…」
110
お気に入りに追加
1,907
あなたにおすすめの小説
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる