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旅立ち~オードゥス出立まで
いらっしゃいませ
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「いらっしゃいませなのにゃ!」
ノアは昨日ギルドに解体依頼の報告をした後宿を探しそのまま一泊。
起きて軽めの朝飯を食べたあと薬草小屋に向かう。奥の工房を借りる為だ。店に入ると昨日の店員がいた。
「あー昨日のお兄ちゃんじゃないかにゃー?」
「昨日はどうも。奥の工房を借りに来ました。」
「こっちにゃー、こっちにゃー。」
手を引っ張り奥の工房に連れていく。部屋の中には釜の上に大鍋と小鍋が1つずつ、近くの作業台には乳鉢やその他道具がズラリと並ぶ。
「お水が必要になったらゆってくれにゃ!」
店員に手を振られたので手を振り返すノア。
「さて、と」
鞄を開き薬草3種を取り出す。
店員さんを呼び、大鍋2つに水を入れて来て貰う。釜に火を入れる。
1つの鍋に『毒草』10枚を入れ、もう1つの鍋には『薬草』を10枚を入れ、煮たたせる。
煮たたせている間『?』の確認に移る。<薬草知識>を発動させ『?』の茎を持つ。
じーっと根から茎、葉を観察する。少しすると視界に『しびび』と表示される。
『しびび』…黄色い葉に麻痺成分が蓄積された植物。薬用。
「『しびび』か、村の周りじゃ見たこと無い訳だ。確認は出来たけど、今の所使い道無いなぁ…」
なんて呟くと
「それにゃら買い取らせて貰っても良いかにゃ?」
背後で待機してた店員さんに提案される。
「良いですか?あともし使い道あればで良いんですけどこの煮汁も使って貰えませんか?」
と言って『毒草』を煮出している鍋を指差す。
「あれ?毒薬作ってたんじゃないのかにゃ?」
「いえ、煮出した後の葉の方に用がありまして。」
「にゃるほど。毒消しですにゃ?」
『毒草』は葉に毒素が蓄積されているが完全に毒素を煮出して乾燥させると逆に毒素を吸着しやすい性質が発現する。
これを利用し、毒消しとして使用する。ポーション等と比べ即効性は無いが安価に作れる。
「ここのダンジョンのモンスターは毒持ちが多いと聞いたので念のため作っとこうかなとね。」
「良い心がけにゃ、ほめてやるにゃ。」
大鍋を確認すると真紫の色した煮汁と純白の植物が見えていた。
植物を取り出し、軽く濯ぐ。
ザルにあげ、乾燥させる。
「じゃあこの煮汁は貰って良いかにゃ?」
「あ、お願いします。」
店員さんが手をポムポムと叩くと奥から完全防備の猫獣人の店員さん達が出てくる。
「気を付けるにゃー」とか「持ち上げるにゃー」等を言いながら工房の更に奥に運んでいく。
凄まじく微笑ましい光景にこの店の常連なりそうなノアだった。
話を戻す。『薬草』を煮出した煮汁は真緑色の液体になっていた。
『毒草』の時と同様に植物を取り出し乾燥させる。この葉は包みとして使う。大鍋を火から外し冷ます。
その間葉を1口分位に千切る。
『毒草』の方の葉は1枚1枚茎から外し、軽く折り畳み、昨日購入した小さめのカバンの1つに詰める。
暫くして『薬草』の煮汁の温度を確認する為指をいれる。熱いが触れないという温度でもない。ペロッと舐め、味を確認する。
ほのかに甘い。「よし!」と確認が終わり、作業に移る。
「すいません。匙を2本と包みの購入お願いしても良いですか?」
煮汁の量からして包みが足りないだろうと判断しての事である。
店員さんから匙を2本受け取り、冷めてきて半固形になった煮汁を掬い、軽く成形、包みに置く。その作業を続けていると
「『薬草』を甘く煮出すのは経験が必要なのだにゃ。」
「煮出した葉を包みに使用するのにゃね。」
「学校と実作業はやはり違うのにゃ。」
先程の完全防備の店員さん達が作業を覗いている様だ。
猫獣人が集まっている光景を見たい気持ちにかられながらも作業を続ける。
「包みを4枚貰っても良いですか?」
「良いにゃ。100ガルになりますにゃ。」
そして14個の回復玉の完成である。これもポーションに比べれば即効性は無いが継続しての回復が行われ、体の負担も少ない。
「にゃーにゃーお兄ーしゃん。にゃんでポーションを作らないのにゃ?」
店員さんの1人に質問される。
「自分は他の人と違って1人で行動することが多いので、軽量化と荷物の圧縮をね。」
ノアは出来上がったばかりの回復玉を1つの包みを外し店員さんにあげる。
「ほのかに甘くて美味しいのにゃー。」
と頬を膨らませて喜ぶ。
「それにポーションって…苦いでしょ?」
「「確かににゃー」」
ノアは昨日ギルドに解体依頼の報告をした後宿を探しそのまま一泊。
起きて軽めの朝飯を食べたあと薬草小屋に向かう。奥の工房を借りる為だ。店に入ると昨日の店員がいた。
「あー昨日のお兄ちゃんじゃないかにゃー?」
「昨日はどうも。奥の工房を借りに来ました。」
「こっちにゃー、こっちにゃー。」
手を引っ張り奥の工房に連れていく。部屋の中には釜の上に大鍋と小鍋が1つずつ、近くの作業台には乳鉢やその他道具がズラリと並ぶ。
「お水が必要になったらゆってくれにゃ!」
店員に手を振られたので手を振り返すノア。
「さて、と」
鞄を開き薬草3種を取り出す。
店員さんを呼び、大鍋2つに水を入れて来て貰う。釜に火を入れる。
1つの鍋に『毒草』10枚を入れ、もう1つの鍋には『薬草』を10枚を入れ、煮たたせる。
煮たたせている間『?』の確認に移る。<薬草知識>を発動させ『?』の茎を持つ。
じーっと根から茎、葉を観察する。少しすると視界に『しびび』と表示される。
『しびび』…黄色い葉に麻痺成分が蓄積された植物。薬用。
「『しびび』か、村の周りじゃ見たこと無い訳だ。確認は出来たけど、今の所使い道無いなぁ…」
なんて呟くと
「それにゃら買い取らせて貰っても良いかにゃ?」
背後で待機してた店員さんに提案される。
「良いですか?あともし使い道あればで良いんですけどこの煮汁も使って貰えませんか?」
と言って『毒草』を煮出している鍋を指差す。
「あれ?毒薬作ってたんじゃないのかにゃ?」
「いえ、煮出した後の葉の方に用がありまして。」
「にゃるほど。毒消しですにゃ?」
『毒草』は葉に毒素が蓄積されているが完全に毒素を煮出して乾燥させると逆に毒素を吸着しやすい性質が発現する。
これを利用し、毒消しとして使用する。ポーション等と比べ即効性は無いが安価に作れる。
「ここのダンジョンのモンスターは毒持ちが多いと聞いたので念のため作っとこうかなとね。」
「良い心がけにゃ、ほめてやるにゃ。」
大鍋を確認すると真紫の色した煮汁と純白の植物が見えていた。
植物を取り出し、軽く濯ぐ。
ザルにあげ、乾燥させる。
「じゃあこの煮汁は貰って良いかにゃ?」
「あ、お願いします。」
店員さんが手をポムポムと叩くと奥から完全防備の猫獣人の店員さん達が出てくる。
「気を付けるにゃー」とか「持ち上げるにゃー」等を言いながら工房の更に奥に運んでいく。
凄まじく微笑ましい光景にこの店の常連なりそうなノアだった。
話を戻す。『薬草』を煮出した煮汁は真緑色の液体になっていた。
『毒草』の時と同様に植物を取り出し乾燥させる。この葉は包みとして使う。大鍋を火から外し冷ます。
その間葉を1口分位に千切る。
『毒草』の方の葉は1枚1枚茎から外し、軽く折り畳み、昨日購入した小さめのカバンの1つに詰める。
暫くして『薬草』の煮汁の温度を確認する為指をいれる。熱いが触れないという温度でもない。ペロッと舐め、味を確認する。
ほのかに甘い。「よし!」と確認が終わり、作業に移る。
「すいません。匙を2本と包みの購入お願いしても良いですか?」
煮汁の量からして包みが足りないだろうと判断しての事である。
店員さんから匙を2本受け取り、冷めてきて半固形になった煮汁を掬い、軽く成形、包みに置く。その作業を続けていると
「『薬草』を甘く煮出すのは経験が必要なのだにゃ。」
「煮出した葉を包みに使用するのにゃね。」
「学校と実作業はやはり違うのにゃ。」
先程の完全防備の店員さん達が作業を覗いている様だ。
猫獣人が集まっている光景を見たい気持ちにかられながらも作業を続ける。
「包みを4枚貰っても良いですか?」
「良いにゃ。100ガルになりますにゃ。」
そして14個の回復玉の完成である。これもポーションに比べれば即効性は無いが継続しての回復が行われ、体の負担も少ない。
「にゃーにゃーお兄ーしゃん。にゃんでポーションを作らないのにゃ?」
店員さんの1人に質問される。
「自分は他の人と違って1人で行動することが多いので、軽量化と荷物の圧縮をね。」
ノアは出来上がったばかりの回復玉を1つの包みを外し店員さんにあげる。
「ほのかに甘くて美味しいのにゃー。」
と頬を膨らませて喜ぶ。
「それにポーションって…苦いでしょ?」
「「確かににゃー」」
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