3 / 1,025
旅立ち~オードゥス出立まで
村を出てしばらくして
しおりを挟む
村を出て暫くして、ゆっくり道を歩いてた時の事、近くの川に差し掛かった所である光景を見掛け素早く、しかし静かに現場に向け駆け出す。
駆けている最中自分の装備を確認する。
背中には弓、腰には抜きやすい位置に調整したショートソードを下げている。
「よし。」と確認を終え、目標まで1分程の距離まで近付いたのを確認した後、スキル<忍び足>を発動。音も無く近くの木に近寄る。
<忍び足>を発動したまま<木登り上手>を発動。スルスルと登り眼下にいる目標、水辺で水を飲んでいる鹿2頭に狙いを定める。腰のショートソードに手を掛け飛翔。
落下と同時に手前の鹿の首をはねる。
音も無く1頭を仕留めた為もう1頭の反応が遅れる。
その隙を見逃さず体のバネを使い、剣を振り上げる。
【ソロ】の恩恵で通常よりも筋力、速度が上がっていたお陰か難なく仕留める事が出来た。
川下に誰もいないのを確認し血抜きを行う。
その間近くの地面に内臓等を埋める穴を掘る。
掘り終わり鹿を確認し、解体を開始する為脚に切れ目を入れた所で
「若いのに手際が良いな。」
振り返ると空の背負子を背負った30代後半の男性が立っていた。悪い気配はしないが念の為あちらから見えない様に剣に手を掛けておく。
「すまない、私はジョー。小さいながら商人をやっている。流れる様な動きで獲物を仕留める姿をつい眺めてしまった。」
「俺はノア、と言います。今日から冒険者になる為旅をしています。路銭と食糧目当てで狩りをしていた所です。」
お互い簡単な自己紹介を済ます。
「え、と…1人でですか?」
「これでも昔は冒険者をやっていたのでね。この時期需要が高い皮や薬草類の採取に来ていた所だ。」
「へぇ…皮ですか。」
薬草はいつでも需要があるのは分かるが…
「あぁ、君の様に冒険者始めたての者が増える。最初は一般的な革製防具を着ける者が多いからね。」
「なるほどそう言うことですか。」
「だが冒険者が増えたという事はそういった獲物を狩るものが増えたとも言う。その結果がこの通りさ。」
と背中の背負子を指差し苦笑いする。
「もしかして僕はジョーさんの獲物を?」
「あ、気にしないでくれ、別に言い掛かりを付ける訳じゃない。寧ろ君が良ければその皮を買い取らせて貰えないだろうか。」
ジョーさんからの提案は素直に嬉しい事であった。何せ思わず見付けた獲物ではあったがここから1番近い村でも歩いて更に3時間以上はあるだろう。(最悪皮は良いとして肉は近くを通る冒険者パーティにでもあげるか、脚力にものを言わせて近くの村まで走って行こうとしていた。)
「こちらからもお願いします。」
早速ノアは解体に取り掛かる。慣れた手つきで腹をかっ捌き、内臓を外す。次に手早く皮を剥がし、川に突っ込む。その間ジョーさんは俺の作業を「うんうん」言いながら眺めていた。2頭目も同様の作業を行い川に突っ込んだ所で
「そういえば他の冒険者からは皮とか素材は買わなかったんですか?」
ふと疑問に思った事を聞いてみた。
冒険者が増えたんだから買い取れる素材も増えるはず、しかしジョーさんの背負子は空であった。
少し間を置きジョーが答える。
「単純に状態の問題だね。
切り傷、刺し傷が多かったり解体の仕方が分からなくてズタボロになって使える部分が少ない物が多かったね。後者に至っては何の殺害現場だ!と思ったよ。」
その時の状況を思い出し、渇いた笑いを出すジョー。
「そんな時に一撃で獲物を仕留め、手際が良い君を見掛けたらいてもたってもいられなくてね。」
一通りの説明を受け納得した様に頷くノアに続けてジョーが提案する。
「君が良ければ数日旅に同行しても良いかな?」
駆けている最中自分の装備を確認する。
背中には弓、腰には抜きやすい位置に調整したショートソードを下げている。
「よし。」と確認を終え、目標まで1分程の距離まで近付いたのを確認した後、スキル<忍び足>を発動。音も無く近くの木に近寄る。
<忍び足>を発動したまま<木登り上手>を発動。スルスルと登り眼下にいる目標、水辺で水を飲んでいる鹿2頭に狙いを定める。腰のショートソードに手を掛け飛翔。
落下と同時に手前の鹿の首をはねる。
音も無く1頭を仕留めた為もう1頭の反応が遅れる。
その隙を見逃さず体のバネを使い、剣を振り上げる。
【ソロ】の恩恵で通常よりも筋力、速度が上がっていたお陰か難なく仕留める事が出来た。
川下に誰もいないのを確認し血抜きを行う。
その間近くの地面に内臓等を埋める穴を掘る。
掘り終わり鹿を確認し、解体を開始する為脚に切れ目を入れた所で
「若いのに手際が良いな。」
振り返ると空の背負子を背負った30代後半の男性が立っていた。悪い気配はしないが念の為あちらから見えない様に剣に手を掛けておく。
「すまない、私はジョー。小さいながら商人をやっている。流れる様な動きで獲物を仕留める姿をつい眺めてしまった。」
「俺はノア、と言います。今日から冒険者になる為旅をしています。路銭と食糧目当てで狩りをしていた所です。」
お互い簡単な自己紹介を済ます。
「え、と…1人でですか?」
「これでも昔は冒険者をやっていたのでね。この時期需要が高い皮や薬草類の採取に来ていた所だ。」
「へぇ…皮ですか。」
薬草はいつでも需要があるのは分かるが…
「あぁ、君の様に冒険者始めたての者が増える。最初は一般的な革製防具を着ける者が多いからね。」
「なるほどそう言うことですか。」
「だが冒険者が増えたという事はそういった獲物を狩るものが増えたとも言う。その結果がこの通りさ。」
と背中の背負子を指差し苦笑いする。
「もしかして僕はジョーさんの獲物を?」
「あ、気にしないでくれ、別に言い掛かりを付ける訳じゃない。寧ろ君が良ければその皮を買い取らせて貰えないだろうか。」
ジョーさんからの提案は素直に嬉しい事であった。何せ思わず見付けた獲物ではあったがここから1番近い村でも歩いて更に3時間以上はあるだろう。(最悪皮は良いとして肉は近くを通る冒険者パーティにでもあげるか、脚力にものを言わせて近くの村まで走って行こうとしていた。)
「こちらからもお願いします。」
早速ノアは解体に取り掛かる。慣れた手つきで腹をかっ捌き、内臓を外す。次に手早く皮を剥がし、川に突っ込む。その間ジョーさんは俺の作業を「うんうん」言いながら眺めていた。2頭目も同様の作業を行い川に突っ込んだ所で
「そういえば他の冒険者からは皮とか素材は買わなかったんですか?」
ふと疑問に思った事を聞いてみた。
冒険者が増えたんだから買い取れる素材も増えるはず、しかしジョーさんの背負子は空であった。
少し間を置きジョーが答える。
「単純に状態の問題だね。
切り傷、刺し傷が多かったり解体の仕方が分からなくてズタボロになって使える部分が少ない物が多かったね。後者に至っては何の殺害現場だ!と思ったよ。」
その時の状況を思い出し、渇いた笑いを出すジョー。
「そんな時に一撃で獲物を仕留め、手際が良い君を見掛けたらいてもたってもいられなくてね。」
一通りの説明を受け納得した様に頷くノアに続けてジョーが提案する。
「君が良ければ数日旅に同行しても良いかな?」
応援ありがとうございます!
4
お気に入りに追加
1,768
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる