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リーベ台頭 編
第170話 フォルトゥナの水殿・ユキノ&アンジュ編
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ソフィア達と別れたあと、ロイは別の部屋への通路を見つけたのでそちらの方へ向かった。
その部屋の入り口には【エステの間】と書かれていて”信仰心ある女性たちに大いなる美を与える”という文言が記載されていた。
本来男である俺はここに来る必要はないんだが、何故か気になった。
少しだけ中を覗いてみると、エステの間は少し薄暗く、天井は他の部屋みたいにガラス張りではなかった。それはそうか、女性専用の部屋なんだから屋根によじ登って覗きをする輩がいるだろう、それへの対処に天井はガラス張りではないようだ。
「ロイ殿、他の客がいたら誤解されますぞ」
「うわあっ!」
エステの間の説明書きに集中していたため、背後にいる存在に全く気が付かなかった。
振り返って姿を確認すると、声の主はイザベラ・ベルモンド、現執政官だった。
服装はいつも通りの神官用のローブを着ていることから、泳ぎに来たのではなく聖女の様子を見に来たであろうことが見て取れた。
「驚かせてしまったかな? それとも、彼女達に何かイタズラでも画策していたのですかな?」
「イタズラとかじゃねえよ。この先がどうなってるか、ちょっと気になっただけだ」
「そうでございましたか。この先の部屋は去年作られたもので、難点を挙げるとすれば見ての通り暗いところでございましょう」
「覗き対策なんだろ、別に良いんじゃないか?」
「来年はそれも解消すると思います。今年、伝承保管機関から世界に伝承提供が行われました。その中に特殊な魔石を使用してガラスそのものに光学迷彩を施す技術がございました。それが我が国に渡れば、天井は全てその特殊ガラスに置き換わることでしょう」
「……そうか」
その話を聞いて、ある懸念が脳裏を過った。
「どうかなさいましたか?」
「今の特殊ガラスの話しなんだが……もしかすると、軍事に利用される可能性だって有り得るなって思ってな」
イザベラも俺の言葉を受けて少し考え込んだ。
「ロイ殿の仰る通りでございますね。実物を見ないことにはどれほどの迷彩効果があるかはわかりませんが、その技術が更に発展すれば敵国に発見されることなく軍を送り込むことも可能になりますね」
ここで将来の危険性について語ったところで今すぐどうにかなるわけじゃないが、こういった考えを身近な人間に普及していくことである程度の対策にはなると俺は思っている。
☆☆☆
それから少しの間世間話をしたあと、イザベラは聖女の元へ向かった。客は俺達だけだし、中に入っても騒ぎになることはない。
そう考えたロイは、誰も見てないことを確認してこっそり中へ入っていった。
中へ入るとベッドのようなものが沢山並んでいて、それにユキノとアンジュが腰かけていた。
「あ、ロイ君が来た。やっほー!」
「ロイさん!? だってここ……女性専用じゃ……」
アンジュは大きく手を振り、ユキノはシーツで胸元を隠した。暗がりであまりよく見えなかったが、ユキノは水着を半分脱いでいたような気がする。
「悪い、脱いでるとは思わなくてな。もう行くよ」
流石にマズイと思った俺は、踵を返して立ち去ろうとしたが、追いかけてきたアンジュに手首を掴まれた。
「ロイ君、待って。実はここ、専属の女性スタッフがいてオイルを身体に塗ってくれるんだけど、私たちって先行入場してるじゃん? だからスタッフさんがいないの、もしよかったら──塗ってくれない?」
なるほど、それでユキノが脱いでいたのか。だけどユキノは俺でいいんだろうか? そう考えて視線を向けると、ユキノは静かに頷いてくれた。
「ユキノ、どっちからしてもらう?」
「わ、私は恥ずかしいので……アンジュさんからどうぞ」
「じゃ、私からよろしくね♪」
「お、おう」
俺だって男だ。今までは恋人じゃなかったから遠慮していたけど、今は恋人だ。彼女たちに触れたいって思うのは当然だろう。
ということで早速オイルを塗ることにした。
アンジュはベッドでうつ伏せになって待機している。彼女の身に着けている水着はごく普通のビキニだけど、髪の色に合わせているのか黄色だった。しかも、胸がベッドで潰れているため、余肉が横に広がって上から見えてしまっている。
「ロイ君、どうかした?」
あまりに動きがないからか、アンジュが心配して声をかけてきた。いざ女体を前にすると、どこから塗っていいかわからなくなったんだ。
取り敢えず無難な脚から塗っていくことにする。
「いや、なんでもない。脚からいくぞ?」
「うん、それでいいよん」
ふくらはぎから触れていく、彼女たちの要望は手の届かないところを塗ってほしいとのことなので、決して前に手を出してはいけない。そう思ってはいるんだが、このヌルヌル感、ヤバすぎる。
ちょっとでも気を抜いたらずるっと前に手が滑りそうになる。慎重に、ゆっくりと塗っていかないとな。
足の裏、ふくらはぎ、太腿の裏、腰、順調に塗っていき、背中を塗るにあたってあるものが邪魔になってしまった。
それは背中にある結び目だった。ソフィアの時みたいに解いてエロ展開になるわけにはいかないので、ここはより慎重に塗っていかないといけない。
紐を持ち上げてその下に手を差し込んでいく。
「んっ!」
アンジュが変な声を上げた。変なところは触ってないと思うんだが、もしかするとくすぐったいのだろうか?
だけど、その後もアンジュは度々艶のある声を上げた。声を上げるタイミングはいつも俺が前のめりになるタイミングだった。
「ロイ君、お尻になんか当たってない?」
言われて原因に気付いた。俺はアンジュのお尻に体重をかけないようにして乗っていて、普通なら少し隙間が出来て当たらないはずなんだが、タイミングの悪いことに俺の愚息が反応していた。その結果、盛り上がったそれがアンジュのお尻にグイグイと当たってしまったんだ。
「き、気のせいだろ!」
少し上ずった声で返事をして、アンジュとの距離を少し離した。
アンジュのオイルを塗り終えたあとユキノが待つベッドに向かうと、ユキノは寝息を立てて眠りこけていた。
ユキノの着ている水着は前にエデンで見せてくれた紺色のスクール水着というやつで、身体にぴっちり張り付くからボディラインが際立っている。
ユキノを起こそうと身体を揺さぶると「ん、んん……」と声を上げてゆっくりと瞼が開き始めた。
「ユキノ、しなくていいのか?」
「ふぁ~あ、するって? ロイさんと?」
「ああ、俺とするって言っただろ」
「うん、する……ロイさんと……」
ダメだ、完全に寝ぼけている。このまま寝かせて他のところにいくか。
隣にいるアンジュにその旨を伝えて立ち去ろうとすると、腰にユキノが抱き付いてきた。いきなりのことで声を上げることができず、倒れ込んだ俺の身体にユキノが覆いかぶさって来た。
「おい、ユキノ、起きろ。ちょっと待て、落ち着け、ん、んんっ!?」
唇と唇が重なり、更には舌まで差し込んできた。俺の上にいるユキノはキスをしながら身体を前後に揺さぶってくる。パーティ1の大きさを誇る胸がとても心地よく、愚息の上に乗っかったユキノは絶えず刺激を送ってくる。
こんなやり方、本来のユキノは望まないはずだ。
脇の下からユキノを持ち上げて引き離し、仕切りの向こう側にいるであろうアンジュに声をかけた。
「アンジュ! ちょっと助けてくれ!」
「どうかしたの? ってユキノ、一体なにがあったの!?」
「わからん、寝ぼけたらたまにこうなるけど、なんかいつもより酷い気がする!」
「そ、そうなんだ! とにかく起こすからそれまで頑張って!」
その後、アンジュの奮闘でなんとかユキノの意識を完全に起こすことに成功した。
ハルトといた頃の補正があるからか、ユキノの膂力は凄まじく、2人がかりでも少しだけ苦労した。
後になってわかったことだが、あのオイルには媚薬にも似た催眠作用があったらしく、それによってユキノはいつもより強引な行動に出てしまったとのこと。
Tips
伝承提供
伝承保管機関は世界各国の歴史、技術、召喚物の解析などを行い、世界に還元する。それを伝承提供と呼び、定期的に成果を各国にある支部に発表している。
その部屋の入り口には【エステの間】と書かれていて”信仰心ある女性たちに大いなる美を与える”という文言が記載されていた。
本来男である俺はここに来る必要はないんだが、何故か気になった。
少しだけ中を覗いてみると、エステの間は少し薄暗く、天井は他の部屋みたいにガラス張りではなかった。それはそうか、女性専用の部屋なんだから屋根によじ登って覗きをする輩がいるだろう、それへの対処に天井はガラス張りではないようだ。
「ロイ殿、他の客がいたら誤解されますぞ」
「うわあっ!」
エステの間の説明書きに集中していたため、背後にいる存在に全く気が付かなかった。
振り返って姿を確認すると、声の主はイザベラ・ベルモンド、現執政官だった。
服装はいつも通りの神官用のローブを着ていることから、泳ぎに来たのではなく聖女の様子を見に来たであろうことが見て取れた。
「驚かせてしまったかな? それとも、彼女達に何かイタズラでも画策していたのですかな?」
「イタズラとかじゃねえよ。この先がどうなってるか、ちょっと気になっただけだ」
「そうでございましたか。この先の部屋は去年作られたもので、難点を挙げるとすれば見ての通り暗いところでございましょう」
「覗き対策なんだろ、別に良いんじゃないか?」
「来年はそれも解消すると思います。今年、伝承保管機関から世界に伝承提供が行われました。その中に特殊な魔石を使用してガラスそのものに光学迷彩を施す技術がございました。それが我が国に渡れば、天井は全てその特殊ガラスに置き換わることでしょう」
「……そうか」
その話を聞いて、ある懸念が脳裏を過った。
「どうかなさいましたか?」
「今の特殊ガラスの話しなんだが……もしかすると、軍事に利用される可能性だって有り得るなって思ってな」
イザベラも俺の言葉を受けて少し考え込んだ。
「ロイ殿の仰る通りでございますね。実物を見ないことにはどれほどの迷彩効果があるかはわかりませんが、その技術が更に発展すれば敵国に発見されることなく軍を送り込むことも可能になりますね」
ここで将来の危険性について語ったところで今すぐどうにかなるわけじゃないが、こういった考えを身近な人間に普及していくことである程度の対策にはなると俺は思っている。
☆☆☆
それから少しの間世間話をしたあと、イザベラは聖女の元へ向かった。客は俺達だけだし、中に入っても騒ぎになることはない。
そう考えたロイは、誰も見てないことを確認してこっそり中へ入っていった。
中へ入るとベッドのようなものが沢山並んでいて、それにユキノとアンジュが腰かけていた。
「あ、ロイ君が来た。やっほー!」
「ロイさん!? だってここ……女性専用じゃ……」
アンジュは大きく手を振り、ユキノはシーツで胸元を隠した。暗がりであまりよく見えなかったが、ユキノは水着を半分脱いでいたような気がする。
「悪い、脱いでるとは思わなくてな。もう行くよ」
流石にマズイと思った俺は、踵を返して立ち去ろうとしたが、追いかけてきたアンジュに手首を掴まれた。
「ロイ君、待って。実はここ、専属の女性スタッフがいてオイルを身体に塗ってくれるんだけど、私たちって先行入場してるじゃん? だからスタッフさんがいないの、もしよかったら──塗ってくれない?」
なるほど、それでユキノが脱いでいたのか。だけどユキノは俺でいいんだろうか? そう考えて視線を向けると、ユキノは静かに頷いてくれた。
「ユキノ、どっちからしてもらう?」
「わ、私は恥ずかしいので……アンジュさんからどうぞ」
「じゃ、私からよろしくね♪」
「お、おう」
俺だって男だ。今までは恋人じゃなかったから遠慮していたけど、今は恋人だ。彼女たちに触れたいって思うのは当然だろう。
ということで早速オイルを塗ることにした。
アンジュはベッドでうつ伏せになって待機している。彼女の身に着けている水着はごく普通のビキニだけど、髪の色に合わせているのか黄色だった。しかも、胸がベッドで潰れているため、余肉が横に広がって上から見えてしまっている。
「ロイ君、どうかした?」
あまりに動きがないからか、アンジュが心配して声をかけてきた。いざ女体を前にすると、どこから塗っていいかわからなくなったんだ。
取り敢えず無難な脚から塗っていくことにする。
「いや、なんでもない。脚からいくぞ?」
「うん、それでいいよん」
ふくらはぎから触れていく、彼女たちの要望は手の届かないところを塗ってほしいとのことなので、決して前に手を出してはいけない。そう思ってはいるんだが、このヌルヌル感、ヤバすぎる。
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アンジュが変な声を上げた。変なところは触ってないと思うんだが、もしかするとくすぐったいのだろうか?
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「き、気のせいだろ!」
少し上ずった声で返事をして、アンジュとの距離を少し離した。
アンジュのオイルを塗り終えたあとユキノが待つベッドに向かうと、ユキノは寝息を立てて眠りこけていた。
ユキノの着ている水着は前にエデンで見せてくれた紺色のスクール水着というやつで、身体にぴっちり張り付くからボディラインが際立っている。
ユキノを起こそうと身体を揺さぶると「ん、んん……」と声を上げてゆっくりと瞼が開き始めた。
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「おい、ユキノ、起きろ。ちょっと待て、落ち着け、ん、んんっ!?」
唇と唇が重なり、更には舌まで差し込んできた。俺の上にいるユキノはキスをしながら身体を前後に揺さぶってくる。パーティ1の大きさを誇る胸がとても心地よく、愚息の上に乗っかったユキノは絶えず刺激を送ってくる。
こんなやり方、本来のユキノは望まないはずだ。
脇の下からユキノを持ち上げて引き離し、仕切りの向こう側にいるであろうアンジュに声をかけた。
「アンジュ! ちょっと助けてくれ!」
「どうかしたの? ってユキノ、一体なにがあったの!?」
「わからん、寝ぼけたらたまにこうなるけど、なんかいつもより酷い気がする!」
「そ、そうなんだ! とにかく起こすからそれまで頑張って!」
その後、アンジュの奮闘でなんとかユキノの意識を完全に起こすことに成功した。
ハルトといた頃の補正があるからか、ユキノの膂力は凄まじく、2人がかりでも少しだけ苦労した。
後になってわかったことだが、あのオイルには媚薬にも似た催眠作用があったらしく、それによってユキノはいつもより強引な行動に出てしまったとのこと。
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伝承保管機関は世界各国の歴史、技術、召喚物の解析などを行い、世界に還元する。それを伝承提供と呼び、定期的に成果を各国にある支部に発表している。
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