大神様のお気に入り

茶柱まちこ

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序章『洞穴の少女』

(二)

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 朝日が差し込むあばら家の中で、すずは目を覚ました。盲目のすずにとっての目覚めとは、村のどこかで飼われている鶏の声を聞くことだった。
 すずはふかふかの寝藁ねわらに横たえていた体を起こす。彼女が現在生活していたのは、元々牛舎として使われていた建物だった。屋根は大半が雪の重みで潰れてしまっており、いまや建物全体が崩落寸前である。

「ばあばは夢の中でも厳しいなあ……」

 すずの頬に、つうっと涙が伝う。
 もう二度と聞けない祖母のお説教の数々が、脳裏に浮かんでは消える。

『目が見えないからと周囲に甘えるな』
『自分のことくらい自分でしなければならない』
『されるがままの人形のような人間になるな』

 祖母は何度もすずに言い聞かせて、甘やかすことなく厳しく接した。当時のすずにしてみれば恨めしく思うこともあったが、今となっては懐かしい。

「……もう一年経っちまったんだなあ」

 祖母の死を看取った去年の今頃は、風から梅の香りがしていたが、今年はどういうわけか雪がかなり長引いていて、空気がキンキンに冷えきっている。こうも寒いと、近いうちに自分も祖母と同じ場所へ行くことになるのだろうか……などと考えてしまう。

(まあ、そうなったらそうなったでいい。今生はどうにもならなかったんだ。おらはおらなりにつとめ通したすけ、来世はいいお目目がもらえるよう、神様にお祈りしとこう)
 
 すずは十六歳の少女とは思えないほどサバサバとした潔い性格をしていた。あと五十年早く、男として生まれていれば、模範的な武士のような人間であったに違いない。しかし、残念ながら彼女は、村はずれのあばら家に住むただの農民だ。
 すずは零れた涙を拭い、手を擦り合わせて、神に祈りを捧げる。本当は以前のように神社へ参拝したいところだが、今のすずはこのあばら家から出ることを許されていない。なので、神社のある山の方に向かって手を合わせるしかなかった。
 すると、不意にあばら家の壁に空いた穴から、冷たい風が入り込む。風はすずの薄い寝巻きの隙間を通り抜け、背筋を撫でていった。

「へ、くしゅ! うう、さみい……」

 寝巻きのままでは風邪を引いてしまいそうだ。すずは痩せっぽちの体を擦りながら、朝の支度を始めた。
 あばら家の中にぽつんと置かれた、ぼろぼろの葛龍つづら――その中から、藁を詰めた着物と、帯代わりの腰紐、半纏、手ぬぐいを引っ張り出す。えいやっ、と気合いで寝巻きを脱ぎ捨て、素早く着物に袖を通し、腰紐を結んで、半纏を羽織る。髪を軽く整えて、最後に手ぬぐいで目を隠せば、着替えは完了だ。
 すずはその場にちょこんと正座して、数分後にここを訪ねてくるであろう姉をぼーっと待っていた。


 しばらくして、大穴が開いたままの建物の戸が二回叩かれる。
 
「あら、起きていたの。痣っ子ちゃん」

 建物に入ってきた女の声に気づくと、すずは三つ指をついて丁重に頭を下げた。

「おはようございます、あねさ」

 抑揚のない声で、すずは淡々と挨拶をする。
 やってきたのは、彼女の実の姉・ヒノだった。

「そうそう。いい子ね、痣っ子ちゃん。気持ち悪い痣はきちんと隠して、人様に見せないようにしないと」

 ヒノは花咲くような優しい笑顔を向け、妹をせせら笑った。
 姉妹の格差は、まさに月とスッポンである。つやのある黒髪をしたヒノに対して、すずのやや赤みがかった髪はぼろぼろに傷んでいる。ヒノの白い手に対して、すずの骨張った手は霜焼けで赤くなっている。そして顔も――玉のように白い肌をしたヒノに対して、すずには額に不気味な赤黒い痣があった。

「はい、貴方の分のご飯よ。昨日の晩ご飯は失敗しちゃったから、多めに持ってこられたわ。運がよかったわね」

 ヒノはすずの目の前にお膳を置き、被せていた布を取った。中から現れたのは、残飯同然の朝食だ。冷えて固くなった雑穀、炭同然に黒焦げになった魚、冷えきった汁物が少々と、どれも人に出せるような代物ではない。
 しかし、すずは頭を下げたまま、
 
「頂戴します」

 と、うやうやしく受け取る。
 ヒノは馬鹿のように礼儀正しく振る舞う妹を、満足そうに見ながらわらった。

「こんなものを食べるために、こんな場所で正座して待っているなんて、私にはとてもできないわ。貴方は本当にいい子ね」

 ああ、私は呪われてなくてよかった――などと言いながら、ヒノはすずの頭を撫でた。
 手つきこそ子猫を撫でるような優しさではあるが、ヒノの手はまったく温かくない。祖母に撫でられた時のような柔らかさなど、すずには欠片も感じられなかった。

「……やだ、また屋根が抜けちゃってるじゃない」

 ヒノはすずの背後を見て、顔をしかめる。視線の先には、見るからに重そうな大量の雪のかたまりと、板の破片がある。昨夜、積もった雪の重さに屋根板が耐えきれなくなり、ドスンと落ちてきたのだった。しかし、寝ていたすずは片付けるのも面倒だったので、そのまま放置していたのだ。
 
「よく潰されなかったわね。いっそひと思いに潰れた方が楽だったんじゃない? なんてね。冗談よ、冗談」

 ヒノはけらけらと楽しそうに笑いながら、すずの肩をぽんぽん叩く。
 すずに言わせると、ヒノは性根のひん曲がった女だった。意地の悪さは村一番どころか、天下一と言えるかもしれない。村ではいい子に振る舞っているものの、すずに吐いている日々の愚痴から察せられるとおり、内心では常に他人を見下している。まさに慇懃無礼いんぎんぶれいな性格なのである。
 妹の考えていることなど露知らず、ヒノは「ああ、そうそう」と切り出す。

「私、来月に嫁入りすることになったの。肝煎の息子さんに見初められてね。ようやくツキが巡ってきたといったところかしら」

 今まで甲斐性なしの雑魚にばかり求婚されて鬱陶しかっただの、特にあそこの家の醜男ぶおとこなんて最悪だっただの、ヒノは愚痴ばかり吐く。
 彼女は昔から要領がよく、いい子のふりをするのが大の得意だった。村の人々には、甲斐甲斐しく病気の妹の世話をする姉としてずいぶん持て囃されていて、特に若い男たちからは常にちやほやされていたらしい。

(はあ、馬鹿みてえだ。なして皆はこんげのにころっと騙されちまうんだろう)

 姉を信用している村人たちにも、すずは内心呆れ返っていた。
 とはいえ、すずは姉の性格の悪さをわざわざ周囲に吹聴したりはしない。本当は妹を虐める悪女なんですよ、などと声を上げたところで、彼女の言葉を真面目に受け取る村人など一人もいないのだ。ここに閉じ込められたすずを、誰も助けようとしない時点で、村人がどちらの味方なのかはもうお察しである。
 下手に動けば逆上した姉に暴力を振られて、痛い思いをするはめになるので、すずは妹を嘲って上機嫌の姉を前に、ただ沈黙することを選んでいるのだった。

「まあ、貴方にはどれも縁遠い話よね。貴方みたいな痣つきなんか誰ももらってくれないでしょうし」

 ヒノはお決まりのように、すずを馬鹿にする形で話を締めくくった。
 勝ち誇ったように声を立てて笑うヒノ。しかし、当のすずが思っていたことといえば、

(はあ、すげえ。あねさは肝煎の息子にもらわれたのか。よくもまあ上手く取り入ったもんだ……)

 ……である。
 これに関しては、別に嫌味ではない。純粋な感心だった。

(こんげあねさじゃ、嫁入り先のお姑さんのほうが苦労しそうだ……)

 かといって、すずは玉の輿に乗った姉のことを羨ましいとは思わない。嫁入りできないであろう自分の身を嘆いたりもしない。姉を心から祝う気もなければ、姉の邪魔をしてやろうという気もない。
 要するに――どこぞに住んでいる誰々さんの噂話くらい、すずにとってはどうでもよかった。

「……ちょっと。何とか言いなさいよ。日々貴方のお世話をしてきた姉が、めでたく結婚するのよ」
「おめでとうございます、あねさ。よかったですね」
「…………ふーん」

 台本を読むような、けろりとしたすずの返答に、ヒノはなにやら不快そうな顔である。
 すずは姉の表情が見えていなかったが、なんとなく微妙な空気が漂ったことは察して、

「すみません。余計なお喋りはせんでよいと言われていましたので、黙っていました」

 と、一応の注釈をつけた。

「まあ、そうあっけらかんとしていられるのも今のうちよ。貴方、私がいなくなったら生きていけないでしょう? 頼る人がいなくなって、一人で何もできないまま死ぬのよ。馬鹿だから想像できないみたいだけど!」

 でもね、とヒノはにやりと笑い、すずに顔を近づけて言う。

「大丈夫よ。嫁入りしても、きちんと貴方の面倒は見てあげるからね。貴方みたいな妹に対しても、私は優しいんだから」
「はあ。お相手の方はそれを承知なのですか」
「もちろん。それが結婚の条件だったんだもの」
 
 すずはヒノが自分の面倒を見てくれるとは欠片も思っていない。
 ヒノは男から求婚される度、「病気の妹がいるから嫁ぐことはできない。もし私を娶るというのなら、妹ごともらってください」――と言っていたようだが、どうせ甲斐性のある男を選別するための口実だろう。
 
「そうは言いましても、おらは村を出るつもりです。いつまでもあねさの脛を齧っているわけにはいきませんので」

 結婚後も暴力を振るわれるなんてまっぴらだ。まして、夫や家族と一緒になって虐めてこられたら、たまったものではない。
 しかし、姉に頼らず自立したいというすずの発言が、ヒノにとっては面白くないらしい。

「はあ? 何を言っているの? あてなんてないくせに……」

 ヒノの眉間に深いシワが刻まれる。

「いえ、あてならあります。北国島ほっこくとうには瞽女ごぜ屋敷の集まる村があると、ばあばから聞いています。なので、あねさが嫁入りしたら、おらはそこへ身を寄せるつもりです」

 瞽女屋敷とは、芸で身を立てる瞽女たちが集団で生活している施設のことだ。
 北国島で盲目となった女性は稲作や畑仕事に従事することが困難なため、大半が瞽女として身を立てることになる。そして、瞽女になるにはまず、瞽女屋敷に身を寄せて修行を積むことが通例とされているのだ。屋敷には世話人もいるし、周囲は同じ境遇の盲女ばかりだから、通常の村社会よりもずっと生活がしやすいのである。

「無論、そこへは一人で向かいますので、あねさはどうかお気になさらず」

 目が見えないことで常に苦労し続けてきたすずの精神は、常人とは比較にならないほど強靭であった。
 暴力を振るわれてでも、姉にすがって頼ろう──なんて弱気な考えは、すずの中にはない。姉への執着も全くと言っていいほどない。盲目という圧倒的に不利な境遇でありながら、健常な姉に対して『お願いですから助けてください』といった哀願は決してしないのである。
 たくましさ溢れるすずの発言に鼻を折られたヒノは、顔を真っ赤にして震えていた。
 
「身の回りのことはばあばに教わったのでなんとでもなります。食い扶持ぶちは唄の芸で稼ぎます。死んだら死んだでその時です。金の無心など迷惑な真似はいたしませんので、心配はご無用です」

 すずは単に「自分に構うようなことはしていないで、気にせず幸せになってください」という意味で言ったつもりだった。しかし、期待外れどころか逆にムカつく台詞を吐かれたヒノは、苛立ちながら声を荒げた。

「いいから、黙りなさいよ!!」

 ヒノは力任せにすずの頬を平手で打つ。すずは突然の強い衝撃を受け止めきれず、湿った床に倒れ込んだ。
 
「今まで誰のおかげで生きてこられたと思っているの? ばあ様があんたを見捨てるなって言ったから世話してきたけど、そうでもなければあんたみたいな生意気な妹、絞め殺してそのへんの犬の餌にしてやってたわ!」

 すずが床に額を擦りつけて『これからも可哀想な私の面倒を見てください』と言えば、ヒノの機嫌は取れたのかもしれない。しかし、自立する気満々のすずに、そんなことをする必要はまったくなかった。

「父さんも母さんもあんたのせいで死んだのに、あたしはそれでもあんたを見捨てずに面倒見てやってたのよ! なのにその態度は何!? あんた何様なのよ!」

 当然ながら、すずは自分のことを何様とも思っていないし、勝手に面倒を見てやっているつもりのヒノのほうが何様だと思っている。
 
(別に、見捨ててくれてよかったのに)

 というか、むしろ捨てられた方が楽だった。
 祖母は「ばばが死んだら瞽女屋敷の世話になりなさい」と勧めていたし、すずもそれに従うつもりだった。私と貴方は他人同士、血縁関係など忘れてハイさようなら。……と縁を切った方が、お互いに嫌な思いをせずに済むはずだったのだ。
 なのに、ヒノは大嫌いな妹の世話を焼くなどと言って、一方的にすずをあばら家に閉じ込め、残飯を押しつけてくる。意味のない意地悪ばかりして、本当に性格の悪い女だ。 

「聞いてるの!? 何か言いなさいよ!」
「……今までありがとうございました?」
「首傾げてんじゃない!!」

 ダン! と足を踏み鳴らすヒノ。
 怒りで前後不覚になっている姉を前にすずは、(ああ、またいつもの癇癪か)とぼんやり考えていた。
 ヒノはしばらく息を弾ませてすずを睨んでいたが、あばら家の隅に置いてあったある物を見つけると、にぃぃっと邪悪な笑みを浮かべた。

「出来の悪い妹にはお仕置きが必要よね」

 ヒノの足音が、そのあるものに向かって行くのを耳でとらえたすずは、それまでとは一転、顔を青ざめさせる。

「……! やめて、あねさ!」

 壁に立てかけてあったそれは、すずが大切にしていた祖母の形見――革張りの立派な三味線だった。

「あはは、ばあ様の遺品は全部売り払ったつもりだったけど。そうよ、これがあったじゃない。貴方が持っていたのね」

 祖母のことも嫌いだったヒノは、祖母の死後、憂さ晴らしのように遺品を処分してしまった。そんな姉の手に大事な三味線が渡ったら、何をされるかわかったものではない。だから、すずが先にこっそり持ち出して隠していたのだ。
 しかし、迂闊なことに──すずは先日、こっそり弾いた後で、三味線をしまい忘れていた。

「返せ! ばあばの三味線だぞ! あねさが手を出していいもんじゃ――」

 三味線を手にしたヒノを止めようと、すずは着物の袖に取りついて止めようとする。しかし、体重の軽いすずは、ヒノが軽く押し返しただけで跳ね返され、後ろに転んでしまった。
 そのすきに、ヒノは三味線を床に投げ捨て、足をぐんっと上げる。

「やめろ、あねさ!」

 すずが叫んだのと、バキッ! という木の棒が踏み折られるような音が響いたのは、ほとんど同時だった。
 ひゅっと息を飲み、すずは音のした場所──ヒノの足元に向かって手を伸ばす。先ほどまでヒノが持っていた三味線に、小指の先が当たった。はらはらしながら、形を確かめるように指で辿っていくと、さおに触れたあたりでささくれた木の感触にぶつかる。

「う、ああ……っ! うわああああああああああっ!?」

 すずは形見の三味線が壊されたことに気づいた瞬間、慟哭した。腹の奥から湧いた絶望が、そのままバーッと声に出たようだった。
 泣き叫ぶすずの頭を、ヒノは虫を殺す時のように踏みつけた。

「みっともないわね、ガラクタが壊れたくらいで」
「ぐ、ううぅ……~ッ!!」

 ヒノの楽しそうな笑い声に、すずはギリギリと歯を食いしばる。強靭な精神を持ったすずではあるが、姉に対して殺意と言えるほどの怒りを抱いたのは、これが初めてだった。
 酷い、こんなの惨すぎる――これだけが、亡き祖母と自分を繋ぐ唯一のモノだったのに。
 自分の私物だけならまだしも、祖母が大事にしていた形見まで壊されるとは思わなかった。自分の姉が、まさかここまで鬼畜な人だったとは。
 頭をぐりぐり踏みつけられながら、すずは自分の心がなにかに食い荒らされていくのを感じた。とてつもない怒りと悲しみ――死んで呪ってやりたくなるような、怨嗟えんさの念だ。

「大人しくしてなさいよ。間違っても叫んだりしないようにね。嫁ぎ先に行儀よくできない妹がいるなんて思われたら、縁談が台無しになっちゃうんだから」

 姉が踵を返し、足音が聞こえなくなっても、すずは地面に伏せたままだった。
 すずの胸に起こった怨嗟の炎は、実に呆気なく消えた――残ったのは、ぽっかりと空いた大きな穴だけだった。中にあった大切な何かが、次から次へと朽ちて壊れていく。心が枯れて、空洞になっていく。
 今まさに朽ちている最中の木のような、生きながら死体になっていくような失望感の中――すずの頭にふっと浮かんだのは、祖母が亡くなる前に遺した言いつけだった。

『いいか、すず。おめさんは人様に世話にならねば生きられん身だ。だすけ、人様には絶対逆らっちゃならん。敵を作ってはならん。心をねじけさせて、意地悪な人になったらいかん。神様はいつでもおめさんを見ていてくださるから、一生懸命つとめていれば、いつか必ず報いがくる。決して、決して、自分で命を絶ってはならんよ』

 大事な孫娘が少しでも生き長らえるために、祖母が遺した言葉――遺言という呪い。
 すずは様々な理不尽に耐え、飢えも寒さもしのいできた。少しでも生きて、少しでも祖母の想いに報いて、いつかは幸せになるために。
 ――なのに。それなのに。
 
(ばあば……おらはいつ報われるんだ? こんげ目で、こんげ場所で、ひどいあねさにいじめられて、どう幸せになれって言うんだ……)
 
 せめて、この目が明るければ、地獄から上手く逃げ出すことができただろう。唄を唄い、なんとか食いつないでいくことができたのだろう。
 すずがこんな理不尽を受け入れざるを得ないのは、目が見えないせいなのだ。こんな今生こんじょうに希望など見いだせるわけがない。だからすずは、毎日のように神に祈っているのだ――来世こそは、明るい目が貰えますように、と。
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