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ギルドだ⋯!

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はい!今日は前々から約束していたギルドに来ました!
ままは家でお留守番だ。
精一杯楽しむね!

私はぱぱの腕に抱えられていて、ギルドらしき壮大な建物の前に立っている。

す、すごい、私の家の二倍以上の大きさがあるかもしれない。

「じゃあシルファ、入るぞ」
「ちょっとまって、心のじゅんびが⋯」
ガチャッ

ぱぱはもう常に手を掛けていた玄関ドアを開けた。
建物の中を見渡すと、いっぱいの人がいた。
そしてぱぱはそのまま真っ直ぐに進み、沢山並んでいるカウンターの中の一つの前で止まった。
ぱぱがカウンターの前に止まると、カウンターにいた受付のお姉さんは にこっと営業スマイルをした。
「何かご用でしょうか?」
と質問してきた。
「えーと、カロナはいるか?」
「ギルドマスターですね。ギルドマスターは現在奥の執務室で執務中でいらっしゃいます」
ぱぱがカロナ という人を尋ねると、受付のお姉さんは少し眉をピクッと動かしたが直ぐにさっきまでの営業スマイルに戻った。
「会うことは出来ないかな?」
「申し訳ありません。ギルドマスターはお忙しいので⋯」
「そうか、困ったな⋯」
はぁ、とため息をつくぱぱに腕の上から声をかける。
「ぱぱ、カロナ⋯さんって誰?」
「あぁ、カロナは少し前までパーティーを組んでた人だな」
「なっ!」
受付のお姉さんは、驚いた顔をして
「少し失礼します」
と言い残し、カウンターの奥に入っていった。

「ぱぱ、お姉さんどうしたんだろうね」
「少し迷惑をかけたかもしれないね」
ぱぱは、ははっ と軽く笑って困った顔をした。
私を抱えていない片方の手で頭をかく。
そんな会話をしているうちにお姉さんが戻ってきた。
さっきまでのお姉さんの後ろにもう一人のお姉さんがいた。

ぱぱは後ろにいたお姉さんを見てぱぁぁっと明るくなって「久しぶりだな!」と言った。
お姉さんもぱぱの言葉に返して「久しぶりね」と言った。
そして、さっきまでいたお姉さんは口を開けてポカーンとしていた。
「えっと、まさか貴方は『炎の双剣』様ですか?」
「うわっ、まだその二つ名残ってるの⁉︎恥ずかしいんだけど⋯。まぁその通り、俺がその、、『炎の双剣』です⋯」
照れながらに言ってるぱぱが面白くて私はつい笑ってしまう。
「笑わないでくれよー!シルファ」
「あはは、カッコいいよぱぱ。『炎の双剣』⋯、っぷ」
なんてイかした二つ名だろうか。
『炎の双剣』⋯っぷぷ!
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