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10話
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体育祭が終わった次の日 俺は一日中寮の自室に引きこもっていた。
昨日まで溜まっていた疲れが一気にでたのか体が怠くて動きたくない。
それに学校に行くと委員長と昨日の話しの続きをすることになるのが嫌だ。
俺はその日をほとんどベッドで寝て過ごした。
そして次の日も昨日みたく寝て過ごそうと思っていた。
すると、誰かが俺の部屋のインターホンを鳴らす音が聞こえた。
俺は重たい体を起こしてドアの近くまで向かい、ドアの小さな隙間から誰がいるのかと確認した。
ドアの前に立っていた人物は委員長だった。
あの話の続きをしにきたんだろうか。
俺はドアを開けることなくまたベッドに戻った。
そうして数分後また部屋のチャイムが鳴った。
俺はまた委員長が来たのかと思って無視をした。
だが、チャイムの音は一回で終わることなく何回にもわたって鳴り続けた。
しつこすぎる。
俺はドアの前に誰がいるか今度は確認することなくドアを勢いよく開けた。
そして俺はドアの前にいた人物を見て思わず固まってしまった。
「おい!なんで一回目で鳴らしても出ないんだ⁉」
そこにいたのは委員長ではなく光希だった。
それにその後ろには会長達もいた。
「なんで⋯」
俺は思わず呟いた。
「なんでみんながここにきたのー?」
俺は光希達に問いかけた。
「あなたに話があってきたんです。取り合えず部屋の中に入れてもらえませんか?」
蓮が答える。
「長くなる話なのー?」
「分かりませんが⋯」
「ごめんねー、今ちょっと疲れてるからできれば早くしてほしいなー」
俺は手を軽く合わせて頼んだ。
「何ケチってんだ!入るぞ!」
「えっ?ちょまっ⋯」
光希は俺の横を通り抜けて部屋の中に入っていった。
俺はまた小さくため息をついて、会長達にも部屋の中に入るよう促した。
「入って」
みんなは机を真ん中に挟んで床に座った。
「で、話って何ー?」
俺は早速 本題を切り出した。
「どうして生徒会をリコールするんだ!」
先に話し始めたのは光希だった。
「⋯え?リコール」
俺は光希の口から出た以外な言葉に驚いた。
「どっから出たのー?その話」
「風紀委員長が各委員会の委員長から署名を集めていると聞いたんだ」
答えたのは会長だった。
この学園におけるリコールは全校生徒の半分、もしくは各委員会の委員長の三分の二の署名が集めれば生徒会選挙を開くことができる。
ていうかなんでリコールが俺のせいになってんの。
「俺もそれ知らなかったんだけど⋯⋯」
「嘘つくな!どうせ僕たちのところにまざれないからって嫉妬して委員長に頼んだんだろ!」
光希が言ったその言葉を聞いて俺はもう堪えられなくなった。
「何ほざいてんの?誰もまざりたいとか言ってないし勝手な妄想押し付けるなよ!」
机を手で強く叩きつけながら言う。
俺は言葉をそこで止めることなく続ける。
「そもそも最近まともに仕事もしてないんだからリコールされたって仕方ないだろ⁉逆にどうしてずっと生徒会に居続けれると思ってんの?」
息を切らしながら言葉を言い切る。
みんなを見ると光希は微かに肩を震わせ、双子や陽翔それに蓮は下に俯いていた。
会長は口を噤んで俺をじっと見ている。
「なんでお前にそんなこと言われないといけないんだ!」
光希がそう言う。
ついに俺のことをお前とまで言いはじめた。
「もう行こ!」
光希はそう言って踵を返して部屋から出て行った。
「失礼しました」
蓮は沈んだ声で言った。
みんなは光希の後について部屋から出て行く。
「はあ⋯⋯」
俺は部屋で一人、また大きくため息をついた。
昨日まで溜まっていた疲れが一気にでたのか体が怠くて動きたくない。
それに学校に行くと委員長と昨日の話しの続きをすることになるのが嫌だ。
俺はその日をほとんどベッドで寝て過ごした。
そして次の日も昨日みたく寝て過ごそうと思っていた。
すると、誰かが俺の部屋のインターホンを鳴らす音が聞こえた。
俺は重たい体を起こしてドアの近くまで向かい、ドアの小さな隙間から誰がいるのかと確認した。
ドアの前に立っていた人物は委員長だった。
あの話の続きをしにきたんだろうか。
俺はドアを開けることなくまたベッドに戻った。
そうして数分後また部屋のチャイムが鳴った。
俺はまた委員長が来たのかと思って無視をした。
だが、チャイムの音は一回で終わることなく何回にもわたって鳴り続けた。
しつこすぎる。
俺はドアの前に誰がいるか今度は確認することなくドアを勢いよく開けた。
そして俺はドアの前にいた人物を見て思わず固まってしまった。
「おい!なんで一回目で鳴らしても出ないんだ⁉」
そこにいたのは委員長ではなく光希だった。
それにその後ろには会長達もいた。
「なんで⋯」
俺は思わず呟いた。
「なんでみんながここにきたのー?」
俺は光希達に問いかけた。
「あなたに話があってきたんです。取り合えず部屋の中に入れてもらえませんか?」
蓮が答える。
「長くなる話なのー?」
「分かりませんが⋯」
「ごめんねー、今ちょっと疲れてるからできれば早くしてほしいなー」
俺は手を軽く合わせて頼んだ。
「何ケチってんだ!入るぞ!」
「えっ?ちょまっ⋯」
光希は俺の横を通り抜けて部屋の中に入っていった。
俺はまた小さくため息をついて、会長達にも部屋の中に入るよう促した。
「入って」
みんなは机を真ん中に挟んで床に座った。
「で、話って何ー?」
俺は早速 本題を切り出した。
「どうして生徒会をリコールするんだ!」
先に話し始めたのは光希だった。
「⋯え?リコール」
俺は光希の口から出た以外な言葉に驚いた。
「どっから出たのー?その話」
「風紀委員長が各委員会の委員長から署名を集めていると聞いたんだ」
答えたのは会長だった。
この学園におけるリコールは全校生徒の半分、もしくは各委員会の委員長の三分の二の署名が集めれば生徒会選挙を開くことができる。
ていうかなんでリコールが俺のせいになってんの。
「俺もそれ知らなかったんだけど⋯⋯」
「嘘つくな!どうせ僕たちのところにまざれないからって嫉妬して委員長に頼んだんだろ!」
光希が言ったその言葉を聞いて俺はもう堪えられなくなった。
「何ほざいてんの?誰もまざりたいとか言ってないし勝手な妄想押し付けるなよ!」
机を手で強く叩きつけながら言う。
俺は言葉をそこで止めることなく続ける。
「そもそも最近まともに仕事もしてないんだからリコールされたって仕方ないだろ⁉逆にどうしてずっと生徒会に居続けれると思ってんの?」
息を切らしながら言葉を言い切る。
みんなを見ると光希は微かに肩を震わせ、双子や陽翔それに蓮は下に俯いていた。
会長は口を噤んで俺をじっと見ている。
「なんでお前にそんなこと言われないといけないんだ!」
光希がそう言う。
ついに俺のことをお前とまで言いはじめた。
「もう行こ!」
光希はそう言って踵を返して部屋から出て行った。
「失礼しました」
蓮は沈んだ声で言った。
みんなは光希の後について部屋から出て行く。
「はあ⋯⋯」
俺は部屋で一人、また大きくため息をついた。
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