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プロローグ
しおりを挟む「絶対面白いから、やってみろって、な?」
俺の名前は碇冬彦。高校二年生だ。
いま友達から新作のVRMMOを勧められていた。
ゲームの内容としては自由にフィールドを動きまわれ、プレイヤー同士で多彩なコミュニケーションが取れたりと、従来のVRMMOとさほど変わら無い。
……だが、どうやらこのゲームの難易度はかなりのモノらしい。
その事を親友の青山尚樹が俺に熱く語ってくる。
正直、最近のVRMMOと言えば、オート機能で楽できたり、子供向けで敵が弱かったり、挙句の果てには放置しておけば次のログインで勝手にレベルが上がってたりと実に物足りないものばかりだった。
「……ゲーマーの俺でも楽しめる難易度か?」
俺の問いかけに友は自信を持って答えてくれた。
「もちろん!お前ってヌルゲー嫌いだったろ?そういう奴にこそオススメ出来るゲームだぜ!」
こいつは付き合いが長いだけあって、俺の性格を熟知している。
だったら本当に俺がのめり込む程の難易度なんだろう。
「じゃあやってみるか。家に帰ったら電話するから、後でな」
「おう、じゃあな!」
時間は学校の昼休みが終わり、今から授業なのだが、気持ちは完全に青山が紹介してくれゲームに傾いていた。
家に帰ったら早速プレイだ!
しかし、なぜか身体が重い気がするな……俺はそう思いながらも放課後まで我慢して授業受けるのだった。
……そして、家に到着する頃には身体が重い理由がはっきりした。
──どうやら俺は風邪を引いてしまったようだ……最悪過ぎる。
しかも拗らせてしまい、3日も寝込む程の重症。
そして、当然その間はゲームなどさせて貰えない。
こういうゲームってスタートが大事だって言うのに……まさかサービス開始から3日も出遅れるなんて……
しかも青山なんかは俺が寝込んでる間に、結構強いパーティーに誘われてあっさりそのパーティーと組んだらしい。なんて奴だ。
まぁ3日もソロでやれとは流石に言わないけど……誘ってきた割には酷くないか?
俺はヤル気を大きく削がれながらも、せっかくダウンロードしたので、今からこのゲームをプレイする事にした。
ゲーム名『ワールド・オブ・オンライン』
俺はヘルメットを装着し、電脳世界へとログインした。
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