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惚れたら負け⑦
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◇◆◇
「なあ、宮崎…やっぱり俺、宮崎が好きだ」
「………」
「諦められない。朝野と別れる気ない?」
「……そういう話はここでは…」
昼休みの社内食堂。
秋吉に、『大切な話がある』と言われて来てみれば…。
「盗聴器も全部見つけられちゃったしな…また仕掛けに行っていい?」
「いいわけない」
それを許すやつがいるのか。
ちなみに全部見つけて撤去してくれたのは朝野だ。
「お疲れさまです。宮崎さん」
いつの間にか朝野が隣に……気付かなかった。
「また浮気ですか?」
「浮気じゃねえよ。俺が宮崎の本気だ」
「………」
やめてくれ。
「繚さんに叱られて、もう繚さんのパソコンに色々できなくなっちゃったから、頻繁に会えなくて寂しいです」
「………」
反省しろよ。
俺は今まで大変だったんだ。
まさか、直してもらう度に次の不具合起こすプログラムを入れられてるなんて思わなかった。
てかだめだろ、それ。
バレたら大変なことになるぞ。
と俺のほうが焦ってしまったのに。
「俺以外には絶対誰にもわからないから大丈夫です」
朝野は断言した。
でも、『二度とやるな』と言ったら渋々やめた……“渋々”ってあたりが反省してない証拠だ。
「そうだ、今夜のおつまみは前に繚さんが美味しいって言ってくれた野菜と海老の塩炒めにしましょうか」
「……」
あれは美味しかった。
「朝野……俺は絶対諦めないからな」
「それなら、ここでまた繚さんにキスしましょうか。前の時、秋吉さんは見たくなくて逃げましたよね?」
「えっ!?」
あれって逃げたの?
てか顔近付けるな。
朝野の顔をよけたら、小さい紙袋を差し出された。
「なに?」
「今、繚さんがハマってるものです」
「?」
袋を開けて中を見ると、チョコのマカロン。
プリンに続き、なんで知ってんだ。
「繚さんがスマホで見てたのを覗き見たんですよ」
「……見るな」
「色々知りたいですから」
「………」
好きになっちゃったんだよな、しょうがない。
「秋吉さん、繚さんってものすごく情熱的なんです」
「!!」
「…は?」
「昨日も俺に『好き』って何度も」
とりあえず睨む。
朝野は笑顔で。
「それからふたりきりだと、俺を“直誠”って呼んでくれるんですよ」
「っ…!」
「あとベッドでは」
「黙れ」
睨んでも効果がないことがわかったので、朝野の口にマカロンを突っ込む。
なんでもない顔をしてマカロンを食べる朝野は、すごく嬉しそう。
「繚さん、“あーん”がしたかったんですね」
「………違う」
どう考えても違う。
本当に、とんでもないやつに惚れられ惚れた。
「はい、繚さん。あーん」
「……」
「口開けないとキスしますよ」
仕方なく口を開ける。
口の中に甘いチョコマカロンが運ばれた。
綺麗な手、すっと長くてかっこいい指。
この指が無駄のない動きでキーを打つところを頻繁に見られなくなったのは、俺も寂しかったりする。
あーあ……惚れたら負けじゃん。
おわり
「なあ、宮崎…やっぱり俺、宮崎が好きだ」
「………」
「諦められない。朝野と別れる気ない?」
「……そういう話はここでは…」
昼休みの社内食堂。
秋吉に、『大切な話がある』と言われて来てみれば…。
「盗聴器も全部見つけられちゃったしな…また仕掛けに行っていい?」
「いいわけない」
それを許すやつがいるのか。
ちなみに全部見つけて撤去してくれたのは朝野だ。
「お疲れさまです。宮崎さん」
いつの間にか朝野が隣に……気付かなかった。
「また浮気ですか?」
「浮気じゃねえよ。俺が宮崎の本気だ」
「………」
やめてくれ。
「繚さんに叱られて、もう繚さんのパソコンに色々できなくなっちゃったから、頻繁に会えなくて寂しいです」
「………」
反省しろよ。
俺は今まで大変だったんだ。
まさか、直してもらう度に次の不具合起こすプログラムを入れられてるなんて思わなかった。
てかだめだろ、それ。
バレたら大変なことになるぞ。
と俺のほうが焦ってしまったのに。
「俺以外には絶対誰にもわからないから大丈夫です」
朝野は断言した。
でも、『二度とやるな』と言ったら渋々やめた……“渋々”ってあたりが反省してない証拠だ。
「そうだ、今夜のおつまみは前に繚さんが美味しいって言ってくれた野菜と海老の塩炒めにしましょうか」
「……」
あれは美味しかった。
「朝野……俺は絶対諦めないからな」
「それなら、ここでまた繚さんにキスしましょうか。前の時、秋吉さんは見たくなくて逃げましたよね?」
「えっ!?」
あれって逃げたの?
てか顔近付けるな。
朝野の顔をよけたら、小さい紙袋を差し出された。
「なに?」
「今、繚さんがハマってるものです」
「?」
袋を開けて中を見ると、チョコのマカロン。
プリンに続き、なんで知ってんだ。
「繚さんがスマホで見てたのを覗き見たんですよ」
「……見るな」
「色々知りたいですから」
「………」
好きになっちゃったんだよな、しょうがない。
「秋吉さん、繚さんってものすごく情熱的なんです」
「!!」
「…は?」
「昨日も俺に『好き』って何度も」
とりあえず睨む。
朝野は笑顔で。
「それからふたりきりだと、俺を“直誠”って呼んでくれるんですよ」
「っ…!」
「あとベッドでは」
「黙れ」
睨んでも効果がないことがわかったので、朝野の口にマカロンを突っ込む。
なんでもない顔をしてマカロンを食べる朝野は、すごく嬉しそう。
「繚さん、“あーん”がしたかったんですね」
「………違う」
どう考えても違う。
本当に、とんでもないやつに惚れられ惚れた。
「はい、繚さん。あーん」
「……」
「口開けないとキスしますよ」
仕方なく口を開ける。
口の中に甘いチョコマカロンが運ばれた。
綺麗な手、すっと長くてかっこいい指。
この指が無駄のない動きでキーを打つところを頻繁に見られなくなったのは、俺も寂しかったりする。
あーあ……惚れたら負けじゃん。
おわり
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