最強魔王の背後霊

のぞ

文字の大きさ
上 下
17 / 36
学内対抗戦

宿主、イラっとする。

しおりを挟む
そしていよいよ、僕らの試合が始まった。

「Aパート、1回戦最終試合!チーム織田VSチーム中田!」

1回戦も最後だというのに、観客たちは大盛り上がりだ。僕ら3人はその声援に圧倒されながら、闘技場へと向かった。

僕らの対戦相手の、男3人衆は、3クラスのTop3らしく、その中の一人が僕に向かって話しかけてきた。
「君のことはよく知ってるよ、運よく1クラスにいる魔力もない落ちこぼれだってね。」
鼻で笑いながら、その汚い口か放たれた胸糞悪い言葉に、殺意が湧いた。




一瞬で、僕ら3人の緊張はほぐれ、臨戦態勢になり、この3人を全力で倒すことが決定した。


「ふたりとも、こいつらは僕一人でやっていいよな?」

「うん、いいよ。」

「なめられたまま終われないわよね。」

康太も、初戦の心配をずっとしていた春も、僕の言葉にうなずいた。



「それでは・・・・。初め!」

< 黄魔法 雷装 >
審判のコールと共に闘技場に雷が走る。

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

魔法で帯電して加速した弘太は瞬く間に3人の鳩尾を突いて気絶させた。





「弘太はやっぱりいいね、面白い発想がいっぱいある!」
瞬は観客席から満面の笑みで試合を見ていた。

「そんなすごいこと、なにかしてたのー?」
秋は、頭に?を浮かべながら瞬に聞いた。

「あいつ、魔力を体内で高速で動かして、最低限の魔力で戦ってやがった。」
伊達は、動揺した面持ちで真っすぐと闘技場の織田を見ていた。

「そうなんだよ!自分の魔力が少ないなら、体内を駆け巡らせて節約すればいいなんて誰が思いつくよ!最高じゃないか!」
(あの時見た、不思議な魔法と言い、君は見ているだけで楽しい!!!)
瞬は興奮気味に弘太を褒めちぎり、伊達と秋は動揺していた。



その日は、3回戦まで行われたのだが、特に苦戦することもなく順当に勝ち上がっていった。



順当に勝ち上がり、緊張がほぐれた弘太を尿意が襲ってきた。
「弘太君、今日は疲れたね、もう帰ろう!」

「あぁ、ちょっと待っててくれ、トイレ行ってくる!」

「うん、待ってるね。」



トイレで用を達し、トイレを出ると、小柄な少年とぶつかった。



その小柄な少年は自分が吹っ飛びながら織田のことを心配していた。
「あ、すみません!大丈夫ですか?」


「こっちは大丈夫だよ。君こそ大丈夫?怪我とかしてない?」

「はい!大丈夫です。あの、もしかしてトーナメントにまだ残ってる織田さんですか?」

「うん、そうだけど、君は?」

「自分、風馬翔といいます!4クラスの最下位でチーム作ってるんですけど、まだ勝ち残っているんです!今日の試合が終わったから、緊張が途切れちゃって、トイレしたくなっちゃいました。Aパートなんで、もしかしたら当たるかもしれませんね!」

風馬のあまりの満面の笑みに少し驚いてしまう。

「実は僕も試合が終ったらトイレがしたくなったんだ。僕ら、似合者同士かもな。」

ふたりは、トイレで笑いあった。

「明日、戦えるといいな。お互い頑張ろう。」

そう言って、二人はそれぞれ帰った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ義弟に殺されるなど真っ平ごめんです

ぴぴみ
恋愛
容姿は天使性格は悪魔と恐れられていた令嬢ローズ。 しかし彼女はある日を境に評価を一変させる。 それは前世の記憶を思い出したからでも、反省したからでもなく…。 義弟との仲も良好です。

俺、貞操逆転世界へイケメン転生

やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。 勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。 ――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。 ――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。 これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。 ######## この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

処理中です...