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第65話
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「みんなー、夜食ができたよー!」
「できたよー!!」
私の言った事を、楽しそうにルーク君が復唱する。…ああもうかわいすぎ抱きしめたい!!
…という感情を何とか押し殺し、平静を装う。ルーク君に私は頼れるお姉さんに映っているようだから、イメージを崩さないようにしないと…。
と考えていたら、心配そうにシュルツが私たちの顔をのぞき込む。
「ご飯はすっごくうれしいけど、二人とも寝てないだろう?…大丈夫?」
心配してくれるのはうれしいけれど、それは少し心外だ。私は胸に手を当ててシュルツに抗議の声を上げる。
「みんなが頑張ってるのに、寝てなんていられないよ!」
「いられないよ!」
私の横に立つルーク君もまた、シュルツに抗議の声を上げる。シュルツは笑いながらはいはい、分かったよと言い、説得をあきらめた様子だった。
そんな時、どこからか女の人の楽しそうな笑い声が聞こえた。
「まぁまぁ…。くすくす」
私たちのやり取りを見て、笑みを浮かべていたのはセフィリアさんだった。…って、セフィリアさんいつの間に!?部屋で寝ていたんじゃ…
「ごめんなさい、楽しそうなお声が聞こえてきたものでつい」
口元を手で隠してはいるものの、笑顔を浮かべているのがまるわかりだ。ここへ来てからというもの、セフィリアさんは見違えるような回復を見せて、簡単な仕事ならもうすでに行えるレベルまでに復活していた。
その肩はノーレッジさんの力を借りてはいるものの、一人で動き回れるようになるのもすぐのことだろう。
「本当にここに来てよかった…。あんなに楽しそうなスカイの姿、本当に久しぶり…」
「ここは暖かいです♪…私もお二人にお仕えできて、本当に幸せですわ♪」
互いに笑いあいながら、セフィリアさんとノーレッジさんがそう口にした。そのやり取りに胸が暖かくなるのを感じたものの、そう悠長にもしていられない。
「…で、そっちの方はどうだったんだ?」
作戦会議へと話題を戻し、シュルツに確認をするジルクさん。
「ああ、思った通りだった。調べてみたらハクト伯爵のほかにも、上級公爵から債務飛ばしを受けたと思われる貴族がたくさんいたよ。つかんだだけでも相当量だから、その実態はどれだけ債務飛ばしで儲けているのか、見当もつかない」
「やっぱり…」
シュルツの知らせに、私はそう言葉をもらした。上級公爵の被害にあっていたのはやはりハクト伯爵だけではなかったのだ。…つまり、伯爵のような悲劇が他にもたくさん起こされている…!
「問題はその裏をとれるかどうかだけれど…。これには時間が…」
ノーレッジさんがそう不安を口にする。彼の言う通り、法院で上級公爵の不正を暴くには秘密書庫の場所の特定が不可欠なのだ。
「それに仮に秘密書庫の場所を突き止められたとしても、入ることができるのはきっと上級公爵ただ一人だけだろう?どうするつもりだシュルツ?」
そう、ジルクさんの言う通りなのだ…仮に場所を特定できたとしても、どうやって中に侵入するのか、何も手立てがないのだ。
しかし懸念点ばかりを話していても前には進めない。シュルツは持ち前の機転の良さで皆を鼓舞する。
「いずれにしても、法院招集は明後日だ。もう時間がない。僕たちは僕たちで最後までできることをやろう!」
「…僕たちは僕たちで…?」
シュルツの言葉になにか疑問を感じたのか、ジルクさんが復唱した。すかさずシュルツはその疑問に答える。
「僕らのほかにも、たくさんの人たちが動いてくれてる。彼らを信じて、僕らは僕らにできることをやるだけさ」
「ああ、なるほどな」
…その通りだ。戦ってるのは私たちだけじゃなく、いろいろな人たちが私たちを信じて行動してくれているのだ。彼らの思いにこたえるためにも、私たちは最後まで自分のできることをやらなければいけない…!
「できたよー!!」
私の言った事を、楽しそうにルーク君が復唱する。…ああもうかわいすぎ抱きしめたい!!
…という感情を何とか押し殺し、平静を装う。ルーク君に私は頼れるお姉さんに映っているようだから、イメージを崩さないようにしないと…。
と考えていたら、心配そうにシュルツが私たちの顔をのぞき込む。
「ご飯はすっごくうれしいけど、二人とも寝てないだろう?…大丈夫?」
心配してくれるのはうれしいけれど、それは少し心外だ。私は胸に手を当ててシュルツに抗議の声を上げる。
「みんなが頑張ってるのに、寝てなんていられないよ!」
「いられないよ!」
私の横に立つルーク君もまた、シュルツに抗議の声を上げる。シュルツは笑いながらはいはい、分かったよと言い、説得をあきらめた様子だった。
そんな時、どこからか女の人の楽しそうな笑い声が聞こえた。
「まぁまぁ…。くすくす」
私たちのやり取りを見て、笑みを浮かべていたのはセフィリアさんだった。…って、セフィリアさんいつの間に!?部屋で寝ていたんじゃ…
「ごめんなさい、楽しそうなお声が聞こえてきたものでつい」
口元を手で隠してはいるものの、笑顔を浮かべているのがまるわかりだ。ここへ来てからというもの、セフィリアさんは見違えるような回復を見せて、簡単な仕事ならもうすでに行えるレベルまでに復活していた。
その肩はノーレッジさんの力を借りてはいるものの、一人で動き回れるようになるのもすぐのことだろう。
「本当にここに来てよかった…。あんなに楽しそうなスカイの姿、本当に久しぶり…」
「ここは暖かいです♪…私もお二人にお仕えできて、本当に幸せですわ♪」
互いに笑いあいながら、セフィリアさんとノーレッジさんがそう口にした。そのやり取りに胸が暖かくなるのを感じたものの、そう悠長にもしていられない。
「…で、そっちの方はどうだったんだ?」
作戦会議へと話題を戻し、シュルツに確認をするジルクさん。
「ああ、思った通りだった。調べてみたらハクト伯爵のほかにも、上級公爵から債務飛ばしを受けたと思われる貴族がたくさんいたよ。つかんだだけでも相当量だから、その実態はどれだけ債務飛ばしで儲けているのか、見当もつかない」
「やっぱり…」
シュルツの知らせに、私はそう言葉をもらした。上級公爵の被害にあっていたのはやはりハクト伯爵だけではなかったのだ。…つまり、伯爵のような悲劇が他にもたくさん起こされている…!
「問題はその裏をとれるかどうかだけれど…。これには時間が…」
ノーレッジさんがそう不安を口にする。彼の言う通り、法院で上級公爵の不正を暴くには秘密書庫の場所の特定が不可欠なのだ。
「それに仮に秘密書庫の場所を突き止められたとしても、入ることができるのはきっと上級公爵ただ一人だけだろう?どうするつもりだシュルツ?」
そう、ジルクさんの言う通りなのだ…仮に場所を特定できたとしても、どうやって中に侵入するのか、何も手立てがないのだ。
しかし懸念点ばかりを話していても前には進めない。シュルツは持ち前の機転の良さで皆を鼓舞する。
「いずれにしても、法院招集は明後日だ。もう時間がない。僕たちは僕たちで最後までできることをやろう!」
「…僕たちは僕たちで…?」
シュルツの言葉になにか疑問を感じたのか、ジルクさんが復唱した。すかさずシュルツはその疑問に答える。
「僕らのほかにも、たくさんの人たちが動いてくれてる。彼らを信じて、僕らは僕らにできることをやるだけさ」
「ああ、なるほどな」
…その通りだ。戦ってるのは私たちだけじゃなく、いろいろな人たちが私たちを信じて行動してくれているのだ。彼らの思いにこたえるためにも、私たちは最後まで自分のできることをやらなければいけない…!
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