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第38話
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私は使用人の人から渡された、侯爵からの手紙を手に取り、その内容を読み上げる。
「シュルツ様、ソフィア様へ。これまで大して皇帝府と関係などなかった私が、突然に召喚される理由など、私には一つしか思いつかない。アノッサ皇帝府長はきっと、私たちの協力関係を裂き、自身の目論見を達成することが目的なのだろう。本当にすまないが、私自身、今回ばかりは二人の力になることができないようだ。しかし代わりというわけではないが、私の知り合いの者の中に、アノッサについてよく知る者がいる。その者に当たれば、なにか情報を得られるかもしれない。君たちの思いが彼に届くことを、私は心より願っている。アノッサは優秀な男だが、最後まで決してあきらめるな! ーオリアスー」
「…」
「…」
侯爵の思いの前に、私たちは言葉が出なくなる。彼はこうなることを予見し、使用人の人に手紙を託していたのだ。
「…侯爵のおかげで、少し望みが見えてきたね」
やられた、という風な表情で、少し笑っているシュルツ。多分、私も全く同じ表情を浮かべていることだろう。
「それで、その人物というのは…」
手紙をよく見てみると、下側の部分に小さく、その人物に関しての記載があった。
「…名前は…。ユナイト騎士長…」
私には全く聞きなれない名前だけれど、アースは知っている様子だった。
「ユナイト…。確か、以前にアノッサの警護を務めてた人物だ」
「カーサさんの…警護…」
それなら確かに、アノッサさんとは親密な仲であろう。…会いに行くのはこちらの手の内をさらす危険な行為かもしれないけど、そんなことは侯爵も想定しているはず。ならば私たちは侯爵の手紙を信じ、この人物の元へ向かうべきだ。
「すぐに行きましょう、シュルツ」
私の考えがきっと通じたのだろう。シュルツも力強くうなずき、私に同意してくれた。私たちは再び馬にまたがり、次なる目的地を目指す。急ぎ向かう先は、皇帝府にある騎士の本拠地だ。
――――
「ねえアース、騎士の本拠地ってどんなところなの?具体的になにをしてるんだろう?」
馬で駆けながら、私は念のためシュルツに確認をする。
「ソフィアの想像通りの所だと思うよ。騎士は皇帝府や貴族関係者の警護から、帝国の犯罪捜査なんかも担ってる。子供たちの言葉で言うところの、正義の味方かな」
やはりそうか。騎士の文字をつかさどるのは伊達ではない。
「そのユナイトさんって人、シュルツは話したことはあるの?」
「いやそれが、直接はないんだ。社交界や食事会なんかで、姿を見たことならあるんだけど…」
つまり、私たちは二人ともユナイトさんに初対面の状態で話し合いに向かうわけだ…。やっぱりどうしても、不安感が勝ってしまう…
「大丈夫だよ、ソフィア!約束したでしょ?君を幸せにするって!もう絶対に離さないって!」
…私が不安な表情を浮かべていると、彼はすぐにそれを見抜いてしまい、こうして励ましの言葉を送ってくれる。私はなんだかそれが恥ずかしくもあり、うれしくもあった。
「…はい!私も離しませんから!」
目的地である騎士の根城は、もうすぐだ。
――――
「あ、あれが騎士の城…」
遠目に見て最初に驚かされたのは、その人数の多さだ。さすがは帝国の秩序を守る使命を帯びているだけあって、この本部だけでもかなりの人数がいるように見える。
「身にまとっている制服も、なかなかカッコいいでしょ?帝国国民からもかなりの人気なんだ」
「そ、そうなんだ…」
ずっと屋敷に閉じ込められていた私は、それさえ知らなかった。そして建物の周囲には、目を輝かせて騎士の人々を見つめる子どもたちの姿があった。
「…子どもたちにも、人気のお仕事なんですね」
「ああ、もちろん!」
子どもたちに負けないほど明るい表情で、嬉しそうにそう言うシュルツ。彼からしても、騎士の存在は皇太子としての誇りの一つなのだろう。
「今の時間ならいるはずだ。行こう」
その場に馬をとめておき、私たちは本部の中へと足を踏み入れる。ここの人たちにはシュルツの顔と立場の情報は共有されているようで、難なく本部に立ち入る事ができた。
「騎士長室は…最上階か」
妙に見にくくて不親切な建物案内図に目を通し、ユナイトさんのいる部屋を確認する。ユナイトさんに会う事どころか、本部の中を見ることすら初めてな私は、体がおかしくなりそうなほど緊張している。シュルツの手を強く握り、なんとか勇気を振り絞る。
…何も考えずに歩いていたためか、ほとんど時間を体感することなく目的の部屋の前へと到着する。過呼吸になりそうな私の姿を見て、シュルツが優しく言葉をかけてくれる。
「…大丈夫だよ、落ち着いて、ソフィア。君は一人じゃないんだ。僕はずっと君と一緒にいるし、ここにはいないジルクも、侯爵も、僕たちを応援してくれてる。僕たちに、力をくれている」
そう言いながら、彼は暖かい手で私の手を包む。私の息遣いが少しずつ、落ち着きを取り戻していく。
「ありがとう、シュルツ。もう大丈夫っ」
彼は頷いて私に返事をし、騎士長室に歩みを進める。扉の前で見張りをしている見張り員の人に事情を話し、最後の準備をする。
「騎士長は、今こちらにいらっしゃいます。お二人のご到着をご説明しに参りますので、少々お待ち願います」
見張り員の人は私たちにそう告げ、ノックをし、返事を確認して室内へと入っていく。その時中から聞こえた返事の声の主が、ユナイトさんその人なのだろうか。私は落ち着いて深呼吸を繰り返し、時間が訪れるのを待った。
そして少しして、見張り員の人が中から戻ってくる。
「大変お待たせいたしました。中の方へどうぞ」
彼はそう言い、非常に丁寧な動作で部屋の中へと手を差し伸ばす。私は一瞬シュルツと顔を見合わせたのち、部屋の中へと足を踏み入れた。
「シュルツ様、ソフィア様へ。これまで大して皇帝府と関係などなかった私が、突然に召喚される理由など、私には一つしか思いつかない。アノッサ皇帝府長はきっと、私たちの協力関係を裂き、自身の目論見を達成することが目的なのだろう。本当にすまないが、私自身、今回ばかりは二人の力になることができないようだ。しかし代わりというわけではないが、私の知り合いの者の中に、アノッサについてよく知る者がいる。その者に当たれば、なにか情報を得られるかもしれない。君たちの思いが彼に届くことを、私は心より願っている。アノッサは優秀な男だが、最後まで決してあきらめるな! ーオリアスー」
「…」
「…」
侯爵の思いの前に、私たちは言葉が出なくなる。彼はこうなることを予見し、使用人の人に手紙を託していたのだ。
「…侯爵のおかげで、少し望みが見えてきたね」
やられた、という風な表情で、少し笑っているシュルツ。多分、私も全く同じ表情を浮かべていることだろう。
「それで、その人物というのは…」
手紙をよく見てみると、下側の部分に小さく、その人物に関しての記載があった。
「…名前は…。ユナイト騎士長…」
私には全く聞きなれない名前だけれど、アースは知っている様子だった。
「ユナイト…。確か、以前にアノッサの警護を務めてた人物だ」
「カーサさんの…警護…」
それなら確かに、アノッサさんとは親密な仲であろう。…会いに行くのはこちらの手の内をさらす危険な行為かもしれないけど、そんなことは侯爵も想定しているはず。ならば私たちは侯爵の手紙を信じ、この人物の元へ向かうべきだ。
「すぐに行きましょう、シュルツ」
私の考えがきっと通じたのだろう。シュルツも力強くうなずき、私に同意してくれた。私たちは再び馬にまたがり、次なる目的地を目指す。急ぎ向かう先は、皇帝府にある騎士の本拠地だ。
――――
「ねえアース、騎士の本拠地ってどんなところなの?具体的になにをしてるんだろう?」
馬で駆けながら、私は念のためシュルツに確認をする。
「ソフィアの想像通りの所だと思うよ。騎士は皇帝府や貴族関係者の警護から、帝国の犯罪捜査なんかも担ってる。子供たちの言葉で言うところの、正義の味方かな」
やはりそうか。騎士の文字をつかさどるのは伊達ではない。
「そのユナイトさんって人、シュルツは話したことはあるの?」
「いやそれが、直接はないんだ。社交界や食事会なんかで、姿を見たことならあるんだけど…」
つまり、私たちは二人ともユナイトさんに初対面の状態で話し合いに向かうわけだ…。やっぱりどうしても、不安感が勝ってしまう…
「大丈夫だよ、ソフィア!約束したでしょ?君を幸せにするって!もう絶対に離さないって!」
…私が不安な表情を浮かべていると、彼はすぐにそれを見抜いてしまい、こうして励ましの言葉を送ってくれる。私はなんだかそれが恥ずかしくもあり、うれしくもあった。
「…はい!私も離しませんから!」
目的地である騎士の根城は、もうすぐだ。
――――
「あ、あれが騎士の城…」
遠目に見て最初に驚かされたのは、その人数の多さだ。さすがは帝国の秩序を守る使命を帯びているだけあって、この本部だけでもかなりの人数がいるように見える。
「身にまとっている制服も、なかなかカッコいいでしょ?帝国国民からもかなりの人気なんだ」
「そ、そうなんだ…」
ずっと屋敷に閉じ込められていた私は、それさえ知らなかった。そして建物の周囲には、目を輝かせて騎士の人々を見つめる子どもたちの姿があった。
「…子どもたちにも、人気のお仕事なんですね」
「ああ、もちろん!」
子どもたちに負けないほど明るい表情で、嬉しそうにそう言うシュルツ。彼からしても、騎士の存在は皇太子としての誇りの一つなのだろう。
「今の時間ならいるはずだ。行こう」
その場に馬をとめておき、私たちは本部の中へと足を踏み入れる。ここの人たちにはシュルツの顔と立場の情報は共有されているようで、難なく本部に立ち入る事ができた。
「騎士長室は…最上階か」
妙に見にくくて不親切な建物案内図に目を通し、ユナイトさんのいる部屋を確認する。ユナイトさんに会う事どころか、本部の中を見ることすら初めてな私は、体がおかしくなりそうなほど緊張している。シュルツの手を強く握り、なんとか勇気を振り絞る。
…何も考えずに歩いていたためか、ほとんど時間を体感することなく目的の部屋の前へと到着する。過呼吸になりそうな私の姿を見て、シュルツが優しく言葉をかけてくれる。
「…大丈夫だよ、落ち着いて、ソフィア。君は一人じゃないんだ。僕はずっと君と一緒にいるし、ここにはいないジルクも、侯爵も、僕たちを応援してくれてる。僕たちに、力をくれている」
そう言いながら、彼は暖かい手で私の手を包む。私の息遣いが少しずつ、落ち着きを取り戻していく。
「ありがとう、シュルツ。もう大丈夫っ」
彼は頷いて私に返事をし、騎士長室に歩みを進める。扉の前で見張りをしている見張り員の人に事情を話し、最後の準備をする。
「騎士長は、今こちらにいらっしゃいます。お二人のご到着をご説明しに参りますので、少々お待ち願います」
見張り員の人は私たちにそう告げ、ノックをし、返事を確認して室内へと入っていく。その時中から聞こえた返事の声の主が、ユナイトさんその人なのだろうか。私は落ち着いて深呼吸を繰り返し、時間が訪れるのを待った。
そして少しして、見張り員の人が中から戻ってくる。
「大変お待たせいたしました。中の方へどうぞ」
彼はそう言い、非常に丁寧な動作で部屋の中へと手を差し伸ばす。私は一瞬シュルツと顔を見合わせたのち、部屋の中へと足を踏み入れた。
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