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第98話
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――数年後――
「どうだいセイラ、似合ってるかい??」
「はぁ……。どうしてこんなことに…」
「どうしてって、それは僕の運命に神様までもが微笑んでいるからに決まっているじゃないか!きっと神様は女性で、この僕に惚れてゴホッ!!」
セイラは目にもとまらぬ速さで手刀を繰り出すと、調子に乗るラルクの口を封じた。二人の関係性は時間が経っても、全く変わってはいない様子。
「…いったいどうしてお兄様が伯爵になんて…。ほんとに世の中大丈夫なのかなぁ…」
そう、あの一件をきっかけとして伯爵家は完全に崩壊していった。これまではファーラやクライムの失態をライオネルがサポートする形でなんとか体裁を維持していたものの、それももはや通用しないほどの状態になり果てていた。
彼らが伯爵家としての力を奪われたなら、当然一つの問題が浮かび上がる。空いた伯爵の椅子に、誰が座るのがふさわしいか、だ。
本来なら、その親族や関係者が後を継ぐのが一般的。しかし今回の一件はそれを可能としないほど大きな問題となっていたため、いったい誰がそのあとに相応しいのか、大きな議題になっていた。
…そして、満場一致で伯爵の座を引き継ぐにふさわしいものとして名が挙がったのが、ラルクであった…。
「ラルク殿であれば、間違いなく伯爵としての仕事を完璧にこなされるはず!」
「人気も実力も兼ね備えているのですから、何の問題もないでしょう!」
「あぁ、ラルク様の事をラクス伯爵と呼べる日が来るとは…!!」
ラルクの伯爵就任には、騎士団からの強い推薦もあった。ほとんど全員の騎士たちからの信頼と人気を得ていたラルクに、もはや死角はなかった…。
「(それにしてもまさか、お兄様が伯爵につかれるなんて…。伯爵様の元から追い出された時から考えたら、全く想像もできない結末…)」
元いた伯爵家の者たちは、まとめて国外追放となった。あれほどの過ちを犯したものならば、極刑さえも避けられない可能性はあったものの、セイラとラルクの一存でその結末は避けられた。
――――
ラルクの伯爵就任パーティーには、そうそうたるメンツがそろっている。騎士団のトップから財閥の長、貴族の関係者まで様々だ。そしてこのパーティーはただのパーティーではなく、いったい誰がラルクの心を射止めることができるかを争う戦場でもあるのだった…。
「(ラルク様の隣に立つのは、私が一番ふさわしい!!)」
「(ラルク様、逃がしはしませんよ…♪)」
「(私の誘惑に、耐えられるかしら…♪)」
そしてその思いは当然、セイラにも同じものが向けられている。それぞれの思惑が交錯するさなかに生きるラルクとセイラ。たとえ伯爵とその妹という立場になろうとも、二人の未来は相変わらず、周囲を巻き込んで面白おかしく展開されるものなのだろう。
「どうだいセイラ、似合ってるかい??」
「はぁ……。どうしてこんなことに…」
「どうしてって、それは僕の運命に神様までもが微笑んでいるからに決まっているじゃないか!きっと神様は女性で、この僕に惚れてゴホッ!!」
セイラは目にもとまらぬ速さで手刀を繰り出すと、調子に乗るラルクの口を封じた。二人の関係性は時間が経っても、全く変わってはいない様子。
「…いったいどうしてお兄様が伯爵になんて…。ほんとに世の中大丈夫なのかなぁ…」
そう、あの一件をきっかけとして伯爵家は完全に崩壊していった。これまではファーラやクライムの失態をライオネルがサポートする形でなんとか体裁を維持していたものの、それももはや通用しないほどの状態になり果てていた。
彼らが伯爵家としての力を奪われたなら、当然一つの問題が浮かび上がる。空いた伯爵の椅子に、誰が座るのがふさわしいか、だ。
本来なら、その親族や関係者が後を継ぐのが一般的。しかし今回の一件はそれを可能としないほど大きな問題となっていたため、いったい誰がそのあとに相応しいのか、大きな議題になっていた。
…そして、満場一致で伯爵の座を引き継ぐにふさわしいものとして名が挙がったのが、ラルクであった…。
「ラルク殿であれば、間違いなく伯爵としての仕事を完璧にこなされるはず!」
「人気も実力も兼ね備えているのですから、何の問題もないでしょう!」
「あぁ、ラルク様の事をラクス伯爵と呼べる日が来るとは…!!」
ラルクの伯爵就任には、騎士団からの強い推薦もあった。ほとんど全員の騎士たちからの信頼と人気を得ていたラルクに、もはや死角はなかった…。
「(それにしてもまさか、お兄様が伯爵につかれるなんて…。伯爵様の元から追い出された時から考えたら、全く想像もできない結末…)」
元いた伯爵家の者たちは、まとめて国外追放となった。あれほどの過ちを犯したものならば、極刑さえも避けられない可能性はあったものの、セイラとラルクの一存でその結末は避けられた。
――――
ラルクの伯爵就任パーティーには、そうそうたるメンツがそろっている。騎士団のトップから財閥の長、貴族の関係者まで様々だ。そしてこのパーティーはただのパーティーではなく、いったい誰がラルクの心を射止めることができるかを争う戦場でもあるのだった…。
「(ラルク様の隣に立つのは、私が一番ふさわしい!!)」
「(ラルク様、逃がしはしませんよ…♪)」
「(私の誘惑に、耐えられるかしら…♪)」
そしてその思いは当然、セイラにも同じものが向けられている。それぞれの思惑が交錯するさなかに生きるラルクとセイラ。たとえ伯爵とその妹という立場になろうとも、二人の未来は相変わらず、周囲を巻き込んで面白おかしく展開されるものなのだろう。
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(笑)とか♪とかいらない。
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